湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

色の詩パート10

2016-04-29 13:03:23 | オリジナル
私たち湘南文芸は逗子を拠点とする現代詩サークル。毎月詩を書いて詩作のセンスや技術を向上させるというモチベーションをもった地域の人間の集まりです。月ごとのテーマと締切に合わせ毎月1編以上詩を書いて提出し、月例会で批評し合うことを活動の基本としています。ですから作品を提出できなかった時は月例会に出席できません。スケジュールの都合で出席できない場合でも提出作品があれば、会合での批評内容を作者に報告します。3カ月間作品提出がなかった場合は自動退会になります。
メンバーのHは、本業の都合で合評会に参加できなかったり提出できなかったりする時もありますが、締切を過ぎても諦めずにテーマに沿って書いています。
先月のテーマ「色」でHが書いていた詩ができ上がったので、投稿します。

いろ(仮)

飲んだ薬の殻を右置く
また飲んでは今度は左

一日おきに水平になる天秤

ずっと古ぼけたこいつがいいんだと
始終にらめっこをしていた

今は右に肩を落としたままにいる

傾きは色のない時間の始まり
時は色を持たなかった

真っ白な春は水平とは程遠い

三度目になる東風は窓を越え縦横無尽

私は飲んだ薬の殻をそっと置く
古ぼけたやつは不機嫌そうに肩を揺らしたけれど
まだ少し右に傾いたまま

はらはらと舞い降りる花びらは
古ぼけたこいつにとうとう水平を与えた

時と水平は薄紅色に変わる


この詩は5月7日14:00~逗子市民交流センターで開催する合評会で取り上げます。

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