ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

輝く!ピロデミー賞2008

2008-12-31 17:29:01 | ピロデミー賞
レコード大賞は50回だそうですが、こちらはその十分の一、5回目を迎えました。どうぞ発表をご覧下さい。


■映画部門

【今年の十本】(観た順)
『ヒトラーの贋札』
『アメリカン・ギャングスター』
『クローバーフィールド』
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
『告発のとき』
『ぐるりのこと』
『崖の上のポニョ』
『ダークナイト』
『この自由な世界で』
『ブラインドネス』

今年の印象としては、「人間の暗部」を描いた作品が多かったこと。
その暗さもさまざまにあるわけで、『ダークナイト』の徹底した悪役もあれば、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の尽きぬ欲望が生み出す破滅、『告発のとき』『この自由な世界で』が描く現代社会、国家が作り出してしまった「見えない怪物」もある。
そう考えると『アメリカン・ギャングスター』はヒールでありながら、実は弱者の味方だったのではないか、この世の複雑さを改めて考えさせられました。

【最優秀女優賞】
永作博美 『人のセックスを笑うな』ユリ役
とにかく自由で奔放で、無邪気なあの笑顔にコロリとやられる。とてもとても付き合いきれません。

【最優秀男優賞】
堺雅人 『クライマーズ・ハイ』佐山達哉役
見たこともない精悍な顔つき。彼の役幅の大きさに気付かされた。

■ドラマ部門

【国内ドラマ賞】
『あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機』
ドキュメンタリーと併せて、現在の日本にも通じる巨大な問題が浮かび上がった。

【海外ドラマ賞】
『ザ・ホワイトハウス5』
脚本のアーロン・ソーキン降板後のシーズンだけど、やっぱり面白い。

【最優秀女優賞】
該当者無し

【最優秀男優賞】
該当者無し

…っていうか、なかなか見る気になる連続ドラマが無いんだよなあ。原作モノばっかりで。『風のガーデン』で倉本聰が、次のフジのドラマで山田太一が一線から身を引くみたいだけど、オリジナル作品に力を入れて、しっかりとしたホンを書ける人を育てて下さい。


■ゴールデン・タンジェリン賞(略してタジー賞)
 最も「アレ」な感じの作品と俳優に贈られます。

【タジー作品賞】
『明日への遺言』
『少林少女』
前者は映画的表現に欠けていて魅力が無かったこと、後者は言わずもがな。テレビ局は本業に専念しろ!

【タジー女優賞】
沢尻エリカ
今年も終盤の追い込みで受賞。彼女は何になりたいのでしょう?

【タジー男優賞】
木村拓哉『CHANGE』
企画、発想も酷い。同じ政治ドラマでありながら『ザ・ホワイトハウス』の対極にある。最終回、キム様の20分の大演説に大シラケ。

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映画に負けず劣らず、「暗い」ニュースばかりの年末ですが、来年が皆さまにとって良い年でありますように祈っております。では。

聖夜の時事砲弾

2008-12-25 01:00:16 | 世間
今日は年賀状を作ろうとしたら、パソコンが起動しなくなった…。まあ、そんな日もあるさ。一年半ぶりに時事砲弾してみます。


■夕方に突如速報された飯島愛死亡のニュース。驚いたことには驚いたけど、一番恐れおののいてるのは若槻千夏だと思う。

■加護亜依にしろ泰葉にしろ若ノ鵬にしろ、背後で煽っているのは同一人物じゃないかと勘ぐってしまう。

■椿姫彩菜ってテレビに出てきて半年ぐらいなのに、VTR時のワイプ顔が完璧で、なんか腹立つ。

■俺サンタの苦悩。自分へのクリスマスプレゼントをミニノートにしたのはいいけど、HPmini1000はクチコミの評判悪く、ASUSのEeePC S101にしようかなって思ってたところに、VAIOのサイトにティザー広告が…。いつ買えるんだろ?

