湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

潔いの詩パート5

2023-04-24 09:03:22 | オリジナル
共通テーマ「潔い」でTが書いた詩を投稿します。
「陽だまりの彼女」@大崎公園
絶滅危惧種

電車から見える学校に
もう灯りはつかない
生徒の声も聞こえない
誰もいなくなって一か月
外壁のくすみが急に目立ってきた
いずれ建物もなくなってしまうのだろう

最後のオープンデイに行った
三時間あまりの開放に
それぞれの年代の同窓生が
三千人も集まった
五十六年ぶりに入った校舎には
十八才の私がいて 親しい友人達もいた
先生方も歩いていた

建物があるだけでよすがになった
潔く諦めなければいけないのだ
出生数が私達の頃の三分の一になってしまったのだから
コメント
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