ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

そして、目覚まし時計は鳴った。

2009-08-31 00:56:16 | 世間
選挙というと、忌野清志郎の「目覚まし時計は歌う」を思い出す。いつぞやの選挙前にニュース23で歌ってた。兎にも角にも投票しようぜ、と。一票で何が変わるんだ、と言われればそうかもしれない。けど、自分の気持ちはずいぶん違う。誰にどこに入れるか、考える。当選した議員の動きを見る。新聞を読む、テレビを見る、話す、聞く。そこからまた考えて一票入れる。このサイクルって、必要でしょ?

さて、政権交代が確実になった。自民党が(というか小泉さんが)郵政民営化というシングルイシューで臨んだはずの総選挙。そこで得た2/3の議席をずいぶん他のことに流用してきた。4年間を付託する選挙だから、その議席をフルに活用するのは、制度上問題はない。でも、やりすぎれば人心は離れる。それが今回の結果だろう。そう考えると、小泉さんは絶妙な身の引き方だった。息子への世襲も成功したわけだし。

消極的選択の結果が民主党だったと言われる。それはそれでいいじゃない。選挙にベストは無いわけで、いかにベターを選んでいくかが大切なんだから。公約というのも確かに重要。加えて今回一番、政権交代で意味があるのは、緊張感が生まれることにある思う。その昔、社会党は議席の過半数の候補者を立てなかった。つまり、増減はあるにせよ、いつまで経っても自民党は与党のまま。野党は野党のまま。官僚も同じ関係の中で仕事してきた。右肩上がりの時代はそれで良かったかもしれない。でも、いくらきれいな水でも滞留すれば澱むわけで。もはやこれではムリだと言うことが見えてきた。攻守が変わることで新たな緊張関係が生まれて切磋琢磨良い刺激になると思う。

これで勝った民主党にも、負けた自民党にも、小さな党にも、官僚にも、そして国民自身にも、全ての人に目覚まし時計が鳴った。エイヤと起きて元気に働くか、二度寝をするか、さあこれからだ。


で、答え合わせ。NHKは○~○議席みたいな甘っちょろい予測だったので失格。

      自/公/民/共/社/国 の順
正解  119/21/308/9/7/3
日テレ  96/23/324/10/8/4
TBS  97/20/321/12/11/3
フ ジ  97/22/321/12/10/4
テレ朝  106/23/315/12/7/3
テレ東  98/18/326/10/9/3

こうしてみると、自民が20議席以上少ない局がある。逆に民主は予測より減らしてる。これって、期日前投票の関係なのかしら。優勝を決めるとしたら、一番多く出口調査したテレ朝ということで。自民100議席以上を唯一当ててるし。ビリは日テレにします。ハズレてるし、イモトのゴールを途中で挟むし。ま、視聴率は民放トップなんだろうけど。

『ボルト』

2009-08-27 22:58:02 | 映画
たまたま、世界陸上でウサインボルトが世界新を連発した直後に見ました。超人的(超犬的)能力の持ち主という共通点はありますが。ディズニー自社制作初の3Dアニメ。

ボルトはSFドラマに登場するスター犬。本当にドラマが現実だと思いこんでおり、ある日、弾みで外の世界に出てしまい…。最近のCGアニメってこういう展開多いね。想像や理想の世界に現実を突きつけるような。『シュレック』しかり『ウォーリー』しかり。まあ、大人も子どもも楽しめるのを目指すとそうなるんでしょうが。あ、場内の子どもが「こわいよー」を連発してたから、子どもに取っちゃそうでもないのかもしれないけど。

ボルトは正義感に燃えるばかりに、リアル世界では空回りばかり。そこに現実の厳しさを教えるネコのミトンズ、ボルトのファンのハムスター、ライノが加わる。ブレーメンの音楽隊ってこんな感じだったっけ?三者三様の性格と動きが良くできてます。そうそう、イヌってこんな表情するよなあって、妙に納得したりして。吹き替え版で見たけど、主要3匹の声に及第点はあげられると思います。

『サブウェイ123/激突』

2009-08-21 11:17:59 | 映画
中野サンプラザでの試写会で見ました。『サブウェイパニック』をトニー・スコットがリメイク。地下鉄指令官役のデンゼル・ワシントンとは『マイボディガード』で一緒だったけど、あれはエグい映画だったなあ。

