ブログ日和。

映画と、『ER緊急救命室』『ザ・ホワイトハウス』などの海外ドラマと、世間に対してのツッコミを徒然に書いていきます。

『グッド・シェパード』

2007-11-29 12:12:08 | 映画
1961年のビッグス湾事件を軸に、作戦失敗をの理由を追うCIA局員の物語。『メタルギアソリッド』でも出てくる事件か。現代のアメリカ(引いては世界の)社会、政治につながる暗部を描かれている。

レオ様の代役としての出演だと言われるマットデーモンはなかなか。感情をぐっと抑えた演技、佇まいが、国家の一大事を個人が背負った哀しみ(というよりかむしろ、痛み)を伝えてる。なんでそんな大変なところに入っちゃったんだろ。学生時代に出会った彼女との別れも、アンジェリーナ・ジョリー演じる妻からの叫びも、ただただ耐える。

途中で気がつく、ああ、父子の物語なのだと。父の自殺、息子との確執。それはまた、アメリカという国家と彼との関係と同じなのではないかと。思えば思うほど裏切られた感覚が強くなり、それでも逃れられない存在。苦しいね。

重厚な3時間弱、長くは感じなかったが、ラストにやや違和感。ズシーンと重い結末にしようとしたかったのかもしれないけれど、あの「落とし方」は、ちょっとねぇ。

一人旅・まとめ

2007-11-22 23:39:40 | 日々
京都と神戸で友人に会い、早朝の出雲大社で畏敬の念を覚え、石見銀山では往年の人々の生活を見、そして旅の終着地、津和野で我がルーツを求めた。


いくつか思ったこと。

・秋の休日の京都は、佃煮にするほど人が多い

・今年は紅葉が遅い、色がまばらすぎ(写真は良いところを切り抜きました)

・都路里のパフェはうまいが、男二人で入るところではない

・ネットカフェに泊まろうとしたら、カミソリ、コンタクト液、ACアダプター等々を入れた袋を置いてきたことに気が付く罠(そして翌朝、ダイエーで購入せざるを得ない罠)

・コンタクトを外している間に入ったスタバで、「カフェミスト」を「カフェミント」と読み間違える罠(そして、店員に事実無根のクレームをしそうになる罠)

・12月前にクリスマス本番のような神戸の街

・夜行バスはあまりにも早い時間に着きすぎ。始発の電車も動いてない

・NHK放送終了時に流れる日の丸は、出雲大社の掲揚台で撮影されたもの

・大田市駅から石見銀山へ続く道路は、世界遺産決定後、たった3週間で作られたらしい(バスの運転手のおっちゃんがいってた)

・自然歩道とはサバイバル道、安易に行くと死にかける

・津和野のお堀の鯉は、多すぎて身動きとれずに巨大化。1メートル級もいた


初めての一人旅。と言っても、二日目までは友達に案内してもらってたわけだけど。行く前は、遠くに行きたい、ただそれだけだったのに、いざ、知らない街に行ってみると人恋しくなってくる。そんな矛盾した感情の中で人間って生きてるんだなぁ。 みつを。

出雲へ…

2007-11-19 10:19:51 | 日々
京都、神戸と経て出雲にやってきました。朝6時に夜行バスが出雲市駅に到着。7時半には出雲大社におりました。氷雨が降り、ほとんど誰もいない平日早朝の境内は、しっとりと濡れて厳かな雰囲気を醸し出しています。吐く息は雲のように白く、凍えそうなぐらい。

気が付けば、当地は神在月。本当に全国の神々が集まっているのか、不思議に思うぐらい静か。しばらくすると、シャー、シャーと、音が。衣装を纏った職員の人たちが、砂利道の落ち葉をかき集めていました。神社の朝は早い。

これから、世界遺産に登録される石見銀山に行ってきます。単線列車はのんびりしてて、いいね。

いい日旅立ち・西へ

2007-11-17 08:21:29 | 日々
鬼束ちひろが、カムバックしてくれたのはうれしいんだけど、歌詞にしろ歌唱にしろ、どうしようもないぐらいの漠然とした不安感みたいなのが、無くなってしまったような…。


