* 風知草:「対米従属」について=山田孝男 http://mainichi.jp/shimen/news/20151130ddm002070122000c.html?fm=mnm
・ 先週24日、日本記者クラブで記者会見した不破哲三・前共産党議長(85)が、1969年の毎日新聞の連載記事「紙上国会/安保政策の総討論」を引き、
今昔の違いを振り返った。
・ 不破がこの逸話を持ち出したのは、政党助成金の奪い合いで離合集散を繰り返し、政策形成能力のない政党が増えている--と言いたいからだった。
小選挙区制が悪いという不破の指摘には議論の余地がある。が、テレビを舞台にした最近の政策論戦は見栄え優先になり、不徹底極まる--と感じている
視聴者は多いだろう。 視聴率、支持率という、じつは意味不明の数字が政治をむしばみ、必要な討論が失われている。
⇒ 今月、結党60年を迎えた自民党は「対米従属」政党だと不破は言う。 「従属」と見えて「戦略的協調」だと自民党は反論するに違いない。
が、不破が批判する対米従属の中身は具体的だ。ホスト国の主権が、国際的に見ても著しく制限された在日米軍基地の治外法権、日米防衛協力の一本調子の
緊密化などである。これらは、保守与党が軽視すべき課題ではない。ましてや、国家主権の確立へ憲法改正をうかがう政権党が問答無用と切り捨てるべき
対象ではない。・・・・全く我が意を得たりの心地である。 ああ、小泉型劇場政治の罪は限りなく重い。
冷戦消滅以降の情勢変化へ主体的に対応する気概を持たぬまま、経済停滞にばかり気を取られたのが「失われた20年」。 だが実は”失った”のは経済成長だけではなく、国家としての主体性/自立である。<なに、戦後の米国依存そのものが自立など元々ないじゃないか>と揶揄するのは自ら主体性を論じる姿勢と真面目さの放棄に他ならない。
同盟イコール依存であってはいけない、と考えない人に『主体性』や『自立』などお呼びじゃないだろう。だが、日本人特有の<お人好し>から、日本は大事な国の筈だからアメリカは未来永劫に日本を守ってくれる、などと甘い片想いが如何に危険か、少し考えたら誰にでも気づくことだ。
実のところ、アメリカからみて日本は「何をするか判らない国」のイメージが未だ消えていない、というのが私見。いや、アメリカだけではないだろう。だから、アメリカは今後も日本の自立を望んではいない。
だが、不破氏の云う<対米従属>の続行こそが国家主義気運を醸し出している真因であり、逆にいえば、同盟関係の中での対米自立こそが日本を危険なナショナリズムと全足主義化から防ぐ道ではなかろうか?? この視点からすると、<非戦>の御念仏に負けず劣らず、海外派兵による「普通の国」化も<対米自立>の担保にもならないことを主張したい。
・ 先週24日、日本記者クラブで記者会見した不破哲三・前共産党議長(85)が、1969年の毎日新聞の連載記事「紙上国会/安保政策の総討論」を引き、
今昔の違いを振り返った。
・ 不破がこの逸話を持ち出したのは、政党助成金の奪い合いで離合集散を繰り返し、政策形成能力のない政党が増えている--と言いたいからだった。
小選挙区制が悪いという不破の指摘には議論の余地がある。が、テレビを舞台にした最近の政策論戦は見栄え優先になり、不徹底極まる--と感じている
視聴者は多いだろう。 視聴率、支持率という、じつは意味不明の数字が政治をむしばみ、必要な討論が失われている。
⇒ 今月、結党60年を迎えた自民党は「対米従属」政党だと不破は言う。 「従属」と見えて「戦略的協調」だと自民党は反論するに違いない。
が、不破が批判する対米従属の中身は具体的だ。ホスト国の主権が、国際的に見ても著しく制限された在日米軍基地の治外法権、日米防衛協力の一本調子の
緊密化などである。これらは、保守与党が軽視すべき課題ではない。ましてや、国家主権の確立へ憲法改正をうかがう政権党が問答無用と切り捨てるべき
対象ではない。・・・・全く我が意を得たりの心地である。 ああ、小泉型劇場政治の罪は限りなく重い。
冷戦消滅以降の情勢変化へ主体的に対応する気概を持たぬまま、経済停滞にばかり気を取られたのが「失われた20年」。 だが実は”失った”のは経済成長だけではなく、国家としての主体性/自立である。<なに、戦後の米国依存そのものが自立など元々ないじゃないか>と揶揄するのは自ら主体性を論じる姿勢と真面目さの放棄に他ならない。
同盟イコール依存であってはいけない、と考えない人に『主体性』や『自立』などお呼びじゃないだろう。だが、日本人特有の<お人好し>から、日本は大事な国の筈だからアメリカは未来永劫に日本を守ってくれる、などと甘い片想いが如何に危険か、少し考えたら誰にでも気づくことだ。
実のところ、アメリカからみて日本は「何をするか判らない国」のイメージが未だ消えていない、というのが私見。いや、アメリカだけではないだろう。だから、アメリカは今後も日本の自立を望んではいない。
だが、不破氏の云う<対米従属>の続行こそが国家主義気運を醸し出している真因であり、逆にいえば、同盟関係の中での対米自立こそが日本を危険なナショナリズムと全足主義化から防ぐ道ではなかろうか?? この視点からすると、<非戦>の御念仏に負けず劣らず、海外派兵による「普通の国」化も<対米自立>の担保にもならないことを主張したい。