静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

☆ 暁 星 ;  2014.12.31

2014-12-31 09:55:57 | トーク・ネットTalk Net
  ☆  大韓航空:検察当局、前副社長逮捕 客室担当の常務も   http://mainichi.jp/shimen/news/20141231ddm041020038000c.html
     ・ 逮捕容疑は航空機の安全運航を阻害したとする航空保安法違反(航路変更など)のほか、刑法上の強要、業務妨害。
       また検察は、客室責任者らに虚偽の証言を強要したなどとして、証拠隠滅などの容疑で客室担当常務(57)を逮捕した。
     ・ この事件では、国土交通省による調査内容を常務に漏らした疑いで、大韓航空出身の同省調査官が26日に逮捕されている。

    何と形容していいのやら、日本社会でも類似のことが絶無、とは言い切れまいが・・・。  儒教伝統の<法ではなく>人が治める社会の象徴?
    中国で吹き荒れる「反腐敗キャンペーン」の根源に見え隠れする「人脈で組織が動く社会」と同根だろう。
    組織マネジメント論では、これを「組織ではなく、仕事が属人化している」という。 儒教伝統の呪縛は薄い日本だが、以て他山の石にすべし、肝に銘じたいものだ。

  ☆  毎日社説:  法人減税 国民の理解が不可欠だ   http://mainichi.jp/shimen/news/20141231ddm003070084000c.html
     ・ 減税による税収減の穴埋め策の柱は、事業規模に対して課税する法人事業税(地方税)の外形標準課税の拡大だ。赤字企業への課税も
       強化される。税負担は薄く広くという公平性に沿ったものだが、結果として利益が大きい企業には有利に働く。
   
  例の<トリクルダウン理論>への疑念に加え、政府が国会議員定数削減を始とする行政改革や、歳出切り詰めを一向にやる気が無さそうに見える
  ことへの庶民の苛立ち。これを代表する社説だ。   が、同時に「消費税への軽減税率導入」「高額資産保有高齢者への国民年金支給カット」そして
  「福祉関連賃金水準の引き上げ」などなど、財源手当てと合意の困難な複数の施策実行も組み合わせた訴えでないと、”中小いじめ””大企業叩き”
   イメージだけの貧相な床屋談議に社説が終始してしまうのでは?  それが今朝の私の直感だ。

  社説といえど「見出しキャッチ」性は無視できないためテーマを絞るのは有効だろうが、どの新聞であれ購読者の中で、進んで社説を読む人は一定の知的水準と
  思考能力を持ち合わせていようから、現下の政策課題が多岐に亘り、且つ同時に実行を要求する大変難しいものであることは百も承知。そこを平明に論述して欲しかった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書評;034  < 居酒屋の世界史 >  下田 淳  講談社現代新書  2011(平成23)年

2014-12-30 22:37:31 | 書評
  酒徒たるを恥じない私としては見逃せない1冊かと読んでみたが、期待に違わず楽しく面白いので、ご紹介したい。 たとえ貴方が酒好きでなくても、飽きさせないことは請け合いだ。  これは、<家呑み>ではない<居酒屋>ビジネスが、古代メソポタミア/ギリシャに始まり、ローマから中世・近世、そして近現代ヨーロッパ・アメリカまで、その時々の社会の変遷にあって、どう盛衰したのか、を様々な文献から丹念に拾っている。  無論、インド・中国・朝鮮・日本もカヴァーしており、雑学的楽しさだけでも十分に楽しめる。

  著者は本書を次の3つのキーワードで編む。  <農村への貨幣経済の浸透><居酒屋の多機能性><(後発ビジネスとの)棲み分け>である。
   古代はどの国も王侯貴族は自宅で客を(無償で)飲食接待したのに対し、中世以降、自給自足経済に生きてきた農民・職人・肉体労働者・奴隷たち向けに、生産力上昇に伴う交通網発達のお蔭で整備された街道や大きな港湾沿いの都市で、物々交換ではなく現金で酒と食事+宿を提供する<居酒屋>が発展した。
  これは世界共通の展開パターンだが、貨幣経済が都市だけのものか、農村まで深く広がったか、その時期とスピードの違いが世界各地それぞれにある。そこに欧州の場合は、原則的にワインを禁じないユダヤ・キリスト教ながらも中世以降の宗教改革の求めた禁酒運動が絡む。 かたやイスラム文化圏でも、スルタン/モスクと居酒屋ビジネスの関係が禁酒の建前とは別に続く。 インドから東では宗教面から居酒屋ビジネスどころか、飲酒へのアプローチは見られない。 かの李白や、我が牧水を想い出されよ。

