ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

ER9-03「反乱」INSURRECTION

2005-10-22 23:18:29 | ER緊急救命室
今日も今日とて、大混雑のER。薬物中毒の常連患者が、鎮痛剤欲しさに受付で叫んでいる。

ハンチントン病の意識のない患者が運び込まれ、スーザンが治療にあたる。アビーとカーターが口論していると、突然、中毒患者がチェンに銃を突きつけて、鎮痛剤を要求する。アビーは冷静に注射を打ち、患者改め犯人は、なぜかアビーにキスし出て行く。過剰に注射したために、入り口で犯人は倒れてしまったが、カーターの怒りは収まらない。そりゃそうだ、精神病患者にナイフで刺された経験があるもの。勝手に金属探知器を注文する。しかし、ウィーバーにキャンセルされてしまう。もちろん、経費がかかるという理由からだ。

これにキレたカーターは、治療をボイコットし、ストライキを始める。徐々にその輪は広まり、医者、ナース、職員までも「病院の安全」を求めて外に集まる。スーザンが外にいるアビーを呼びに来て、カーターと治療か安全かをケンカしているうちに、ハンチントン病患者の呼吸器のスイッチを母親が切ってしまう。それを察知したスーザンは、黙って再びスイッチを入れる。ここで男声のオペラが掛かるのだけれど、『フィラデルフィア』のワンシーンに似て、悲痛だった。

夜になり、ウィーバーが折れ、金属探知器が導入されるようになった。しかし、彼女はカーターに、ナースの解雇か、深夜のラボを閉めるか、選択を迫る。安全を求めた勝利だったけれど、苦いものだった。今回のストは、命と命を秤に掛ける難しい問題を孕んだものだったと思う。

『メゾン・ド・ヒミコ』

2005-10-22 00:54:43 | 映画
新宿武蔵野館にて。日曜の午後に行ったら立ち見だと言われ、しょうがなく火曜の初回に観た。

家を出て行った父親と、ゲイのための老人ホームで再会する娘・沙織。演ずる柴咲コウの“メイクダウン”が話題になっているけれど、化粧っ気の無さが、より彼女の反抗的で、どこか虚ろ気な目を強調している。

序盤、感情を煩わしいものとしているのか、オフにしていた沙織。対して、入居者は、陽気に暮らしているように見える。しかし、家族や過去の人生への後悔、忍び寄る老いや死の恐怖を各々抱えて生きている。人はどこまでも行っても孤独である、という共通の思いが沙織と入居者に芽生え、その上でお互いの寂しさを転化させようとする。そのことが、沙織がヒミコのことを受け入れようとしたのだろう(和解ではないけれど)。

突如として起こるファッションショーやダンスシーンは、一時でも分かり合えたような感覚をウソでもいいから得たい、という渇望からだろうか。沙織とゲイの春彦のベッドシーンもまた、分かり合えない二人の欲望がすれ違う。こんな切ないベッドシーンは初めて。哀しいけれど、その孤独を埋めようと必死にもがく姿が、どこか人間的で愛おしい。

好きなセリフがある。「ブスっとしたブスなんて、オカマのババアよりも嫌われるわよ!」。
いつも表情を持って生きていこうと思う。ピキピキピッキー!