8月の湘南句会、最高得点は欠席者の次の句。
花野行く転失気(てんしき)一つ空青し
三段切れではあるのですが、転失気(放屁)が開放感たっぷりに意表を突いていて、よかったです。
同じ作者の句で他に点が入ったのは次の2つ。
陽傾き影長くなり花野を急ぐ
下五字余りが惜しい。陽が傾いたから影が長くなった、夕方になったので帰路を急いだ、という理屈になってしまっている点も惜しいです。
情景としてはとてもよく分かります。
紅頭静か花野のナンバーワン
冒頭の「紅頭」がどんな植物なのか分からず、初っ端から鑑賞につまづいてしまう読者も。
作者は吾亦紅(われもこう)のつもりだったそうです。季重なりを避けるために喩えで表現したのでしょう。
破調で、カタカナ語「ナンバーワン」を使ったため軽くなってしまいました。もう少し格調高さや調べのよさが必要です。
いずれも兼題「花野」で詠んだものでした。