静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

百田尚樹が<日本国紀>及び旧Twitter に書き込んだ 4つのウソ

2024-08-14 19:06:37 | 時評
◎【毎日】日本は朝鮮を植民地支配「していない」は本当か   (加藤圭木・一橋大教授) 【吉井理記】
  日韓の歴史に詳しい一橋大の加藤圭木教授にお願いし、ファクトチェックを含め、検証してもらった。
 【1】「日本は植民地支配していない」のウソ  ← 百田は暴力による半島支配を無かったことと言いくるめるのか?
  定義でいえば、植民地とは「ある国の経済的・軍事的侵略によって支配され、政治的・経済的に従属させられた地域」(明鏡国語辞典)である。百田氏によれば「韓国併合」でこうした行為はなかったことになる。
  そのベストセラー「日本国紀」でも、「韓国併合は武力を用いて行われたものではない」(21年の文庫版下巻、132ページ)と強調する。事実はどうか? 加藤さんの答えは「誤りです。そんな事実はありません」とシンプルだ。
   
 ・「『韓国併合』は1910年ですが、その過程で、例えば1895年には朝鮮王朝の王妃・明成皇后(閔妃(ミンピ))の殺害事件(日本と距離を置く王妃を王宮に乱入した日本人官憲らが殺害した事件)があり、1904年には日本軍が首都
  ソウルを占領し、韓国(大韓帝国)の閣僚を日本に拉致して、(日本軍の土地の強制収用などを認める)日韓議定書の調印を強制しました」
 ・韓国から外交権を奪い、「保護国」とした第2次日韓協約(1905年)も、軍事力を背景に強制的に調印させた。「こうした日本の振る舞いに、人々は『義兵』として立ち上がって抵抗します。日本軍はこれに激しい弾圧を加え、
  多数の住民が殺されました」当時の日本軍の統計では、1910年までに約1万8000人の朝鮮人が犠牲になった。これらは一例である。
  「このようにさまざまに武力弾圧を用い、『併合』を強制したのです。ちなみに『併合』は、国家を滅ぼすという実態を隠すため、この時、初めて作られた『政治造語』です

 【2】「日本は良いことをした」のウソ  ← 台湾についても似たようなウソが言われるのでだまされるな
  ・前出の「日本国紀」には「全国の児童に義務教育を施し……鉄道やダムを建設し、農地を増やして米の収穫量を増やした」(文庫版「日本国紀」下巻、132~133ページ、要約)とある。要は「良いことをした」論だ。
  ・「併合」後、確かに日本支配下で、朝鮮には4年制の普通学校が建てられた。「だが義務教育ではなく、就学者は1937年になっても男子は3人に1人、女子は10人に1人程度。そもそも『併合』前でも、朝鮮では『愛国啓蒙(けいもう)運動』
   の高まりとともに有力者がお金を出し、近代教育を取り入れた私立学校が盛んに作られた。『併合』当時で3000~4000校あったとみられますが『併合』前後に日本が私立学校に統制を加え、廃校に追い込んで数が大きく減ってしまうのです」
   要はそれまでの朝鮮人の努力を事実上、無視した形だ。
  ・ではインフラ面はどうか。 「確かに鉄道網や電力用ダムが整備され、企業も進出して工場が建ちました。でも、言うまでもなくこれは日本人がもうけるために造ったもので、朝鮮人のためではありません」
   「日本ではあり得ない巨大なダムが造られました。なぜか。植民地朝鮮では住民への配慮は不要とみなされ、強権的に土地買収が進められたからです。都市計画などの法令も日本本国より強権性がありました」
   「日本では公害防止運動の高まりで企業は公害防止措置をある程度は取らざるを得ず、『工場法』には不十分ながら公害規制の規定があった。一方、朝鮮では企業利益が優先され、工場法もありませんでした。
    後に日本で水俣病を引き起こす『チッソ』の傘下企業『朝鮮窒素肥料』は大工場を造りますが、環境汚染を引き起こし、住民に健康被害ももたらした。日本ではできないことが朝鮮では許された。差別以外の何物でもありません」   
   付言すれば、日本が朝鮮の米の生産を増やしたのは事実である。だが、それは正確に言えば日本本国への移出用の米だ。だが、それは正確に言えば日本本国への移出用の米だ。 「朝鮮の人々はやむなく満州(現中国東北部)から輸入された
   安い雑穀でしのいだ。 米の増産も彼らの利益を考えたものではなかったのです」
 【3】「欧米の植民地支配よりマシだ」のウソ  ← 百田の言い分は、暴行犯が「人殺しは俺だけじゃない」と逃げるのと同じ
  ・欧米のアフリカやアジアなどの植民地支配と日本のそれとは違う、という正当化論である。百田氏も「日本国紀」などで力説していた。「学生にも多いんです、その考え。植民地支配は日本に限らず、欧米の多くの国が手を染めてきた。
   その形もさまざまですが、そこで暮らす人たちの主権や意思を無視して、従属的な立場に置いた、という意味で全て問題があるんです」「良い侵略」も「悪い侵略」もない、ということだ。
   「付け加えれば、ここまで指摘してきた植民地肯定論は、当時の大日本帝国の政治宣伝そのままです。特に目新しいものではありません」
 【4】「歴史を学ぶ意味」を否定するウソ  ← 自分の非を認める=自虐ではない! <百田尚樹・櫻井よしこ>は同じ穴のムジナ
   ・「そもそも『○○ができた』『××が増えた』といううわべの現象を切り取ったところで歴史は捉えられません。そこに暴力や虐殺が伴った事実こそが問われているのですから」
  「過去の非を認めても、私たちの誇りが損なわれることにはなりません現代社会には日本軍『慰安婦』をはじめとする性差別や植民地主義の問題を含め、克服すべき多くの課題があります。
   その現代社会はどう成り立ってきたのか、過去と対比しながら見ていく。そして課題を克服するヒントを探る。
    歴史を学ぶのは、昔の日本人は悪いことをした、と言い募るためではなく、より良い未来への道筋を考える指針とするためです
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中国本土の若い世代は国を変えられるか?   過疎地の住居集約は「棄民」なのか?   外国人就労増加の現実と日本人の移民忌避感情

