湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

冬の詩パート2

2018-11-19 21:57:09 | オリジナル
共通テーマ「冬」でEが書いた詩を投稿します。



子どものころ
夏はうちわが一本
冬はそれが火鉢一個にかわるだけ
特に貧しかったわけではない
ごく普通の暮――
それで通年なんの支障もなかった

一日は朝母におこされてはじまる
しぶしぶ学校へ行く
下校すれば暗くなるまで
遊びまわる
時のめぐりに
春夏秋冬の別はなかった

それがどうだ
生涯という循環の冬をむかえ
ふくらすずめのように
着ぶくれているが
衣服をはげば
骨と皮

かまのふたを開ける
会葬者は唖然とする
なにも骨灰ひとつないのだ
あるのは若いころ
骨折して接骨した金属片が
二つ それだけ
コメント
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