「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

《特別連載》 「現在のボブを観よ!」 Bob Dylan 『Japan Tour 2023』 Vol.7(最終回)『日本公演を振り返って…』「Mash」が書く!

2023-04-29 20:45:11 | BOB DYLAN

『Bob Dylan Japan Tour 2023』
は、予想通り
『名古屋が全てにおいてピークとなった』
そんな
『名古屋公演』
も無事に終えて、日本公演は幕を閉じた。

俺にとって、このツアーは
『ボブを体験出来る最終公演』
となるかも…
そんな予感を日々感じていた…
のも確かなんだ。

しかし、そんな不安は
『東京公演最終日』
を終えた頃には
すっかりと払拭されていてさ!

『また、近いうちに日本公演がある!』
と確信出来る状態に
俺自身、なっていた事は
ホント嬉しい限りなんだよね!

とにかく
『尻上がりにボブもバンドも良くなり、名古屋公演は名うてのボブ通たちでさえ、納得するステージ』
だった様だから、
ボブやバンドは間違いなく進化し続けますよ!

問題だったのは
「今回の呼び屋」でしょうね…。
『デカイ会場』と『高額なチケット』は
今のボブには似付かわしく無い!

特にココ日本でのボブって
『未だにフォークの人』だもん。
いくらノーベル賞を受賞したと言っても
誰も「highway 61」とか聴いたこと無いワケ!
(勿論「血の轍」なんて皆無!)

しかも、ボブの話をすると
年配の方でさえも
「ガロで知っている!」
と言われる確率が60%以上!
そして
「まだ生きているの?」
と聞き返される現実…

こんな状況では、正直なところ
「26000円じゃ誰も誘えない!」
ワケですよ!
俺でさえ編集部の
『フクシマン土屋』
を誘えませんでしたからね(笑)!

そこで、どうでしょう?
次は「ウドーさん」に戻って頂き
『スモールスペースで18000円くらい』
が妥当だと思うのだが、如何であろうか?
『ボブの音楽を好きな人って、そう多くない』
のだから…。

さて、振り返って書くとなると
やっぱり
『東京公演でのトラッキン!』
ってコトになっちゃう俺なんだけれど、
それ以外でも色々と良い部分が有り
その辺りは日々のバックナンバーにて
ぜひ確認して欲しいね!

そして、とても個人的な話だけれど、俺の場合
やっぱり多くのボブ通たちとの交流だろうな…。
『みんなボブの音楽を愛して止まない人たち』
だから…。

以前のツアー時にも書いたけれど
会場で逢うのは
『ちょっとした同窓会』
みたいだし、
ツアー時はメールやSNSでの連絡も多くなる。

「一握りの人たちにとって、ツアー時は、さながらお祭りみたい」
に思えるワケで、
「ツアー後の今は寂しさが込み上げてくる頃」
なんだよね。

俺の場合もそうでさ。
特に『名古屋公演をパスした』
から余計に早く来てね(笑)。

ただ、寂しがっていても始まらない!
から最後に、
ボブの今のところの新作
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
を推しておきたい!

『80超えの爺さんが音楽を続ける意味』
そして
『残される俺たちが聴く意味!』
まさに
『俺たちの人生の一部が塗り替えられ、どう生きるべきか?その答えが広がっている盤』
だから…。

それでは
『次回のボブ来日』
まで、気長に本作を聴き続け
『染みる時間』
を存分にお楽しみ頂く事と致しましょう!

では、またお逢い出来る事を祈って!
See ya!

《Mash 筆》


《特別連載》 「現在のボブを観よ!」 Bob Dylan 『Japan Tour 2023』 Vol.6『東京公演最終日(4/16)』またもデッド!名古屋公演に向け「Mash」が書く!

2023-04-17 15:56:01 | BOB DYLAN

『Bob Dylan Japan Tour 2023』
その『東京公演最終日(4/16)』は
『現在迄の日本公演の集大成的ライブ』
だったね!

オーディエンスも前日に次いで多く
『会場全体が準備ok!』
という感じで
公演前から盛り上がる兆候あり!

とは言えこの日も
『アリーナ席』
は、埋まれど
『スタンド(バルコニー1)席』
『スタンド(バルコニー2)席』
の中央部分だけを埋めて
両サイドの
『せり出し席』
にお客様はゼロ!

いつも通り
『スタンド(バルコニー3)席』もゼロ!
こちらのチケットを持っている人は東京最終日も
『スタンド(バルコニー2)席』
への振替え!

この日は余談だが
本紙でもお馴染み
「スターマン☆アル(写真)」
と一緒だ!
ロックな彼が
『どう評価するのか』
も楽しみなところ!

そうそう、前日の土曜日公演レビューで俺はこう書いた
『事もあろうに開演時間より約3分ほど早くボブ達は現れて、ショーをスタートさせちまった!』
お陰でトイレに麦茶を入れた水筒を忘れてね…。
大変悔やまれるぞ。
どうしてくれる?ボブ(笑)!

ご心配の声も頂いたので
念の為に書いておきますと
水筒は『忘れ物コーナー』で保管され
無事に手元に戻り、今回のショーは
『時間キッカリに開始』されました!

前置きが長くなりましたが(笑)
最終日は結論から言えば
『日本公演の集大成ライブ』
であり、
演奏もボブも会場の雰囲気も実に良く
「名古屋への期待が大いに高まる公演」
となったんだ!

バンドは完成系に近く
強弱もバランスも進化!
そこにリラックス感も加わって
『やっとバンドらしくなった!』
ホントひと安心ですよ!
何より新ドラマーを中心に添える事が出来、
グッとパワーupしましたね!

それに伴い
『ボブの声も益々自由自在になっている』
し、ピアノも弾きやすそうだった!

今回ツアーでは初参戦の
『スターマン(彼はピアニストでもある)』
曰く
「今まで見たボブ公演でもベスト!」
とのこと!
まさに『円熟味溢れる公演』となった!

昨夜のチェックポイントと言えば
オープニング曲
「Watching the River Flow」
では、すぐに歌い出した前日とは違い
『1分ほどのブルースイントロ』
によるスタート!
ブリッジ部を長めのピアノソロが引っ張り
『ボブのピアノも調子が良さそう!』
と期待が高まるゾ!

「I Contain Multitudes」
にはYesterday tooの歌詞から
ずっとエコーが入った!
深かったり浅かったり…と常に変化有り!
良い効果だったと思うな。

ちなみに、このエコーは
「Black Rider」
「I've Made Up My Mind to Give Myself to You」でも聴けて、この日は多目だったね!

ショー自体は緊張感もリラックス感も有り
『ボブもバンドも会場も、全てが良い感じ』
で進み、日替り?と思われていた
14曲目を待つも
「That Old Black Magic」
にセットは逆戻り。

しかし、コレ
『ボブも演奏も抜群にキレがイイ!』
素晴らしい黒魔術に魅せられたんだ!

これで一件落着!
と思いながら聴く次曲
「Mother of Muses」
はボブの歌もピアノも美しく
会場全体が酔いしれる…

ボブの
「サンキュー」
と共にボブから笑い声が聞こえる。
「さあ、ジミーリードだ!」
と待ち構える俺に
『全く異なるピアノとアコギ音が届く』

そして予想外にココで出た!
リベンジのデッド曲
『Brokedown Palace』!

しかし、この日はボブ自身の自滅か?
歌の途中でマイクから離れ
ピアノで1人違うキーを弾き出してしまう!
しばらくバンドは元のキーでプレイし
ボブのズレズレ状態によるJAMが続く!

そして
『バンドがボブのキーに合わせた』
かと思うと、アンプラグドな感じで
「Goodbye Jimmy Reed」
へと流れ込んだのだ!

『思わぬ展開に大満足している会場』
に響く、ラスト
「Every Grain of Sand」
は、俺にとって
『この東京5公演を思い出させるエンドロール』
のバック音楽に聴こえてね…。
やっぱり感傷的になっちゃうもんよ。

だって、もしかしたら
『俺にとってのファイナル・ボブになってしまう』
かもしれないから…。

勿論まだJapanツアーは続き
『名古屋での3公演』
を残してはいる!
しかし諸事情により俺自身
名古屋へは行けない。
だからこそ『胸に迫るもの』が有ったんだ。

読書諸君には、
そんな俺に代わって
『ぜひともボブを見届けて欲しい!』
そう思ってならない。

間違いなく
『ボブもバンドも好調さを維持する』
であろうし、最終日にはリベンジの
『Brokedown Palace』

『最高の形で完成させる』
はずだ!
そんな予感が、俺にはする!

このツアーは
『ロックコンサートではなく、最高に美しい…そんな極上のアメリカンミュージックを聴く集い』
である。

『本物の良い音楽を生で味わい、泣きたい!』
そんな夜を必要としている
『あなた』!

名古屋でもボブは優しく語りかけてくれるよ!
『もう迷わなくていい!』
ってこと。

俺は言い切れるよ!

《Mash 筆》


《特別連載》 「現在のボブを観よ!」 Bob Dylan 『Japan Tour 2023』 Vol.5 『東京公演4日目(4/15)』14曲目は『日替り』? 「Mash」レビュー!

2023-04-16 11:35:18 | BOB DYLAN

『Bob Dylan Japan Tour 2023』
その『東京公演4日目(4/15)』は
オーディエンスも今までで一番多く
『終始シッカリとボブを見せたライブ』
そんな感じに思えたね!

多いとは言え
『アリーナ席』
は、埋まれど
『スタンド(バルコニー1)席』
『スタンド(バルコニー2)席』
の中央部分だけを埋めて
両サイドの
『せり出し席』
にお客様はゼロ!

勿論
『スタンド(バルコニー3)席』もゼロ!
こちらのチケットを持っている人は
もうお馴染みだろうが、
お客様の多いこの日でさえも
『スタンド(バルコニー2)席』
への振替えだ!

兎に角この日は土曜日!
今迄の比じゃぁないくらい
お客様が多い!
開演10分前でも入場口には長蛇の列…

それなのに
『事もあろうに開演時間より約3分ほど早くボブ達は現れて、ショーをスタートさせちまった!』

日々慣れている俺でさえ
トイレで『スタートSE』を聴き
焦って席に向かったのよ!
お陰でトイレに麦茶を入れた水筒を忘れてね…。
大変悔やまれるぞ。
どうしてくれる?ボブ(笑)!

正直言って
昨夜のライブって書くことが少ない。
言うならば
『プロフェッショナルなショー』
であり、
演奏もボブも会場の雰囲気も良かった!

バンドは益々タイトになっているし、
コナレテきて、Jamっぽさも有った!
ボブのピアノは大賭けはしないまでも
適度にチャレンジしていて美しさも十分。

当然ボブの声は出ていて、多くの方に
『まだまだボブって凄い!』
と思わせた… のではないだろうか?

そこには
『14曲目を日替り曲』
としたのか、
この日はジャングルビートの
「Not Fade Away」!
その選択にも表れている気がするね!

誰でも知ってて?冒険が少なく
『ノリ重視』
というこの曲のチョイスと演奏は
ボブの狙い通り、会場を盛り上げ
昨夜のピークでも有ったからね。

多分わかると思うけれど、演奏は
『デッド的というよりもストーンズ的』
なグルーヴで、
『少し浮いている感じ(笑)』
に聴こえたのは俺だけじゃあ無いと思うな。

とは言えこの「NFA」によって
『ロックのボブ』
というイメージをキープ出来た気がする。
『キープしたいのか、どーか』
はともかくとしてね(笑)。

昨夜のチェックポイントと言えば
「When I Paint My Masterpiece 」
ボブの歌に1箇所エコーが入る。
また中間部ではカントリー風JAM!
バンド音を少し小さくしていき
ボブのピアノソロが良かった!
最後のトニーもドニーもバッチリ決めた!

次曲「Black Rider」では
ボブの歌で1箇所『深いリヴァーブ』が入った!

「I've Made Up My Mind to Give Myself to You」
の歌でも1箇所で2回反復エコーが入った!

この様なPAジョブは
あまりに唐突で驚かされるが、
この辺りも日々違うので
『面白い聴きどころ』
とも言えるんだよね!

ちなみに終演後の『ボブ通』達の中には
浮かない表情の人々も多く
『それも仕方がない』と理解出来る…
そんな夜だったかな。

『ボブとしてプロフェッショナルなライブをヤっただけですよ!』
と言う俺に
『プロなら開演時間前の演奏開始は何?』
ってね。然もありなん(笑)。

いよいよ今日は
『東京公演ラスト』!
日替りでは何が出るのか?
バンド演奏は固まりつつあり
良い演奏は間違い無いだろう。

後は『シッカリBOB』
か?
『お遊びBOB』
か?
はたまた
『その中間』
なのか?

う〜む。今から楽しみだ!
では開演時間を気にしながら
お早目にお席へどうぞ!