2024-08-14 09:53:18 | 時評
△【Record China】中国の若者に見えた変化、国の未来に新たな可能性―香港メディア(翻訳・編集/川尻)  抜粋
・ 2024年8月12日、香港メディア・香港01は、中国で若者世代が国の未来に新たな可能性をもたらしているとする記事を掲載した。中国の「90後」(1990年代生まれ)や「00後」の若者は、幼少より愛国主義や集団主義の教育を受けつつも、
  中国の市場経済の急速な発展やグローバル化、インターネット情報技術の急速な進歩とともに育ってきたことで、前の世代よりも個人主義の色彩が強くなっていると指摘。規律、服従、自己犠牲を重視する親や祖父母の世代とは大きく
  異なり、権利意識や個人の正義に基づく行動を取る傾向があり、香港や台湾、欧米の若者と話が通じやすくなっているとした。
・ さらに、「中国の教育制度はイデオロギー的なプロパガンダに彩られすぎており、官僚主義の危険性も無視できないため、社会全体が反省と改善を進めていくべきではある」としつつ、教育を受ける人の数が増え、中国がますます世界の
  舞台に溶け込んでいく限り、国民皆教育によって中国にポジティブな変化が生じる可能性もあるとの見方を示している。
・ 記事は最後に「これらは改革開放が中国にもたらした変化である。 国民の質は、しばしばその国全体の姿を決定する。少数の人々の努力は一時的な変化しかもたらさないが、大多数の国民が変化し、自信とゆとりを持ち、権利と利益に
  関する現代的な概念を持つようになれば、国の進歩に向けた最も強固な礎石が築かれることになる
」と結んだ。
  ⇒ 下線にした箇所、これは国民としての権利意識の重要性を説くもので、香港から発せられた此の論調があらゆる「自由」を抑圧されている本土の読者に届くのか? そして太字の部分:
   ≪ これらは改革開放が中国にもたらした変化である。 国民の質は、しばしばその国全体の姿を決定する。少数の人々の努力は一時的な変化しかもたらさないが、大多数の国民が変化し、
     自信とゆとりを持ち、権利と利益に関する現代的な概念を持つ ≫
     ★ 青字にした箇所は、読みようによっては習近平体制への痛烈な批判であり、香港01は弾圧をうけないだろうかと気になる。

