ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『明日への遺言』

2008-02-28 23:48:48 | 映画
この作品の主人公・岡田資中将は、母の大学時代の恩師の父上である。そんなことから、家族で試写会に行った。案の定お年寄りが多い。にもかかわらず、列整理が出来てないことに、劇場アルバイトとして怒り心頭。さらに、上映前に抽選会なぞやりおって。当たると女子アナDVDがもらえるらしい。しかも20人も。さらに、この映画ノベルティのしおりも20名様に。一人ひとり番号読み上げて行った結果、会場は飽き飽きとしてビミョーな空気に。アスミックエース、バカか。

で、上映。監督は、『博士の愛した数式』の小泉堯史監督だったので、期待していたが、ガッカリな結果に。C級戦犯として裁判に掛けられた岡田中将を描いているのだけれど、淡々と、というかただ正面から台詞の読み上げを撮っているような感じが延々と続き、正直飽きてしまった。岡田中将が高潔なで、流行りで言えば「品格」のある人物であることは分かった。だけどそれを表面的になぞるだけで、映画としての表現法がほとんど無かったように思える。むしろ、この脚本でラジオドラマか朗読劇にした方が、効果的なのでは。例えば、アメリカ人弁護士の視点から語るとか、方法いろいろあったろうに。泣ける映画が必ずしも良い映画とは思わないけど、この映画、お涙ちょうだいテイストにもなってない。かといって、ドーンとした読了感もない。

ナレーションの竹ノ内豊も格調高く当てようとして変な感じになってるし。最初のドキュメンタリーチックなところも、説明的すぎて必要ないし。松平アナにナレーションやってもらえば、「その時、歴史が動いた」に利用することは出来るかな。あと、蒼井優目当てに見ない方がいいよ。出番ちょっとだけだし、何の味もしないし。

だいたい、戦争モノって批判しにくいけど、これはねぇ。スタッフロールに入った瞬間に、一気に席を立つ人の多さに表れていると思った。

二十四のピロシ

2008-02-27 18:47:33 | 日々
今日、24歳になりました。そして、さっき大学院の合格発表があって、受かってました。ホッとしたというのが正直なところ。

最近、年齢に対しての焦りのようなものをヒシヒシ感じます。同世代の友人たちは、社会の荒波に揉まれてます。その船を漕いでゆけ、おまえの手で漕いでゆけ、おまえが消えて喜ぶ者に、おまえのオールをまかせるな。宙船です。中島みゆき、いい詩書くなあ。

そうなんです、いい文章を書けるようになりたいんです。相手に己の言わんとしていることが伝わり、なにより自分が書ききったという気持ちが充満しているような文章を。教育実習でも、就活でも、卒論でも、自分の中にある感情や思考を、言葉という形で外に出すということの難しさを実感させられました。今頃そんなことが分かったなんていうのは、遅いのかもしれません。でも、この2年でどこまで出来るか分からないけれども、修練したいというのが今の気持ち。

『二十四の瞳』は戦争に向かっていく時代を見つめました。果たしてこの二十四歳の瞳は、何を見るんだろうか、そしてどう言葉にするんだろうか。自分に対して不安と期待と半々入り交じってます。

春はもうすぐ、ですね。

第80回アカデミー賞

2008-02-25 22:37:37 | 映画
脚本家協会のストライキで開催さえ危ぶまれたのにねえ。地味で暗い作品が揃った中、作品賞など獲った『ノーカントリー』、うちの劇場でも上映します。なので、結果を知った瞬間に「4冠達成!!」の文字を印刷してポスターに貼り付けておきました。自己満足満足。

今回うれしかったのは、去年、ピロデミー女優賞を差し上げたマリオン・コティヤールが主演女優賞に選ばれたこと。エディット・ピアフが天から降臨したイタコ芸かのようだったもの。あと、外国語映画部門で『ヒトラーの贋札』が選ばれたし。やや娯楽色が強いから、ムリかなとも思ってたのだけど。有名どころ、ジョージ・クルーニー、ジョニー・デップは残念でした。また次があるさ。

以下、メモとして受賞結果をコピペ。

作品賞
『ノーカントリー』

監督賞
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン (『ノーカントリー』)

主演男優賞
ダニエル・デイ・ルイス (『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』)

主演女優賞
マリオン・コティヤール (『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』)

助演男優賞
ハビエル・バルデム (『ノーカントリー』)

助演女優賞
ティルダ・スウィントン (『フィクサー』)

オリジナル脚本賞
『JUNO/ジュノ』

脚色賞
『ノーカントリー』

長編アニメーション賞
『レミーのおいしいレストラン』

外国語映画賞
『ヒトラーの贋札』 (ドイツ=オーストリア/ステファン・ルツォヴィッキー監督)
美術賞
『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

長編ドキュメンタリー賞
『「闇」へ』

撮影賞
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』

衣装デザイン賞
『エリザベス:ゴールデン・エイジ』

短編ドキュメンタリー賞
“Freeheld”