■東金市の事件、容疑者をカラオケ店に連れて歌わせるのは取材なのか?TBSの「美人記者」さんよー。(って、もうこの事件そのものが過去のものになりつつある…)

■「この後、スタッフがおいしくいただきました」。そんなテロップ出して、本当に砂だらけになったそのシュウマイ食うのか!?

■PS3はけっこう発熱する。

■あらびき団スペシャルのゲストに中田カウスが。その笑顔がむしろ、怖い。


麻生ネタは出尽くした感があるので見送り。まあ、次の時には政権代わってるだろうけど。

『WALL・E/ウォーリー』

2008-12-19 15:48:37 | 映画
おぼっちゃん、お嬢ちゃん、寄ってらっしゃい見てらっしゃい。ピクサー印のアニメが始まるよ。

時は29世紀、人間が汚染しつくした地球に1台のゴミ処理ロボがせっせと働いておりました。名をウォーリーと呼ぶそのロボットは来る日も来る日も、ゴミを集めては積み上げ、何か面白そうなものがあれば「我が家」持ち帰って楽しんでいるのであります。今日も帰ってきては、ハマっているミュージカル映画の『ハロー・ドーリー!』を見ては踊っています。さてさて、そんな日々の中轟音とともに現れたのが、白のツルンとしたロボット・イヴ。一目ぼれしたウォーリーは近づこうとするものの…。このイヴ、かなり極度のツンデレまたはドS嬢なのであります。そして舞台は脱出した人間たちのいる宇宙船へ…。

物語としては、毎度おなじみ星新一先生の作品を3,4話集めて甘く煮しめました。みたいな感じです。ジャングル大帝をいとも簡単にパクったディズニーですから、キレイにまとめてそこらへんはお手のもの。そつがありません。ウォーリーたちには「言葉」が無いけど、動きや表情で感情(ロボットに感情なんて…という野暮なことは置いといて)がビシビシ伝わってきます。往年の曲や物をさり気なく登場させて、未来なのにレトロ感いっぱい。地球に一人ぼっちっていう叙情的な感じがよく出てて、やっぱりうまいなあって感心してしまうのです。細かいところみるのにもう一度見てもいいって思える。

宇宙船の中の人間たちは、歩くこともままならないぐらい丸々と太っていて人形みたいなんだけど、ロボットたちはウォーリーを筆頭に巧妙な金属感があって。人間楽してると、リアルさを失うぞって言う文明批判なのかしらん。まあ、ウォーリーが充電されたときの効果音がMacOSの起動音なので、あの「帝国」に対する批判の方かもしれないけど。

『その日のまえに』

2008-12-14 22:51:35 | 映画
公開2週目だというのに、ガラガラのアミューズCQNにて。

永作博美演じるとし子は、南原清隆演じる売れっ子イラストレーターの夫と新婚当初に暮らした街・浜風に出かける。とし子は余命わずかだと告げられ、「その日」の前に、日帰り旅行に行きたいと言い出したのだった…。

でもね、ここからがほとんどの人が面食らいます。浜風の街は行ったり来たりゴチャゴチャに展開するヘンテコなところで、入った喫茶店でも狂ったような場面に出くわすわけで。ケレン味とは違うんだろうけど、大林節というか、あっけにとられてる間に物語は進んで。

で、やっぱり永作はイイ。死を宣告されても「日常」を生きたいと願うその健気さが、その華奢な体全体から伝わってくる。とし子の出身は岩手で、物語のテーマに宮沢賢治があって、それが前半の海の話と絡み合っていく様が見事。ほとんどのシーンでチェロの曲が薄く掛かっていて、ああこの物語は長い長い一遍の詩なのだなと気付いたときには、涙が頬を伝ってました。トドメはとし子が看護婦に預けた手紙。あんなこと書かれたら、、、

ナンチャンは下手ってほどではないけど、うまくはないです。まあ、それよりなにより、もう芸人ではないのね、彼は。