ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

「ピロシ、筑紫哲也シンポジウムへ行く」の巻

2009-12-07 22:26:39 | 日々
今日は、筑紫哲也逝去1年のシンポジウム「変わらぬもの 筑紫哲也とテレビ報道」というのに行ってきました。

会場は、赤坂サカス内の赤坂ブリッツという非常に若者感漂う空間なのに、平均年齢はかなり高め。そりゃ平日の昼間だものね。若い人ほど聞いて欲しい企画なのに。

さて、司会が鳥越俊太郎と膳場貴子。パネラーが加藤登紀子、香山リカ、姜尚中、草野満代、是枝裕和、立花隆、野中広務と豪華メンバー。

3時間の中で興味深かったことを抜き書きしておきます。長文で申し訳ないです。

野中さんと筑紫さんの繋がりは、京都と沖縄。自身が障害者施設の理事長をやっててそれを取材してくれたと。強面のイメージとは裏腹に弱者に対しての視点が両者一致してたのだろうな。自民党とジャーナリストと立場違えど。

立花さんは、ニュースステーションとの違いを「ワイワイガヤガヤ」から生まれてくるものだと指摘。それに対して膳場さんは、スタッフの論議に意識的に口を挟まなかったと。23編集長職を「君臨せども統治せず」だったと。

姜さんは、筑紫さんの「自分は自分を語らない」という言葉を引用して、ジャーナリストは対象に寄り添って耳を傾け語らせ、時代を浮き彫りにするものだと。語りたがる人は多いけど、それを出来る人ってなかなかいない。

それを受けて加藤さんは「政治家になるには優しすぎた」。都知事選で担がれ掛けてずいぶん悩んだらしい。立花さん曰く彼は「石原慎太郎の日本になるのはイヤ」だったと言うことらしい。週刊朝日増刊の『筑紫哲也』には、担ぎ出そうとした菅さんが「世代責任」という言葉で迫ったと載っている。世代責任=戦争を知っている世代の責任。それは確かにある。しかし、それは彼一人が負うべきものなのだろうか。「筑紫都知事」を見たかったような、見たくなかったような。結局、奥さんの言葉で断念するのだけど。そうそう、今日も奥さんが会場に見えてたらしい。一言もらえばよかったのに。

後半はテレビ、報道について。

姜さんの謎掛け「メディアと掛けて太宰治と解く。その心は、『斜陽』」。以前は若手にドキュメンタリー番組を作る場を提供する余裕がテレビ局にあったと、是枝監督。「スポンサーは神様です」とサラリと言うTBSアナがいたと驚き、その感覚はテレビを作っている人間に共有されてしまっているのでは、と危機感を覚えたと。うん、そうだよね。スポンサー至上主義が視聴率市場主義に走り、景気が悪くなってそれがさらに悪循環してる感じ。

香山さんは一視聴者として、ニュース23は「答え合わせ」だったと言う。この社会に「正解」は無いのだろうけど、自分の立ち位置を確認する上で大切な番組だったと。その上で、レギュラー出演最終回の多事争論「変わらぬもの」で言っていた「少数派であることを恐れないこと、多様な意見や立場をなるだけ登場させることで、この社会に自由の気風を保つこと」について、当たり前のことを伝えなきゃいけないぐらい民主主義の危機を感じていたのだろうと。

この辺りから話はテレビ、TBSに対して批判的な言葉が続く。

スタッフをよく知る鳥越さんは「筑紫さんの教え子は皆飛ばされた」と。何を以て飛ばされたというのか分からないけど、デスクをしていた金平さんは今アメリカにいる。新番組のごたごた、訂正・謝罪放送の多さも含め「報道のTBS」はもはや風前の灯火なのかしらん。そういえば、「TBSは死んだ」発言のあと、筑紫さんはむしろ一連のみそぎのあとのことを心配していたらしい。今はフリーの下村さんが書いてた。今がまさにその状況なのかも。姜さんは、テレビ局の社員は高給取りなのに制作会社にはほとんど残らないと指摘して、格差問題は放送業界こそ取り組むべき問題だと言及。

小泉劇場がテレビ報道のターニングポイントだったという認識は皆共通していた。どこのチャンネル回しても同じ映像。その後、06年夏の「23合宿」で筑紫さんが配ったペーパーには「意味ある少数派に向けて」というタイトルがあったという。マスメディアは「マス」に対してではもはや、やっていけないと。何か矛盾を感じるけど、大衆を扇動するメディアであってはならないという、テレビの抱える簡単ではない問題を示したかったのだろう。

