東京国際映画祭コンペティション作品。タイトルから分かるとおりドイツ映画。
ヒトラーの50才を祝うための曲を依頼された教授と、その助手についたヒトラーに心酔する女性・ウリスラを中心に物語が進む。ウリスラには婚約者はナチスの親衛隊だったり、教授は実は作曲する気がなかったり、ウリスラはユダヤ人なのかもしれなかったり、ウリスラのヒトラーへの愛が教授に傾き始めたり、教授の奥さんが現れたり……と、いろんな愛憎劇が起きて、正直訳分からなくなってしまった。
そんな中、気づいたことがあった。画面は押さえた色味が続くのだけど、ところどころで、象徴的な「赤」が現れる。一つは、ナチスの赤。もう一つは、女性の身につけている服や帽子、口紅の赤。前者は、好戦的な憎悪と士気を高める色、後者は、愛情や愛しむイメージとして象徴されているのだろう。しかし、女性と男性の愛憎が繰り返されるうちに、二つの赤は混ざり合い、矛盾する感情が共に存在するようになった。
最終盤でウリスラは、青いニットを着ていたのだが、そこから、時代と男に翻弄された女の悲壮を感じた。
ティーチ・インでは、ユッタ・ブルックナー監督と主演のリケ・シュミットが登場。リケさん、端正な顔立ちがお綺麗でした。自分の考えもしっかり持ってたし。監督は、女性の視点から見たナチス時代を撮った作品はほとんど無く、作ってみたい題材だったと言っていた。終了後、監督にサイン頂きました。初めて外国人にサインを求めたので緊張したけど、"May I have your autograph?"の"May I…"って言ったところで、"Yes"と書き始めてくれた。
ヒトラーの50才を祝うための曲を依頼された教授と、その助手についたヒトラーに心酔する女性・ウリスラを中心に物語が進む。ウリスラには婚約者はナチスの親衛隊だったり、教授は実は作曲する気がなかったり、ウリスラはユダヤ人なのかもしれなかったり、ウリスラのヒトラーへの愛が教授に傾き始めたり、教授の奥さんが現れたり……と、いろんな愛憎劇が起きて、正直訳分からなくなってしまった。
そんな中、気づいたことがあった。画面は押さえた色味が続くのだけど、ところどころで、象徴的な「赤」が現れる。一つは、ナチスの赤。もう一つは、女性の身につけている服や帽子、口紅の赤。前者は、好戦的な憎悪と士気を高める色、後者は、愛情や愛しむイメージとして象徴されているのだろう。しかし、女性と男性の愛憎が繰り返されるうちに、二つの赤は混ざり合い、矛盾する感情が共に存在するようになった。
最終盤でウリスラは、青いニットを着ていたのだが、そこから、時代と男に翻弄された女の悲壮を感じた。
ティーチ・インでは、ユッタ・ブルックナー監督と主演のリケ・シュミットが登場。リケさん、端正な顔立ちがお綺麗でした。自分の考えもしっかり持ってたし。監督は、女性の視点から見たナチス時代を撮った作品はほとんど無く、作ってみたい題材だったと言っていた。終了後、監督にサイン頂きました。初めて外国人にサインを求めたので緊張したけど、"May I have your autograph?"の"May I…"って言ったところで、"Yes"と書き始めてくれた。
私は2回目の上演に出かけたのですが、その時のティーチインでは、ナチ体制のもとで抑圧されていた人々の感情、パッションを表現するために「赤」を使った、というようなことを監督は言っていました。
ナチ体制の赤もそうですし、作曲家も以前赤い陣営=共産主義か社会主義かのために曲を書いたって言ってましたし、何回か出てくる血も含めて強く印象に残る色でしたね。
社会的な意味と同時に、芸術的な雰囲気を持つ映画でした。