ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『力道山』+クロージングセレモニー

2005-10-31 23:50:53 | 映画
東京国際映画祭も最終日。前日に引き続きオーチャードに向かうと、入り口にレッドカーペットが敷かれ、カメラマンが大挙押し寄せていた。入場してロビーで待っていると、完成と共にフラッシュが。被写体(スタア)側から見ると、こんなに眩しくて昂揚させられるのかぁ。「キレイなお姉さん」こと中谷美紀さまのドレスから覗く背中の白さに息を呑んだ。

席に座ると、舞台挨拶が始まった。壇上の中谷美紀さまは、昔の丸ノ内線のシートの様な色のドレスに、ティアラを載せていた。観音像のような、匂い立つ美しさに双眼鏡を持つ手が震えた。

映画『力道山』も立派な作品だった。主演のソル・ギョングは、体重を20キロも増やし、武藤敬司のドロップキックをモロに喰らってたんですもの!韓国人の監督・主演でありながら、ほとんどのシーンは日本語。よく頑張りました。力道山の人生は、ロバート・ホワイティング著『東京アンダーワールド』を読んで、ある程度知っていたけれど、映像化するとさらにヘビー。間違いなく彼は、戦後日本のヒーローであったし、その分、重責と差別を抱えて生きていたことも、痛々しいほど響いてきた。中谷美紀との神社のシーンが色鮮やかで、数少ない心安らぐ場面でもあり、良かった。さらに日韓合作が増えてくれるといいな。

上映終了後、休憩を挟み、クロージングセレモニーが始まった。司会はジョン・カビラと久保純子。カビラの声があまりにもカッコよくて、場内にJ-WAVEが流れているのかと思うぐらい。壇上にはいろんな人が現れた。中川経産相(今日、農相になったけど)、山田洋次、寺島しのぶ、審査員のチャン・イーモウや桃井かおりなどなど。

そして、東京サクラグランプリには、邦画の『雪に願うこと』が選ばれた。スピーチに立った根岸監督を見て、六本木ヒルズで見たオッサンだ!と気づいた。サインもらっておけば良かったと、激しく後悔。同作主演の佐藤浩市も最優秀男優賞を受賞した。最初から20分押していたのにもかかわらず、40分のセレモニーの予定が1時間20分。どんな計画でやってるんだよ、って一人ツッコミながら、東京国際映画祭は閉幕したのだった。

また来年、どんな映画を私たちに見せてくれるのだろうか。

『オリバー・ツイスト』@東京国際映画祭

2005-10-30 21:05:17 | 映画
渋谷・オーチャードホールにて。

19世紀イギリス、救貧院を逃げ出したオリバーは、70マイルも離れたロンドンへ向かう。ロンドンの街並みは、さすが80億円も掛けただけあって、リアルで説得力がある。それにエキストラの数がとても多く、しかも各々の動きをうまく捌いていて、街の喧噪が伝わってくる。

偉い人や金持ちは、でっぷりとしていたり、爺さん婆さんは、あからさまにヨボヨボだったり、登場する大人たちは、デフォルメされている。つまり、子どもの目から見た姿なのだ。ロマン・ポランスキー監督の前作『戦場のピアニスト』では、絶望的な風景を描いていたけど、今回は、辛い日々の中にメルヘン風味が織り込まれてて、純粋すぎるオリバーが笑いを誘う場面もあった。

そう、オリバーは純粋で聡明。だからこそ、ラストの監獄のシーンで、狂ってしまい許しを請い祈ることさえできなくなってしまったフェイギンを見つめる目はどこまでも悲しげで、彼の負ってしまった運命の重さを感じた。

舞台挨拶では、オリバー役のバーニー・クラークとなぜか神木隆之介が登場。物憂げな目を持つ子役と、動きが女の子チックな子役と。時代が求めている子ども像は、彼らなのかな。

『博士の愛した数式』@東京国際映画祭

2005-10-30 12:35:35 | 映画
小川洋子原作のベストセラー、『博士の愛した数式』の映画化。

事故で記憶が80分しか持たなくなってしまった「博士」とそこに雇われた家政婦と息子の交流を描く。監督は、『阿弥陀堂だより』の小泉堯史。四季の移り変わりが柔らかに映し出されて、心地がいい。雨の日もまたそれを慈しむようなゆったりとした時間が流れる。

