ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『ラッキーナンバー7』

2007-01-29 00:48:22 | 映画
新宿ジョイシネマにて。原題は『ラッキーナンバースレヴン』なのにね。

『ブラックダリア』のジョシュ・ハートネット主演。陰惨な暗殺のシリアスなシーンから物語は始まる。ところ変わり、ジョシュ演ずるスレヴンは、不運に継ぐ不運の連続。ここら辺は滑稽。終いにゃ、人違いによって裏組織に連れ去られてしまう。しかも暗殺計画に手を貸せと。

ブルース・ウィルスとかモーガン・フリーマンとかベン・キングスレーとか、いろいろ知ってる顔がたくさん。その中でひとつ発見したのが、ルーシー・リューって意外とちっちゃいのね。女スパイかなんかだと思ってたら、今回の役どころはスレヴンの彼女になっちゃう検死官。ナンか変なポジションで、何か裏があるだろうとずっと疑って掛かってた。結局、そーでもないし。

たぶんヒッチコック的な「巻き込まれ型」の映画って言う人がいると思うけど、「巻き込ませ型」だったのね。テンポ良く、二つの組織の対立もスリリングでそこそこ面白かったけど、なんかしっくりこないものが。オチが「そこかよ!」みたいな。あと、ブルース・ウィルスは怖い感じを通り越して、ストーカー的なキショさを醸し出しておりました。

世界ふれあい街歩き

2007-01-25 23:58:39 | 好きなもの
自分の「好きなもの」を徒然に書いて紹介していこうかなと思い、新しいカテゴリーをつくってみたりして。

一つ目は、「世界ふれあい街歩き」というドキュメンタリー番組。NHK総合で水曜日の深夜0時から放送しております。

いわゆる世界各国の都市を巡る紀行モノなんだけど、「旅人」は画面に登場しない。代わりに各回違った人が会話するようなナレーションを付けている。往年の「クイズところ変れば!?」のような。さらに特徴的なのは、ステディカムというカメラを使い、滑らかでまるで自分が歩いているような一人称の視点で、街の中を散策する。

前回はフランスのアルル。巨大なコロシアムから始まり、公園でゲームに興じる人々、学校で伝統的な笛の練習する子どもたち、古くからの住宅に住む夫婦…。人とのふれあいが、心地よくて。

眠る前のひととき、ちょうどいい時間帯。ゆったりした気分になれる。温かいお茶でも用意して、ちょっと一回観てみて。
http://www.nhk.or.jp/sekaimachi/


…NHKで思い出した。春の海外ドラマ新番組の中にまたもや「ザ・ホワイトハウス5」の名前ナシ。もう二度と放送する気は無いのなら、そう言ってほしい。CSに押しつけたのか?総合で「デスパレートな妻たち」が始まるのはいいんだけどさ(それにしてもこの邦題はないよな)。
http://www3.nhk.or.jp/kaigai/2007spring/index.html

『不都合な真実』

2007-01-24 00:50:05 | 映画
まず。ゴア、老けたなぁー。
最後に見たとき(6年前の大統領選のときかな)と比べて太ったし、白髪も増えたし。よく言えば貫禄が出てきたといえばいいのか。

内容としては、地球温暖化はいかにして始まり、それが急速なものなのかを画像やグラフを使ってゴアが解説する講義的なもの。その時々に「欧米か!」的なジョークを交えつつ、いかに現実の環境が危機的なもので、人間が対策を取らなかったのか追求していく。

さすが政治家だけあって、上手いんだわ。聴衆に語りかえるのが。みんなに話しているはずなのに、「私」に語りかけてくるような感じ。映画では、彼自身の生い立ち、失敗や挫折、教訓といったものを講義の間に挟みこむ。

地球温暖化、環境問題に真剣に取り組むことに異論は全くないよ。けど、これが他の政治的なことだったら、批判的に話を聴くことができるだろうか。ゴアみたく見事な講演されてしまって、感情に訴えかけられたとき、思わず鵜呑みにしちゃうかも。「そのまんま東知事」が宮崎弁で話している様子を思い出しながら考えた。

『硫黄島からの手紙』

2007-01-16 22:27:19 | 映画
今年一本目は、クリント・イーストウッド『父親たちの星条旗』と対を成す硫黄島戦を日本側から描いた作品。前作が、戦場と帰還後の日々とのクロスオーバーして、かつ主役が3人いたことからみると、こちらはシンプルなストーリー。

渡辺謙が演じる栗林中将は、アメリカに行ったこともあるインテリで、「非国民的」なことを口走ってしまった二宮が鞭打たれているところに現れ、これを助ける。ははあ、こんな軍人もいたのかと妙に感心していると、やっぱり彼は、部下から変人扱いされている様子。戦艦大和の臼淵大尉とイメージがかぶる。戦闘が起こるまでのある種、のどかな様子をじっくり描いているのが、特徴的。それが後半の、日米の国を越えた惨さを際立たせている。

たぶん、二宮は現代の若者をイメージしているのだろう。最初のうちは、どうせ死ぬんだと漠然としたものしかない。それが、いざ戦闘に臨み、仲間の自決を見、いよいよ死がリアルなものになっていく過程をうまくだせてる。『宇宙戦争』でトム・クルーズの息子が軍に加勢したときよりも。渡辺謙の最期を目の当たりにし、ストンと涙を落とす、あのタイミングは絶妙。

ゴールデン・グローブ賞の作品賞を獲ったようで。アカデミーも狙えるのかな?ただ、文句をつけるとしたら、本編の前後に、今の硫黄島の発掘作業現場を映して、現代に繋がっている的な演出をしてるけど、それは、彼らの物語を「かぎかっこ」に入れてしまっているようで、むしろ、単に過去のお話になってしまうんじゃなかろうか。最近、この手法良く使われてない?あんまり好きじゃないなあ。