静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

つ れ づ れ 追 想 ≪ 本 日 の 国 政 選 挙 投 票 を 前 に ≫  失 わ れ た 30 年 脱 出 へ の 処 方 箋  

2021-10-31 10:24:24 | トーク・ネットTalk Net
* 衆議院選挙投票を迎えた。安倍政権発足以来、およそ9年に及ぶ日本政治の空洞化、その後ろには30年にも亘る日本の経済と政治の混乱/足踏みがある。私の場合、30年のうち最初の10年は
  米国から日本を眺めていたので、ソ連崩壊に始まる世界情勢激変から世界経済の混乱に暮れた90年代・10年間の日本の内情は実感できていない。

* ”バブル(泡)経済の破綻”なる用語が80年代末頃から日本に関する報道に出没したのは覚えている。今から振り返ると”泡”は80年代半ばからブクブク湧き始めてたということだろうが、それは
  日本を離れて外国で暮らし始めるタイミングと重なっており、日本の変質と凋落の予兆を感じる場に私は居なかった。プラザ合意に恨みをぶつけても反省にならない、と当時から私は思っていた。

  それだけに2001年初頭、帰国して再び国内で働き始め、直ぐに私が感じた違和感といおうか、異邦人感というべきか、それは相当衝撃的な感覚だった。適切な言葉は今でも浮かびにくいが、
  かき回された混乱の汚泥が徐々に沈殿して視界が広がると、激しく変化する外部環境に対応する新しく大胆な試みに踏み切れず「こんな筈はない。なぜ以前のようにできないんだ?」と右往左往する
  ばかりの政府と国民の姿が見えてきた。・・これが私の観察である。 あれから20年!

* その狼狽えぶりが最も顕著に出たのは製造業であり、過去の成功体験から抜け出られないまま≪成長エンジン不在≫の今に至るが、もう一つの衰退要因は情報通信技術分野での大きな遅れであろう。
  其の混乱と競争力喪失を財界は非正規労働者の創設と外国人労働者導入に拠る人件費カットで当面を乗り切ろうとした。だが、それは期限を設けた「当面」ではなく、現在も続く苦肉の策だ。
   人口減少が止められないなか、誰もが考えつく(移民政策の転換で労働人口減少を補い、長期的なプラスへ転じる)政策は国民の頑強な抵抗のため実現しない。 いわば『自業自得』である。
  
  今では第1次産業も含む全産業で労働力不足が生活コスト上昇の主要な要因になっているが、政治家は動こうとしない。何故なら、国民の外国人忌避を熟知しており、票には結びつかないからだ。
   然し、発展途上国の民度向上で、日本は魅力ある国ではなくなったのを忘れてはならない。そのうち門戸を開いても外国人が誰も来ない国になる。 そうなってからでは手遅れである。

* かねて「多様性の受容」を訴えてきたが、それは何故か? それは、蛸壺に身を隠し様子見するばかりの習性を捨て、日本人が変身するには「自分の好みと違う事/自分と違う人」を受け入れ、
  一緒にやってゆく柔軟性をもたねば新奇なアイデアに潜む成長の芽は見えず、世の変化についてゆける訳はないし、30年の停滞から日本が抜け出す大転換は作れないと確信するからだ。
   性差別の残渣・民族ヘイトの放置・夫婦別姓の拒否・定住移民の拒否・男系天皇への固執。これらは全て「日本社会に必要な多様性の受容」に反する悪習であり、早く捨てなければと国民が
  心の底から思わないなら、その閉鎖的で同調圧力に縋るだけの社会は、世界の変化から遅れるばかりだろう。

★ 以前からだが、今回の選挙でも日本をどういうクニにすべきか?に応える【国家ヴィジョン】の欠落が指摘されている。実に残念だが、それを正面から掲げる政党は与野党とも見当たらない。
  上に述べた観察から、「多様性の受容」こそがあらゆる課題を解決し競争力復活へのキーワードであり【国家ヴィジョン】の基盤であると私は思う。そういうクニを目指す選挙に出来るか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪ 今朝の2題 ≫  コロナ禍が炙り出した「政治」の国民生活への影響実感       小室夫婦会見はSNS誹謗中傷を抑えるか?