編集賞
『ボーン・アルティメイタム』

メイクアップ賞
『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』

音楽賞
『つぐない』

歌曲賞
『ONCE ダブリンの街角で』“Falling Slowly”

短編アニメーション賞
“Peter & the Wolf”

短編実写賞
“Le Mozart des Pickpockets”

音響効果賞
『ボーン・アルティメイタム』

録音賞
『ボーン・アルティメイタム』

視覚効果賞
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』

『スウィーニー・トッド』

2008-02-25 01:08:58 | 映画
最近のジョニー・デップは、奇天烈な役ばかり。今回も復讐に燃える殺人鬼の役。19世紀のイギリス、無実の罪で15年も牢獄で過ごした床屋のベンジャミン・バーカーは、自分を陥れたターピン判事に復讐すべく、スウィーニー・トッドに名を変え再び元の部屋で開業し機会を窺っていた…。

ティム・バートンのブラックな部分がドロドロ流れ出す世界観。意外にも彼の作品初のR-15指定なんだそうな。青っぽい灰色の画面が、見てる方まで陰気な気分にさせてしまう。なーんだか、一日鬱々としてまいそうな。逆にその分、過去のシーンとか空想のシーンの色遣いは、メルヘンチックで対比的。暗いミュージカルって珍しいけど、歌はデップ自身が歌ってて、なかなか鬼気迫る感じが出てた。

で、一番の見せ場は、やっぱりカミソリで喉をかっ割くシーンでしょう。まるで、お正月にも見ることが少なくなった水芸かのごとく、ビュービュー吹き出るわ出るわ。仕舞いにゃ気持ち悪くなってくる始末。またその時のデップの目付きがギラついてて、怖い、というかなんか見てられない感じ。殺人が行われてる階下で、ミートパイ屋が繁盛しているのは、痛烈な皮肉。肉だけに。はい、すみません。

ささやかな幸せを願いながら叶えることの出来なかった、パートナー役のヘレナ・ボナム=カーターもいい演技。デップは明日のアカデミー賞にノミネートされてるけど、獲れるんだろか。前評判だと、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ダニエル・デイ=ルイスみたいだけど。

『人のセックスを笑うな』

2008-02-23 01:31:37 | 映画
どこかの地方都市、美術学校に通うみるめはリトグラフ講師のユリに誘われ、アトリエでモデルをすることに。そしてユリの無邪気な姿にずるずる引き込まれていく。

この映画、どう考えても永作博美、である。あまりにも自由すぎ。淡々と進んでいく若者たちの日常の中に、降ってきたユリ。人間、だいたい何かに縛られてる。勉学、仕事、家族、結婚、友人、世間、年齢…。そういうものを軽々飛び越え生きている。みるめについては「だって触ってみたかったんだもの」。あっけらかんとそう言うユリの姿に、惚れちゃう憧れちゃう。まさに永作萌え。39歳と19歳の恋愛なのに、背徳感とか熟女感(^_^;とか全然感じないのが不思議。ありです、あり。

引きの画が多いから、たまにユリとみるめがアップになってチュッチュしてたりすると、どうしようもないぐらいキュンキュンくるわぁ。写真がまさにそのシーンなんだけど。ここで私はオチマシタ。

ただ、彼女と付き合っていけるかと言えば、ムリだよなあって思う。現にみるめは苦悶しきりだったし。ああ、そんな考え方する時点で、自分は不自由確定。エンディングテーマの歌詞、「もう知識はいらない」ってリフレインが、ずっと脳の底にこびり付いてる。

『陰日向に咲く』

2008-02-19 23:45:47 | 映画
言わずとしれた劇団ひとりタンの小説が原作。太田光が絶賛してる原作は読んでないけど、聞くところによると、短編集でそれぞれに関連はないのね。でも映画は、それをムリクリまとめて甘辛く煮詰めました、っていう趣き。既視感が強いのがなあ。

岡田君のダメ人間っぷりが面白かったから、これ一本で行ってくれたら。『嫌われ松子の一生』並のどん底芸を見せつけてほしかった。まあ、いろんな年代のお客を集めるためには、幅広いキャスト、役柄が必要になるのは分かるけど。そうそう、ジュピター役の緒川たまきと岡田君を追いかけるバスガイドの平岩紙をもっと出番多くして。なんか、いい役どころでした。あと、台風のシーンはなかなかリアリティがあったよ。む、褒めるのが難しい。

メインストーリーと全く接点の無いところで話が進んでた、アキバアイドル・ミャーコ役には、平山あやなぞ使わず、大沢あかねにすれば良かったのに。崖っぷち感がさらに高まると思うんだけど。公私混同とか知らねえさ。