終盤に是枝さんが「今の番組は想像力を使わなくても、集中しなくても見られる」と。でもそれは頭を使わずに、見たそのまま反応する(喜怒哀楽も思考も)マヒした視聴者を量産するだけではないか。

ここで時間が来たのだけど、聴衆とのやりとりが無かったのがとても残念。アンケート用紙もなかったし、これがどこかで放送されるのかも分からない。だから、とりあえず自分がメモした言葉を並べてみました。

筑紫さんが亡くなって惜しい気持ちはあるし、生きて政権交代を見てもらって何を言うか聞きたかった。でも、筑紫さんに頼りすぎた部分は無いだろうか。それに「世代責任」は乗り越えられなかった、決着を付けられなかったように感じる。それもこれも全部まるっと引き受けるのが次の世代の人、特にジャーナリストなのではないでしょうか。 以上、タジロンソウでした。

   「夕冷えや宿題抱えて帰路に就く」   あれ、これって秋の季語?

iPodなの。

2009-09-11 22:41:10 | 日々
毎年9月の恒例行事、アップルの発表会。肝臓移植で痩せちまったジョブズの姿にはちょっと哀愁漂うものの、この人やっぱりカリスマなんだなあって思います。ってMac持ってないですけど。

で、デジモノ好きは死んでも治らないと昔から申しますように、新型iPod nano発売と同時に手に入れてしまいました。ついこの前、4年前に買ったiPodを無くしちゃって。30ギガとか全部埋まらなかったのに、いまやclassicは160ギガ。そんな清水国明みたいなヘビーユーザーはいるのかね。それはそうと、nano16ギガ版を買いました。

いろいろ変わってます。ビデオカメラがついたことが一番の変化。ただ、ケータイにあれだけ付いてる機能を今更感が漂います。しかもレンズが端過ぎて指が映りこむし。それより、スピーカーが付いてイヤホンなしでも曲が聴けるのは面白い。友だちに音楽や動画を、「ねぇ見てみて」みたいな。あと、FMラジオが聴けます。って、わしゃAMっ子やがな!おお恐。たぶん、あんまり使わないでしょう。あとあと、万歩計機能も。これも最初に触ったきりになるでしょう。変わったって書いたけど、個人的にはあんまり、劇的ビフォーアフターではなかったです。

初代iPodが発売されて8年。ずいぶん時代も変わりました。これだけ無線LANとか発達するなんて思ってもなかったし。そう考えるとこのiPodも貯め込む形はもうあと何年かのものなのかも。常時高速ダウンロードできれば、メモリーなんてほとんど要らなくなるんだから。それこそ、DVDで覇権を握ったブルーレイだって動画配信が一般的になれば、必要なくなるわけだし。盛者必衰かな。

それでも、新製品をいじる楽しみはこれから先もずっと続くのでしょう。そのために金を惜しんではいけない。

四半世紀。

2009-02-27 23:43:50 | 日々
涙雪とでも言えそうな、ボタボタとした湿った雪が降った今日、25歳になりました。四捨五入すると…。皆まで言うな。考えてみたら、高校に入ってから10年も経つのね。こんな自分にも被選挙権が与えられましたので、国政も念頭に日々精進していきます。ウソです。

自分へのお誕生日プレゼントは、人気のミニノートパソコンにしてみました。ASUSのeee-PC1002HAです。S101も良かったんだけど、容量16Gは少ないし。念願のモバイルライフに突入です。写真は自作した3代目の前に鎮座する5代目。

さて、明日あさってと大阪に行ってきまーす。

『ウィキッド』@汐留

2009-02-26 23:09:55 | 日々
アメリカで10億円以上を掛けて制作されたことで話題になったウィキッド。2/24に劇団四季の日本版を見てきました。

言うなれば「裏・オズの魔法使い」。西の悪い魔女エルファバと北の良い魔女グリンダの二人は、実は同じ魔法学校の生徒だったと言うところから物語が始まる。いやあ、この発想はすごい。敵同士だと思っていたのが、本当は友達だったとは。で、前半はトントン学園生活が進むのだけれど、後半がなかなか複雑。オズの魔法使いとの繋がりも、ハハーンとさせられるものばかりで、これ観る前に映画を見返すべきだったと後悔。

どうもこのストーリー、初演直後、賛否が分かれたらしい。政治的だと。確かに緑色の肌をしたエルファバは、有色人種の象徴のように見える。じゃあ、金髪のグリンダはさしずめ、アメリカ文化だろうか、世論だろうか。明るいけど流されやすい。「魔法使い」はアメリカ政府。彼に言葉を奪われる動物たちは、社会的弱者か。確かに、登場人物は例えられるのだけど、ラストの別れはもの悲しいし、「正義」の為に闘った代償がこれで良いのだろうか。でも、これが現実なのかもしれない。