2021-10-30 07:49:11 | トーク・ネットTalk Net
◆ 此の2年近くに及ぶコロナウイルス感染が炙り出したものは?;

・ 大きく一言で捉えるなら、政府内部/医学界との不協和音+政府と地方自治体との不調和な関係であり、自治体間の対応格差に見えた首長の資質の差だろう。
  具体的には、ワクチン調達&配布のモタツキ。感染対応のスピード差。報告体制の遅れとバラつき。医師会と首長の連携。そして政権中枢部の無能さが出た。

・ もっと大きく言えば「政治(家)」の能力・資質がマトモに国民生活を左右する鮮明な実例を国民皆が等しく2年間に体験した;これは大きい。
  『「政治」には何も期待しないから選挙に行かない』と日頃いう人達も例外なく同じ影響を被り、不安な2年を過ごした。其の自覚/恨み/無念さを忘れず、投票に活かして欲しい!

◆ 去る26日の小室夫婦結婚発表会見スピーチが国民に投げかけたものは?

・ 27日の本コラムで私は・・(≪ 日本国民は1人のプリンセスを外国に放り出した! ≫ 若い二人が暮らせない日本という国をどう変えていくのか)のタイトルで書いた。
  今朝の毎日新聞に<「異例の言葉、挑戦にひかれた」 話し方のプロが見た眞子さん会見>と言う記事があり、スピーチライターの千葉佳織さんが会見での二人の言葉について的確な
  スピーチ話法分析をしている事を紹介しておきたい。同紙購読者以外はWeb で読めないのが遺憾である。

・ 接客を仕事の重要な部分にしている人は是非とも一読を薦めたい分析だが、実務上の利便とは別に、大方の国民が抱いていた二人へのイメージは次の一節で鮮やかに打ち消された。

★「心を守りながら生きることに困難を感じ傷ついている方が、たくさんいらっしゃると思います。周囲の人の温かい助けや支えによって、より多くの人が、心を大切に守りながら
  生きていける社会となることを、心から願っております」
  ⇒ これは心を病む人への一般的呼びかけの体裁を採っているが、小室真子さんが言う「心」とは抽象的ではない≪独りの個人として普通に自由に生きてゆく状態≫を指す。

  それは、皇位継承とは無縁の皇女に生まれたばかりに背負わされる不自由さ、それと引き換えのように皇族以外の男性と結婚するしか道が無い理不尽さに加え、匿名に隠れた
  誹謗にまで付きまとわれる社会の姿全体へ「これで良いのか?」と問う「挑戦」でもあるのだ。過去の皇女達3人とは違い、泣き寝入りせず日本を捨てる。
  一見、ひ弱そうな小室真子さんの顔つきや話し方とは裏腹に、実に意志強靭な女性であることを見事に示す、天晴れな去り際。私は万感の想いで拍手を送りたい。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪ 素朴な疑問 ふたつ ≫   デジタル庁はワクチン接種証明の統一化できず    最高裁判事の国民審査 判断資料不備のまま審査の形骸化&司法の国会従属は変わらず

2021-10-28 08:02:14 | トーク・ネットTalk Net
【1】 接種証明の活用策あいまい 国の統一指針、未だに明示なく 自治体バラバラ!

 ・ ワクチン接種率が全年齢平均で70%を超えたというので、接種証明書の公的発行に取り組み始めた。ところが、厚労省/デジタル庁による統一フォーマットが出てこないため、
   しびれを切らした自治体の中には独自のデザインと電子化で取り組み始め、実用化に近い自治体も少なくないと報じられている。
   然も、デジタル庁は当初予定していた12月中の統一アプリ施行は間に合いそうにない、というではないか? 何をしてるのか?

 ・ 其の根本的な原因を問うならば<ワクチン接種を開始する前に「接種証明書(仮)」の書式を全国統一しておく知恵を中央省庁が出さ(せ)なかった>&<運用指針を作らない>
    まさに手抜かり?エラー?不作為? と言うしかない。
   接種証明で観光・運輸・飲食業界の復興に繋げようとの発想は外国に先例が多くあり、デジタル庁の発足自体がもたついたにせよ、余りにも時間がかかり過ぎではないか?
   本人確認と(仮)接種証明書の紐づけが難しい? 今頃何を言ってる?  これじゃ、海外渡航再開も何時になるやら~  人の出入り再開が遅れる、即ち経済停滞だよ!

【2】 最高裁判所裁判官 国民審査広報 (都道府県選挙管理委員会)発行・・・これで判断せよだって?? 

  ・ 新聞を購読している世帯には、今週初め頃、朝刊と共に配布された。審査対象12全員の記事を読み終えて感じた事ならびに審査方法への疑問を述べる。お手元に有れば、あなたも再読を。
    審査対象の全員が記述しているのは『略歴』『関与した主要な裁判』『裁判官としての心構え』の3項目。・・唯一人、岡正晶判事は(趣味など)を加えている(!)