《Mash 筆》

 


《特別連載》 「現在のボブを観よ!」 Bob Dylan 『Japan Tour 2023』 Vol.4 『東京公演3日目(4/14)』 連日の『デッド曲登場』にビックリ!「Mash」によるレビュー!

2023-04-15 12:52:21 | BOB DYLAN

『Bob Dylan Japan Tour 2023』
その『東京公演3日目(4/14)』は
休み明けだけに
『終始好調だったライブ』
と言っていいでしょう!

でもやっぱり
デッドヘッズの俺が書くとなると
『2公演連続でデッドソングが登場!』
って話に尽きる!

ヨレヨレで危なっかしい演奏だったが
我らが敬愛するアメリカンバンド
『グレイトフルデッド』

『Brokedown Palace』
をプレイ!したんだからね。

前回同様その前に、
この日の大枠をシンプルに書いておこう。

『東京公演3日目はボブの声も演奏も良く、ピアノも攻めていて良いライブだった!…あの1曲を演奏するまでは!』

という事でしょう。

常にポイントとして挙げている
「東京公演初日(4/11)」
で聴かれた様なボブ。
所謂
「抑揚豊かで強弱が付いたボブの声」

「冒険的で美しいユーモラスなピアノプレイ」
もそこそこ聴けて、
会場の雰囲気も温かかった!

純粋に
「良い音楽会に参加している」
と実感出来る日だったね!

多少は暗くなるものの、相変わらず
『客電はずっと付いている』

『お客様は今夜も少ない…』
アリーナでさえ空席があったもんね…
まあ、それももう慣れた感じだけれどさ。

チェック項目を挙げると
前回2分以上ものブルース演奏で
イントロを回したオープニング曲
「Watching the River Flow」
は、この日は通常通りで、すぐに歌に入る。

演奏は最初から良い感じで、
出だしのみボブの声が弱く、
出ていないものの、すぐに立て直し
その後は終始安定した歌声だったゾ!

その他では
序盤は『ピアノの連打』を多用
会場が盛り上がった
「I'll Be Your Baby Tonight」
では前公演で
『ボブのヴォーカルにリヴァーブでは無く随分とエコーが掛けられていた。』
のだが、この日はエコーは無し!
歌も演奏も迫力十分で
Jamっぽさも有りgood!

この流れで入った次曲
「Crossing the Rubicon」
も実に良かった!
ボブによる「サンキュー!」の後
シンバルのカウントでスタート!
いつもよりも『クソblues』に聴こえる…
う〜ん絶品!

それでは『デッドヘッズ Time』!
の14曲目のお話へ行こう!
おっとその前に13曲目の
「I've Made Up My Mind to Give Myself to You」
で、最高に攻めたピアノを弾くボブ!
を語らないといかん。
連打や「ポロロ〜ン」のリフレイン…
エンディングも『ポロロ〜ン』と締める!

『コーいうボブが観たいんだよ!』
と思いながら前回同様に次曲
「That Old Black Magic」
を待つ。

しかし、怪しいピアノから始まって
手探りに何やら歌い出すボブ…
よく聴くとデッドの「Brokedown Palace 」!
『なんと!2公演連続でデッド曲をプレイ!』

前回同様
やっぱり誰も気づいていない!
しかも、バンドさえも
「何度かリハで練習して来ました」
とは到底思えない…
そんなヨレヨレ感!

でも俺は全く構わん!
『長年のデッドヘッズ』
である。
この様なハプニング的演奏は大歓迎であり、
より嬉しくもなる!ってもんよ。

ただしこの「Brokedown Palace」
正直、収集が付かない演奏だったので
途中で切り上げJamへ移行!
そして「MELANCHOLY MOOD」へ繋ぐ!
最終的には綺麗にまとめ上げ、会場は大満足!
俺は今夜も大興奮(笑)!

その後も会場は良い雰囲気でした!
「Goodbye Jimmy Reed」
では、お客様の手拍子も出て
演奏もgood blues!
とても良かった!

前回レビューでは
『ボブ公演のピーク』を
以下の様に書いた。

ボブ休み明けの
『4/14(金曜日)公演』
もしくはPAも慣れた
『4/16(日曜日)公演』
の可能性も十分にあると予想する。

先ずは14日は的中!
と言ったところだ!
そして、俺の興味は
「デッド曲は今夜もプレイされるのか?」
ってこと。

周りでは
「Ripple」
「Attics of my life」
を推す声が寄せられる一方、
一日中、雨の土曜日に聴く
「Box of rain」
なんてのも、いかがだろうか?
嗚呼、考えるだけでワクワクが止まらない!

『やっぱり見逃せない東京公演となった!』
間違いなく、そう言い切れる!

それでは、会場でお逢い致しましょう!

《Mash 筆》

 


《特別連載》 「現在のボブを観よ!」 Bob Dylan 『Japan Tour 2023』 Vol.3 『東京公演2日目(4/12)』をデッドヘッズ「Mash」による、 興奮のレビュー!

2023-04-13 16:23:21 | BOB DYLAN

『Bob Dylan Japan Tour 2023』
その『東京公演2日目(4/12)』のレビュー
デッドヘッズの俺が書く事は1つ!

そう!
偉大なるアメリカンバンド
『グレイトフルデッド』の『Truckin’』
をプレイした!その事実だ!

その前に、
この日の大枠を正直に書いておこう。
『東京公演2日目は平凡なライブで、特に見る所は無かった…あの1曲を演奏するまでは!』
という事になる。

「東京公演初日(4/11)」
で聴かれた様な
「抑揚豊かで強弱が付いたボブの声」

「冒険的で美しいユーモラスなピアノプレイ」
は全く聴けず…

で、俺が感じたのって
「流してるなぁ〜」
ってコト。
『5割くらいの力で、ただ淡々と進む…。ツアー半ばの、ひと休み!』
そんな日でしたね。

まあ相変わらず
『客電はずっと付いている』

『お客様は東京公演初日以上に少ない…』
本当にガラガラだもん。

しかも東京初日では見られなかった
『寝ているお客様』
も周りに数人居たくらいでねぇ。

まあ俺の様に「ボブ経験」も多くなると
「こーいう日も有る!」
と割り切って聴いていられるけれど…
さすがに昨日は退屈な時間が続いたね…。

とにかく客電が明るいので
メモを取りながら聴いているけれど、
書くことが『ネガティブメモ』ばかり
になっちゃってさ…(苦笑)。

勿論、チェック項目も幾つか有ったんだ。
例えばオープニング曲
「Watching the River Flow」
では、お馴染みのチューニングから音合わせ、
ギターフレーズから入り、ドラムそして演奏へ!
その後の
「2分以上に渡るブルース演奏でのイントロ!」
には
『おっ、今日はヤリそうだ!』
と思わせたんだけれどね…
ボブの声が弱く、出ていないしカスレ気味。

ショー全体ではPAも東京初日よりはマシ。
ただし『まだ手探り状態な感じ』で
急に1つの楽器が大きくなったりもしたね。

後はこの日、割と好調だった
「I'll Be Your Baby Tonight」
では
『ボブのヴォーカルに随分とエコーが掛けられていた。』
初日では俺の席では聴こえなかったが
大阪公演では、どうだったのだろうか?

さあ、それでは本題へ行こう!
13曲目の
「I've Made Up My Mind to Give Myself to You」
の前にバンド紹介を入れたのが功を奏し、
バンドも会場も急に雰囲気が良くなった!
ボブの声も良くなり伸びているが
正直、前日ほどの美しさは無い…

『ああ、今日はコーいう日なんだなぁ…』
と思って次曲
「That Old Black Magic」
を待つ。

しかし、ギターイントロとピアノから始まって
シンバルがカウントを入れるではないか!
ドラムがタイトになってバンドはいよいよ
『極上のブルース演奏』に入った!

『おっ、何だ?』
そう思わせた瞬間、ボブが歌い出す!
デッドの「Truckin’」じゃないか!

ソリャそーだろうが
誰も気づいていない!
ただし、
「いつもと違う!」
と思う人は結構居たハズだ。

気付いたら俺は泣いていた…
そして口ずさんで、大声で歌っていた!
そう。俺は先にも書いた様に
『長年のデッドヘッズ』
である。

偶然にもこの日、俺は
『ヒッピー風ヘンプ帽子』
を被ってもいた。
『本当に夢のような時間』
であった。

『俺のデッド愛』
については
『本紙のバックナンバー』
を読んで貰うとして
この日、しっかりとプレイした
「Truckin’」
は、極上の演奏であり
今までのモヤモヤを
『全て吹き飛ばす瞬間』
でもあった!

事実この曲後、アリーナ会場では
スタンディングオベーションが起こり
俺を始め、スタンドでも数人が
立って声援を送っていた。
間違いなくこの日のピークである!

その後のショーは
終始好調にエンディングまで続いたが
俺は彼らの立ち姿を見ずに会場を出て
すぐに「例のツイート」を打った!

『4/12ボブディラン公演、なんとデッドの「Truckin‘」演奏!これだけでもう俺は最高の気分だ!』

結局の所、長々と書いて来たが
このツイートに尽きる!

最後に俺はこのツアーのピークを
『名古屋公演』しかも最終日!
と睨んでいた。

しかし、ボブ休み明けの
明日『4/14(金曜日)公演』
もしくはPAも慣れた
『4/16(日曜日)公演』
の可能性も十分にあると予想する。

それくらい「Truckin’」は強烈であり
持続性が有る様な気がしてならないんだ。

『まだまだ何が起きてもおかしくない!』
そう思う今日この頃だ!

《Mash 筆》

 

 

 

 


《特別連載》 「現在のボブを観よ!」 Bob Dylan 『Japan Tour 2023』 Vol.2 『東京公演初日(4/11)』を「Mash」による、本気の全曲ライブリポート!

2023-04-12 14:55:02 | BOB DYLAN

さあ書こう!
勿論『Bob Dylan Japan Tour 2023』
その『東京公演初日』のレビューだ!

『本紙の記事up情報』以外の事は
滅多にツイートをしない俺が
突如としてツイートをしたので
驚いた方もいたと思う。内容は以下だ。

『いよいよ本日の大阪公演よりボブのブルースが炸裂する!そんな「Japanツアー」がスタートします!』

「大阪公演初日の日」
俺はこう書いた。

ちなみに、
ここで俺が言う『ブルース』とは
その音楽ジャンルだけでなく
『生き方』や『雰囲気』
はたまた、そのイベントに至るまで…
幅広い意味で使わせて頂いた。

長年の『ボブ通』ならば
きっとお分かり頂ける表現だと思う。
だって近年のボブはまさに
『全てがブルースマン』だから!

実際のところ『大阪公演』後には
俺の所にも様々な意見が届いていたんだ。

『最高でした!』
『あんなのボブじゃない…』
『大阪公演はリハーサルですよ!』
などなど…

もう、賛否両論!
名だたる『ボブ通』たちの間でも
これだけ真逆に分かれる凄さ(笑)
そんな中での4/11を観て来た。
というよりも聴いて来た…
と言った方がいいな。

会場の『東京ガーデンシアター』は広い!
キャパ8000人!
という『完全見誤り会場』を押さえた関係上
その客入りは群を抜いて悪い!
正直言って、スカスカです…。

『アリーナ席』
は、さすがに埋まれど
『スタンド(バルコニー1)席』
『スタンド(バルコニー2)席』
の半分は空席…
しかも中央部にお客様を集めた関係で
ステージに近い
『せり出し席』
にお客様はゼロ!

そして「大阪公演」同様
A席チケットの
『スタンド(バルコニー3)席』
は無いものとなり、アップグレードで
S席の『バルコニー2』に振り替えられる!
どう?早速ブルースでしょ(笑)?

俺は昔行った
アメリカのバッファロー公演を思い出した…
『遊園地の観覧車』
をバックに歌うボブ…

「あれもブルースだったなぁ。」
と、一列に俺ともう一人しかいない…
そんな空席だらけの
『ガーデンシアターのスタンド』
で思いを馳せていた瞬間、
ステージに彼らが!

待望の東京公演初日の夜は
キッチリ19時開演の100分公演!
先にセットリストを!

《セットリスト》
1 Watching the River Flow
『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット 第2集』
2 Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine
『ブロンド・オン・ブロンド』
3 I Contain Multitudes
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
4 False Prophet
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
5 When I Paint My Masterpiece 
『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット 第2集』
6 Black Rider
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
7 My Own Version of You
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
8 I'll Be Your Baby Tonight
『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
9 Crossing the Rubicon
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
10 To Be Alone With You 
『ナッシュヴィル・スカイライン』
11 Key West (Philosopher Pirate)
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
12 Gotta Serve Somebody
『スロー・トレイン・カミング』
13 I've Made Up My Mind to Give Myself to You 
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
14 That Old Black Magic
『フォールン・エンジェルズ』
15 Mother of Muses 
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
16 Goodbye Jimmy Reed 
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
17 Every Grain of Sand
『ショット・オブ・ラヴ』

それじゃ、
前代未聞のほぼ全曲レビューへ行くぞ!

「Watching the River Flow」
ショーのオープニングは
各自チューニングチェックや音出し。
ボブ歌い出すも声が小さく、PAも小さい!
声も弱々しい…。

そして、なぜか
「大阪公演では落ちた」
と言われている
『客電』が落ちない!
『明るいままの空席目立つ客席』
が、場末感を引き立てる!
バンドのサウンドも悪い…。

率直に言おう
『いやぁ、予想以上に場末のブルースバンド感がスゴイ!』
曲後のオーディエンスの拍手もまばら…
いよいよ
『場末のバーで聴いているみたい』
な錯覚に陥る…。

3 曲目の「I Contain Multitudes」
まで、大体こんな感じだったけれど、
徐々にこの曲の途中から
ボブの声が良くなり、
ピアノのアタックも音も強くなる!
曲後に「サンキュー」と声を発し
会場が柔らかくなったね。

続く「False Prophet」では
『調子が出て来たブルースバンド』
的演奏でボブの歌も良い!
ピアノはズレるがグルーヴィな部分も出始めた!

「When I Paint My Masterpiece」
出だしで美しいヴォーカルを聴かせ
ボブのピアノが間奏でヒートアップしながら
バンドを引っ張ろうとする場面が観られるものの
まだまだバンドのバランスは悪いまま…。

ただし
ボブがベンドを効かせたブルースハープを吹き
曲を一変させることに成功!
この裏で聴こえるジェリーのドラムは
ドコドコと音頭系で攻めて際立たせる!
会場は一気に良い雰囲気に変わる!

「Black Rider」
新しいアレンジを試すも、
バンドの緊張感は出ない…
ボブは歌い出しも良いし、ピアノも良い!

どうやらこの日のボブは
『バンドが悪いとピアノで変化を付けようと
アタックを強くしてゲキを入れる』
みたいだったね。
ただしバンドは平坦なまま…
ボブが良いだけに残念だ。

「My Own Version of You」
サンキュー!と声を出して始めた不気味曲(笑)
これが意外にも良い!
後半部のプレイ&ストップの演奏場面では
ボブの歌とバンドが噛み合って一瞬の最高点に!

その後ボブは
「ピンポンパンポン」
とアナウンス的な?
同じピアノフレーズを永遠と繰り返し
ユーモラスに仕上げた。

「I'll Be Your Baby Tonight」
ボブ、オープニングのピアノ弾き語りがイイ!
少し笑いながら歌い、ブルースサウンドへ!
バンドはようやく良くなりつつある。
これに気を良くしたのか
曲後にここでメンバー紹介を入れて来た!

「Crossing the Rubicon」
ユーモラスなメンバー紹介後の影響か
バンドは急にリラックスした演奏へ!
ブリッジ部のバンド演奏がラウド&グルーヴィ!
俺も、ついつい声が出るくらい良い!
エンディング付近での再ブレイクもgood!

「To Be Alone With You」
ジャグバンド風の演奏に
全員ではないものの、お客様から手拍子が!
温かい雰囲気でボブとバンド内で笑い声も出る。
リラックスした良い演奏だった!

「Key West (Philosopher Pirate)」
入りが悪く良い曲に聴こえて来ない。
しかしバンド演奏が悪いと
ボブはピアノを強める!
そこからバンドも立て直し緊張感も出て来た!

ボブのピアノ
時々音を外し変な音も出すのだが
音は美しく音楽的!
始めが嘘のようにセレナーデみたいになる!

ドラムがタイトに打ちシンバルも美しい!
後半のたどたどしいピアノとギターによる
絡みも美しく、実にイイ!

ボブ後半途中から
「ピッピピン」
とこれまた1つのピアノフレーズを永遠と弾く!
自身のヴォーカル部も弾き続け
ラストまでピアノフレーズは続いた!
どうやら、大笑いしているのは俺だけの様だが、
とてもユーモラスで実にボブらしい!

「Gotta Serve Somebody」
ゴスペルブルース風からロッカブルースへ!
ブリッジ部もグルーヴィでバンド演奏もタイトだ!
ボブの歌もピアノも素晴らしい!
シンバルのアタック音は美しい余韻が残る!
俺にとってはこの日のベストソングだね!
やっぱり声が出てしまうぜ!
ゴスペルツアーを思い出す。

「I've Made Up My Mind to Give Myself to You」 
ボブの声が伸びて美しい!
ピアノも美しく嬉しくなる!
途中演奏が消えていくところで
パタッと入るスネアと
薄く入るトップシンバルが絶妙!

「That Old Black Magic」
ここでもジェリーのドラムが冴える!
アタックを強く入り抑え気味になり歌へ!
この感じ素晴らしい!全体的にgood!

「Mother of Muses」
一転して声の出が少し弱く
低音域が出にくそうなボブ。
ただギターハーモニクスとピアノの合致した場面は
素晴らしく美しい!
歌で原曲の良さが出ていないのは残念だったが
きっと今後もっと良い公演日があるだろう。

「Goodbye Jimmy Reed 」
ボブの歌は入りがズレながらも
リズム部分から歌がupしてくる!
バンドはドスドスとしたドラムに引っ張られ
どんどんと音量が上がって行く!
そんなブルースアレンジがエグイ!
ノリ過ぎて少し危なっかしいエンディングも
それはそれでイイと思うゾ!

「Every Grain of Sand」
あくまでも想像だが
「なんとか東京初日を終えた〜」
と安心したのか?
その途端にボブのピアノがズレる(笑)
ただし終始リラックスした演奏で
ラストヴァースのボブの声は最高だった!

とまあ、100分間1本勝負を終え
『今のボブを表したライブ』
であったと思う。

過去に腐るほどボブを観て来た俺だ。
『80オーバーのボブを受け入れる』
のは、それほど難しい事ではない。

もし読書諸君が
このボブ来日公演を
「行くか、行かまいか」
で迷っているのなら、
『80過ぎのブルースマンが奏でる美しい音楽会』
と考えて欲しい。

ボブの「ロック的カリスマ性」や
時代を担ったアイコン的役割は
当然ながら、もはや存在していない。

今ここにある者は
『過去を振り返らない80過ぎの偉大な現役音楽家』
としての、堂々とした姿だけである。

それでは、今夜も会場でお逢い致しましょう!

《 Mash 筆》


今日は『Bob Dylan Japan Tour 2023』その『東京公演初日』です!「朝日新聞の朝刊」で「ボブ記事」を読んだら… さあ、出掛けるとしよう!

2023-04-11 14:14:43 | BOB DYLAN

さあ、『ボブ・ディラン東京公演初日』だ!
その当日の朝日新聞朝刊に
当日券チケットを売る為?
と思わせるライブリポートが載ったゾ。
( 写真は「朝日新聞」4/11朝刊より)

この早稲田大学教授「堀内正規」氏の記事では
今回の日本公演のスタートでもあった
『大阪公演初日の様子』や
ボブの偉業と偉人っぷりを
「ウォーホール」「ゴダール」「ピカソ」
と並び称しながら、書かれている。

それはそれでいい。
ライブリポートは誰もが主観だし、
ボブを彼がどう見ているか…
も一向に構わない。
しかしながら気になった部分がひとつだけある。

「公演では60〜70年代の曲も多く演奏されたが…」
と書かれているのだが、
全17曲中6曲は多いのだろうか?
そこだけ、ちょいと気になったね(笑)。

さて、
『大阪公演最終日のライブリポート』
は本紙以下でも読める!
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/e99f8b83b3260dce1e0d7e515bd3f486

ぜひとも掲載したセットリストと共に
確認して欲しいゼ!

そして今日からは、いよいよ
『東京公演』!
となり、俺が
『全公演を全力レビューします!』
ので、十分期待して待て!

じゃあ行って来くるぜ!

《 Mash筆 》


決意表明!明日からの『ボブ・ディラン東京公演』は、俺「Mash」が全てリポートするゼ!

2023-04-10 13:05:09 | BOB DYLAN

『ボブ・ディラン』
と言えば本紙であり、
俺『Mash』である!

古くからの読者なら言うに及ばず!
といったところであろうが、
あえてココでは触れない。
「もう古い話さ…」
な〜んてキザに書いてみましょう(笑)。

さて、昨日から特別連載を開始している
『Bob Dylan Japan tour 2023 ライブリポート』
の方は、もう読んで頂けたかな?

今回、大阪公演は
「コンディション不良により不参加」
だった俺だが、
大阪最終日は
編集部の『ハウリンメガネ』により
しっかりレビューして貰ったので
まずは、以下をチェックして欲しいぜ!
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/e99f8b83b3260dce1e0d7e515bd3f486

何度も言って来たが
『現在のポピュラーミュージックって、ビートルズとボブが作り上げた!』
ワケでさ…もう別格中の別格なのよ!

という事で
『東京公演全部行く!』
そんな俺が東京全公演を
熱血レビューしていきますので
ぜひとも、期待して欲しいゾ!

それでは会場でお会い致しましょう!

《 Mash 筆》


《特別連載》 「これぞボブ!」 Bob Dylan『Japan Tour 2023』 Vol,1 「大阪公演最終日」を「ハウリンメガネ」による渾身のライブリポート!

2023-04-09 17:07:43 | BOB DYLAN

「嗚呼…ボブは堪らなくボブであったよ。」

読者諸賢ごきげんよう。
昨日の興奮覚めやらぬハウリンメガネである。

今回は熱の冷めぬうちに是非ともこの話をすべきであろう、大阪はフェスティバルホールで行われた『ボブ・ディラン大阪公演最終日』(4/8)の話をさせて頂きたい。

大阪最終日の昨日は休日ということもあり、開場16時、開演17時と、さすが、ご高齢の客層に合わせたか、早い時間帯でのスケジュール。
少し早めに出て楽器屋でも物色しようかとも思ったのだが、家で今回のツアーのタイトルでもある『ラフ&ロウディ・ウェイズ』を聴きなおしたりしているうちに、わりといい時間となってしまい慌てて家を出る。

JR大阪駅から会場のフェスティバルホールへは歩いて10〜15分。21年のキング・クリムゾン来日公演でも行った場所であり、もはや慣れた道である。

もう開場済みの時間に現地に到着。
わかってはいたが、やはり年齢層は高め。
グッズコーナーも中々に盛況で、こりゃ後回しにしたほうがよいと考え、早速入場口へ。

(今回の日本公演ではスマートフォンの使用を徹底的に禁止する為、入場時にロックできるポーチを会場で配布。これにスマホを入れないと入場できないようになっていたのだが、これ、いいアイデアだと思う。観てる最中に真横でスマホいじられたくないもの)

今回の席は3階席。いそいそとエスカレータで3階へ向かうと何故かここでも入口前に列。
何かと思えば
「本日の公演、3階席のお客様を2階席に振り替えさせて頂いております」
とのアナウンス。
『おお、ラッキー』という思いと、
『こりゃチケットはけてねぇな……』という思いが瞬時に交差する。

(今回の公演、値段が値段かつ公演数も多いのでチケットがソールドアウトしていないという情報があったのである)

とはいえチケットの売れゆきとボブの価値は別問題。高揚する気分を抑えつつ、開演5分前に着席。

ステージには装飾も素っ気もなく、機材が並んでいるだけ。それでも格好良く見えるのはやはりボブのライブに装飾など不要であることがもう分かっているからであろうか。

ステージ左手にギターアンプが2台とドラムセット。真ん中にピアノ、右手にベース、ギターアンプ、そしてドニーの弾くペダルスティールと各種楽器のスペース。

そう、今回のツアー、メンバーが大きく入れ替わっており、前回の来日から続投しているのはベースのトニーとペダルスティール&etc.のドニーのみ。
とはいえギターのダグ・ランシオ、ボブ・ブリットの両名もかなりの経歴を積んだベテランであり、ドラムのジェリー・ペンテコストもカントリー・オブ・フェイムにノミネートされるツワモノの模様。

(元のアナウンスだと以前ボブ・ディラン・バンドに参加していたマルチプレイヤーのチャーリー・ドレイトンがドラムだったのだが急遽変更になった模様)

チャーリー・セクストンが抜けたのは寂しいが、新たなボブ・ディラン・バンドがどんな仕上がりになっているのか……わくわくする。

そうこうしている間に会場は薄暗く消灯。
拍手が巻き起こるなか、ついにボブ・ディラン&ディラン・バンドがステージに!
「Watching The River Flow」が始まった!

ボブがセンターのピアノを奏で、バンドがそこに合わせて調子を整えていく。

そしてボブが歌い出す。
……いい!今回のボブは喉の調子がいい!
以前の来日公演で聴けた嗄れ声とは違う、滑らかな声なのである。
嗄れ声でのボブもいいが、今回の歌声も堪らなくいい。

ピアノの前から動かず、それでいてバシッとした佇まいのボブは心底痺れる佇まいだ。

バンドもほぼ全員自分のスペースから動かず、ボブから目を逸らさず、ボブのグルーヴをブーストさせるよう集中している様は職人の集まりのようで観ていて心地よい。

その中の唯一の例外が、ダグ・ランシオのおっちゃん。
……動く動く(笑)!
なにせダグさんの周りだけスペースが広く取られているのである。

(真面目に考察すると、ダグさんは2台のアンプにギターを直結しているように見えたので、その音質コントロールの為に広いスペースを取っているのだと想像する)

緑(青?)のレスポールを抱え(終始この一本で通していた)、足で小気味良いリズムを刻みながらにこやかにステージを歩くダグさんはバンドの中でもきっとムードメーカーなのだろう。

(逆にもう一人のギタリストであるボブ・ブリット氏は終始自分のポジションから微動だにせず。というかずっとボブの方を向いてプレイ。この二人のギタリストの対比、結構面白い)

曲が進んでいく。
「I Contain Multitudes」や「Black Rider」など、ラフ&ロウディ・ウェイズの曲がちゃんとプレイされている。
(というか、ラフ&ロウディ・ウェイズの曲はMurder Most Foul以外全てやっていたはず)

そしてそれに合わせて、過去の曲もラフ&ロウディ・ウェイズでみせたアメリカン・ルーツ・ミュージックスタイルでの演奏にリアレンジされている。
過去の曲をリアレンジするのはボブの場合当然のことだが、『ラフ〜のスタイルに徹底的に合わせているのがミソ』。全ての曲に統一感があり、ひたすらあのグルーヴが続いていくのがとかく気持ちいいのである。

ジェリーのドラムもいい!
(さすが急遽とはいえボブがコールしただけのことはある)
激しいドラミングは一切せず、それでいてダイナミクスに満ちたプレイは現ボブ・ディラン・バンドのコアの部分を担っているといってよかろう。
(特にトニーのボトムエンドとバスドラムのコンビネーションの圧が素晴らしい。一気にリズムが引き締まる)

ダグとブリットのコンビネーションもいい!
一方がリズム、一方がリードという切り分けではなく、互いに絡み合うようにギターの音がコンビネーションされていく様は美しいスリルに満ちている。
(ダグの方がフィルイン的なプレイが多く、ブリットの方は曲の骨格となるフレーズが多かったように思う)

その4人のプレイの上でドニーのプレイするペダルスティール、フィドルの美しさもいい。ドニーがいなければ今のボブの音は成立しない。
そして、そこに絡むボブのピアノ。
これが今回とても、とてもイイ!

前回までは「ギターを弾くボブが見たい!」と喚いていた私だが、今回の公演でその気持ちが吹っ飛んだ。
何故か。それはボブのピアノがバンドの音として聴こえたからだ。
(正直以前のボブのピアノはバンドの音から浮いて聴こえた)

今回のボブのピアノは彼のハープと同じレベルで説得力に満ちた音に仕上がっている。
二人のギターとドニーの音に絡むように鳴り響くピアノがきちんとボブのものになっているのである。

王道の有名曲、一切なし。
「ライク・ア・ローリング・ストーン」も、「見張り塔」も、「激しい雨」も、「戦争の親玉」もなし。
ひたすらにアメリカン・ルーツ・スタイルでのグルーヴに終始。
ボブはピアノに陣取り、立つこともなく、最後の「Every Grain of Sand」までハープもなく、アンコールもなし。

それでもただただ「ボブ・ディラン」という音に圧倒された約2時間。
素晴らしい時間であった。
ロック・コンサートでもアメリカン・ミュージック・ライブでもない、これぞ『ボブ・ディラン・ショウ』をたっぷり喰らった約2時間であった。

でも多分だけど今日はアベレージの出来だった気がするんだよなぁ…。
「すげえいいライブだったけど、もっと上の表現を魅せてくれる気がする」んだよな。
東京と名古屋の公演、きっと凄いものになる気がする。

もし値段や時間の都合で迷ってる人がこれを読んでいるなら言っておく。
『観ないで死ねるか!』ってね。

以上、ハウリンメガネでした。
……観ないとホントに損するよ 

ちなみに次回の東京公演は編集長が動きます!

お楽しみに!

《セットリスト》
1 Watching the River Flow
『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット 第2集』
2 Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine
『ブロンド・オン・ブロンド』
3 I Contain Multitudes
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
4 False Prophet
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
5 When I Paint My Masterpiece 
『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット 第2集』
6 Black Rider
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
7 My Own Version of You
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
8 I'll Be Your Baby Tonight
『ジョン・ウェズリー・ハーディング』
9 Crossing the Rubicon
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
10 To Be Alone With You 
『ナッシュヴィル・スカイライン』
11 Key West (Philosopher Pirate)
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
12 Gotta Serve Somebody
『スロー・トレイン・カミング』
13 I've Made Up My Mind to Give Myself to You 
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
14 That Old Black Magic
『フォールン・エンジェルズ』
15 Mother of Muses 
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
16 Goodbye Jimmy Reed 
『ラフ&ロウディ・ウェイズ』
17 Every Grain of Sand
『ショット・オブ・ラヴ』


「フクシマン土屋 」の「イイトコ探訪 福島県!」 (第59回) 健康の秘訣、たった一つのこと!

2023-04-08 10:00:02 | 「フクシマン土屋」の「イイトコ福島県」&more

昨年は50歳でフルマラソンに初挑戦して完走。
一方で酒米づくりに果樹農家手伝いもこなす!
体育会系のシステムエンジニア。

こんにちは。
そんな「フクシマン土屋」です!

今日はフクシマンなりの
「健康の秘訣」をお伝えしたいと思います。

『1日8000歩、週1でも効果 死亡率大幅に低下 京大チーム発表』

先日こんなニュースが話題になりましたね。
内容は省略しますが、
要は「歩けば死亡リスクを低減できる」ってことです。
つまり「歩くことは健康に良い」ってことになります。

自分は身体動かすことが好きなので、
「どうしたら健康でいられるか」
には、とても興味があります。
これまでも調べたり学んだり、
自分の身体で試したり(笑)して参りました。

結局は「生活習慣」ということになるのですが…

その中で多くの人が取り組みやすくて、
いちばん健康への効果が高いと思うのが
「歩くこと」です。

いきなり8000歩なんて歩かなくていいんです。
そんなことしたら返って痛めますからね!
500でも1000歩でも、できるところから始めて
焦らずに増やせばいいんです。

歩くことの効果として、一般的には

・肥満の解消
・骨の強化
・心肺機能の強化
・高血圧の改善
・腰痛の改善
・リラックス効果
・etc.他にもたくさん!

などがあると言われています。

肥満解消・腰痛改善・リラックス効果は、
自分自身で特に実感できています。

先の最新の研究結果のニュースもそうですし、
これまでの自身の体験からも「歩く」ことは
身体に良いのは間違いないでしょう!

ということで健康の秘訣にはいろいろありますが、
いちばんは
「運動(歩く)を続ける」こと。
「運動することを楽しめる」こと。
なんだと思います。

だって楽しくないと続けられませんからね。
「運動して身体の調子が良くなる」
ことがわかったら、
きっと楽しくなりますよ!

続けるコツは焦らないこと!
じれったいくらいゆっくり負荷を高めていきます。
物足りないくらいを焦らず続けると、
痛みやケガなどを予防できますからね。

運動の種類は、
「あなたの好きなこと・出来ることで大丈夫」
なので焦らずいきましょう!

「イイトコ探訪 福島県!」を読んでくれてありがとうございます。

春のとても良い陽気になりましたね。
楽しく歩いてみませんか。

では、ごきげんよう!


ハウリンメガネが縦横無尽に吠える!「メガネの遠吠え!」(第14回) ボブ・ディラン来日記念!「今こそ、バーズを語る(その2)」

2023-04-01 10:31:14 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ハイ!読者諸賢、ごきげんよう!
もはや来週にはボブの日本ツアーも始まるという4月の気配に浮足立つハウリンメガネである。

前回に引き続き今回はクロスビー追悼、バーズの歴史振り返りと称し、ビートルズになろうとしたバーズがどのような変遷を辿ってビートルズの二番煎じではなく、バーズとしてその名を残すこととなったのかを紐解いていく。
今回のテーマは中期前半の名盤二作である。

前回紹介した『ミスター・タンブリンマン』、『ターン・ターン・ターン』(共に65年作)発表後、バーズはジーン・クラークの脱退という危機を迎える。

フロントマンであり、メインソングライターでもあったクラークの脱退は大きな痛手である。なにせ、バーズというバンドの武器であるビートリーなコーラスワークに制限がかかるのだ。
残ったメンバーで成立する方法を模索しなくては——
このトラブルがロジャー・マッギン、デヴィッド・クロスビーという才能に奮起を促し、結果生まれた最初の作品が66年作『霧の5次元』である。


これ、個人的にかなり好きなアルバムなのだ。単純にクラークの脱退でコーラスワークが困難になったというのもあるだろうが、曲やアレンジ、演奏にも荒々しいパワーがあり、それまでのビートリーな美しさを主題としていたバーズとは趣きを異とする、荒削りな魅力に満ちたアルバムになっている。

地を這うようなベースから始まるB1「霧の8マイル」での間奏部。オルガンの奏でる怪しいコードにのって繰り広げられる、エレクトリックマイルスのような不穏さに満ちたプレイがたまらない。

A4「I See You」でのスイングするリズムにノッて繰り広げられる、クリーンなギターでのパンキッシュかつフリーキーな演奏は今の時代にこそマッチする音像だし、そこにサイモン&ガーファンクルのようなハーモニーで切なさを倍加させた歌メロが乗るさまは涙がちょちょぎれんばかりに心の琴線を揺さぶる(今風に言うなら"エモい"というやつであろうか)。

B5「2-4-2・フォックス・トロット」はビートルズのカム・トゥゲザーの元ネタになったようなギターリフがダーティーかつアーシーに響く、サザンロックのような趣きの曲にジェット機のエンジン音とモールス信号の音を混ぜ込んだ、以降のアートロックの先触れともいえるサウンド。

どの曲も荒削りながら、演奏に緊張感があり(ある種キング・クリムゾンに通ずるものすら感じさせる)、アメリカンサイケの良作に共通する、アーシーさと実験的なアプローチのバランスの取れた良いアルバムなのである。

この作品でアプローチの幅を大きく広げた彼らがこの翌年、67年に出したのが次の『昨日よりも若く』。


こちらは4人体制に慣れたのか、ビートリーなアレンジも復活しており、初期の美しさを彷彿とさせる面もあるのだが、それと同時に前作同様、実験的なアプローチとアーシーな音も多い(時期的にビートルズもサイケ真っ只中なので間違いなくビートルズの影響があるだろうが)。

A3「C.T.A.-102」のエンディングではバンドの演奏から急にラジオショウに変わったような演劇的な表現を試し、B1「Thoughts and Words」、B2「マインドガーデンズ」ではテープの逆回転を効果的に取り入れ、A6「エブリバディ・ビーン・バーンド」でのインド音階を使ったギターソロなどなど、この時代のサイケあるあるなアプローチが盛りだくさん。
だが、ここでも重要なのはバーズのバランス感覚。

前回、バーズとはビートルズとアメリカンフォークを最高のバランスで融合させたバンドであると書いたが、この時期のバーズを表すなら、サイケ時代のビートルズとアメリカンルーツロックの融合体。

詰まるところ、彼らの良さとは自分達の好きなものを自分達が得意とするもので表現するそのバランス感覚が生み出しているのである(だからこの盤もただサイケな作品ではなく、ビートリーな美しさと、サイケデリックの面白さ、そしてアーシーな良さがバランスよく織り込まれており、故に時代が変わっても廃れずに盤が残っているのである)。

さて、『昨日よりも若く』の重要なポイントとしてカントリーテイストのA4「タイム・ビトウィーン」とB4「ザ・ガール・ウィズ・ノー・ネーム」が収録されていることを挙げておかねばなるまい。
両曲ともベースのクリス・ヒルマンが作曲した曲だが、この2曲、後にバーズに正式メンバーとして加入するクラレンス・ホワイトがセッションマンとして参加しているのである。

そう、カントリーロック期のバーズを支えた名ギタリストであるクラレンス・ホワイトが初めてバーズの歴史に登場するのがこのアルバムなのである。

このアルバムの後、バーズはマッギンと他のメンバーの軋轢によって徐々に崩壊していき、その姿をビートリーなアメリカンロックバンドからカントリーロックの大御所へと変化させていく。

なぜ彼らはその姿を変えていったのか、そしてバーズとしての終焉とその後の彼らが残したものについてはまた次回のお話。

んじゃ、また次回!