寺尾聰演ずる博士は記憶が80分しか持たない代わりに、感情を数式で表す。それを家政婦役の深津絵里は、丁寧にそれを受け止める。彼女も新たな発見をし、それを博士に伝える。彼女の息子ルートもまた、博士を慕い、思いやる。お互いが作用しあう、学びの理想的な姿がそこにはあった。登場する「数式」は、そんなに難しくないし、無機質なものだと思っていた「数」というものが、人間と触れ合うことで、ここまで美しく、有機的なものなんだと気づかされた。ただ、最後の一つの数式は、全くわからなかった。そりゃそうだよな。誰か教えて。でも、博士の気持ちは、伝わってきたような気がした。

なにか、とてつもない事件がおきるわけでもないけれど、スクリーンの中にある空間や時間の雰囲気がとても好きだ。邦画らしい邦画。

舞台挨拶に現れた寺尾聰は、「宣伝費がないのでお友達に勧めてください」。こうやって勧めてますよー。何も考えていないような表情をしておきながら、とても思慮深い博士には、打ってつけだった。名優だね。深津絵里がいなかったのが残念だったけど、彼女も良かった。眉間にしわ寄せてるような役よりもずっと。

『ヒトラー・カンタータ』@東京国際映画祭

2005-10-29 23:49:47 | 映画
東京国際映画祭コンペティション作品。タイトルから分かるとおりドイツ映画。

ヒトラーの50才を祝うための曲を依頼された教授と、その助手についたヒトラーに心酔する女性・ウリスラを中心に物語が進む。ウリスラには婚約者はナチスの親衛隊だったり、教授は実は作曲する気がなかったり、ウリスラはユダヤ人なのかもしれなかったり、ウリスラのヒトラーへの愛が教授に傾き始めたり、教授の奥さんが現れたり……と、いろんな愛憎劇が起きて、正直訳分からなくなってしまった。

そんな中、気づいたことがあった。画面は押さえた色味が続くのだけど、ところどころで、象徴的な「赤」が現れる。一つは、ナチスの赤。もう一つは、女性の身につけている服や帽子、口紅の赤。前者は、好戦的な憎悪と士気を高める色、後者は、愛情や愛しむイメージとして象徴されているのだろう。しかし、女性と男性の愛憎が繰り返されるうちに、二つの赤は混ざり合い、矛盾する感情が共に存在するようになった。

最終盤でウリスラは、青いニットを着ていたのだが、そこから、時代と男に翻弄された女の悲壮を感じた。

ティーチ・インでは、ユッタ・ブルックナー監督と主演のリケ・シュミットが登場。リケさん、端正な顔立ちがお綺麗でした。自分の考えもしっかり持ってたし。監督は、女性の視点から見たナチス時代を撮った作品はほとんど無く、作ってみたい題材だったと言っていた。終了後、監督にサイン頂きました。初めて外国人にサインを求めたので緊張したけど、"May I have your autograph?"の"May I…"って言ったところで、"Yes"と書き始めてくれた。

『カミュなんて知らない』@東京国際映画祭

2005-10-25 23:58:15 | 映画
2000年、愛知県で起きた男子高校生による老女殺害事件。これを基に映画を撮影しようとする学生たちの物語。ほとんどが、監督が過去に教えていた立教大学での撮影。最初のカット、エイサ、エイサと掛け声で走る柔道部員をバックに「黒木メイサ」とキャスト表示していたのを見て、これはギャグ映画なのかと一瞬戸惑った(その後も大学名が「東教大学」だったりした)。

学生たちは、いざ撮影に入る直前になり、「殺人の経験をしてみたかった」と自供した少年は、精神異常だったのだろうかと悩み始める。監督松川は異常だったと断定し、助監の久田は普通だったのではないかと困惑して泣き出してしまう。

ここでふと考える。松川に執拗に迫る恋人のユカリ(正に吉川ひなののハマリ役)は、異常なのか。その松川もユカリから金づるに利用し、他の女と寝るのは、異常なのか。久田も彼氏がいない間に、2人とキスしてしまったのは、異常か。美少女との関係を夢見た教授は、異常か。その裏で糸を引いていた田口トモロヲは、異常か。女の子の肩に手を回すことさえできない男は、異常か。独り言ばかりのヤツは、異常か……。