  (1)先ず『関与した主要な裁判』の記述だが、内容・事例の選び方&件数が判事自身に任されており、国民の関心が集まる案件の種類も異なる為、横一線の比較にはならない。
      ⇒・・当該判事が裁判に参加した案件でしか価値観や識見が想像できない、いびつさが残る。かといって国民が逐一判事個別の判断事例を追跡するのは不能。
   ★ 1頁増えるが、重大テーマ別にマトリックスを作り、参加判事ごとの判断記述を整理すると全貌が更に見やすくなるのでは? 毎年じゃないんだから、そこまでの手間をかけても良いのでは?

  (2)(最高裁に任官したばかりなので『関与した主要な裁判』の記述なし)が三分の一にあたる12名中の4名。この4名は『略歴』と『裁判官としての心構え』しか判断材料は無い。
     此の4名については≪審査不能≫が国民の正直な答えとなる。 それで良いのかな? 

   そもそも最高裁判事国民審査が衆議院議員選挙と同期される理由は、法務大臣が判事を任命する形態からくるが、社会情勢や事件発生は政治動向/政局と同期していない。
   頻繁に政権交代の起こりえる国の選挙制度ならいざ知らず、それが少ない日本で此の仕組みを続けると、上に書いた不具合・不備が変わらないまま審査が形骸化するだけでなく、
   行政(国会)への司法の従属度は異様に高いままだ。 例えば、議員選出が定期的に行われる参議院選挙との同期では判断材料も整う。 それじゃいけないのか?
    
    三権分立原則がそれでなくてもあやふやな日本。 ここにも根本的なメスを入れるのが必要な時期ではないか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪ 与野党「伯仲」でも政治は変えられる! ≫  何も旧民主党勢力+共産党に いますぐ政権を取らせなくても良い   国勢の場が健全なバランス感覚を取り戻せばいいのだ

2021-10-27 17:54:10 | 時評
毎日💛 熱血!与良政談 「伯仲」でも政治は変わる (専門編集委員)  <全文転載> 付け加える事無し!!

 報道各社の事前調査によれば、今回の衆院選は与野党候補が大接戦となっている小選挙区がいつになく多くなっている。小泉純一郎政権時代の「郵政選挙」(2005年)以来、与野党のどちらかが
大勝する衆院選が続いてきたことを思えば、これは大きな変化である。
 極端に議席数の差が出るのは小選挙区を軸とする選挙制度がもたらした結果でもある。今回、激戦区が増えたのは、立憲民主党と共産党が小選挙区候補の一本化を進めた効果と認めていいだろう。

 ところが、そんな接戦であるにもかかわらず、相変わらず「私が投票しても政治は変わらない」といった声を聞く。それは若者に限らない。大人も同じだ。 本当に変わらないのか。
仮に立憲を中心とする野党に政権が交代すれば、政治が大きく動くのは誰でも分かるだろう。しかし野党が過半数を取らなくても、一定数を増やすだけで政治はかなり変わっていくのだ。
 重要な目安が「絶対安定多数」だ。与党が国会の常任委員会で委員長ポストを独占し、なお過半数を握る数(261議席)を言う。

 法案の可否はまず委員会で決める。仮に与党が絶対安定多数を割り込んで、たとえ一つの委員会だけでも「数の力」で法案を通せなくなるとすれば、今の自公政権の国会対応はもう少し謙虚になる
のではないだろうか。実際、絶対安定多数を取れなければ、12年の第2次安倍政権の発足以降、自公政権では初めてとなるのだから。

 衆院に小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、すっかり「死語」になってしまった言葉の一つに「与野党伯仲」がある。衆院選は政権を取るか、取らないかの争いだ。
そこには、勝つか負けるかしかなく、「伯仲」と言っても、あまり意味はない……。実は私もそう考えてきた。
  でも国会がまるで首相官邸の下請けであるかのようになってしまった今、伯仲状況を作り出すのも
有効な選択肢だと痛切に思う。


小選挙区で、そして比例代表でみなさんが、どう投票するかによって政治は動く。棄権するのはもったいない。投票日は31日。
翌朝の新聞で久しぶりに「与野党伯仲」という見出しが躍るかどうかが、今度の焦点だと私は思っている。【与良正男】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

