ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

猫、あるいは、9

2006-08-31 18:30:13 | 日々
今朝、うちの猫が息を引き取った。
我が家にやって来て十数年。
名付け親は自分だった。

アメショーとチンチラのハーフ。
長い毛を纏った身体は、みるみるうちに痩せていった。

最期に見たとき、撫でていると一声鳴いた。
いつもは、全くと言っていいほど鳴かない彼女が。

「子猫殺し」の作家が叩かれているけど、
あまりにやりきれない。

棺がわりの段ボールに向日葵と桔梗の花を入れた。
8月が終っても暑い日は続くのだろうけれど、
花を見ながら、秋への移ろいを感じた。

そして、9月が始まる。
世間じゃ、新内閣だ、東京オリンピックだと騒いでる。
まもなく、あの時から5年。9.11。

最近、『憲法九条を世界遺産に』という本を読んだ。
太田光と中沢新一の対談本だ。
憲法九条がために殺される覚悟はあるか、という問いに答えられずにいる。


憲法九条を世界遺産に

集英社

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第58回エミー賞

2006-08-28 23:45:44 | 海外ドラマ
テレビ界のアカデミー賞、エミー賞が発表されました。ついに『24』が最優秀作品賞を受賞!ついでに、キーファー・サザーランドも最優秀主演男優賞受賞。中だるみもせずに、勢いは衰えませんな。アメリカで放送したその年に、もう日本でDVDが発売されるなんて、今までなかったもの。キーファーのお父さん、ドナルド・サザーランドも、ミニシリーズ部門でノミネートされてたのね。佐藤浩市が三國連太郎にトロフィー渡した時の日本アカデミー賞を思い出したよ。

今年、第7シーズンで大団円を迎えた『ザ・ホワイトハウス』からは、共和党の大統領候補を演じたアラン・アルダが助演男優賞を獲得。レギュラーメンバーで唯一受賞歴の無かったマーティン・シーンは、結局取れず。残念。写真は息子チャーリーと。髪、白くなったなぁ。

同じく最終シーズンだった『ザ・ソプラノズ』は脚本賞のみで、低調。昨年の最優秀作品賞『LOST』第2シーズンは、視聴率低下も合ってか、ノミネートも少なく、ストーリーも含めて来シーズン持ちこたえられるか心配。DVD見始めたのに…。『ER』はソープオペラになってしまったか、名前が見当たらず。コメディ部門、『ザ・オフィス』ってイギリスのドラマじゃない?って思ってたら、アメリカでのリメイク版なのね。

以下、今年の受賞。

■最優秀ドラマ
「24 TWENTY FOUR」

■最優秀コメディ
「ザ・オフィス」(原題)

■主演男優賞(ドラマ)
 キーファー・サザーランド 「24 TWENTY FOUR」

■監督賞(ドラマ)
「24 TWENTY FOUR」

■主演男優賞(コメディ)
 トニー・シャローブ 「モンク」

■主演女優賞(ドラマ)
 マリスカ・ハージテイ 「ロー・アンド・オーダーSVU」(原題)

■主演女優賞(コメディ)
 ジュリア・ルイス=ドレイファス 「ザ・ニュー・アドベンチャーズ・オブ・オールド・クリスティン」(原題)

■助演男優賞(ドラマ)
 アラン・アルダ 「ザ・ホワイトハウス」

■助演男優賞(コメディ)
 ジェレミー・ピヴェン 「アントラージュ」(原題)

■助演女優賞(ドラマ)
 ブライス・ダナー 「ハフ ~ドクターは中年症候群」

■助演女優賞(コメディ)
 メーガン・ムラリー 「ウィル&グレイス」

『時をかける少女』 久々にアニメで感動!

2006-08-23 23:45:46 | 映画
甲子園決勝再試合、早実のピッチャー斎藤が、ハンカチで汗ふきふきしているその最中に、満員のテアトル新宿で、話題の『時をかける少女』を観て参りました。

結論から言うと、「観れ!」。巷じゃ、『ゲド戦記』VS『ブレイブストーリー』なんて言ってるけど、このトキカケの方がはるかに上。今年の夏アニメは、これで決まり!  …ブレイブ、まだ観てないけどさ…。

まずね、映像のクオリティがイイ。キャラクターの動き、フレームワーク、テンポ、背景と、一つ一つがとても丁寧。夏の匂いが伝わってくる。吾朗ちゃん、ここからいろいろ盗んで!

脚本も良し!筒井康隆原作の20年後の現代が舞台になってるんだけど、原作の主人公・芳山和子が、今作の主人公・紺野真琴の叔母として登場する。その和子と勤務先の国立博物館が、物語に深みを加えている。この物語では、分岐点が強調されてる。進学先の理系文系、学校帰りの分かれ道、そして仲良しの男子二人。「もしあの時…」という思いは誰にもある。その心理を巧く突いた展開。

原作は、悲恋の側面が強かったけれど、このアニメ版は、ポジティブシンキングな主人公。それでいて、哲学的でもあり、感情の交差する青春ドラマでもあり、成長物語でもあり、単なる「胸キュンアニメ」という言葉に収めてしまうのは、もったいない。MOTTAINAI!

