湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

概念と実体

2020-09-05 20:17:22 | 
前回アップした鹿島建設葉山研修センター(旧小田良治別荘)を反対側の表門の方から。

では、8月の合評会で次のEの詩について話し合ったことを投稿します。
バラ

石ころがひとつ
リンゴがいっこ
あなたは この世にただ一人

ところが一(いち)はどこにもない
が どこにでもある
すべてのひとつを一身に秘めて

美しいバラをひとかかえ
花束にして持参しよう
ゆたかで美しい人に

バラはくちるが
思いはバラを秘めて
香りつづける

:作者の弁 :評者の弁
1~2連は数詞を、3~4連はバラを主題にしていますね。
そして1連目と3連目は実体を、2連目と4連目は概念を述べています。
 つまりたった一つの具体的存在と抽象概念、バラを贈りたい絶対的存在とバラに投影された感情という順で書かれているんですね。
「一」についてずっと思っていることから書き出したらこうなりました。
いつものEの詩は概念が勝っているけれど、それだけに終始せずこのように具象・実体を美しく描写する連を加えた方がより深くなっていいと思います。
コメント
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