ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

君は「キス我慢選手権」を見たか

2008-07-31 01:55:56 | 日々
いよいよ、祭典が始まる。

中国の大気汚染が心配な大都市で行われるあの祭典ではない。東京虎ノ門のテレビ東京から放送されている「ゴッドタン」の人気企画「キス我慢選手権」である。

セクシー女優。便利な言葉があるものだ。同じくテレ東の「やりすぎコージー」的に言えば、モンロー女優、である。その彼女たちが芸人にキスを迫り、それに芸人は一時間耐えられればクリアという、なんとも単純な企画。あの手この手に悶える芸人たちをゲラゲラ笑う。しかし、そのうちになんともキュンキュンするような胸の内。この複雑な感情をどこに持っていけばいいのか。前回は、もう一年も前のことになる。男たちは、この放送のために三百数十日を過ごしてきたのだ。

かつてテレ東には「ギルガメッシュナイト」という番組が存在した。あれがお祭り騒ぎの「動」のエロスだとしたら、これは「静」のエロスだろう。そして、今回の選手権のためのニセ番組が「ギルガメッシュナイト2008」だった。イジリー岡田をわざわざ呼ぶ辺り、新旧合わせたにくい演出だ。

さて、今回のキス我慢選手権は4週に渡っての放送だという。今週は、ブラックマヨネーズの小杉タン対希志あいのタン。序盤はあいのタンの攻めをツッコミながら交わしていた小杉タンも、ボディタッチ攻撃の中盤以降は押されっぱなし。特に、じっと目を見つめたまま、ふいに言い出した「キスしてくれへんの?」。この卑怯としか言いようのない関西弁には、彼も私も撃沈した。

プロだ。プロフェッショナルだ。茂木健一郎と住吉美紀にインタビューさせたいぐらいだ。この選手権には、羽生善治と森内俊之の対決に負けず劣らずの名勝負が過去にある。劇団ひとりタン対みひろタンである。死闘、といってもいいかもしれない。過去3回ともにみひろタンが勝利しているものの、内容的にはひとりタンも向こうを張っていた。今回も最終戦にあるのだろう。楽しみだ。

もうこれは、バラエティではない。ましてや、ドラマでもない。そうこれこそ、男の妄想の祭典である。見逃したならyoutubeで見てくれ。そして毎週水曜深夜には、テレビの前に居ろ。君も、伝説の目撃者となる。

『スカイ・クロラ』

2008-07-29 00:17:35 | 映画
観たのは、もう一ヶ月以上も前です。なぜかうちの大学のあるサークルが、試写会を開くというので行ってきました。映画とは全く関係ない団体だし、うちでそんな洒落たことをやるとは、ちょっと驚きでした。

さて、押井守の新作。ポニョと比べりゃ、グッと大人な映画。数年前の『イノセンス』の溢れ出るようなケレンミの世界でも無し、抑えた色調と演出が淡々と進む。「完全な平和」な時代になった近未来、ヨーロッパのどこか。人々がその「平和」を実感するために、「ショーとしての戦争」が企業によって実行されている。そこに駆り出されるのはキルドレと呼ばれる若い兵士たちだった。

冒頭の空中戦で度肝を抜かれる。画面は三半規管を刺激しつつ、敵機に狙われている焦りを伝える。しかし、そこに空の美しさが加わると、何とも言えない陶酔感に包まれる。なんだ、この感覚は! むろん、人が死ぬ。その事実さえもあまり実感していないような登場人物たちの言動。そのうちに、彼らが「死なない」人間であることが徐々に分かってくる。

いろんな顔をした空がただただ美しい。どこまでも続く空と、どこまでも繰り返すキルドレたちの人生。たぶん、人生という言葉もおかしいのかもしれない。このローテンションの、反復の物語は、「今を生きる」ということを感じようよ、と言葉にせずに伝えようとしているのだろう。作風からストーリーから、ポニョと真逆のように見えながら、メッセージはつまり同じところにある。

『崖の上のポニョ』舞台挨拶付き。

2008-07-25 23:47:01 | 映画
ハヤオ・ミヤザキの最新作の登場でございます。予告編でずーーっと、「♪ポーニョポーニョ…」と聞かされ続けてもう毒されてました。

見た感想は、ずばり、素晴らしい。いや、すんばらしい!まず、ポニョがかわいすぎる。絵で見るより動いてるのを見ると、一発でおうちにお持ち帰りたくなるよ、まじで。ポニョは三段階に変身するのだけど、サンリオのハンギョドン状態の時でさえ、愛らしい。声もいいしね。

ポニョが恋する宗佑は、天然記念物にしたいぐらいの純粋な昭和の子ども。「しめた!」なんてセリフ、お前はカツオかってツッコミたくもなります。対して母親のリサはとても現代的な女性なんだけど、寛容さを持った人。それにしても、宗佑以外の男どもは存在感が薄い。宗佑の父親も、ポニョの父親も、その他の町の男たちも。やはりハヤオの中には女性崇拝というか、女は強いって感覚があるんでしょう。

