湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

益/害の詩パート4

2020-08-27 20:10:42 | オリジナル
共通テーマ「益/害」でEが書いた詩を投稿します。

片手につかむ

不死とはなんだろうか
死はまぬがれるが
時とともに老いだけは
情容赦なく進むのだろうか
それとも時もとまって
若さを好きなだけ保てるのか

老化が進むとすれば
スウィフトのストラルドブルグ(不死人間)の如く
すさまじい老いを
永遠に生きねばならない

時がとまるとすれば
愛人と至福の生を持てたにしても
子孫は誕生しないだろう
誕生しても
成長を見る喜びはない
二人だけの幸いを坦々と生きる

とすれば不死は思うほど
よいことずくめではない
悲しいかな死があっての生
不幸あっての幸いがあるにすぎない
両手の花はない そのとき
片手だけでも
なにをつかむかが問われる

・・・なに なにもないだって
不運ぐらいはあるだろうが
それをしっかり生きる
それしかないのだ

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