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挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

≪ 今朝の2題 ≫  自民党の望む改憲(案)      東南アジア情勢の不安定化に注目!

2024-08-09 10:33:03 | 時評
◆【産経新聞】 「強烈な違和感」「意思は前向きに評価」 9条に自衛隊明記重視の岸田首相に反応さまざま
・ 自民党が求める憲法改正の具体的な中身は新聞等で過去公開されてきたが、全文を精読した人は少ないだろうと思うので、自民党が平成24(2012)年発表した改正(案)を次に掲げる。
                          https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/130250_1.pdf

・ 自民党らしい改正ポイントは、①第1章「天皇」に、皇位継承・国家/国旗/元号への言及を含めた。②第2章「安全保障」で国防軍の役割を定義した③家族を社会の単位と規定した。
  ④内閣の解散権が総理大臣に属すと明記、などである。 その他の章・条項では近年の人権保護、プライバシー保護の観点が反映された部分もある。

  ⇒ 重要な章・条項を読まれると、自民党の国家第一体質が濃厚に現れていることに気づかれるだろう。自衛隊を国防軍と改称明記することでどのような効果を狙っているのかというと、
    単に名称変更ではなく、国防の為なら国際紛争への関与も否定しない改正案だ。これをどう判断するかは有権者次第。公明党はこの領域で主義主張や見解の違う項目が多々ありながら、
    何故、連立政権を今後も担おうとするのか? その背景を改めて有権者は考えてみる必要がある。


◇【東京新聞】<社説>タイの解党命令 司法が民意踏みにじる
・ タイの憲法裁判所が、昨年の総選挙で王室への不敬罪改正を公約に掲げたのは憲法違反だとして、最大野党・前進党に解党を命じた。王室批判がタブー視されてきた同国だが、そうした公約を掲げた
  同党が、どの党よりも多くの票を得たという事実を軽くみるべきではない。有権者の民意を踏みにじる判断だ。

・ タイの政治体制は、議会制民主主義を原則としながら、国王が事実上、その上に立つ仕組みで「タイ式民主主義」と呼ばれる。しかし、2014年に軍はクーデターでタクシン政権を倒し、以降、
  軍政が5年間、その後、親軍政権が昨年まで4年間続いた。この間、19年の総選挙で「反軍政」を掲げ躍進した野党・新未来党も翌年に解党命令を受け、前進党として再スタートした経緯がある。
  前進党は今回も同様に別名で新党を立ち上げて現有議員らの受け皿とし、出直しを図ることになる。
  ⇒ ミャンマーでは軍事独裁政権側の軍隊が民主化を求める武装勢力に敗退しつつあり、軍部政権転覆の可能性も出てきた。バングラデッシュは首相が亡命し、新政権発足の混乱が始まる。
    ラオスとカンボジアは中国に傾斜を増々強め、スリランカ同様、カンボジアでは中国海軍が足場を築く。ベトナムは指導者が交代し、どうなるか?インドはモディ政権が安定勢力を失った。
     相対的に安定してみえるのは、シンガポール・マレーシア・インドネシアだが、フィリピンは中国との海洋紛争でロスコストを払いつつ、紛争のお蔭で政権安定度は増してきた。
    然しながら、地域全体を眺めると、タイを含め、内紛+中国の影響が重なり、今後も油断はできない。 言うまでもなく、東南アジア地域の安定は日本の物資輸入の生命線だから。
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就労ビザ取得者には生活保護を認めない制度+有資格対象外国人認定の壁  単なる労働力以外の外国人は受け入れたくない日本国民  亡国の足音が・・・

2024-08-09 08:32:01 | 時評
◎【シュフーズ】ガーナ国籍男性 “生活保護”却下に『血が通ってない』”上告する”と決意
・ 慢性腎不全を患うガーナ国籍の男性、シアウ・ジョンソン・クワク氏による生活保護申請却下処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は男性側の訴えを退ける判決を下しました。
   ジョンソン氏は2015年に留学生として来日し、その後就労ビザを取得して働いていましたが、2019年に慢性腎不全を発症。週3回の透析が必要となり就労不能に陥りました。
   2021年11月、千葉市に生活保護を申請しましたが却下され、訴訟に至っています。裁判所は、生活保護法の対象に外国人が含まれていないこと、また1954年の厚労省通知に「処分性」がない
   と判断したことなどを理由に申請を却下しました。
☆ この話題に寄せられたネットの声
  ・「何れ母国へ帰ってしまうような外国人にまで支給するようなものではない」 ・「普通に考えれば外国に出稼ぎに行って病気になったら自国に帰れって話」
  ・「もう無保険の外国人は入国禁止で」 ・「保険に出稼ぎに来ている外国人が加入できるのが間違いだろ」 ・「自国政府の保護を受けてください」
  ・「至極妥当な判決」
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 日本政府は1990年から「生活保護の対象は定住者・永住者に限って適用する」の方針をとり、最高裁も2014年『外国人は生活保護法の対象外』と判断した。
1954年から暫くは無かった<定住者・永住者資格>限定が1990年に始まった背景が何なのか? 疑問の湧くところだ。
日本の困窮者生活保護制度は諸外国と比べてどうなのか? 厚生労働省の作成した比較表が次のpdf にある。https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000004c72-att/2r98520000004ca7.pdf
 労働市場の流動性や物価環境、福利厚生制度、家計支出構成比の違いなどから、単純な横並び比較はできない。

核心は、日本国籍保有者及び<「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「特別永住者」「難民認定された者」>に限定している事の是非である。
上に掲げた国際比較表に対象者区分についての記述はないので論じにくいのだが、限定する意味合いを一概には否定できないことも事実だ。

 唯、在住外国人が「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「特別永住者」「難民者」に認定されるまでのプロセスが外国に比べ長く厳しいとの国連評価は続く。
厳しさの象徴的な現実が「難民認定」の稀有な少なさであり、ビザ切れ外国人への過酷な入管施設拘留処分であることは何度も問題視されてきたが、日本政府は頑として方針を変えない。
政府の頑固さは生活保護予算増大の危惧からではなく、外国人との共生を嫌がる国民への忖度に他ならない。本コラムで何度も取り上げてきたが、外国人排斥の根源は日本人自身にある

 上に引用したネットでの声は「どうせ帰る連中」を前提にするマインドであり、【多様性の受入れ】に向き合おうとせぬ心の貧しさに他ならない。それは、人口減少・労働力減少の経済観点だけでなく、
【日本が魅力あるクニでなくなる危険性】を忘れた近視眼的な思慮の無さだ。 多様性を否定する国家はやがて落ちぶれ亡ぶ、ということがどうしてイメージできないのだろう?
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