ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『パコと魔法の絵本』

2008-11-22 00:10:46 | 映画
『下妻物語』『嫌われ松子の一生』を監督した中島哲也の新作。当然、ド派手なCGと奇天烈キャラのオンパレード。ドリカムよろしく「うれしい!たのしい!」まではそう感じるんだけど、「大好き!」とまではいかないんだよなあ。だって、見てて付いていけないだもの。疲れるというか。え、お前がジジくさいだけだって?はい、すみません。30分枠のテレビ番組だったら、丁度良いのかも。

で、やっぱりパコ役のアヤカ・ウィルソンがかわいすぎ。どの表情もキラキラ光線が出てるんですもの。1日しか記憶が持たないことによる、ちょっと、おセンチになるシーンもいい顔つきなんだよな。ダコタ・ファニングみたいな老練っぽい演技でもなくて。他のキャラでは、国村準演じるオカマの木之元が印象的だった。怖い役が多いように思うけど、それとのギャップが笑えるし泣かす。あと、妻夫木が元天才子役の自殺志願者なんだけど、何に対するアンチテーゼなんだか。もちろん、アヤカタンはそんなことにならないでね(切望)。

明日の神話

2008-11-18 08:59:24 | 日々
昨日から渋谷駅の渡り廊下に岡本太郎の「明日の神話」をバイト帰りに見てきた。

まずそのデカさに驚く。縦5.5メートル、横30メートルだそうな。絵の前に立つ警備員が本当に小さく見える。原爆をモチーフにしてるのだろうけど、ピカソのゲルニカには無い、鮮やかな彩りや動きがあって、いろんなベクトルのパワーに圧倒される。彦麿呂の言葉を借りれば、「時空と感情のキュビズムや~」。

ケータイで写真を撮る人が何十人もいたのも頷ける。まあ自分もその一人なんだけど。近づいて見上げるとドクロ部分は少し盛り上がってた。岡本太郎にとってのテーマはどこまでも人間なんだなあ。感想は、小田和正の言葉を借りれば、「言葉にできない」。
渋谷に立ち寄る際はぜひご覧下さい。

二人の死

2008-11-08 12:29:18 | 世間
尊敬する二人の方が亡くなった。

まず、マイケル・クライトン。
『ジュラシック・パーク』の作家として知られる彼は、『ER緊急救命室』の製作総指揮と脚本を書いていた。大学に入学した頃にERと出会い、そのスピーディな展開、人間ドラマに圧倒され、毎日のようにDVDを見る日々が続いた。その後のアメリカドラマにハマるキッカケだった。主人公は人種も立場も違う医師や看護師たち。目まぐるしく変化していく状況の中で、浮き彫りにされる人間性。面白い、と同時にアメリカの抱える根深い病と多様性の社会をまざまざと見せ付けられる。
今シーズンでそのERは、最終回を迎える。まさにテレビ史に輝く金字塔だと確信している。

そして、筑紫哲也。
リベラル=筑紫哲也だと思う。そのリベラルとは、左派だとかそういう狭い了見ではなくて、意見の違う人も少数派の人も一緒に議論しようよ、という雰囲気をつくったということだ。ニュース23を見ると、実に様々な人が出演していた。歴代の首相やクリントンと言った政治家はもちろん、井上陽水や椎名林檎と言った歌手や文化人、「異論反論オブジェクション」では市井の人々の声も掬った。他のニュースに比べて、登場した人の数は格段に多いのではないか。声高に叫び続けるジャーナリズムではなく、ぼくとつと、でも信念を曲げず視聴者に語りかけてきた。

アメリカで黒人の大統領が誕生した。これで人種差別がなくなったなんてとても言えない。でも、確実に時代は動いている。会ったこともないこの二人が、テレビを通じて与えてくれた、多様性を認める志をずっと持っていたい。