ストーリーはシンプルなもの。だけど、今回は今までのどのジブリ作品よりもアニメーションに、強弱とか緩急とかメリハリといった部分を前面に出してきた。見ていて素直に楽しい。次はどんな場面なんだろうって。中でも海の表現が圧巻。穏やかな優しい海と、嵐の中のうねりと。ああ、海は全体で生きているんだなと感じさせてくれる。

舞台挨拶で、ハヤオは、鉛筆で作った映画だと言っていた。ディズニーは手書きを捨て、日本の多くのプロダクションもCGで作成している。その中で、改めて手書きの暖かさ感じた。結局は作り手の表現力の賜物なんですね。また、ハヤオは、上映中に地震があったことに触れて、「ポニョがいる」なんて不謹慎発言してましたけど、ハヤオがそう言うんだからそうなんでしょう。いるんです。 それにしても、山口智子の足の細さには驚きました。早く、ドラマに戻ってらっしゃい。

「ポニョ、宗佑、好き」。こんなシンプルな言葉に泣きそうになるのは、あまりにも世の中が荒んでるせい?それとも俺の心が荒んでるから?

こんな時間に、秒速5センチメートル。

2008-07-25 02:43:24 | 映画
近所のツタヤが半額セールをやってたので、シネマライズで予告編を見たまま、ずっと気になっていた『秒速5センチメートル』を借りてきた。そこまでは良かったのだけど、母親に一太郎でプリント作りを命ぜられ、かつアメトークの「餃子の王将芸人」を見てたら、こんな時間に。ふぅ。当日にせずに7泊8日にすれば良かった…。

それでも見たら、これが素晴らしい出来。あまりにもリアルで、あまりにも幻想的。短編3話のアニメーションで、中学生時代から高校、社会人時代までを描いているのです。こんなこと経験してないのに、妙に懐かしく思えてきたり。画面が眩いほどに美しすぎて、缶チューハイ片手に見てる自分がみすぼらしい存在に思えてきたり。

時間が大きなテーマだと思う。一面、残酷なんだけど、時間の流れがなきゃ何も動かない。秒速5センチメートル、ってタイトルからしてそうなんでしょうけど。ハッピーエンドに終わらない、でもそれはダメなことなんかじゃないんだよね。そういうことを一つひとつ感じて行くのが人生なんですね。

はい、そう思わせておいて下さい。

↓予告だけでもご覧下さいまし。

『パリ、恋人たちの2日間』

2008-07-16 23:57:25 | 映画
レディースデーだということを忘れて、チケット買ったら最前列でした。そりゃそうだ。

女、フランス人、35歳。男、アメリカ人、35歳。妙齢の二人は、微妙なベネチア旅行の帰りに、マリオンの実家のあるパリに滞在することに。この映画は、とにかく対立を描いていく。

まず、見せつけられるのは、タクシーを待つブッシュ万歳共和党員をジャックが話術で追いやる。これでいいんだ、と意気揚々なジャックと怒るマリオン。でも、事情を説明されてまたアツアツに。お次はマリオンの両親とジャック。食卓で、奔放な物言いのフランス人と困惑するアメリカ人。ここら辺までは、ハハハと笑いが次から次へと止まらない。

が、マリオンの元カレが登場してきた辺りから、フツーの日本人には付いていけないようなキワドイ言葉がポンポン飛び出してきて、段々と場内が、さーっと引き始めるのが空気で分かった。まるでドキュメンタリーのようなリアルな会話やカメラと人物の近さは、評価できるんだけど。

人生最大の悲劇であり喜劇は、男と女がいること、なんですかね。誰か教えて下さい。

朝倉啓太はジェド・バートレットの夢を見るか?

2008-07-15 00:10:47 | 世間
夏ドラマがぞくぞく始まる中、月9ドラマ『CHANGE』、やっと終わりましたね。シリアスともコメディとも付かない、イライラさせられっぱなしのヒドイ脚本。たぶん、キャストもスタッフも苦笑いしながら収録し続けたのではなかろうか。

最終回、20分以上にわたる「大演説」、生放送だった意味はあるのでしょうか。キム様、涙ながらに語るも内容の陳腐さ加減に閉口。争点がなんにもないのに解散って。総選挙すると800億円掛かるんですよ!さらにビックリしたのは、現職総理が自分自身の地元で選挙活動するとは…。最終回だけでも、挙げたらきりがないぐらいツッコミどころ満載。

対して、『ザ・ホワイトハウス』って、議会とか演説かと外遊とか、表の部分をほとんど描いていないのに、セリフの端々から、アメリカや国際社会が見事に立ち上がって見えるんだよなあ。アーロン・ソーキンの才能にひれ伏すばかりです。

唯一、『CHANGE』で面白かったのは、与党幹部役を中村敦夫が演じてたこと。4年前までは、リアル国会議員だったわけで。しかも、1人会派のみどりの会議代表だったわけで。180度違う立場なのが笑えた。果たして、彼はどんな思いで、この役をこなしたのだろう。