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長期身分保証という "日本型雇用慣行” は尊くない!   ビジネス世界ではガラパゴス状態だぞ

2016-04-01 16:32:12 | トーク・ネットTalk Net
 もはや幻想の「日本型雇用」=経営共創基盤CEO・冨山和彦 http://mainichi.jp/articles/20160401/ddm/008/070/042000c?fm=mnm
* 安倍政権が「最低賃金1000円」に続き「同一労働同一賃金」を働き方改革の目玉政策に掲げた。ところが、さっそく「経済界」を名乗る人々の中から
  「日本型正規雇用慣行の中では、いろいろな仕事を経験して将来の幹部となっていく正社員と非正規の人を同じに扱えない」との声が出てきた。
       この冒頭の数行を読んだところで 私は腹がよじれるほど爆笑してしまった。
* この言い分が前提としている終身年功型雇用で定年まで勤め上げられる人は、今や勤労者の2割程度しかいない。これを日本型と言うのは無理。
    「日本の一部」型と言うべきだろう。  加えて、その正社員のなかでも経営幹部になれる人間なんて ほんの一部だ
* 転勤や配置転換を受け入れるから生産性が高いというのも幻想だ。グローバル競争の中で日本企業の業務もどんどん高度化、プロ化している。事業部門、機能部門ごとに
  「プロ野球部門」「プロサッカー部門」「プロゴルフ部門」「プロテニス部門」に分かれているようなものだ。そこで人材をぽんぽん配置転換して競争に勝てるわけがない。

 ⇒ さすがに経営再建のプロ。 うまい例えだ。未だに日本の大企業でしぶとく遺る「ゼネラリスト」養成というお題目が言葉通りに通用するのは、逆に零細ファミリー企業までだ。 頭角を現した稀な経営者、例えば松下幸之助、本田宗一郎の類の限られた傑物は其の個人が偉人だったのであり、人材育成の真理でもなんでもない。  ここをはき違えてはならない。

<企業再生の現場で私が体験してきた現実は、大企業の正社員、特に中高年の総合職正社員たちの目を覆うばかりの生産性の低さだ。派遣社員や限定正社員などジョブ型の働き方で現場を支えている人々の方が頑張っていて、中高年の総合職正社員は半減させても業務に支障をきたすことはまずない。むしろ職場の風通しは良くなり、無駄な社内調整やだらだら残業が減って効率は上がる>。 起業再生の現場を踏んできた冨山氏の言葉だけに、私が私企業に身を置いていた当時に実感したことと同じことを言っている再確認でもある。 <公平性という観点でも、正社員が転勤や配置転換を受け入れる代償は長期雇用保障で十分だ。賃金格差まで求めるのは虫が良すぎる>。 冨山氏はこう結ぶ。 

 だが、私は「待てよ」と言いたくなる。 正社員という身分保障が能力差を反映し、場合によっては非正規身分の人より賃金が低くても、転勤や配転を受け入れさえすれば代償に長期雇用保障を与えれば良い、というのは如何なものか?  つまり、非正規身分の人が転勤や配転を受け入れても長期雇用保障は与えなくていい、というのか? それで真の『同一労働・同一賃金』というのか? ここでいう賃金とは、総給与だけではなく待遇も含むのだ。

 厳しいことをいうなら、雇用契約は徹頭徹尾パフォーマンスに左右されるものであり、雇用保障とは最初に与えられるものではない。 正規/非正規などという区別自体が能力主義に矛盾するのだ、ということ。 予期される能力を発揮し、定められた職務を果たすことが報酬を得る対価だ。  そこに何の事前保証が前提として必要なのだ???
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