ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『ボーイズ・オン・ザ・ラン』

2010-03-03 12:41:08 | 映画
主人公・田西はガチャガチャ玩具メーカーの営業。仕事もプライベートも何をやってもダメダメ。そんな彼の前に後輩ちはるが現れる。不器用ながら付き合い始めそう、と思ったところで、ある事件が起きて疎遠になってしまう。田西役の峯田和伸の、鬱屈とした感情を抱え込む男の姿に、情けなさを笑いながらも、同時に自分を重ね合わせてしまう。好きな女の子のために立ち上がる田西に、「がんばれ!」と応援しない男はいないだろう。リア充以外は。

そう、リア充以外は、なのである。その後、田西も我々も現実を見ることになる。田西とちはるの思いは清々しいまでにすれ違い、リア充との「格差」を思い知る。終盤、ヒロインと思われていたちはるの実態が分かってきて、今までやってきたことが見事にガラガラ崩れていく。それでも一遍走り出したら止まれないのが男なんだ――!

ということで、これもラブストーリーではないし、サクセスストーリーでもない。構図は『(500)日のサマー』に似ている。が、もちろん、比較するまでもなく、なっさけなくて、下品で、低俗な話。でも「それのどこが悪いんだ!男はそういう生き物だ!」と胸を張りたくもなる。そんな力強ささえも感じさせる映画だった。ソープ嬢役のYOUもそうだけど、社長のリリー・フランキーや小林薫の配役は、まさにハマリ役。小林薫に「いい、ションベンでした」なんて言わせるのずるいよー。笑うしかないじゃん。