それはそうと、私は今、東海道新幹線N700系に乗っております。この車両には初めて乗るので、内なる鉄ちゃんの血が騒いでます。

一人旅です。卒論・院試を前に、遠くに行きたくなってしまったのです。♪知らない街に行ってみたい~。所さんの目がテン後の日曜朝7時半、森山良子の心境です。後は追わないでください。

これから、京都へ向かい紅葉を見てきます。

『クワイエットルームにようこそ』

2007-11-12 11:14:57 | 映画
松尾スズキが小説書いて、そのまま本人が監督した作品。<クワイエットルーム=精神病棟の独房>に入れられた女ライターが、退院するまでのお話。

改めて、純君、有紀ちゃんを帰してくれてありがとう(こればっかり)。久々に内田有紀を堪能できた。脱いじゃうしね。それに周りの入院患者たち、医者や看護婦、ダンナとコモノとか、各々の役どころを分かってる。それが、笑っちゃうんだけどホントに笑っていいものか困ってしまう、妙な感覚に陥らせてくれる。中でも、元AV女優の役を、長期入院患者の貫禄込みで怪演している大竹しのぶは、やっぱり上手い。鉄板。

閉じ込められている焦燥感と、あまりにも事務的な病院の態度に対して、有紀ちゃんはついにタンカを切る。ここは痛快なのだけれど、そこで物語を終わらせなかったのが良かった。単なる二項対立にはせずに。

終盤、彼女が信じていたものが壊れていく。その瓦礫を見たからこそ、何もかもを捨てて、出られたのかもしれない。ラストに車窓から捨てる紙切れに書かれていた文字は、暗示的でもあり、格言のようにも思えた。そういや、松尾スズキって離婚したんだったよな。

『ヘアスプレー』

2007-11-04 01:02:50 | 映画
TOHOシネマズ南大沢にて。

ブロードウェイで大ヒットした『ヘアスプレー』が映画化。いやあ、もう最高!の一言に尽きる。ただただ、最初から最後まで楽しい。主役トレーシーが歌う1曲目の「グッドモーニング、バルティモア」からハッピーボルテージがグングンあがってく。体が自然と動き出しちゃう感じ。

60年代の黒人差別をテーマにしているけど、それをサラッとメッセージを込てるのはお見事。ポチャ系(系というか完全に)のトレーシーのある種の「鈍感力」が、街中を巻き込んでいく様は爽快そのもの。新人女優ニッキー・ブロンスキーを支えるベテラン人も役所を押さえてる。特に女装までして母親役を演じたジョン・トラボルタの入れ込み方はすんごい。強烈すぎ。舞台版の『シカゴ』で女性記者役を男性がやってたけれど、笑いに笑い、歌に酔いしれた、あのときの感覚がよみがえる。

そういえば、『ザ・ホワイトハウス』のCJ、アリソン・ジャーニーがトレーシーの親友の母親役で登場。ヒステリックなママで、十数年前に出演した『34丁目の奇跡』と何ら変わらない役どころがちょっと悲しかったかな。あと、ミスバルティモアに選ばれたのが、舞台版ではトレーシーだったようだけど、映画は黒人の女の子だったのが、政治的バランスをわざわざ持ち込んだような感じ。その二点以外は、スタンディングオベーションものでした。

『優雅な生活』@コリアンシネマウィーク

2007-11-01 00:18:26 | 映画
東京国際映画祭提携企画のコリアンシネマウィークで。別にわざわざ枠を設けなくてもアジアの風部門があるんだから、そこで掛ければいいのに。企画がゴチャゴチャしすぎと新聞に評される始末。「東のカンヌ」なんてことはもう言わずに、開催してほしいなあ。

この作品でソンガンホは、実に10年ぶりにヤクザの役を演じたそうな。意外や意外。「韓流ソプラノズ」とでも言えばいいのか、乱暴者で無茶なことばかりで稼ぐ外の姿と、嫁と娘に白い目で見られる家庭の様子との落差を笑うコメディ。ヤクザの仕事に嫌気が差しながらも、自分の命が狙われると気付くや否やフルボッコの血祭り騒ぎ。そんなシーンが長くて、ハラハラするどころか逆にウトウトしてしまった…。

笑顔から泣き顔、そして憮然とし怒り出す、ラストシーン。まるで駄菓子屋の「変わり玉」のように変化していく様は、さすがソンガンホ。