静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

終戦記念日:日本人は 具体的に何を反省するのか?  弔いだけで無罪放免じゃない

2024-08-16 11:05:41 | トーク・ネットTalk Net
* 昨日の全国戦没者追悼式典で天皇の式辞の最後は、こう結ばれた。
   <ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、
    全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。>

* 天皇が呼びかけた深い反省とは『過去の何を顧み・反省する』のか?  聴いていた国民は『具体的に何を反省するのか』と胸に手を置き考えただろうか?
  私は<軍国主義で国内・国外とも破壊し、内外で甚大な犠牲者と損害を招いた国家の在り方を繰り返してはならないと戒める>意味での『反省』だと解釈したい。
  日本人の犠牲者だけを弔うのでは反省したことになっていないのである


 なぜ私が『反省』の中身と対象に拘るのかと言えば(亡くなった方々への弔い)が単なる哀しみで終わり(戦前までの体制を二度と繰り返さない誓い)と具体的に結びついていると思えないからだ。
 これは原爆犠牲者を弔い<二度と戦わない・核兵器廃絶を>といいながら、「反戦・非戦・非核」への具体的アピール活動を妨害する勢力を放置している自治体や政府の対応からわかる。
  更に言えば、感情的な哀悼や後悔の表現は口にしても、朝鮮人はじめ周辺国の人々に犠牲を強いた戦前の日本国家の在り方について、何の『反省』も謝罪も表わさないのと通底している。
 村山談話、また河野談話はあったが、復帰した自公政権はそれを継承せず黙殺し、東京都知事は関東大震災時の朝鮮人虐殺慰霊式典にコメント送付を拒否している。
   欧州では過去の植民地支配を国家として正式に元首が謝罪する国が出始めている。 80年前まで旧日本は大韓帝国と中華民国台湾省を植民地として支配したのである。

★『反省する』とは≪過ちを認め、謝り、同じ過ちを繰り返さないよう行動する≫との決意表明だ。その表明は具体的な言語化が不可欠だが、天皇だけでなく全ての日本人は戦後79年曖昧にしてきた。
 言葉で生きる人間は、具体的な言葉にして初めて行動に移れるのだ。何度も繰り返してきたが、言葉を曖昧にする日本人の悪しき風習こそが自らを苦しめてきた事実を悟り、変えようではないか!
コメント
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