それらは、ある人、ある側面から見れば、正常だろう。また逆も然り。その感覚のすれ違いの描き方は『アメリカン・ビューティー』に通ずるものを感じた。

老女を殺害するシーンの撮影に臨むクライマックスは、圧巻。虚と実の交互カットで、観る者を混乱させ、深い闇に突き落とす。最後まで個々人の事の顛末を見せず、黙々と血糊を拭き取る学生たちの姿を撮したスタッフロールが、様々な憶測を呼び、後味が悪くも強烈に印象に残った。

上映後のティーチインで、タイトルは思いつきだと監督は言っていたが、「神なんて知らない」と、神無き世に掛けていたのかもしれない。ってダジャレか。柳町監督からもサイン頂きました。

『寝ずの番』@東京国際映画祭

2005-10-24 22:22:26 | 映画
雪路の旦那・津川雅彦改め、マキノ雅彦第1回監督作品。

上方落語、笑満亭の師匠の臨終の場面から始まる。弟子が「やっておきたかったことはありますか」とそばで訊く。師匠は「ソソ(=女性のあそこ)を見たい」かすれた声で言う。こんな感じの下ネタ爆発映画。

亡くなった師匠の通夜のあと、弟子たちは思い出話に花を咲かせる。ついつい調子に乗ってしまい、本当に死人のらくだ踊りをさせてしまうのだ!弟子たちの表情が心底楽しそうで、ついには師匠も目を開け、皆と足を合わせラインダンスを踊り出す(もち、生き返った訳じゃないよ、映像表現としてね)。

その後も、一番弟子、おかみさんが相次いでなくなり、寝ずの番せねばならなくなるのだが、話がちょっとでも感動に傾き掛けると、それを掻き消すようにお色気たっぷりの下ネタ、小唄。安易にお涙ちょうだいにせず、喜劇に徹していて、そこに感動した。久しぶりに腹の底から笑わせてくれる映画だった。

さまざまな顔が登場するキャスティングに於いても、マキノ監督の俳優人生から得たものは大きいだろう。不謹慎ネタ好きの身としては、おかみさんの遠縁役の蛭子さんになって、いつまでも彼らの話を聞いていたかった。

上映後、マキノ監督を見つけサインして頂いた。「津川雅彦」と書いてあった(笑)。『お葬式』を撮った天国の伊丹十三監督も、この映画の馬鹿馬鹿しさに涙しながら喜んでいると思う。

『理由なき反抗』『ジェームス・ディーン/フォーエヴァー・ヤング』@東京国際映画祭

2005-10-23 22:12:41 | 映画
第18回東京国際映画祭が開幕した。今日は2日目、ジェームスディーン特集上映へ行った。

理由は、新作のドキュメンタリー『ジェームス・ディーン/フォーエヴァー・ヤング』のナレーションが、『ザ・ホワイトハウス』のマーティン・シーンだったわけで。しかも来日するという情報も手に入れ、ウキウキ気分で、六本木ヒルズに向かった。

そこで、トラブルが起きた。外の様子を撮影しようと、デジカメの電源を入れると「カードがロックされています」の表示が。SDカードを出して確認すると、ロックするツメが、ポッキリ折れて取れていた。どんなに元に戻そうとも、表示は出たまま。

時間だけが過ぎ、『理由なき反抗』を観た。チンピラとのナイフの突きつけ合いや有名な崖でのチキンレースは、若者ゆえの無鉄砲さにハラハラさせられ、廃ホテルでのロマンスには愛を求め合う二人が眩しかった。たまたま今日は、赤いシャツを着て行ったのだけれど、ジェームス・ディーンも劇中に赤いジャケットを着ていたのが印象的だった。

休憩時間に半分ムキになりながら、SDカードの側部を削っていた。しかし、直らない。これでは、舞台挨拶も撮れない。マーティン・シーンには逢いたい。でも写真は撮れない。そんなジレンマを抱えたまま、舞台挨拶が始まってしまった。司会が紹介していく。監督、ワーナーホームビデオのお偉いさん、ジェームスディーンの従兄弟、著作権管理のエージェント。以上。
え゛~!来ないの!!
憧れのジェド・バートレット大統領閣下ことマーティン・シーンは、ついぞ現れなかった。。。