過去にしか戻れない能力のはずなのに、少女の決意する姿に、未来を感じた。

『太陽』 皇后の、女の眼

2006-08-21 00:25:14 | 映画
まあ、なんと清いタイトルなんでしょう。1年半前、ベルリン映画祭で掛かったときから注目してたけど、日本じゃ、DVDでしか観られないのかなと思ってたところ、やっとこさっとこ公開。銀座シネパトス1館だけで。観にいった日も大混雑。東銀座は、とろけるほど暑いし。

昭和天皇裕仁の太平洋戦争末期から終戦後にかけてを描く。余計な説明無く、映画は始まる。朝食シーンから、軍服への着替え、御前会議、海洋生物の研究と、驚くほど淡々と時間が過ぎてゆく。ラジオや会話から敗戦が濃厚だと分かる。外部がそんな状況なのにもかかわらず、天皇である己は、侍従たちに恭しく扱われている。天皇を演ずるイッセー尾形の、その困惑した様子は、見事。もの言いたそうに動くその口によく表れている。口癖「あ、そう」も真骨頂。

この映画は、戦争を直接的に描いていない。原爆も終戦も玉音放送も描かれていない。あるのは、魚の爆撃機が小魚爆弾を落としていく想像上の空襲にうなされる天皇の姿だけ。いつの間にか戦争が終わっていて、米兵たちが日本に駐留している。宮中にいれば、そんな感覚に陥ったかもしれない。そして、彼は、皇居の堀から外に出て、現実を目撃するのだ。この状況を終戦まで見ることの無かったただ一人の日本人だけに、ショックは大きかっただろう。

終戦を境に、淡々とした物語に、シュールな笑いが加わる。連合国からの「贈り物」の一件には、思わず噴出してしまった。固まりきっていた緊張が一気に解かれた。天皇や侍従の安堵感、そこらへんの演出も巧い。

ラストシーンで、やっと桃井かおりの皇后が、疎開先から帰ってくる。「これで私たちは自由だよ」と喜び合う二人。そこに、侍従がある事実を伝える。それを聞いた天皇を鋭く見つめる皇后の視線に、全てのメッセージが詰まっていると思う。

『幸せのポートレート』

2006-08-19 01:29:47 | 映画
『セックス・アンド・ザ・シティ』のサラ・ジェシカ・パーカー主演作。ここまでで何回「・(なかぐろ)」を使ったことか。

ニューヨークのキャリアウーマン・メレディスは、恋人のエヴェレットの実家で、クリスマスを過ごすことに。メレディスは、彼の家族の前で、イケイケバカ女ぶりを発揮。デリカシーの無さ全開。それでいながら「私は悪くないのに」的発言を繰り返すし。家族の受け入れも悪いんだけど、なんか主人公に共感できない。演ずるパーカーは、髪をアップにして、より特徴的によそ者的な感じを強調していて、そう意味では成功してるんだけどね。

家族それぞれに、悩みや隠し事を持っているっていうお決まりのパターンなんだけど、それが散漫となりすぎてて、どうも感動どころを逃してしまう。ラストも、バカボンのパパなら「これでいいのだ!」と言うかもしれないけど、観客としちゃ「これでいいのか?」と言うツッコミを入れたくなること必死。そもそも、なんでこんな真夏に、クリスマスの映画をやるんだか。

『ゲド戦記』

2006-08-15 00:32:59 | 映画
ピロシは、ゲド戦記を応援しません。。。

駿の息子の吾朗、初監督作品。ジブリの森美術館館長からアニメ制作現場の経験ゼロで監督就任。それはないでしょ、鈴木さんよ。特に、前半の間の悪さ、カットの甘さに、出てるよね、力量が。キャラクターの動きとかセリフとか、グッと来るシーンが無いのが残念。というか、淡々としすぎてない?ジブリ作品(というか駿作品)にありがちなシーンを求めすぎたのかな。不肖の息子として扱われてしまうのは、不幸だけれど、ジブリ作品としてお客さんたくさん来てるんだもの。そういう点では、もっと精進してから作品を掛けて下さい。

国王役が小林薫。そう、バートレット大統領にしか思えない。しかも、女中の声でドナ役の八十川真由野が出演。目をつぶって、やりとり聴いてたら、完全に『ザ・ホワイトハウス』だよ。まあ、国王は早々にお隠れあそばされるわけで。

さーて、お口直しに『時をかける少女』でも観に行こうっと。

月日は百代の過客にして

2006-08-07 23:24:36 | 世間
田中康夫が負けたと、渋谷の街頭ニュースを見て、ああもう6年も経ったのかという思いと一緒に、人々の心も移ろいやすさを感じていた。

彼は、変わらなかったのか、変われなかったのか。独善的といわれる手法が今回の選挙の争点になってしまったようだ。「脱ダム宣言」に対しての評価云々では無かった。

トップダウンの手法といえば、東京にもいる。ただ違うのは、議会がオール与党で、何を言っても許されてしまうな強気な性格と、しつこいまばたきだろう。来年はこちらも選挙。オリンピック開催に立候補したあたり、嫌な予感がする。