◆【現代ビジネス】「過疎地の復興はムダ/移住を考えよ」財務省財政審が能登半島地震の被災者に言い放つ「許しがたい棄民思想」藤井 聡(京都大学大学院工学研究科教授)
 抜粋
・ 財務省は9日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、能登半島地震の被災地の復旧・復興は「将来の需要減少や維持管理コストも念頭に置き、住民の意向を踏まえ、十分な検討が必要だ」と訴えた。「被災地の多くが人口減少
  局面にある」ことを理由に挙げ「過去の災害の事例も教訓に集約的なまちづくり」を提言した。復興が本格化する中、無駄な財政支出は避けたいとの立場を明確にした。
・ 能登半島地震ではもう一つ、非常に憤りを感じたことがあります。それは新潟県知事を務めた米山隆一さんがX(エックス)で、こう投稿したのですね。
  『非常に言いづらい事ですが、今回の復興では、人口が減り、地震前から維持が困難になっていた集落では、復興ではなく移住を選択する事をきちんと組織的に行うべきだと思います。地震は、今後も起ります。現在の日本の人口動態で、
  その全てを旧に復する事は出来ません。現実を見据えた対応をと思います』(二〇二四年一月八日)
  ⇒ 藤井教授は「移住促進は棄民だ」と怒るが、福島原発の崩壊事故では多くの人が居住地に戻れなくなり事実上の「移住」を強いられた。どちらも「地震/津波」という自然災害の結果であり、
    天災大国日本に過疎化の進行が重なる現状への処方箋として、住居集約は否定されるべき「棄民」だろうか? ・・・天災が無くても、である。
  

◎【zakzak】コンビニ店員の〝外国人化〟がもっともな理由: 多様化する業務と優秀な外国人、付いていけない日本人---奥窪優木(おくくぼ・ゆうき)

・ 厚生労働省が調査した2023(令和5)年10月末時点の「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」によると、資格外活動許可を得て就労している外国人は35万2581人で、前年比6・5%増となった。
  特定の業種のパート・アルバイトには、さらに外国人が集中している。コンビニエンスストア店員として働く外国人は8万人以上ともいわれ、これはコンビニ総従業員数の1割以上にあたる。
・ 筆者の知人の50代男性が、都内でフランチャイズ経営するコンビニ店も、18人いるアルバイトのうち、11人がネパール人を中心とする外国人だという。その理由について、彼はこう明かす。
  「求人募集をしても、日本人で応募してくるのは中高年ばかり。私が言うのもなんですが、その年齢でコンビニでバイトしようという人たちのほとんどは、言っちゃ悪いが仕事ができない。
  イベントのチケットの発券やメルカリの発送など、コンビニ業務は多様化していて、それについていけないのです。大手メーカーを退職後にうちで働き始めた60代の男性は、在庫管理用のスマホ型の端末の使い方を覚えるのに
  半年かかりましたから…」  一方で、外国人アルバイトは皆、優秀という。
・ 「多くが留学生で年齢が若いということもありますが、みんな仕事をすぐに覚えてくれる。それに急なシフト変更や深夜の残業も快諾してくれますし、日本語に少々難があっても、逆に英語ができるので外国人が来店した時に重宝する。
  これからも若い外国人にどんどん働いてもらいたい」
* 外国人材の受け入れ拡大や訪日旅行ブームにより、急速に多国籍化が進むニッポン。外国人犯罪が増加する一方で、排外的な言説の横行など種々の摩擦も起きている。「多文化共生」は聞くも白々しく、欧米の移民国家のように「人種のるつぼ」
  の形成に向かう様子もない。むしろ日本の中に出自ごとの「異邦」が無数に形成され、それぞれがその境界の中で生きているイメージだ。しかしそれは日本人も同じこと。境界の向こうでは、われわれもまた異邦人(エイリアンズ)なのだ

  ⇒ コンビニ店における外国人就労の増加。そこで高年齢者が退職後に働く姿との比較。これは労働人口減少の笑えない縮図であり、長寿社会を喧伝するムードへの痛烈なしっぺ返しでもある。
   奥窪氏が最後(*)で言うように、外国人居住者や留学生が今後増えようとも、日本人と溶け合うことは絶望的で「日本という異国の中での異邦人集落」の塊りが増えるだけだろう。
   それは恰も韓国人や漢民族が世界各地で「Korean Town/華僑街」を作るのと同じ。外国での日本人町も同様。「多文化共生」は聞くも白々しいという同氏の嘆きにどう対処すればよい?

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