心の中で泣きながら『ジェームス・ディーン/フォーエヴァー・ヤング』を観た。聞きなれた声のナレーションは、紛れもなくマーティン・シーンだ。ジェームス・ディーンの主演作は3本しかないけど、CMやテレビドラマ、舞台など、様々に活躍していたことがわかる。24歳のとき、ワーナーと10本100万ドルの契約をした直後、車の事故で亡くなった。レーサーでもあった彼が、交通安全PRの番組に出演していた映像も流れ、人生の皮肉を感じた。

自分がもう少しキレやすい人間なら、マーティン・シーンの不在に「理由ある犯行」をしていたかもしれない。

ER9-03「反乱」INSURRECTION

2005-10-22 23:18:29 | ER緊急救命室
今日も今日とて、大混雑のER。薬物中毒の常連患者が、鎮痛剤欲しさに受付で叫んでいる。

ハンチントン病の意識のない患者が運び込まれ、スーザンが治療にあたる。アビーとカーターが口論していると、突然、中毒患者がチェンに銃を突きつけて、鎮痛剤を要求する。アビーは冷静に注射を打ち、患者改め犯人は、なぜかアビーにキスし出て行く。過剰に注射したために、入り口で犯人は倒れてしまったが、カーターの怒りは収まらない。そりゃそうだ、精神病患者にナイフで刺された経験があるもの。勝手に金属探知器を注文する。しかし、ウィーバーにキャンセルされてしまう。もちろん、経費がかかるという理由からだ。

これにキレたカーターは、治療をボイコットし、ストライキを始める。徐々にその輪は広まり、医者、ナース、職員までも「病院の安全」を求めて外に集まる。スーザンが外にいるアビーを呼びに来て、カーターと治療か安全かをケンカしているうちに、ハンチントン病患者の呼吸器のスイッチを母親が切ってしまう。それを察知したスーザンは、黙って再びスイッチを入れる。ここで男声のオペラが掛かるのだけれど、『フィラデルフィア』のワンシーンに似て、悲痛だった。

夜になり、ウィーバーが折れ、金属探知器が導入されるようになった。しかし、彼女はカーターに、ナースの解雇か、深夜のラボを閉めるか、選択を迫る。安全を求めた勝利だったけれど、苦いものだった。今回のストは、命と命を秤に掛ける難しい問題を孕んだものだったと思う。

『メゾン・ド・ヒミコ』

2005-10-22 00:54:43 | 映画
新宿武蔵野館にて。日曜の午後に行ったら立ち見だと言われ、しょうがなく火曜の初回に観た。

家を出て行った父親と、ゲイのための老人ホームで再会する娘・沙織。演ずる柴咲コウの“メイクダウン”が話題になっているけれど、化粧っ気の無さが、より彼女の反抗的で、どこか虚ろ気な目を強調している。

序盤、感情を煩わしいものとしているのか、オフにしていた沙織。対して、入居者は、陽気に暮らしているように見える。しかし、家族や過去の人生への後悔、忍び寄る老いや死の恐怖を各々抱えて生きている。人はどこまでも行っても孤独である、という共通の思いが沙織と入居者に芽生え、その上でお互いの寂しさを転化させようとする。そのことが、沙織がヒミコのことを受け入れようとしたのだろう(和解ではないけれど)。

突如として起こるファッションショーやダンスシーンは、一時でも分かり合えたような感覚をウソでもいいから得たい、という渇望からだろうか。沙織とゲイの春彦のベッドシーンもまた、分かり合えない二人の欲望がすれ違う。こんな切ないベッドシーンは初めて。哀しいけれど、その孤独を埋めようと必死にもがく姿が、どこか人間的で愛おしい。

好きなセリフがある。「ブスっとしたブスなんて、オカマのババアよりも嫌われるわよ!」。
いつも表情を持って生きていこうと思う。ピキピキピッキー!

繋がらない

2005-10-20 10:22:06 | 日々
♪ポケベルが 鳴らなくて~

っていう歌があったけど、今の状況は、

♪サーバーに 繋がらなくて~…

日本シリーズ・マリンスタジアム戦のチケットを狙ってるけど、ぴあのお店じゃ発売しないから、ネットで。次のページが表示されず、「サーバーが見つかりません」。あまりにも非情で、人を小馬鹿にした文言だ。見つからないんだったら、見つけてくるまで帰ってくんな!何度、パスワード入れても、トップページに戻るし。わざわざyahooチケットから迂回してるのにさ。

ああ、2限の授業が始まってしまう。学生室のパソコンからでした。