 投票にも行かず「国民が政治を嘲笑しているあいだは、嘲笑いに値する政治しか行なわれない」    「無知で腐敗した国民には、腐りはてた政治しかありえない」

2021-10-27 13:27:58 | 時評
毎日【政治プレミアム】◆ 政治には「変な人」が必要  ”理屈っぽすぎる野党” 藤井裕久・元財務相: <要旨転載>

★ 自民党結党時の首脳:大野伴睦/三木武吉/石井三次郎/岸信介(1955年)  ☆ 自民党両院総会前:川島正二郎/大野伴睦/岸信介(1960年)        ▲ 椎名悦二郎通産大臣(1968年)

・ 理屈はとても大事です。私も好きなほうです。政治に理屈は必要です。しかし、理屈だけで政治が動くと思っている、その若さです。鳩山(由紀夫元首相)さんもそうでしたが、しかし、その背後に
  菅(直人元首相)さんや小沢(一郎元自民党幹事長)さんがいました。
   自民党も鳩山一郎、吉田茂というような人の時代にも、背後にはやっぱり「変な人」がいました。三木武吉、大野伴睦です。私はこの2人は好きではありません。好きではないけれども、
  しかしやっぱりこういう人が世の中を動かすのが政治の現実です。今の枝野(幸男・立憲民主党代表)さんの背後には、あまりそうした「変な人」がいませんね。
   もっとも自民党もふくめて、どの党もいません。みな理屈には理屈で応じようとしているように見えます。

・ 理屈によって政治を動かすということを求めることを基本に置くことは決して間違っていません。しかし理屈ばかりでやろうとすることへの反発も世の中にはあるということも忘れてはいけないと
  思います。 親分は理屈でいいかもしれません。しかし、「情の政治」ができる子分が必要です。  ←藤井氏が言う「情の政治」とは?  別稿に期待したい。

政治の中心は国際協調と生活の安定
・ 岸内閣は1957年に「国防の基本方針」を決定します。その時に椎名さんが言っていたのは「順番が大切だ。1番は国連。2番目は民生の安定。3番目が自衛隊。4番目が日米安保」ということでした。
  1番目の「国連」は国際協調ということです。2番目の「民生」は「生活が安定しない限り、必ず戦争をやろうというやつが出てくる」という意味。自衛隊や日米安保はその後についてくるものだ、
  ということでした。なのに、安倍晋三元首相は「憲法に自衛隊を書け」と言う。国家が自衛隊を優先しろと言う。
 
  我々は軍人政治家にやっつけられたんです。藩閥政治の後を継いだのが軍人政治家でした。軍部による謀略事件である張作霖爆殺事件(1928年)以後、軍人が政治に直接関与するようになりました。
  5・15事件(32年)、2・26事件(36年)、みな軍人です。なぜふたたび軍人を政治の中心に持ってこようとするのか。許せないと思います。← 安倍晋三よ、政界の先輩の声が耳に入らぬか?

共産党との選挙協力は積極的に
・ 共産党は今でも暴力革命を求めている党なのでしょうか。もしそうならば許せませんが、違います。はっきり否定しています。絶対やりませんと言っています。ならば選挙協力はすべきです。
  今の野党が政権に就いた時は閣外で協力してもらえばよいと思います。立憲民主党も国民民主党も共産党との関係でいろいろともめていますが、そういうことはやめたほうがいいと思います。
   先の横浜市長選でも協力して勝ったではないですか。そのことは今後の政治でも大きな意味を持つと思います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 藤井氏の説くところを読み返すと、戦後政治の大きな反省を後輩政治家に切々と訴えるものであり、1990年以降いまに続く混迷とリーダーたちの器の小ささを改めて痛感する。

 「国民が政治を嘲笑しているあいだは嘲笑いに値する政治しか行なわれない」「民主主義国家においては、国民はその程度に応じた政府しかもちえない」
 故・松下幸之助が昭和51(1976)年、PHP誌に遺した言葉。原典は、サミュエル・スマイルズの遺した不朽の名著「自助論」にある。選挙を迎える今こそ、噛み締めよう!!

  ≪ 一国の政治というものは、国民を映し出す鏡にすぎません。政治が国民のレベルより進みすぎている場合には、必ずや国民のレベルまでひきずり下ろされます。
   反対に、政治のほうが国民より遅れているなら、政治のレベルは徐々に上がっていくでしょう。国がどんな法律や政治をもっているか、そこに国民の質が如実に反映されて
   いるさまは、見ていて面白いほどです。これは水が低きにつくような、ごく自然のなりゆきなのです。
   りっぱな国民にはりっぱな政治、無知で腐敗した国民には腐りはてた政治しかありえないのです。≫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする