静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ ”コロナ狂騒曲:第1番 ≫に暮れた半年!   見えた事 & 悟った事・・・・未だ曲は 緩徐楽章に向かう前だ

2020-06-30 16:56:58 | 時評
 ついに2020年の半分が今日で終わる。 今年がどういう年になるのか?地球上の誰も想像がつかない。 うっすら信じ始めているのは、世界が去年までとは大幅に変わるだろう、との予感だけ。今年だけで狂騒が萎むのかさえ、わからない。 今にして思えば、国により、地域により導入の遅い/早いはあったが、1~2月は、狂騒曲の序奏・導入部だった。 その音が醸し出す気配は、今生きている人類の誰も聞いたことがない不気味なイントロで、
3月に入るや直ぐに、狂わんばかりのスピードで走る第2楽章に入った。

それからマル4ヶ月、耳を覆いたい大音声が続き、やっと気がふれたような激しさは遠のいた。 次は静かでユックリした第3楽章に移るのかな?
と日本では思わせるが、アメリカなど諸国では未だに暴風が吹き荒れ、2楽章の終りさえ聴衆には予想させない。然も、この轟音鳴り響く演奏ホールは、困った事に人類の誰ひとり逃げられない。 全部で何楽章あるのかさえ不明だし、いつ狂騒曲の最後が来るのかも判らないままだ。

コロナウイルスという同じ病原に対し、地上の諸民族が見せている反応や行動は、病理学だけでなく、比較文化論あるいは社会学の研究にまたとない材料を提供している。他民族のことはさておき、日本人/日本社会が露呈した事は数多い。 長短両方だ。 皆さんなりに幾つかあるに違いない。。

 評論家諸氏が毎日筆を振るい、映像で語ることは玉石混交。疫病対応が日々変化する状況なので、第2楽章の途中で総括するには早すぎると私は感じている。 皆さん、それぞれ気づきがお有りだろう。 年末まで、次の6ヶ月、景色はどう変わり、何がハッキリみえてくるのか?
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≪ 今朝の2題 ≫    ★叙勲制度の意義;誰のため?     ★主語抜きのNHK放送原稿<漫画少年の寄贈>  

2020-06-27 10:45:00 | トーク・ネットTalk Net
★ 昭和の歌姫も対象外:叙勲、女性阻む「70歳以上」要件
  
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60804100V20C20A6000000/?n_cid=NMAIL007_20200627_A
・ 日本だけでなく多くの国は、政府または国家元首による<叙勲制度>を続けている。 上に引用した記事は、日本の制度を明治以来の流れや諸国との比較検討のうえ、日本で
  特徴的にみられる『叙勲対象者の年齢制限』に絞り、論じたものだ。
・ 被叙勲者の男女比率の歪み(女性比率が外国と比べ極度に低い)も触れているが、それは日本社会全般に潜む男女同権の未発達であり、大きくは人権擁護の遅れの範疇に入る。

● そもそも「勲章を授与して貢献の栄誉を顕彰する行為」自体、町や村での、或は教育機関内での仕組みならば教育効果または親睦効果の要素に満ちており、何ら私は反対しない。
  だが君主や元首、政治指導者が「国民になりかわり」「国民総意を代表して」などと口実を付けて大掛かりなセレモニー仕立てになると、『誰のために顕彰機会を設けているのか?』
  と根本的疑念が私には生まれる。 何よりも『上から目線』の保護でもあり、<民が主>の民主精神に反するではないか? 

● 高齢に達した人の殆んどは自分が生きた証への不安に苛まれる。だが、叙勲はそれを公に打ち消してくれる嬉しい制度だから、反対や辞退する人は
 稀だ。(中には若くても固辞したイチローも居るが)勲章を貰う側からの疑義提出が無く、嬉々として順番待ちにいそしむ老人たちの姿よ!!
  私にはアザとく、見苦しいとしか映らない。


★ 『漫画少年』の寄贈ニュース!  でも<誰が?>寄贈したのか、主語の無いNHKニュース原稿???? 
(故)手塚治虫氏を中心に戦後の昭和22~30年の間に発刊された『漫画少年』のほぼ全巻に近い原本が「トキワ荘記念館」へ寄贈されたと言うニュースがNHKで今朝流れた。
 手塚マンガで育った世代には心がほっこりする明るい話題だ。  

然し、だ。とうとうニュースでは<誰が>寄贈したのか、最後まで言葉は無かった! 個人または法人や団体などが所有者で、何らかの背景から実名公表を辞退したかもしれない。・・とするならNHKは其の説明をどうして飛ばしたのか? 飛ばす理由は? 単に何秒かを稼ぎたかったから?? 

いや、日本人の犯しがちな『主語無視/軽視』の性癖ではないか?  飛ばした背景が何であれ、大事な主語を抜かした文章を平気で出す無神経さ。
日本語が宿命的に持つ欠陥、即ち『非論理性に繋がる陥穽』が、ここに在り、この欠陥は、前にも触れた(5W1H)を守らない性癖に通じますね?
皆さん、是は≪どうでも好い小さな事≫ですか?  どうでも良いと見做す人は(5W1H)の遵守など夢にも思うまい。 
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現金10万円対象に海外邦人も?   じゃ聞くが・・≪ ”同胞”って 何? ≫   国籍/民族/混血???    単一民族国家のフィクションは止めろ!

