ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

映画クリアランスセール(下)

2009-07-26 01:40:11 | 映画
『スラムドッグ$ミリオネア』
インドのスラム街で生きてきた青年の人生とミリオネアの緊張感との掛け合いが、鼓動のように波打つ。無名の男が一夜にしてヒーローになるあの緊張感。みのもんた版がなぜつまらないのか、理由が分かった。エンディングのダンスも注目。

『グラントリノ』
妻に先立たれ、息子家族にも煙たがれる頑固ジジイのイーストウッド。外国人を憎悪していたにもかかわらず、隣人モン族の少年の面倒をみるようになる。「多文化共生」を声高に叫ばなくとも、困ってる隣人を助けられる社会になればと思った。これで俳優業引退というのは惜しい。

『イエスマン』
後ろ向きだった人生が「イエス」を繰り返すようになってから超前向きに!最近はシリアスな役が多かったけど、これぞ、ジム・キャリーの十八番。見終わった後に何も残らない感じがよろしい。

『消されたヘッドライン』
殺人事件とスキャンダルの背後にある軍事企業の陰謀。それを暴こうと真実に迫る記者。ここに新聞社の経営難、オーナーとの確執が重なったところが現代的。ラッセル・クロウのアウトローな記者もいいが、新聞の危機を体現するヘレン・ミレンもまた見もの。

『天使と悪魔』
盗まれた「反物質」と次期教皇を選ぶカタコンベ巡るサスペンス。前作『ダヴィンチ・コード』に比べ、小難しさがなくなりエンタメ要素が増加。「○時に××が殺される」的展開は映画版コナンを彷彿とさせる。一応、宗教と科学の対立がテーマみたいです。

『重力ピエロ』
伊坂幸太郎の原作。泉水と春の兄弟は連続放火事件と落書きの関係を調べていく。これまた重い話なのだけれど、伏線がベタベタ張られ過ぎてて、いまいち入り込めなかった。回想シーンの小日向さんがフサフサで不覚にも吹いてしまった。

『おとなり』
岡田准一と麻生久美子という美男美女による、自己満足的イジイジ映画。すれ違い続ける二人にイライラ。『エリザベス・タウン』を見たときの感覚に似てる。

『ハゲタカ』
中国の赤いハゲタカからアカマ自動車を守るべく、柴田恭兵と大森南朋が立ち上がる。派遣労働者とか今の状況を織り込んでリアリティを出そうとしたものの、演出過剰な感じで上滑り。出自を指摘された後の劉一華が落ちぶれすぎで、なんだか。

『愛を読むひと』
高校時代に原作の「朗読者」を読んだのだけど、15歳の少年と36歳女性の恋愛ってのに、ウヘッとしてしまって読了できず。もっと先まで読まなきゃ意味ないのね。映画前半の記憶は、ケイト・ウィンスレットの裸体しかありません。たるみ、シミ、シワと、ここまで見せていいのか、ケイト!哀愁のある背中というのは、男の代名詞かと思ってたけど、違ったのね。後半の裁判シーンにも繋がっていく、戸惑いと恐れの表情が秀逸。人は「加害者/被害者」の二分法では語れないものなのですね。

映画クリアランスセール(上)

2009-07-22 01:10:37 | 映画
ここ数ヶ月の映画を書いていなかったので、まとめてどうぞ。この中では特に『ダウト』と『ミルク』を見てもらいたいです。


『少年メリケンサック』
話は崩壊してるけど、宮崎あおいは顔面の筋肉が柔らかいんだなあ、と実感。芸達者の皆さんに囲まれてよく働いてました。佐藤浩市、最近こういうべらんめぇ役多くない?

『20世紀少年第2章』
カンナ登場。やっぱり詰め込みすぎ。原作を読んでないと、ちょっと気を抜いた瞬間にワケ分からなくなるかも。ま、3章も見るけど。

『ロシュフォールの恋人』
色、色、色。『シェルブールの雨傘』は雪の白色を別れの象徴にしたけど、こっちはまるで男女のすれ違いを楽しむような明るさ。二人のヒロインの、似て非なるキャラクターも面白い。

『7つの贈り物』
内容は重いけど、発想があまりにも軽すぎる。これを映画までにしたところで、ウィル・スミス演ずるベンを自分は肯定できない。途中、ベンの計画が分かったところから、見るのが嫌になってしまった。

『ホルテンさんの初めての冒険』
ノルウェー映画。真面目一直のホルテンが定年目前に遅刻してしまったところから始まる小さな冒険。静かなズレの笑いの中に哀愁がある。『街のあかり』『迷子の警察音楽隊』に通ずる、人生立ち止まり映画。

