ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

ピロデミー賞2006

2006-12-31 22:49:04 | ピロデミー賞
年末恒例のピロデミー賞を発表したいと思います。


■映画部門

【今年の十本】(観た順)
『白バラの祈り ~ゾフィー・ショル、最期の日々~』(独/監督・マルク・ローテムント)
『クラッシュ』(米/ポール・ハギス)
『プロデューサーズ』(米/スーザン・ストローマン)
『かもめ食堂』(日/荻上直子)
『RENT レント』(米/クリス・コロンバス)
『太陽』(露伊仏スイス/アレクサンドル・ソクーロフ)
『時をかける少女』(日/細田守)
『フラガール』(日/李相日)
『地下鉄に乗って』(日/篠原哲雄)
『パプリカ』(日/今敏)

【最優秀女優賞】
ユリア・イェンチ /『白バラの祈り』ゾフィー・ショル役
若さゆえの未熟さと信念を通す芯の強さと、じっと見る目が伝える。

【最優秀男優賞】
イッセー尾形 /『太陽』昭和天皇役
飄々とした風体、物言いたそうで言えない口、戸惑い、焦り、静かな演技で表現。

今年は、邦画の興行収入が洋画を上回ったという。それもあってなのか、このベスト10も半分が邦画。しかも、うち2作品はアニメ作品。『時にかける少女』は爽やかな青春モノでありながら、未来への警鐘と希望を託した気持ちの良い作品。来年の8月15日は、ぜひこれをどこかで放送してほしい。
洋画は、『白バラの祈り』のナチスに迫害された少女の気概と、『クラッシュ』『RENT』の悩める現代を生きる人々の姿がオーバーラップ。考え込んでしまった。3月に行ったイギリス旅行で、ミュージカルにハマり、日本に帰ってきてから、映画やら四季やらたくさん観ました。マイブームは続きそうです。
ただ、今年は見逃した作品が多かったような気がする。特にミニシアター系。あれだけ話題になってた『ゆれる』だって観てないし。来年は観に行く努力をしようっと。


■ドラマ部門

【国内ドラマ賞】
 該当作品なし

【海外ドラマ賞】
『ザ・ホワイトハウス3』

【最優秀女優賞】
志田未来 /『14才の母』
母になること、女の顔がそこにあった。

【最優秀男優賞】
ジョン・スペンサー /『ザ・ホワイトハウス3』レオ・マクギャリー役
大統領選出馬にまつわる回想シーン、「Bartlet for America」の言葉が印象深い。

1年前に亡くなったジョン・スペンサーは、画面の中では、いまも渋く存在感のある演技を見せてくれた。第3シーズンが始まる直前に同時多発テロが起き、急遽特別エピソードが作られた。報道官・C.J.の弱い部分も垣間見られ、とても魅力的なシーズンだった。
国内ドラマに関しては、ほとんど観てないので、該当作なし。それでも、志田ちゃんが光った。どんな女優に育つのか楽しみだ。


■ゴールデン・タンジェリン賞(略してタジー賞)
 最も「アレ」な感じの作品と俳優に贈られます。

【タジー作品賞】
『ゲド戦記』
アニメ製作に携わったことの無い人に監督やらせるのは無謀すぎ。同時期に『時をかける少女』が公開されたから、よりそのことがはっきりしてしまった。
『NANA2』
内容云々の前に、主役の片割れが交代するなんて。他も入れ替わってるし。案の定な客入りなのも含めての受賞。

【タジー女優賞】
沢尻エリカ
夏川純 /『7月24日通りのクリスマス』『ルナハイツ2』
中島美嘉 /『NANA2』大崎ナナ役
沢尻サンは、東京国際映画祭レッドカーペットでのアユファッションのカッコと振る舞いで。夏川サンは、バラエティでもそうなんだけど、発言がわざとらしくて、うぜぇ。ご存知、中島サンは、続編が見事にコケて去年に引き続き受賞。予告編しか観てないけど。

【タジー男優賞】
織田裕二 /『県庁の星』
一旦は「該当者なし」と書いてしまったけど、後になって思い出した。織田裕二が織田裕二を演じているとしか思えない、ある意味稀代の役者。


以上、今年のピロデミー賞でした。来年もひとつよろしくお願いします。

『ダーウィンの悪夢』 作られた貧困

2006-12-31 19:31:17 | 映画
12/25クリスマス夜のシネマライズにて。

アフリカ・タンザニアのビクトリア湖畔。昔、何者かがナイルパーチという魚を放流した結果、湖の生態系が崩れてしまった。しかしこの魚、ヨーロッパでは食用として使われるため、皮肉にも住民は漁をし、加工工場で働くようになっていった。

このドキュメンタリーは、ナイルパーチがもたらした富と、それにあぶれた人々(特に女性と子ども)を映す。工場から出るナイルパーチのあらを揚げたものを食べているらしい。めちゃくちゃたくさんのウジが湧いてる。売春でエイズになった女の子もいた。監督に感服したのは、その対象に対する距離がとても近いこと。嫌になるぐらい。

何かに似ている。世界史で習った、産業革命時代のインド?茶葉や綿を商品作物を生産するようになって自給自足の生活が激変してしまった。いまは武器流入やドラッグとか問題がさらに複雑になってしまっている。

ナイルパーチは、いかつい顔をしててまずそうなんだけど、日本にも輸出してるらしい。スズキの代用魚として。急に身近な話になった。

『大奥』

2006-12-29 01:57:26 | 映画
初日の舞台挨拶のチケットは取れず。ヤフオクでも高すぎる。泣く泣く初日夕方に新宿スカラ座で観た。

仲間由紀恵さまは、町人出身の大奥総取締役・絵島役。正室と側室との確執に巻き込まれる。正室側四天王が高島礼子、浅野ゆう子、松下由紀、杉田かおると最強の布陣で、イビるわ、イビる。京都弁ってあんなに怖いものだったのね。杉田はこの中では下っ端なんだけど、ボディブローのようにじわじわ怨念みたいなのが効いてくる。きっちり見せてくれる映画だけど、余韻が無い。こういうドロドロしたものは、年内に見てしまって、スッキリしてから新年を迎えたいもの。

仲間さまは、最近『SHINOBI』『里見八犬伝』『功名が辻』と時代モノ続き。そしてこの『大奥』。映画もドラマも続けて出てるのはすばらしいことなんだけど、女優としてもう一歩深められないかなと、厳しいことを思う今日この頃。

絵島が密通してしまう歌舞伎役者が、「並んで風に吹かれ、並んで座り、並んで相手の考えていることを想う、男とそんなことしたことあるかい?」と訊くシーンがある。あまりに浮いた噂が無さ過ぎて、ナイタイスポーツにレズ疑惑とまで書かれてしまう仲間のお姉さんに、ちょいと色恋沙汰でもあれば、女優としてもステップアップできるのかしらん、と要らぬ心配をしてしまった。


M-1。鉄板3組が残っての最終決戦、チュートリアルのストレート勝ち優勝。ネタ自体も、ボケツッコミの間も絶妙で、判断の割れた去年より明快な決勝だった。フットボールアワーは暴発キャラネタで譲った形かな。

『ルナハイツ2』 + M-1予想

2006-12-24 00:46:43 | 映画
MOVIX三郷にて。ひょんなことから舞台挨拶上映に行くことに。思った以上に田舎で面食らう。うっかり、ちょいとしたジャーニー。なぜにここで舞台挨拶なんだろ?

主演の安田美沙子といえば、内Pで初めて見たときに、肺活量がなさ過ぎてラーメンをすすれないって言ってたっけ。この目で見たらやっぱり、華奢過ぎ。この子好きになったら、自分、中二病にかかってると思う。

マンガの実写化。結婚間近の南條はマイホームを購入したところ、婚約者に逃げられてしまう。ヤケになった南條は、そこを会社の女子寮にするという案を受け入れてしまい、女の子たちとの奇妙なハーレム生活が始まる。そこに婚約者が妊娠して戻ってきて…。というのが前作のあらすじ。もちろん見てませんけど。ウィキペディアさんからの丸パクリ。

いやあ、『ラブコン』か!ってな感じのポスターから始まり、ツッコミどころ満載。個人的には、ずんの飯尾君がいつものそのまんまで出てたのがツボ。テレ東ドラマ24枠のようなベタベタな展開が、自分の中で一周して面白くなってきてしまった。場内明るくなったときの客席の反応が一番面白かったんだけどね。

         ■□■□■□■□■□■□■□■

「M-1グランプリ2006」予想。過去の優勝者のフットボールアワー出てるのはなぜ?吉本勢が占める中、一組アマチュアの変ホ長調は期待できるの?去年、ブラックマヨネーズが優勝してから、なにがなんだか全く分からなくなってしまった。本来ならタカトシに獲ってもらいたかったけど、結成10年の壁厚く…。

ダラダラ書いてけど、本命・フットボールアワー、対抗・麒麟で。普通だな。

TheLastDay

2006-12-21 01:16:59 | 世間
先週金曜日に成立した改正教育基本法は、22日に官報に掲載され即日施行されることになった。つまり今日21日は、現教育基本法の最後の日になる。

年明けを待たず年内に施行するってことは、23日には皇居に向かって敬礼しろと?ちょっと勘ぐってしまう。

さっきもラジオでヤンキー先生が熱弁振るってたけど、教育再生会議ってのも、ガス抜きのための何かにも思える。基本法を変えてから話し合うのも逆なような気がするし。

         ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

年の瀬に訃報が相次いだ。昔から好きだった「意地悪ばあさん」が見られなくなるのは寂しい。ご冥福を祈ります。

歓婚想彩

2006-12-19 00:21:53 | 日々
昨日は、高校時代の天文部の先輩の結婚パーティーに行ってきました。幹事の人たちよりも早く会場に着くという失態をしでかしたり、しでかさなかったり。

新郎新婦共に、晴れがましい表情でこちらもうれしくてたまらなかったなあ。スペースに対して人数多すぎたとは思うけどさ。^_^; 

A先輩、ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに。月並みな言葉だけど、ホントにそう思う。後輩にも子どもが生まれ、自分たちもそんな年齢になったのだなとしみじみ。

さて、年末恒例の「一人ラブ・アクチュアリー鑑賞会」でもやって、自分の結婚式のイメージをゼクシィばりにプランニングしてみよーっと(孤独死するな、こいつ)。

707

2006-12-11 23:40:40 | 映画
何の気なしにテレビでやってた『NANA』を観た。

感想。


めんどくせーヤツらだな。


去年、予告編しか観てないのにタジー女優賞に選ばれた中島美嘉サン。思ってたとおりの、ぶっきらぼう一辺倒。浮いたセリフの数々もあって、爆笑しながら観てました。『NANA2』はスケジュールが合わなかったのか、仲間割れなのか、宮崎あおいのワガママなのか、かなりのキャスト変更があったわけで。それならナナ役は、椿鬼奴が適任。いっそのこと、そうすべきだった。あと、劇場グッズで入浴剤が売ってるけど、あれはナナとレンのお風呂シーンを再現しろと?

『NANA2』も今年のタジー賞にノミネートされてます。もちろん、予告しか観てないけど。

『パプリカ』 夢の見たユメ

2006-12-09 01:40:55 | 映画
『時を掛ける少女』に続いて、筒井康隆の原作がアニメ映画化。夢に入り込み患者の治療を行うために開発された「DCミニ」が、何者かに盗まれ人々の夢や精神に入り込んで、暴走を始める。

思わず唸ってしまうほど、良くできてる。面白い!90分間、一気に観させてくれる。なんといっても、夢の描き方がスピード感にあふれていて、断片的でありながら繋がって続いていく、混沌とした夢の不可思議さ、「怖笑」的なものを良く表現してる。寝ている時にあまり夢を見なけれど、たまに見るのはこんな感覚だもの。さすがに色の鮮やかさはここまでではないけれど。

「夢」という言葉には、睡眠中に見るものと、将来への希望、という意味と二つある。なんで同じ言葉なのだろうとずっと思っていたけど、膨張した睡眠中の夢が現実を飲み込んでいくさまを見ていて、二つはリンクしているものなんだと。

林原めぐみがトップ声優だということも改めて認識。研究員の千葉敦子と夢の中の姿・パプリカという一人二役(というか二人格)を、前者は努めて冷静に、後者は妖しくチャーミングに、見事に演じ分けている。同僚の時田(体重200キロ!)役は、アムロの古谷徹で、最初は合わないかなと思ってたけど、オタク青年のナイーブさが感じられた。

暗示的、シンボリックなものがいくつも登場するけれど、深く考えず、映像に身を任せて観ましょう。観たら劇中に出てくるradioclubのHPに行ってみましょう。ははは。

『武士の一分』

2006-12-05 23:23:18 | 映画
一年ぶりにファーストデーに映画を観た。初日の『武士の一分』。城で毒見役を務める三村新之丞。なんでもない役目に辟易していた、ある日、出された貝の毒があたり、一命を取り留めるも失明してしまう。

武士の目が見えなくなるというのは、死んだも同然で、取り乱しうろたえる。そこにひっしと寄り添うのが、妻の加世。壇れいっていう女優さん初めて知ったんだけど、去年まで宝塚にいたのね。彼女に対しての先入観がまったくなかったので、すんなり受け止められた。その点、木村拓哉は、「キムタク」に対するイメージが先行してしまい、不利なんだよなあ。かわいそうだけど。方言を強く出すことで、キムタクを消そうとしてるんだけど、それが逆に、ね。

三村家には、もう一人、中間の徳平がいる。この笹野高史、はまり役。画面に映っていないときも声に存在感があるし、かと思えば、キレた新之丞に怖気ついてしまったり、「吹けば飛ぶよな将棋の駒に」と、あの歌を思い出す味のある人物。おば役の桃井かおりの厚かましさは、杉村春子を髣髴とさせ、面白い。番頭の坂東三津五郎、「表の顔は聖人君子、だがその実態は…」的なことなんだろうけど、せっかく歌舞伎役者なのだから、色気ある敵役でいてほしかった。たちまわりは緊張感あるものだったけど、二人の印象からのっぺりとした感じになっちゃったよな。

「武士の一分」というからには、説明的で野暮なセリフは必要なし。キムタクはキムタク。これが結論。