ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『オーシャンズ13』

2007-08-29 01:10:04 | 映画
でっかい新宿ミラノ座にて。11時45分から上映のはずが、12時ちょうどからCMなしでいきなり上映開始。映写トラブルでもあったのかな?

オーシャンシリーズ第3弾。メンバーの一人、ルーベンがアル・パチーノ演じるホテル王に欺かれ、心労がたたり心筋梗塞で倒れてしまった。それを聞いたオーシャンたちは仇を取るために始動する。

顔見世興行のようなキャストとケレンミたっぷりな舞台だけで、ご飯三杯はいけるね。前作がひねりすぎた感があったけど、今作は勧善懲悪の水戸黄門inラスベガスってな感じで、ユルいコントに笑って、仕舞いにゃ胸をすく痛快なつくりになっております。

そういや、オーシャンズ12で来日したとき、13は日本を舞台にしたいってジョージ・クルーニーが言ってたなあ。14では是非、トーキョーを舞台にして。あ、でも石原慎太郎とは馬が合わない気がするケド…。

『夕凪の街 桜の国』 終わらない物語

2007-08-15 00:22:49 | 映画
長崎の原爆忌に、新宿のシネマスクエアとうきゅうで。

原爆投下13年後の広島、原爆スラムで慎ましく暮らす皆実。そして平成19年を生きる七波の物語。何気ない日常の描写の中に、生きること、死ぬこと、命がつながっていること、そんなことを考えさせられて、涙がポロポロ止まらなかった。

原爆の生々しい表現は無いけれど、心身に負った傷は癒えることなく深く残っている。そして、その生を受け継いだ二世三世もまた現実に直面する。そんなことがあるとは自分自身も知らなかったが、七海もまた避けていたのかもしれない。彼女は広島の旅を通して、その事実を静かに受け入れ、この物語を続ける決意をする。それがうれしかった。

最近の戦争モノは、安易に現代のシーンを添えて観客に訴えかけようとするが、それは逆効果だと思う。『男たちのYAMATO』も、『硫黄島からの手紙』も、『さとうきび畑の唄』もそう。「現在」だけを対比的に描くことで、戦争を「過去」というパッケージにはめ込んでしまうからだ。この作品は、昭和33年から現在までの生の物語を、原作のストーリーを補い丁寧に描いている。そのことに拍手を送りたい。原作もまた、一つ一つの言葉が良くて、映画でもそのまま使われていた。

主役二人を演じる麻生久美子と田中麗奈がとてもいい。加えて七波の友人・東子役の中越典子、この三人には何か共通するものを感じる。それが、この作品の柔らかな中にも凛とした品を与えているのかな。

去年の夏は『時かけ』。今年はこの『夕凪』だろう。多くの人に観てもらいたい。

『フリーダム・ライターズ』

2007-08-11 01:05:53 | 映画
シャンテシネにて。『魔笛』が満席だったようで、流れ込むようにこちらも結構な混みよう。

1994年、ロス暴動後のロングビーチの高校に赴任してきたエリン。お世辞にも新人教師には見えないが、演じるヒラリー・スワンクは、落ちこぼれクラスの国語担当として孤軍奮闘する。生徒が抱える(というよりか社会自体が抱えている)問題は、人種問題や貧困と、生きるか死ぬかあまりにも深刻なもの。そりゃ、グレるよな。エリンが素晴らしかったのは、生徒が抱えていることを敢えて怒りとして表面化させ、対峙させたこと。そこから、差別や蔑視がいかに悲劇を生むのか理解させる。

教育実習に行って分かったことは、どんなにこちらが懸命になっても、教え方や指導法が間違ってれば、生徒には伝わらないということ。一方的に話し続けることより、一歩引いて彼らの思考をじっくり待つ必要があるのだ。彼女はその方法に、日記を選んだ。生徒たちはありのままの生活を書き記していく。まさに、無着成恭の教育実践「山びこ学校」の生活綴方ではないか!

この映画は実話を基にしている。当時23歳だったエリンの指導には、教師としての覚悟があって自分は到底敵わない。教育にのめり込んだ結果、夫とは離婚する羽目になったわけだから、必ずしも彼女の行動が全て正しいとも言えない。それでも、受け取るべきメッセージがたくさんあった。

『傷だらけの男たち』

2007-08-07 00:35:21 | 映画
みゆき座にて。酷い邦題。原題は"Confession of Pain"。直訳でいいじゃない。

トニー・レオンと金城武の二人組の刑事が、ある殺人事件を追っていく。次第に二人の過去が浮かび上がるんだけど、暗すぎ。まあ、それが香港の町並みに合ってるんだけど。火曜サスペンス劇場的な展開は、それなりに面白いんだけど、最後は、ああやっぱりね。という伝統芸能的な感じだったのは、ね。もう一ひねり欲しい。

それにしても、浜崎あゆみのエンディングテーマが謎。香港映画なのに。なぜに浜崎、倖田の二人の曲は、映画のエンディングに使われるんだろか。No More。

『魔笛』 大胆な、繊細な

2007-08-01 00:09:08 | 映画
シャンテシネにて。本編上映前に『大統領暗殺』予告編が流れたけど、「ブッシュ大統領が亡くなりました」というセリフのところで、笑い声が。なかなかブラックなお客たちだこと。

モーツァルトの『魔笛』の舞台を第一次世界大戦に変えての映画化。思い切ったことするなあ。最初の五分間、音楽と上空からの戦場の様子を移しているだけなのに、グイグイ画面に引き込まれる。音楽のリズムとファンタジー映像が絶妙マッチング。そもそも、善と悪がひっくり返るようなぶっ飛んだストーリーだから、ケレンミCGが入り込んだ映像もそんなに違和感なし。有名な「夜の女王のアリア」って、そんなおぞましいことを歌ってたんだって、ちょっと驚き。

オペラ歌手が出演しているから歌声も素晴らしいんだけど、2時間20分ほぼぶっ通しで歌唱が続くから、観ている方も多少なりとも疲れます。本当のオペラみたいに幕間の休憩時間がほしかった。