  次に<居酒屋の多機能性>。これは居酒屋が単なる酒と食事付の旅館業に留まらず、売春まで付いた庶民のつどう遊興場、そして歌手・芸人・手品師などを呼び込んで集客する一大娯楽ホールへと各国で発展した歴史を指す。それも時代が進むにつれ、旅館業がホテル業に独立したり、演芸ショーが分離してレストランシアターへ拡大、ビリヤード/ダーツなどが独立した遊技場へ、といった具合に分解していったのを著者は<(後発ビジネスとの)棲み分け>と表現しているのだ。 
   産業革命以後の階級社会の深化期、居酒屋は政治活動分子の謀議の場にも使われた。・・・・恰も、貴族が飲食を共にしつつ「サルーン(サロン」で優雅な室内楽に興じていたのと対応する姿だ。・・・・ここで私は、幕末期の統幕志士達が京や伏見の船宿で密議を巡らしたことを思い出す。   池田屋しかり、寺田屋も。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆ 暁 星 ;  2014.12.30

2014-12-30 11:37:20 | トーク・ネットTalk Net
  ☆  中国:Gメール不通   http://mainichi.jp/shimen/news/20141230ddm007030048000c.html

   ・ 中国では当局がネット検閲システムを構築しており、VPN(仮想プライベート・ネットワーク)を提供する欧米などの業者と契約し、
     当局のネット規制を乗り越えない限り、ツイッターやフェイスブックなどを利用できない。
   ・ Gメールはこれまで、スマートフォンなどのメールソフトを使えばメールの送受信は可能だったが、26日からVPNを利用しない限り、
     ほぼ利用が不可能になった。

    飽くまでも(言論に限らず)一切の政治的自由は与えないぞ、と内外への堅い意思表示だろう。  いつまで「政治鎖国」を持続できるのだろう?

  ☆  SNSは若者の安全弁、親はスマホでなく子供見よ  http://www.nikkei.com/article/DGXMZO81260550U4A221C1000000/

   ・ 親はネットで起こりうる恐ろしいことばかりを想像するが、子供の目的の中心はそこで友達とつるむこと。社会的なつながりと人間関係構築の場だ。
     ティーンにとってテクノロジーは『安全弁』であり、我々大人が取り上げてきた『はけ口』なのだ」
   ・ 「ネットはそうした接触を容易にする一方で、それを追跡し、何が起きているかを発見することも可能にした。ネット上で助けを求めている子どもたちがたくさんいる。
     我々は背後にある社会の問題を直視せずに、テクノロジーを問題にしている。テクノロジーを非難するよりも、有効な手段として活用すべきだ」
  
  たぶん、この2点が<「つながりっぱなしの日常を生きる」著者ダナ・ボイド氏>の論点だ。  ”自己主張/発信が是と教育されるアメリカ社会”で育てられる子供における「いじめ」「落ちこぼれ」対策がもちうる「ネットが持つ救済の場としての意味合い」は著者が主張するように積極的かもしれない。 然し、”自己主張/発信が是と教育される社会”が未だに根付かない、いや寧ろ敬遠し続ける現代日本社会に生きる子供たちに、同じように積極的な意味をネットの繋がりはもてるか?  ・・・・・私にはわからない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自民の中立要請、選挙報道に影響 テレビ在京6局 ・・・・・ああ、ファシズムの足音が忍びっている!

2014-12-29 08:35:28 | 時評
      http://mainichi.jp/shimen/news/20141229ddm004010057000c.html  11月18日夜、安倍晋三首相は、TBSの番組「ニュース23」に出演した際、
   アベノミクスに対して厳しい街の声」が紹介されたことに「(声を)選んでますね」と不快感を示していた。
   