2020-06-24 11:28:54 | トーク・ネットTalk Net
【水説】国籍と10万円の関係=古賀攻https://mainichi.jp/articles/20200624/ddm/002/070/088000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=column&cx_mdate=20200624
1) 青山繁晴・自民党参院議員(67)が代表幹事の「日本の国益と尊厳を護(まも)る会」は、これを海外の在留邦人にも届けるよう求めてきた。
  青山さんは首相に直接、「同胞を切り分けてはいけない」と迫ってきた。官邸内は否定的だったが、同じ右派系の訴えだけに安倍さんは「理念は分かった」と応じ、
  岸田文雄政調会長に調整を指示したという。菅義偉官房長官は「党内に議論があることから課題の整理を行っている」 
  ← 党内議論とは「4月27日時点での住民基本台帳登録者。つまり在日外国人を含む国内総員」の前提をどうするかだろうか。
    が、青山某に代表される国家主義者の好む「同胞意識」の時代錯誤加減は、自民党内で論議にすらなるまい・・・・。

2) ここで考えさせられるのは、国籍の持つ意味だ。人は所属する会社や出身地、家族などさまざまな属性を持つが、どの国家の一員であるかが法的には最も重要な基礎になる。
   人的な共同体である国家は国民保護の義務を負う。

3)2)の建前とは裏腹に戦後史に限っても日本にはいくつもの汚点がある。旧植民地からの大量復員と食糧難による「口減らし」のための国策となった南米移民はその代表例だろう。
  また日本と違って欧州や南米では二重国籍を認めている国が多い。在外邦人でも居住地の国籍を取った人がたくさんいる。やむなく日本国籍を放棄した人もいるから、
  仮に「在外邦人にも10万円」を実施したら日系人社会に無用な波風を立てる可能性がある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 さて、古賀氏の投げかけるポイントは、上に引いた<日系人社会に無用な波風を立てる可能性>だけでは終わらない。 
<流動化と増大が進む混血人口や在住外国人・帰化者への差別、在外(元)日本人=棄民など>此のクニにおける「国籍と純血意識」の自己矛盾を孕む
現実が、はしなくも今回の『給付金支給』が、その裏に潜む戦前以来の「国家/国籍」意識の歪みを炙り出したという事である。

  
 言うまでもなく「仲間=同胞=純血」意識は異分子排除であり、差別の根源となる。何度も言うように、日本列島上の民族&文化融合史を認めない
血統フィクション(虚構)こそが諸悪の根源なのだ。 国民意識のここが変わらない限り、日本から差別は消えないし、活力は生まれない。 
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≪ 今朝の2題 ≫   ”日本人感/~らしさ”って何のこと?   虚構の”民族帰属感”をいつまで続ける?   

2020-06-22 09:18:24 | トーク・ネットTalk Net
【1】「日本人感」って何なんだろう 小田嶋 隆/コラムニストhttps://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00075/?P=1
・ 必要な経済構造として昔も今も、黒人を犯罪者に仕立てて囚人労働に使役できるカラクリ(=刑務所に入れたら差別禁止の保護から外せる規定:米国憲法13条)が長い黒人差別の
  ウラに有る。 ← 小田嶋氏同様、私も不勉強にして是は知らなかった。 加えて重要な指摘は「差別構造の維持が経済利益確保に欠かせない人々の存在」である。

・ 水原希子の芸名で米国/韓国の混血女性が日本で芸能活動をしている(らしい)が、其の女性への差別言辞がネット上で飛び交う。或は、テニスの大坂なおみ選手の出自をめぐり、
  類似の差別用語/野次が出る。 プロ野球に界に入った「オコエ瑠偉」、また米国プロバスケット「八村塁」なども同様の差別言辞を浴びている。

・ これらの現象は、在日コリアン・被差別部落住民・混血者・先住民(アイヌ)・犯罪加害者家族&被害者家族などへの差別言動を趣味として楽しむ一群の集団の需要を満たし、
  間接的にマスメディアの生計をも助ける構造だ。  
▼ 法的な国籍 vs 混血/非混血 vs 文化継承(~人)・・・・日本以外で、これは互いに無縁に並立するものだ。 ところが此のクニでは、三つが一致しないと赦さない。

  この慣習は日本に横行する全ての差別の源であり、次に挙げるアイヌの民族文化保存努力の重要性を併せて理解することで、此の有害な慣習を失くしたいものだ。
【2】【余禄】アイヌの人々には…https://mainichi.jp/articles/20200622/ddm/001/070/079000c?cx_fm=mailasa&cx_ml=column&cx_mdate=20200622
・ 【余禄子】は<パヨカカムイという、病気をまき散らす神の言い伝え>を引き、アイヌ社会における疫病との関わりを語る。これは故萱野茂氏が説明を寄せた絵本になっている。

・ 一方、アイヌの人々には(イノカカムイ)と呼ばれる<奇病/難病などに見舞われた人にとりついた魔物を呪術師(ドスクル)が呪術で追い払う儀式に関するカムイ>もあり、
  これが東北・下北半島に遺る巫女『イタコ』に伝承されたと言う。 【書評88】五つの心臓をもった神~アイヌの神作りと送り~<2018.11.22-23>連載を参照されたい。
・ この例からも自明なのは、日本文化が先住民アイヌ文化と大陸/南洋諸島からの渡来者文化の融合であり、日本「人」も同じく融合であり、「純血」など何処にも/誰も存在しない。 

【1】で述べた日本人が抱くあらゆる差別意識は、【2】に挙げた先住民族/先住文化の軽視・無視の歴史と同じ底流から来ている。 

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<母国語軽視が強まる社会での 非ヴァーチャル意思疎通の隆盛> 管理職だけでなく 世の母親よ  英語の前に日本語基礎力ですよ!

2020-06-20 10:09:30 | トーク・ネットTalk Net
9時10分前を理解できない若手を生んだ日本語軽視のツケ 河合 薫/健康社会学者(Ph.D.) https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00049/?P=1
 本ブログ読者の大半は”9時10分前を理解できない若手”ではなかろうゆえ、以下に引く言説はジョーシキ過ぎて時間が惜しいかもしれないが、周囲に”~若手”が若しも居れば
 読んでもらうのも好いだろう。

★ 冒頭から2頁まで河合氏が引用した『若い社員と言葉が通じない』実例の数々。毎度ながら私は「嘘ダロウ!!』とハシタナクモも叫んでしまう。 が、それはフィクションではない。
  思うに、現役の管理職世代、30~50代?の諸氏は日々の職場でこういう人達とナマで向き合うらしい。  だが、私にはその苦渋に満ちた顔を想像するのさえ難しい。
   下に掲げる文章は、読書が何故重要なのか、論理を尽くして説いて居り、若者自身プラス親として幼い子を育てる人々は必読だ。

(1) デジタル世代の若者たちは、日々携帯メールやラインの送受信を繰り返しているので、日常的な会話量は半端なく多い。だが、おしゃべりは所詮おしゃべりでしかない上に、
  親密になればなるほどメールでの言葉は省略され、絵文字だけでもやりとりが可能になる。いわばメール版「あうんの呼吸」だ。
   フェースtoフェースなら、相手に伝わるまで言葉を脳内から振り絞ったりすることがあるが、デジタルの世界ではその必要もない。
  要するに、若い世代は圧倒的に語彙を増やす機会に乏しい社会に生きている。しかも、本を読む子供たちが激減しているという悲しい現実もある。>

(2) 言語を習得するにはたくさん聞くだけじゃなく、たくさん読むことが必要不可欠で、言葉の運用力を高めるには語彙力が影響する。実際、 読書経験を重ねることで、語彙力が
  高まり、それが文章理解力の向上につながることは、国内外の調査から一貫して報告されている。 小説でつづられる母語の名文を繰り返し読んだ経験が、日常生活で身につく
  経験や情報と結びつくことで、文章を理解する力が高まっていくのである。

(3) そもそも言語は、単なるコミュニケーションのツールではない。言語と思考とは互いに結びついており、特に母語の役割は果てしなく大きい。
  母語により私たちは目に見えないものを概念として把握し知覚する。精神的な世界は言葉がないと成立しない。また、目の前に何か見えたとしても、その何かを示す言葉がないと、
  それを理解できない。 つまるところ、言語で表せる範囲がその人の認識世界。語彙が豊富であればあるほど知識は広がり、感情の機微も、複雑な人間関係も理解でき、
  世界が広がり、創造力も高まっていくのである。

●某大学で英文の講義で学生に「often」の意味を調べさせたら、英和辞典に書かれていた「しばしば」の意味が理解できなかった。 
 当然ながら「頻繁に」という訳語も理解できない。そこで教師が、「よく~する、ってことだ」と説明したところ、
よく、は『good』の意味」としてしか認識できない学生がいたというのである。
  ★☆彡★  皆さん! これは寄席のコントではありません。 若者の中で、笑わず、猛省してくれる人が何人いるか??

 【河合氏の処方箋】
・日本語力の低い人でも、「誰が(主語)、何を(目的語)」をきちんと文章に加えた完全文にすると理解しやすくなるとされている。
・会話では主語が省略されがちなので、そのあたりを気をつけるだけでも少しは変わるはずだ。と同時に、部下が主語や目的語を省略
 している場合も「誰が?何を?」と尋ねるだけですれ違いは防げる。面倒くさいかもしれないけど、試してみる価値はあると思う。
  ← 「主語・目的語」の確認だけでなく、私は日本人が無視しがちな<5W1H>の徹底まで進んでもらいたい。。
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