『ワルキューレ』
ヒトラー暗殺計画をスパイアクション風味で。前半のエンタメ調から一転、後半のヒリヒリするような心理描写が良かった。トム・クルーズが主役でいいのかは疑問符だけど。

『ダウト』
1960年代の神学校で起きた「事件」。真実はどこにあるのかという問い以上に、リベラルと保守の対立が逆転する様はスリリング。フィリップ・シーモア・ホフマンとメリル・ストリープの応酬はもちろん、二人に挟まれる新任教師役のエイミー・アダムスの困惑っぷりもいい。

『フロスト×ニクソン』
こちらの対立は、ウォーターゲート事件で大統領を追われなんとか再起したいニクソンとこのインタビューを通して成り上がりたいフロストとの同床異夢を描く。テレビジャーナリズムとは何か、いや、そもそも民主主義ってなんだっけ、というところまで考えさせる。

『ミルク』
そのニクソンの時代の後、少数派の政治参加を求めて立ち上がったのがハーヴィ・ミルク。人間味あふれる表情一つひとつをショーン・ペンが見せてくれる。政策と同時に彼の魅力に人々は引き寄せられたのだと思う。と、同時に妬みも買った。最後に本人の映像が流れるのけど、ホントにそっくりで驚いた。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

2009-07-11 00:13:17 | 映画
さてさて見てきました。思わず唸ってしまうほど面白い。

子どもの頃からロボットモノにハマれなかった自分が、今作では見事に戦闘シーンに見とれてしまった。ソニックヘッジホッグか!っていうぐらいキュイーンと疾走するエヴァや、カメラワークのグワーンって感じとか、ガシャーンドカーンと面白いように壊れていく街並みとか。とにかく擬音で表すしかないような感じで、戦闘が終わる度に心の中で拍手を送っている自分がいたのです。

静かなシリアスシーンの多かった『序』に比べて、日常のコミカルなシーンも多くシリアスとのバランス、テンポが絶妙。それに、お色気サービスショットもふんだんで(特にアスカ)、なんだか得した(?)気分。「今日の日はさようなら」とか「翼をください」とか挿入歌の使い方とか、そういうのを引っくるめて『序』よりも心情の振れ幅は大きい。

だからこそ、シンジの悲しみ、そして怒りを理解することができる。人の痛みを知り、強くなったシンジ。それに連動するかのように、エンディング曲「Beautiful World」はリミックスされて、ちょっとタフな感じになった。ボクもこの2年間でちょっとは強くなれたかしらん。

24シーズン7:序

2009-07-07 00:59:38 | 24-TWENTY FOUR-
2年ぶりに帰ってきました、ジャック・バウアー。アメリカ国内はもとより、中東、メキシコ、中国、ロシアなどなど、国際問題さえも引き起こすお騒がせ野郎。今回は、アフリカの内戦が背景に。

24リデンプションで、アメリカを脱出してアフリカの孤児院で過ごしていたジャックが子どもたちを助けるために、アメリカ大使館に出頭。帰国後、連邦議会の公聴会で拷問による捜査を問題にされていたが、そこにFBI捜査官のルネが現れ、ジャックを引き渡すように要求。で、いつものようにテロ云々に巻き込まれて参ります。

今回は、ついにCTUが解体され、後ろ盾(といっても元々そんなの無いのかもしれないが)を失ったジャックがどう動いていくのか、という点に注目しましょう。たぶん。シーズン5で死んだはずのトニーが生きてたという展開には、思わず閉口するけど、ここまで話がメタメタになってしまったのだから、しょうがないということにしましょう。なかなか出てこないと思ってたら、2時間経って、ビル・ブキャナンやクロエも出てきます。FBIにはクロエっぽい人もいて、クロエとハッキング合戦みたいなことをやらかしてて、ちょっと笑える。今までとは、逆の立場で。

いったい何人大統領が替わったんだ、と思わずにはいられない24の大統領たち。今作では初の女性大統領が誕生。シーズン2で初の黒人大統領が就任し、現実の世界でもオバマが大統領になったのだから、8年後は??ってことになるのでしょうか。でもその時は、ヒラリーでもペイリンでもなく、アンジェリーナ・ジョリーなのかな(ゴシップ誌の読み過ぎ)。閑話休題。アフリカのサンガラに対して軍事行動を起こそうとしていたのだけど、それが国内テロ計画と関連しているかもしれないという情報が…。

というわけで、午前8時から午後2時まで6時間分をレンタル開始日に一気見しました。全体の感想としては、ちょっと印象が弱い気がする。今までのシリーズの使い回し的展開が気になる。脚本家協会のストのせいで2年待っただから、もっともっとドキドキさせる脚本を書いて欲しかったなあ。そんなことを思いながら、ひと月後の次のレンタル開始日を待ってます。