ブルーレイと東京マラソン

2008-02-18 17:59:05 | 世間
腹立ててるもの二題。

ブルーレイ。
東芝がHD-DVDの撤退を検討しているらしい。別にデッキを買ってもいないから、何か被害があったわけでもない。ソニーは何が何でも自分のところで勝手に規格を作りたがるんだなってこと。現行DVDと互換性があって、低価格が売りのHD-DVDを陰ながら応援してた自分にはちょっとショック。3年間の規格統一の話はなんだったんだよ。買っちゃった人はどうすればいいんだよ。
ベータ対VHSの戦いはVHSがレンタルビデオ屋に売り込んだ結果、全国に広まってベータは撤退しなきゃならなくなって、うちのビデオはもうずっと見られなくなっちゃったんだよってバイトの後輩に言ったら、ベータって何ですか、とか訊いてきやがる、それぐらい常識のじの字だろって心の中でリフレインしながら、ジェネレーションギャップモードに突入してる自分に自己嫌悪。
なんて、ほとんど知りもしない川上未映子の文体を真似しますよ、そりゃ。

東京マラソン。
あれって、シンタローのオリンピック招致を絡めた選挙目当てに始まってもんだろ。走った人とかボランティアに行った人には悪いけどさ。最初はそのこと批判してた朝日新聞だって、去年の開催後の社説はとっても好印象で書いてあったし、今日の天声人語なんか筆者が昨日の沿道で応援してた話だもの。しかも質の悪いことに、己が主催してる東京国際女子マラソンを終了して、東京マラソンに吸収させるんだとさ。どこまで人がいいんだか。
そもそも、市民マラソンなら青梅マラソンがあるし、ごった煮みたいな東京マラソンが競技マラソンに適しているとは思えないし。もはやどのマスコミも批判的な記事はほとんど無いように見える。日テレは芸人、女子アナのお祭り騒ぎだし。
来年のシンタローマラソンの日にちって、もう決まってるんだとさ。なんだかなあ。

エムピウの財布

2008-02-16 01:30:49 | 好きなもの
使ってる財布が破け始めた。1000円で買ったから当然か。ネットで探しているうちに評判の良さげなのを見つけた。m+(エムピウ)のmillefoglie。ちょうど、水天宮前のsurouって雑貨屋で、傷あり品を安く売ってたので購入。傷ありって言ったって、ちょっとしたかすり傷みたいなの。それで1万円のものが6800円に。

写真はHPに載ってたもの。買ったのもこの色。一枚皮が三つ折りになってて、小銭入れの下にお札を挟む感じ。だから、小銭とお札が同時に出せて、便利べんり。新しい感覚だからか、お金を支払うのがちょっと楽しい。

カードの容量は15枚だそう。前の財布からカード類を出してみたら、25枚もあった。これを機に減量しようと思います。

http://www.m-piu.com/

『ヒトラーの贋札』

2008-02-08 00:42:35 | 映画
シャンテシネにて。平日にも関わらず、『ラスト、コーション』が激混みらしく、あぶれたご老人たちが流れてきて結構な混みよう。アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされましたね。

ナチス時代を描く作品には佳作が多く、人間ドラマという言葉がピッタリ合う。この作品もまたよく出来ていて、1時間半強の中にぎゅっと詰まってる。ユダヤ人のサリーはニセ札造りの容疑で逮捕され収容所に送られる。絵が得意なことを活かして、看守に取り入ろうとする。あくまで生きるための言動がストイック。しかし、英米を脅かすための偽造紙幣作成の責任者になると、彼の中に変化が起こる。

この偽造工場に携わっている者は、破格の扱いを受けている。他では簡単に銃殺される者がいるにも関わらず。そのギャップが息苦しい。工場の中でも、病気になった者を必死に隠したり、ニセ札造りを巡り意見が対立したり。その中でサリーは、生き延びることとナチスに対する反抗心との間で揺れる。ここら辺のスリリングさが見もの。人間の良心、尊厳とは何ぞや。

戦争の無惨さ空虚さを描きつつ、心理ゲームのようなエンターテインメント性もあって、バランスがいい。戦後、サリーがカジノで自暴自棄になってるのを見て、また再び考えさせられる。

『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』

2008-02-05 00:09:25 | 映画
Mr.ビーン、10年ぶりの新作。いやあ、お懐かしゅうございます。NHKの深夜放送で見たなあ。

今回、Mr.ビーン(ちなみに“ミスター”は名字らしい)は、慈善クジに当たってフランスのカンヌへ旅行に出かけることに。毎度のことながら、自分自身でトラブルを起こして巻き込まれながら、どんどんあさっての方向へ。ロシア人の少年やフランス人女優と共にドタバタしながら、カンヌへ向かうが…。

フランスだから言葉が通じないわけで、いつも以上にジェスチャー芸に磨きが掛かってる!とは言っても、テレビシリーズのシットコムのような観客の笑い声が付いてはいない。かといって映画館のお客が大笑いすることもなく。ちょっとそこは寂しい。

でも、スピーカーから流れるアリアに合わせて歌い上げる真似をするシーンは、抱腹ものながら、ある種、感動してしまう。そりゃみんな金を投げ込みたくなるよ。ジャック・タチの『ぼくの伯父さんの休暇』がベースにあるらしいけど、『ぼくセザール10歳半1m39cm』を観たときの郷愁を誘う感じに似てる。

終盤、ビーンが持っていたビデオカメラが役立つ。なるほどうまいオチだ。南フランスの気候のように、カラッと気持ちの良いコメディだった。