ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『月に囚われた男』

2010-05-02 23:42:37 | 映画
大阪に来て初めて映画を見ました。2ヶ月ぶり。本当は『オーケストラ!』が見たかったんだけど、満席で。あ、映画サービスデーだったのね。というわけで、こちらを見ました。

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月はエネルギーの宝庫らしい。石油の枯渇した未来の地球ではそれを頼りに暮らしている。サムはその採掘のために一人で月にいる。それもこれも妻と娘のためだ。接点はビデオレターだけ。彼の孤独感は推して知るべし。

物語はほぼ一人芝居で進む。厳密に言えば…違う?そこらへん、この映画のムズカシサ。『アイランド』や『スカイ・クロラ』的なって書いちゃうと、ネタバレなのかな。はっきりいっちゃいましょう、そうです、クローンの話です。傍から倫理的にクローンの是非を問うようなことじゃなくて、クローン人間がそのことに気がついてしまったらどうなるのか。帰る家が無いと分かれば、孤独感は絶望へと変化する。

一見、ミステリーのタネ明かしを楽しむタイプの映画のように思えるけど、それだけじゃない。クローンを生きる哀しみと、それを共有することで生まれる奇妙な感情、ひいては文明への警鐘が含まれる。あまりにも簡素で無機質でスタイリッシュな映像に、そのメッセージが浮かび上がる。

なぜか基地のある地区は「サラン(愛)」。作業着にもハングルで書いてあった。韓国がこの分野で覇権を握ったのかな。他にもこの映画、いくつか謎があります。