ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『大統領の理髪師』

2005-06-30 23:14:19 | 映画
ゼミが休講になって2コマ空いたため、下高井戸シネマにて鑑賞。

1960年の韓国。大統領公邸のある町で理髪店を営んでいるハンモは、ひょんなことから、大統領の理髪師として、公邸の出入りを許される。国家元首である大統領と、その正反対にいる末端の理髪師とのやりとりというアイディアは秀逸。実際に髪を切る場面でも、2人のギャップの滑稽さに、観衆は吹き出してしまう。

ユーモアを交えつつ、庶民にとっては、辛く厳しい時代だったことも伝える。北朝鮮のスパイ潜入事件を下痢騒ぎと結びつけたり、ムチャクチャな軍事政権の実態を茶化す。教育を受けられなかったハンモは、その状況も分からず右往左往する。

ハンモ役のソン・ガンホは、決して二枚目ではない。しかし、時にいいかげんだけど、人情を大切にする人間の役にこれほど打ってつけな役者はいない。息子に危害が及ぶと、人が変わったかのように叫び、そして、息子に尽くそうとする。終盤近く、大統領の肖像の目を削り取ろうとする場面の、戸惑いと決意を含んだ表情なんか、とても巧い。好きな役者の一人だ。

ひとつの場面にも、笑いあり、涙あり、厳かさあり、ケンカあり、様々な感情が渦巻いていて、向田邦子のドラマの様にも感じた。ちょっと凶暴なところもあるけど。

現代史の中の市民を描いた『フォレスト・ガンプ 一期一会』『グッバイ・レーニン!』に並ぶ傑作。時代や体制は変わっても、家族の繋がりの大切さは変わらないんだなぁ。

『50回目のファースト・キス』

2005-06-27 19:09:22 | 映画
口にするのがこっぱずかしいタイトルだけど、楽しく満足して観られました。

舞台はハワイ。水族館で獣医をしているヘンリーは、カフェで美術教師のルーシーと出会い、いい感じに。しかし、ルーシーには1年前の事故によって、今日のことは明日覚えていないという記憶障害があった。毎日毎日、事故の起きた父親の誕生日を繰り返すのだ。

あの手この手でどうにか一緒になりたいヘンリーと、娘の幸せを邪魔されたくない父親と弟との応酬も楽しいし、無謀のようなヘンリーの挑戦に応援したくなる。「人間は記憶の中で生きている」という言葉を誰かが言ってたけど、そのことがとても実感できた。

記憶障害という、ともするとしんみりムードになってしまうような題材だけれど、全体通して、コメディータッチで笑いながらも、みんなの優しさにホロッとさせられるあったかい映画。ハワイの風景と脇役がいい。ドリュー・バリモア演じるルーシーの屈託のない笑顔もいい。いままで、「あべこinロス」とか「バリモア関」とか呼んでゴメン。f(^ー^;

記憶と恋愛を描いた作品だから、『エターナル・サンシャイン』と両方観てもらいたいな。ああ、やっぱりこんなところで暮らしたーい!

Alone in Iz World
Israel Kamakawiwo`ole
Big Boy

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↑ラストシーンで、『Over the Rainbow』のウクレレ演奏のカバー曲が流れるんだけど、ERのマークグリーンが亡くなる回(ER8-21『託す思い』)でも使われてた。だから、聞こえてきた途端、涙が溢れた。(いわゆるパブロフの俺)

ワーナーが憎い。でも好き。

2005-06-23 22:10:01 | ER緊急救命室
ワーナーが、ERとフレンズとソプラノズのソフトシェルDVDを3ヶ月連続でいままでの半額(2615円)で販売する模様。

http://www.whv.jp/softshell/softshell01/
http://www.whv.jp/softshell/softshell02/
http://www.whv.jp/softshell/softshell03/

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050614/whv.htm

ヤフオクでERのソフトシェルを3500円とかで中古を買いそろえてたのに…。(T.T) アマゾンでも値下げの動きがあったし。まぁ、新発売のシーズン9もこの値段で出るみたいだからいいけど(しかもいつもより発売時期が早い)。ソプラノズも買ってみるか。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』