観てない人には、さっぱり何の事やら分からないかもしれないけど、いっぱい考えさせられることがありました。近くで修学旅行の中学生たちがいた。感想文なんて書けないよ、話が難しくて。でも、涙あり笑いありの歌唱もさることながら、衣装やセットも見ものだし、光のマジックと言っても過言ではない照明が、特に印象に残りました。

明日の神話

2008-11-18 08:59:24 | 日々
昨日から渋谷駅の渡り廊下に岡本太郎の「明日の神話」をバイト帰りに見てきた。

まずそのデカさに驚く。縦5.5メートル、横30メートルだそうな。絵の前に立つ警備員が本当に小さく見える。原爆をモチーフにしてるのだろうけど、ピカソのゲルニカには無い、鮮やかな彩りや動きがあって、いろんなベクトルのパワーに圧倒される。彦麿呂の言葉を借りれば、「時空と感情のキュビズムや~」。

ケータイで写真を撮る人が何十人もいたのも頷ける。まあ自分もその一人なんだけど。近づいて見上げるとドクロ部分は少し盛り上がってた。岡本太郎にとってのテーマはどこまでも人間なんだなあ。感想は、小田和正の言葉を借りれば、「言葉にできない」。
渋谷に立ち寄る際はぜひご覧下さい。

10月1日に

2008-10-01 23:52:22 | 日々
地下鉄に乗ると、子どもたちが多い。
平日なのにどうしてだろうとしばらく考えて、
都民の日だと思い出す

帰り道の街角で、黒スーツの男女の集団が和気あいあいと、
でもどこかよそよそしく歩いてく
どこかで見た光景だ
ああ、そうか内定式か

去年の今日と同じ光景
あの時は居ても立ってもいられずに、
なぜか、PSPを買ったっけ
そんな自分がいじらしい

次の就活のゴングは鳴らされて、
新聞には説明会の文字踊り、
そして、また時代が廻る

7年前の911の直前に、新宿のビルで火事
今日も未明に大阪で死傷者が
変わらなきゃならないものが変わらずに、
変わらなくてもいいものが変えられる

さてさて、このブログも丸4年
読み返してみれば、まぶたに浮かぶ
あの日、あの時、あの映画
繰り返しの日常が妙にいとおしい。

そんな気持ちを抱きしめて、
今日は眠りに就こう

あらびき団を見ながら

中野にて。

2008-09-23 00:36:03 | 日々
小雨交じりの午後、中野へ出てみる。久しぶりにフジヤカメラを覗く。我がペンタックスistDsのタムロンレンズが瀕死だったから。そしたら、今年初めに発売されたDA18-55mmF3.5-5.6AL IIが1万円。ボディごと全取っ替えという案も考えてはいたが、その数分の一でとりあえず事足りるのならば、それでいいだろうと。即決即買。IIになって何が変わったのかイマイチよく分からないのだけど。

中野通り沿いのでかい本屋にも寄る。後期のゼミで、ベネディクト・アンダーソンの『想像の共同体』を使うというので。読んでいなかったし、けど手に取るには億劫だったから、ちょうど良い機会。その横にあった『ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』という新書も買ってみた。

隣のベローチェで一休み。上杉隆の『ジャーナリズム崩壊』を読み切る。記者クラブ制度の弊害を衝いて、日本のマスコミの馴れ合い主義を憂いている。固有名詞も出ていてなかなか刺激的。何ページにもわたる訂正検証記事や、痛烈な批判も紙面に載せてしまうアメリカの新聞に対して、筆者は敬意を表している。ならば、911の時のあの扇動的な報道はどうだったのか(ニューヨークタイムズは検証記事を載せたとは言うが)、もう少し踏み込んでほしかった。

半年前に買ってそのままだった、灰谷健次郎の『子どもへの恋文』も読む。最初の章に、「おかん」というのがあり、貧しいながらも優しくピシッと凛とした母親像が浮かんできた。今朝のニュースで福岡の小1殺害事件で、母親が逮捕されたとやってたけど、怒りというより、ただ虚しさだけ。それから、昨日買ったクイズマジックアカデミーDSをやる。面白いのだけど、問題の難しさにムラがありすぎ。特にアニメとスポーツが。知らねぇよってタイトルや選手名がポンポン出てくるのには辟易。店の外に出る頃には雨も止み、空は薄いオレンジ色に光っていた。

さてさて、帰宅して総裁選のニュースを聞きながら、うちのニャンコを撮ったのが上の写真。前のレンズよりも暗くなったし室内だから、感度を上げざるを得ない。まあ、しゃーない。画はクリアになったのだから。

なぜ、こんな日記を書いたかだって? 観た映画が10本以上溜まってるのに、書く気力が無いからです。とりあえず、生きてますよ、って。

君は「キス我慢選手権」を見たか

2008-07-31 01:55:56 | 日々
いよいよ、祭典が始まる。

中国の大気汚染が心配な大都市で行われるあの祭典ではない。東京虎ノ門のテレビ東京から放送されている「ゴッドタン」の人気企画「キス我慢選手権」である。

セクシー女優。便利な言葉があるものだ。同じくテレ東の「やりすぎコージー」的に言えば、モンロー女優、である。その彼女たちが芸人にキスを迫り、それに芸人は一時間耐えられればクリアという、なんとも単純な企画。あの手この手に悶える芸人たちをゲラゲラ笑う。しかし、そのうちになんともキュンキュンするような胸の内。この複雑な感情をどこに持っていけばいいのか。前回は、もう一年も前のことになる。男たちは、この放送のために三百数十日を過ごしてきたのだ。

かつてテレ東には「ギルガメッシュナイト」という番組が存在した。あれがお祭り騒ぎの「動」のエロスだとしたら、これは「静」のエロスだろう。そして、今回の選手権のためのニセ番組が「ギルガメッシュナイト2008」だった。イジリー岡田をわざわざ呼ぶ辺り、新旧合わせたにくい演出だ。

さて、今回のキス我慢選手権は4週に渡っての放送だという。今週は、ブラックマヨネーズの小杉タン対希志あいのタン。序盤はあいのタンの攻めをツッコミながら交わしていた小杉タンも、ボディタッチ攻撃の中盤以降は押されっぱなし。特に、じっと目を見つめたまま、ふいに言い出した「キスしてくれへんの?」。この卑怯としか言いようのない関西弁には、彼も私も撃沈した。

プロだ。プロフェッショナルだ。茂木健一郎と住吉美紀にインタビューさせたいぐらいだ。この選手権には、羽生善治と森内俊之の対決に負けず劣らずの名勝負が過去にある。劇団ひとりタン対みひろタンである。死闘、といってもいいかもしれない。過去3回ともにみひろタンが勝利しているものの、内容的にはひとりタンも向こうを張っていた。今回も最終戦にあるのだろう。楽しみだ。

もうこれは、バラエティではない。ましてや、ドラマでもない。そうこれこそ、男の妄想の祭典である。見逃したならyoutubeで見てくれ。そして毎週水曜深夜には、テレビの前に居ろ。君も、伝説の目撃者となる。

恥ずかしながら帰って参りました

2008-03-20 10:15:34 | 日々
2時間遅れの飛行機に乗り、昨日の午後帰ってきました。

観光とかほとんどしなかったけど、ゆっくりできました。そんな中でERが第15シーズンで終了のニュースが。
http://eiga.com/buzz/show/10969
劇中でマーク・グリーンが亡くなったハワイで、このニュースを知るとは。なんだか感慨深いものがあります。

それから、伯母の家から40年前のクリスマスカードが発見されました。当時、今は亡き祖父がアメリカで修行している父に送ったもの。祖父は漫画家だったので、父の似顔絵が描いてあります。これもまたしみじみとした想いにさせてくれました。

何もしなかった分、考えることも多かったような気がします。今日からまたバイトやら卒業式やら飲み会やら教習所やら、動き回ります。

旅のハイライト

2008-03-17 19:23:41 | 日々
ハイライトって言ったって、よくおじいちゃんが吸ってるアレじゃないよ。

今日はヘリコプターに乗ってカウアイ島を一周しました。前の中央の席に座らされてやや恐怖を感じながら離陸。操縦士の早口の説明についてけなかったけど、さすが『ジュラシック・パーク』を撮影しただけあって、起伏に富んだ地形をしてます。まるでリアル『アース』。…ってあの映画もリアルの世界か。

平らな広い農地もあれば、グランドキャニオンのような切り立った茶色い渓谷、深緑の山々の間から流れ出でる滝などなど、刻々と変化がものすごい。島の面積は東京都の3分の2ぐらいらしい。意外と大きいのね。やや曇りがちの天気だったけれど、やっぱり一番きれいだったのは海の青色。空の青と溶け合ってどこが水平線なのか分からないぐらい。

ただね、三半規管の弱い身としては浮遊感というか、高度のアップダウンに付いていくのが大変で、気持ちのいい景色なのに気持ちが悪いなんていう妙な気分でした。