湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

底の詩パート3

2019-03-05 12:57:26 | オリジナル
共通テーマ「底」でAが書いた詩を投稿します。

底は天

反撃は無駄
その場に穴を掘って逃げる
わたしの遠近感ではまだ
深く掘れていない
けれど
無視しているように追ってこない
もう選択肢のない判断
垂直方向の逃避が奏効したんだね
位相をずらして接しないことが
唯一の方法だったんだ

しめった穴の底に
無色の花が一輪咲く
毟って捨てると
穴がひっくり返って
底は天井になった
空は見えなくなったけれど
雨露をしのげる

穴はなんども震えてから裏返り
わたしはのたうって変身し
たいして飛べはしない
小さな翼を手に入れ
人とぶつかったり
すれちがったりしながら
居場所のなさを克服する
まだ
海を飛んで越える
ことはできないけれど
コメント
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