2005-06-22 13:10:09 | 映画
28年の歳月をかけた6部作の完結編。
最初に言っておきますが、バイト先で試写を観る為に、あわててエピソード4,5,6を観たにわか仕込みです。そんな自分でも十分楽しめた一級のエンターテインメント。

最初のシーンから圧倒された。戦闘機での撃ち合いで(にわかファンなので表現が拙いです…)切り替わりが多く、危うく酔いかけたが、こんなに心地のよい3D酔いが過去にあっただろうか。

映像の美しさもさることながら、今回の主題である、ダースベーダ―の誕生の物語もガッチリこちらを引き込む。アナキンは、ジェダイ評議会から蚊帳の外にされ、次第にパルパティーン議長に近づいていく。最初、パドメとの愛を守ることを理由に議長の手先になったにも関わらず、自分の力に自信を付けると、それを試すかのように人々を殺傷していく。

「愛」は単なる隠れ蓑だったのか?裏切ったのはジェダイの方なのか?目の色まで変わりダークサイドに堕ちてゆくアナキン、パドメの「自由は死んだ」というセリフや、ヨーダの苦悩する表情、出番はちょっと少ないけどC-3POやR2-D2(今回はカッコイイ)の掛け合い。この映画には人間ドラマの全てが詰まっている。ローマやヒットラーのドイツ、そしてパックスアメリカーナという「帝国」を想像してしまったのは考えすぎだろうか。

物語が終わると、「ルーカス最高!」と心の中で叫びながら拍手をしていた。(ルーカスで思い出したけど、どうも出演者として出てるみたいね。これから観る人は探してみて)


Star Wars, Episode III: The Revenge of the Sith [Original Motion Picture Soundtrack] [Includes Bonus DVD]
John Williams, John Williams, London Symphony Orchestra
Sony

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↑観終わってすぐにHMVでサントラ買ってしまった…。

盧武鉉大統領とピロシの繋がり

2005-06-20 18:11:27 | 世間
当たり前だけど、盧武鉉大統領に会ったことはない。
今日、我が国の首相が会いに行っている。

で、そのニュースをよく見ると、大統領の後ろにいるメガネを掛けた女性の通訳が映ってると思うんだけど、なんとその方は、ピロシの韓国語の先生だった人なのです!

大学1年の時、第二外国語の韓国語の授業で担当していたのが、この徐先生。前期だけで韓国に戻って、外務省に入り韓日の通訳になったみたい。そんなすごい人から韓国語習ってたのに、聞き取りさえまだまだ。。。

ということで、盧武鉉大統領と徐先生とピロシの繋がりっていう話しでした。


追伸:記者会見で、大統領の「低いレベル」の合意という言葉を訳さなかったって、ニュースで流れてたけど、一つ一つの翻訳が取り上げられるのだから大変だよなー。

ワイヤレスマウス&キーボード

2005-06-13 22:42:40 | 日々
買っちゃた、買っちゃた♪
ワイヤレスって気持ちいいー!ムダに遠くからマウス動かして、どこまで反応するか、とかやってみたりなんかりして。ワイヤレスマウス単品でも最低3500円ぐらいするから、セットで5000円ぐらいっていうお値段もリーズナブル。

ちょっとした夢を達成した満足感と、達成した故のさみしさを噛みしめてます。


Wireless Optical Desktop 1000

マイクロソフト

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どうなのさ。

2005-06-12 00:21:23 | 世間
こんな本があります。『アマゾン・ドット・コムの光と影―潜入ルポ』。時給900円で2ヶ月アルバイトをしてのルポタージュらしい。1分間に3冊本を探し出してくるノルマがあるらしい。黙々とやってると、なんにも考えられなくなるらしい。「らしい、らしい」って読んでないので、あまりものをいえないけれども、無意識の感覚でおかしくなりそうな気がする。伊集院光のラジオのコーナーに「週刊クソバイトニュース」ってのがあるんだけど、ベルトコンベアに載ってくるパック牛乳に、延々ストローを貼り付けるバイトがあるんだって。投稿者曰く、なにをやっているのか訳分からなくなって辞めたとか。

↓で、そんな本がアマゾンドットコムでも売られてます。注文を受けてこの本を取ってくるアルバイトの気持ちはどんな感じなんだろう?


アマゾン・ドット・コムの光と影―潜入ルポ

情報センター出版局

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今週のかんしん

2005-06-10 00:40:09 | 世間
【関心】
浜渦東京都副知事更迭騒動。都議選控えて、いろんな利害関係があるんだろうけど、疑惑追及の急先鋒の自公が、石原都知事の責任には触れないのは、ねぇ。民主も黙りだし。よく分かんない一連の出来事を一番分かりやすく説明してたのが、MXテレビってのは皮肉だなあ。

【感心】
意外にも初めて『スター・ウォーズ』を観たら、なかなか面白かった。よーし、この調子で先々行オールナイトまでにシリーズ全部観るぞ!劇場側の人間としては、オールナイトの混み様は、期待しつつ、怯えつつ。

【歓心】
サッカー日本代表、ワールドカップへ。授業で試合はリアルタイムでは観られなかったけど、帰り際、教室から「ワー」という歓声とニッポンコールが。みんなでテレビ観戦してたんだろうね。イベント下手なうちの学生まで巻き込むサッカーって、すごい。

【寒心】
ナベツネ、巨人会長就任。何にも懲りてない爺の復権。金満野球の継続か。

【阪神】
オリックスに3連勝で、首位!明日から交流戦で調子の悪い日ハム。三タテだ!

『炎のメモリアル』

2005-06-08 23:48:56 | 映画
火災現場での救出作業中に、一人取り残されてしまった消防士・ジャックの走馬燈(=メモリアル)が物語の中心。

消火活動シーンの迫力は、なかなかのもの。ジャックが取り残された古いビルの火災場面は、炎と放水が綾をなして、ライトに浮かび上がり、幻想的でちょっと惹かれてしまう感じ。でも、それは災害なのだから恐ろしい。

で、登場人物みんながいいヤツらばかり。
非番や待機の時は、バカばっかりやって笑いあってる同僚たち。
気立てが良く、いつもきれいなワイフ。
自分を尊敬してくれているかわいい子どもたち。
そして、信頼の絆で繋がったボス・マイク。

危険と隣り合わせの仕事と誇りとの間で葛藤に陥ったり、救助した少女に感謝されたり、ストレートな感動モノ。消防士って、ヒーローなき時代のヒーローなのかも。

『ミリオンダラー・ベイビー』

2005-06-02 15:50:03 | 映画
今年のアカデミー賞4冠に輝いた作品。社会や家族から疎外された女性ボクサー・マギーと老トレーナー・フランキーの物語。

初め、フランキーは「女は引き受けない」と、断る。しかし、ひたむきに練習するマギーの様子を見て、ついにはトレーナーを引き受ける。このとき、マギーが握手するために、右手を出すのだが、フランキーは一瞬、左手を出そうとする。雑用係のスクラップが「いつも思っていることと逆のことをする」と言うフランキーの性格と、それによる苦労が伺える。

メキメキと頭角を現すマギー。試合のシーンでは、熱狂する観客の喝采がサラウンドに聞こえてきて、こちらまで、高揚させられる。試合を通して、二人は、師弟愛、親子愛、そして男女の恋愛と、かつて失った愛を見つけていく。

そして終盤、物語は一転する。単なるサクセスストーリーになっていたら、アカデミー賞なんかありえなかっただろう。特に、主演女優賞のヒラリー・スワンクは、ラスト30分で獲得したようなもの。「愛とは何か」という根源的な問いを突きつけられる。イーストウッドの言う「シンプルなラブストーリー」のテーマをここまで昇華させることができたのは、あっぱれ。

語り手のスクラップ役のモーガン・フリーマンも滋味溢れる演技で素晴らしい。