静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

関西の旅; #-1   ” 晴れ男 摂津の秋空に癒される "     

2014-09-29 09:53:40 | 旅行
 関西の旧友を訪ねた短い旅。初日は先ず清荒神(阪急・宝塚線)清澄寺境内にある富岡鉄斎美術館へ。参道のゆるい坂を1Km余り登ると清澄寺が威厳を備えた風格で現れる。境内は広いといえないが、こざっぱりとした伽藍配置であり、紅葉時には借景の裏山がさぞ見事だろうな、とすぐにイメージが湧いた。美術館は境内の奥まった場所に建っている。
                      
 鉄斎は天保年間に生まれ、大正末期までの長寿に恵まれた文人画家。書も画も同一の筆墨による表現であるとの伝統的考えにたつ「書画同源」を忠実に実践した人こそが<文人>と称されるに相応しい、この手本となったのが鉄斎である。書の拙劣な私には絶望的な壁で、習っている水墨の師匠に接するたび、打ちのめされている。今回は端無くもそれを再確認することになった。
                      
  午後は万博記念公園にある国立民族学博物館へ。梅棹忠夫さんを仰ぎ見た世代の者にとり<民博>は是非とも訪ねたい場所。余裕に満ちたスペースを活かした展示は期待通り見事なもので、足が棒になるほど館内は広い。折からの秋晴れに「太陽の塔」が映え、1970年の初夏、万博会場建設の真っ最中に学生アルバイトで建設現場に来ていた頃を思い出した。林立したパヴィリオン跡は綺麗な芝生で覆われ、樹木も高く育っている。
  日本庭園の方から拡声器で何やら聞こえてきたので耳をそばだてると<神田川>や<この広い野原いっぱい>を唄っている。「いまどき、誰だろうな?」と。帰宅後、家内から南こうせつが同時代仲間の森山良子らフォーク歌手と共に野外コンサートを開いていたと聞く。 奇しくも、70年代の幕開けと日本の隆盛を象徴した万博会場の青空に、40年余りの時を越え、私の青春が共鳴していた。
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