ジョン・トラボルタたち犯人グループは、運転士を脅し地下鉄をハイジャックした。地下鉄ペラム123号の異常に気が付いたデンゼルは、無線連絡を受け交渉役になってしまう。犯人たちは1000万ドルの身代金を要求。ここでニューヨーク市長が登場するのだけど、緊張感漂う中で市長が登場するのだけど、なんだか間の抜けた皮肉屋で笑いを誘う。そこら辺の緩急がうまい。

1時間以内に届けないと乗客を殺していくと言われ、市警はパトカーをフルスピードで飛ばす。これには、動きのない地下鉄内と司令室以外にアクションシーンを入れたいという意味があるのだろうけど、市長の「ヘリを飛ばせばいいじゃないか」というセリフに、吹き出してしまった。脚本家に言え!(笑)

乗客に子どもがいたので、絶対助かるという担保があるにも関わらず、トラボルタがぶち切れたりしてけっこうハラハラ。そこに、彼とデンゼルにある種の共通点があって、単なるパニックモノになってないのもちょっといい。ただ、デンゼルの終盤の行動はよくわからない。あとは警察に任せればいーじゃない。

『バーダー・マインホフ -理想の果てに-』

2009-08-20 00:27:16 | 映画
1970年前後に数々を起こしたドイツ赤軍。バーダー・マインホフとはその中心人物の2人の名前をくっつけたグループ名。若者の怒りが狂気に変化していく様を描く。

冒頭の警官とデモ隊の衝突シーン、エキストラを含め、すごい人、人。当時の映像と見紛うばかりに生々しい。そして、とにかく登場人物が多い。洋画にありがちだけど、人物の名前が分からなくなる。しかしどうも、制作側の意図もそこにあるらしく、凄まじい暴力と混乱を表現したかったよう。確かに仲間内の会話シーンとかはあるのだけど、誰が何を言ったか考えたか、というようなことの印象は薄い。

若者が社会変革を訴えるのは当然なことだとして、その熱狂の結果が暴力に訴えることになってしまったのは悲しい。しかも、初期のベトナム戦争を止めさせるといったようなことから、後半には破壊それ自体が自己目的になってしまっていた。リーダーを失ったグループは統制を失い迷走していたのだ。刑務所でバーダーが言う「俺たちを捕まえたからこうなったんだ」というセリフは、半分正しく半分間違っている。

日本の赤軍もそうだけど、彼らの起こした事件は、彼ら自身の悲劇的な結末にも繋がったが、以降の若者のしらけ世代の出現を許した。このことは良い悪いの問題ではないかもしれない。でも、もう少し社会のこと未来のこと考えようよ、若者。平日の午前に行ったせいか、初老の男性が目立った。彼らの世代を感傷に浸らせるだけではもったいない映画だったと思う。

24シーズン7:破(上)

2009-08-10 23:15:11 | 24-TWENTY FOUR-
14時から18時。次なる標的が化学工場だと分かったときには、すでに残り15分。大気中に放出されれば、甚大な被害が出る。FBIから工場へ連絡が入るのだけど、電話を取った管理のおじさんは、並々ならぬ責任感の持ち主で、登場した途端に死亡フラグが立ってた…。他にも、デュバクの彼女も出てきた瞬間から役回りが透けて見えてしまって…。

デュバクを追い詰めるジャック。そして、お決まりの如く逃げられるジャック。悩むジャック。政府に協力を求めるジャック。いつぞやも見たような。軍事行動を進める大統領。撤退を突きつけられる大統領。旦那が拉致られる大統領。「テロには屈しない」大統領。これもデジャブ?

変化があったとすれば、ジャックはもはや痛みを感じない人間になってしまったようなので、その分、ルネが苦悩しまくります。ジャックに当たり散らします。そこら辺の役割分担がはっきりしてるかなと。

さてさて、18時前、事件は収束方向へ。あれ、まだ十数時間残ってるのに。ってそれはジャックたちには関係ないことか。とか思ってたら、トニーが新たな情報を持ってきましたよ。この感じ、シーズン1の正午に近い状況でした。

『それでも恋するバルセロナ』

2009-08-08 23:40:36 | 映画
ウッディ・アレンの新作。バカンスに出かけた映画監督志望のクリスティーナと大学院生のヴィッキー。バルセロナで出会った画家のフアンとひと夏のアバンチュール。グダグダの三角関係に新たな人物が…。

物語前半はクリスティーナ役のスカーレット・ヨハンソンの唇にうっとりさせられながら、なぜ女はアブナイ男に惹かれるのか、を見せ付けられる。3人を巡る事態はころころ変わっていく。こうしたらこいつはどうするだろうとニヤニヤするウッディの顔が浮かぶ。彼の妄想が炸裂するのが、中盤を過ぎ、強烈キャラで登場するペネロペ・クルス。スペイン語で捲し立てる姿に「怖えー」しか出てこない。ややこしくややこしくしたさきに行き着く、別れの秋。たとえ自分は一生懸命でも、他人からは笑われてしまうこと、そんな人の愚かさ、いじらしさを見たような気がした。


さて、のりピー。「酒井法子」と「容疑者」のあいだには一億光年ぐらい距離があったはずなのに、今や見出しに数ミリの間隔しかない。見慣れない組み合わせにまだ目を疑うのだけど、出頭して認めてしまったのだから…。これだけの転落人生、なかなか無い。ぜひ、実録ドラマとしてやってほしい。主演は「新・星の金貨」でヒロインだった星野真里がいいと思います。いや、この間テレビに復帰したばかりの小向美奈子かな。それにしても、のりピー、なんであんな男と結婚しちゃったんだろう。この映画見ると、ちょっとだけその理由が分かったような気がした。

『ディア・ドクター』

2009-08-04 00:33:18 | 映画
『ゆれる』の西川美和の新作。過疎の村の診療所に赴任した伊野は、村人から「神様仏様」以上に感謝されながら、診療に精を出していた。そんなある日、伊野はスクーターに乗ったまま失踪してしまう。

鶴瓶演じる伊野は、村人に信頼されながらも、その実態が見えてこない。どこの、誰なのか。皆よく分からない。でも、「いいお医者」なのだから良いではないか。そんな言葉に出てこない暗黙の了解が伝わってくる。端的に分かるのは、倒れたおじいちゃんがいよいよ往生というシーン。息が止まった時、家族と伊野との無言の同意で、挿管しようとした研修医の相馬の手を止めさせる。ここには大病院にはない、死生観があるのだ。

ある嵐の晩、運ばれてきた患者はひどい骨折と共に気胸で苦しんでいた。伊野は困惑する。看護師の大竹のサポートで事なきを得るのだが(余貴美子の目の演技が素晴らしい!)、伊野は何者なのか、ますます疑惑はふくらむ。それを知ったとき、観客もまた共犯者になる。ここがこの映画のキモで、どちらともつかない感情が胸に残る。後に、八千草薫演じるかづ子は、「あの男はなにをしてくれましたか」の問いに「なんにも」と答えた。裏腹にその口元には笑みがある。伊野と共有した何かがそうさせたのだろう。

偶然とはいえ、映画が公開されたのは、選挙の夏。医療、とだけで片付けられる問題ではないけれど、「Dear Voter」というメッセージだと思って一票を投じねば。

『サンシャイン・クリーニング』

2009-08-02 01:22:04 | 映画
生活に困ったシングルマザーが事件や事故現場の「クリーニング」業に手を出すお話。『リトル・ミス・サンシャイン』のチームが作ったとか。

あらすじだけ聞くと『おくりびと』をイメージする。人が亡くなった後のお世話という点では、この映画でも同じ。でも、死体は片付けられた後の、血の飛び散る現場をクリーニングするわけで、死者に対する厳粛な雰囲気とかとは距離がある。

その分、こっちは個人の(というより社会の?)危機的状況をいくつも重ねる。そして、最後までそれらはほとんど解決しない。つい、オイオイ、と思ってしまうのだけど、『おくりびと』があまりにもトントン拍子で、周囲の偏見や父親との確執といった問題をクリアして行ってしまったので、むしろこっちの方が現実的なのかも。珍しい仕事を題材にしながら、主題はそこにはないみたい。

主演は『ダウト』で褒めたエイミー・アダムス。目元に妙齢感が出てます。お父さん役のアラン・アーキンは、アカデミー助演男優賞を獲った『リトル~』の時ほどファンキー感がないけど、いいおじいちゃんっぷり。同じく『リトル~』でチョイ役を演じたメアリー・リン・ライスカブ(24のクロエ)が今回は結構大きい脇役。出てきた瞬間、笑ってしまったよ。