 * 調査会社エム・データによると、在京6局の選挙期間中の選挙関連の放送時間は前回衆院選(2012年12月)の同期間に比べて約4割減った。
 * ジャーナリストの江川紹子氏は、<自民党が「公平中立」という言葉で報道のあり方を説いていることについて「『公平中立』には主観が含まれる。絶対的な尺度ではない。
   自民党が求めているのは自民党にとっての公平中立であって『批判的な声を抑制するように』と求めているに等しい」と指摘する>。
 *  自民以外で公示日(12月2日)前に申し入れしたのは共産党と新党改革。共産党は11月26日にNHKと在京民放キー局を訪れ「不偏不党」「公平・公正」を要請。
   2012年12月の前回衆院選でも同様の申し入れをしていた。
      やはり懸念していたように、TV局内部に働く「KY」を読み、<放送法+免許制度>を武器にできる日本政治ならではの巧妙な圧力だ。共産党や新党改革が”少数政党にも公平な機会を”とお願いするのとは意味も重みも違うのである。
 
  何度も繰り返すが、日本の<3権分立>はアメリカのそれと異なり、選挙で選ばれたことが金科玉条の議員で構成する内閣が「行政」と「立法」を担う。  「行政」の長である大統領が拒否権を発動して「立法」の横暴を牽制するアメリカ式の仕組みを日本の政治制度は有していないため、現在のように国会で多数さえ握れば、事実上の独裁政治が”合法的にできる”のである。 昨年の麻生副総理発言<ワイマール憲法からナチ誕生へ!>を思い出して欲しい。  このような仕組みの国・日本に、<放送法+免許制度>が存在する。  いったい誰が、此のオイシイ仕組みを手放そうか?

 憲法改正論議の中核は「第9条」ではなく、私は<首相公選制による議院内閣制の修正、道州制による中央集権度の軽減、憲法裁判所創設>を要望する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆ 暁 星 ;  2014.12.27

2014-12-27 11:51:45 | トーク・ネットTalk Net
  今日は、私が首を捻った、理解に苦しむ話を3題

  ☆  プロ野球:ヤフオクドーム「ラッキーゾーン」新設   http://mainichi.jp/shimen/news/20141227ddm035050114000c.html
   ・  昔、甲子園球場がラッキーゾーンを暫く設置したが、ホームランが出過ぎるのを嫌い撤去した。ソフトバンクとは正反対の思想。
   
    そもそも、ゴルフ同様に野球場の寸法/形状がバラバラなのに、各種打撃記録を集計して競うおかしさ。ボール規格のバラつきも混ざり、
      他球技の整合性にはとても及ばない。  ホームラン一発! の爽快さが野球の魅力の要、というのはドラマ好き感情に迎合しただけで、薄っぺら過ぎないか? 
    今更建て替えは無理だろうが、せめて、ボール統一と外野フェンス距離&高さ改修による統一ならできるのでは?

  ☆  布施広の地球議:ケネディと北朝鮮   http://mainichi.jp/shimen/news/20141227ddm007070006000c.html
   ・  要は、「嘗てのケネディのように米国は北朝鮮の核開発を止めねば、日本は指呼の距離で核攻撃に晒される現実が迫ってくる」が誰も止められない現状は続きそうだ
   ・  拉致問題がトゲになる日本の特殊事情を米国は無視できず、武力攻撃を選択肢に含められないディレンマに苦しみ続けている。 
   
   <国際社会は何もできまいとなめている国に、平和的手段で道理を説くにはどうしたらいいのかが分からないのだ。ケネディ大統領の意見を聞いてみたい>。   
   布施氏はそういうが、 私もわからない。   イスラエルならとっくの昔、核施設を限定爆撃してただろうに・・・・。 

  ☆  メディア時評:財政再建と沖縄基地、埋もれた争点   http://mainichi.jp/shimen/news/20141227ddm005070009000c.html

   ・  何のための選挙だったのだろうか。毎日の倉重篤郎専門編集委員(論説室)は、「二つの負担」をめぐる選挙だったと総括した(16日)。      
      何よりも財務省をはじめとする再増税推進派を黙らせるための選挙だったという分析だ。 
   ・  もう一つは、安全保障をめぐるもの。沖縄は全小選挙区を基地反対派が占め、「安保負担」の適正化を求める声が勝った。 しかし、「安保負担」が争点化されたのは
      沖縄のみで、本土側ではほぼ「見えない」課題だったようにも思う。 この「二つの負担」は、今後さらに争点化していく必要がある。

    メディアに従事する者としての決意がいっそう求められる、と言いたいのだろう。  この争点、どちらも鍵は若い世代へのアピールだが、新聞に限らずマスメディア全般、
    私には努力が十分とは見えない。    どうして?  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする