「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

《 しりとり名曲大全集 》 ( 第5回 ) 「トラッキン 」(グレイトフル・デッド) Text by Mash

2020-10-29 09:06:21 | 編集長と副編集長の名曲紹介「しりとり名曲大全集」

『Trackin’』(Grateful Dead)
Written by Garcia,Lesh,Weir,Hunter

前回の終わりが「ト」だったから
やっぱり、真っ先に思い付いたのが
デッドの代表曲『Trackin'』だよね。
(写真は同曲が収録された名ベスト盤)
計らずとも前回からのシスコつながり!
だから流れもGoodでしょ?

まあそもそも、この
『グレイトフル・デッド』というバンドこそ
私の人生を大きく変えたバンドであり
『ビートルズ』で開かれた扉を
「もっともっと、その先へとドンドン進んでイイ!」
と、教えてくれた人達であり、音楽なのでR。

その有名な話に
彼らのステージにはセット・リストがなく
オープニング曲くらいだけ決めてステージに上がり、
オーディエンスの反応を見て曲を選んだり、変えたり(笑)
「自由を謳歌したそのステージング」
こそ
「人生にも当てはまる」
そんな、素晴らしい行動であっただろう。

彼らを知り、私は
「間違いを恐れず、自由になれた!」
これは
「ステージ」
でも
「私生活」
でも
「仕事」
でも
「人生」
でも
もう『全てが変わった瞬間』であり、
ホント「デッドさまさま・・・」である。

そんな彼らの代表曲であり、
代名詞的永遠の大名曲
それがこの『トラッキン』なのだ。

とにかく、この曲を語るとき
『Keep on Truckin'on』
(旅を続けりゃいいのさ!)
が全てである。

人生は旅であり、
「何があろうと旅を続けるだけなのさ!」
と歌う『哲学』が本質を捉えて離さない。

本当なら音楽には意味が有り、
「クダラネエ恋愛の歌」や「応援ソング」
には
「少女漫画」や「コバルト文庫」的
例の「甘い香り」しか漂わず
純文学に見る『あの硬派な哲学』が希薄で
いささか、それらの音楽が
「子供っぽく思えてしまう」
のは筆者だけであろうか。

「大人になりきれない」
そんな人々が多く生まれた背景には
この様な『音楽』という
『サブカルチャーの持つ本質的パワー』
が失われたからに他ならない。

また、それと同時に私たちが紹介し続ける
『リアル・ミュージックが現在、聴かれなくなったコト』
も大きな要因だと認識しなければならない。
我々メディア側にも大いに問題があろう。

なんせこの国ではデッドと同時期の
「最重要女性ボーカリスト」
『ジャニス・ジョップリン』は聴かれず
『ラブ・サイケデリコ』みたいな
ジャニスのコピー商品は聴かれている。
コレが現実であり、寂しい限りだ。

少々グチっぽくなってしまったが
デッドのパワーは、今も無限大であり
数多有る「過去のライブ音源」を聴くにつれ
『人生がカーブの連続である』と実感する。
このコロナ禍も「そんなカーブのひとつ」に他ならない。
逆にデッドを理解したら
「社会や周りに振り回されることはなくなる!」
有り難いことにね。

さて、カントリーとブルースを下敷きにした
この『トラッキン』にも
「音楽以上のメッセージと覚悟」がある。
深く深くアメリカに根付いたサウンド
『旅(人生)を続ける覚悟』
そして
『自由という価値観の維持』
我々も多いに肖(あやか)りたいものである。

そして『アメリカ大統領選挙の行方』が
大いに気になるところだ。
アメリカに自由は戻るのだろうか?

と言うことでハウリンメガネ!
次回は「ン」の前の文字『キ』!
さあ、何が出て来るかな?
諸君、楽しみに待て!

《 編集長「Mash」筆 》


いよいよ「アメリカ大統領選挙」だ。その前に今一度、読む!名著《ヒラリー・クリントン著『困難な選択』》で「アメリカの価値観」を知ろう!

2020-10-23 20:53:00 | 編集長「MASH」の本棚(書籍紹介)

始めに断っておくが
本作はトランプ氏との大統領選挙後に思いを吐露し
「ベストセラーとなったあの書籍」
(ヒラリー・クリントン著『何が起きたの?』)
とは全く違う。

書かれた内容は、それ以前・・・
オバマ大統領との「民主党氏名争い」の後(のち)
オバマ氏の要請に応え
「国務長官」として仕事に当たった
その時期を描いた『彼女の奮闘記』なのだ。

もちろん本書は
熾烈な「大統領指名争いのお話」から始まり
国務長官としての「世界での裏話」
そして、各国要人
(プーチン、中国共産党指導部やEU首脳など多数)
とのエピソード、そして「彼らとの駆け引き」までもが、
刻銘に描かれている点がコトのほか面白い!

これこそ、世界情勢を知る上では
『もってこいの教科書』であり、
アジアやアラブ・中東問題、戦争、人権問題まで
それこそ「0(ゼロ)」から、
我々に楽しく、しかも分かり易く教えてくれるゾ。

なにより本書では、
『ユーモラスに語ること』を忘れないヒラリー
そのお陰で「上下巻・2冊組み」という
脅威の大ボリュームを、あなたも
一気に読んでしまうであろう。

ココで本書にある『面白いエピソード』を語る事は
次なる読者様の妨げになってしまうので控えるが、
私は数多ある「トランプの暴露本」
(ヒラリーの物も含め)
よりも、ずっと面白いと思い、
今のタイミングで読み返してみた。

やはり、元々持っていた
『アメリカの価値観』というものが
今のトランプによって
「完全に崩れた」と分かる点が
本当に新鮮であり、興味深い。

『人権や人種、女性・子供たちを大切にして来た』
そんなアメリカは今や遠くへ行ってしまった様に思う。
「本当に同じ国なのか?」
とさえ思えて、改めて私はハッとした。

日本でも「利己主義が覆う」そんな現在・・・
「生き難さ」を感じる人も多いはずだ。
『理想と現実は違う』と人は言うが
ヒラリーが持つ『理想的社会』を実現出来たら
どんなに良い世界になることか!

前回の大統領選挙で
「ヒラリーが勝っていたらなぁ・・・・」
って今読んでも思い、大きな喪失感が甦る。
ちなみに本書では今回の民主党候補
「ジョー・バイデン元副大統領」
も、当たり前だが頻繁に登場しているので、
『彼の行い』を知るにも、
今こそ読むタイミングとして、最適だ。
「『ジョーバイデン』に勝ってもらわないと!」
と思えちゃうハズよ(笑)!

「世界は複雑に動いている・・・・」
しかし、今のトランプ下ではコレが単純化され
『自国第一主義』に陥ってしまった・・・・
アメリカ国民だけでなく、全ての人間が
『大いなる反省』を持ちながら読むべき書であろう。

本書は決して『政治』だけの話に終始するわけではなく
大きくは『愛』『平和』そして『生きる哲学』
という大きな題材たちが
いとも簡単にユーモアと共に混ざり合った
傑出した名書籍である。

きっとあなたの本棚にも
『欠かせない一冊』
となるであろう。

《編集長「Mash」筆》


「フクシマン土屋」の「イイトコ探訪 福島県!」(第24回)「三度目の正直」は本当か?

2020-10-22 18:38:12 | 「フクシマン土屋」の「イイトコ福島県」&more

う~ん…
右足の親指先に違和感があるな、鈍い痛みが。
ひどい痛みではないが、力を入れた時や靴に足を入れた時など。
ヤバい、痛風かな(汗)

そういえば、最近飲酒の機会も量も多いな。。。
毎年の健康診断では尿酸値は6~7。
「7」を超えるとよくないって聞くよね。
まあ焼け石に水なんだが、ちょっと休肝日など設けたりしてね。
数日様子をみましたよ。。。

こんにちは「フクシマン土屋」改め「しもやけ王子」です!
なんのことはない毎年恒例の「しもやけ」でした(笑)
それにしても、「もうしもやけ!」って早くないっすか?
確かに最近の朝晩の冷え込みは進んできたけどさ。

まわりの人に聞いても、毎年「しもやけ」がひどいなんて
そんな人は、なかなかいないもんよ。
わたし、特異体質なのかな。
なんせ真冬は両手両足指すべてが「しもやけ」になるからね。
お見せできないのが残念ですよ。。。
おっと、
しもやけの話しで一人盛り上がってしまった。

今日のポイントは
1.計量は正確に
2・説明書きはしっかり読もう
3.まずはセオリー通りに

です。それでは「ゆる~く」いってみよう!

フクシマン、毎日の弁当にはサンドイッチを持っていく。
だって挟む食材を変えれば飽きないし、
さらにソースやドレッシングで味に変化も出るし、何より簡単だよね!
なので食パンは欠かせないのだ。

パンは大好きだけど正直
それほど「こだわり」はないのだ。
が、「編集長MASH」がパンにうるさい人でね。
https://blog.goo.ne.jp/12mash/c/b6b5e30f1d712a23cf2cd3b70752a34c
(パン以外もうるさいが・・・笑)

彼の記事を読み、買う食パンには注意するようになったんだ。
それからパン以外でも「ラベルの原材料」を気にするようになったのね。
まあ、彼と違って自分はマヨネーズもドレッシングも使うけどね!

そこへ彼から「フクシマンもパン作ったら?」と連絡が。
「ふむ。パンはほぼ毎日食べるしな。」
なんて思いながらも自分に作れるのか?ってさ。
ただ、家で素人が作ったパンって美味いのかには興味もある。
ということで、これなら簡単だから!
と彼から愛用の「ホームベーカリー」を安く譲ってもらうことにしたのだ。

「ブツ」が届く前に材料を揃えておけ!」との指示も。
指示にはやはり「天然物」を使えと(笑)
それと「砂糖も使わないほうが良い」とね。
とにかくそれっぽい材料をAmazonで探し購入。
「ホームベーカリー」の到着を待った。

そして「ブツ」はやって来た。
へえ~けっこう重いのね。
これでパン焼けるんだ。
(いつの時代の人ですか笑)

―初めてのパン作り―
説明書をさらっと読んでから取り掛かる。
「調理」というか「計って入れる」だけ!
実に簡単じゃないか!
しかし、この時になって初めてわかったのが・・・・
焼き上がりが4時間後!!

そういうものなのか!(笑)
こっちはもう腹ペコさんですよ。。。

そしてもう一つ初めてわかったのが、、、
以外に音が大きい!!

こういうものなのか!(笑)
フローリングの床の上に直接置いて使ったんで響いたんだね。
ちょうど下の部屋、今は空室なんだよ!
不幸中の幸い!ああ、よかった!
ところが急に静かになり、作っていたのも忘れていると、、、

突然ゴロンゴロンと音がして「ドキッ!」とさせられるんだよ(笑)

やがて香ばしいニオイがしてきて焼き上がりを知らせるアラームが!
じゃじゃーん!!!

膨らんでませんね。。。(笑)

1斤が出来上がるはずだったんだけど、
「6枚切りの厚さプラスα」くらいですな。
そして持ってビックリ!
1斤が「6枚切りプラスα」になっているわけだから、
見た目よりも「重い!」。
ずっしりしてる。
お味の方は、、、
「もっちり、しっとり、もっちもち!」
パンとは違う食べ物だけど悪くはないよ(笑)

まあ初めてだからね、、、こんなものだよね。。。

―2度目の挑戦―
前回は説明書をさらっと読んでやったんで、
なにか計量を間違ったのかもしれない。
材料の入れる順番とかもよく確かめなかった。

今度は説明書を見ながら
作業を一つ一つ確認し、丁寧に進めた。
さらに気づいたことが!
なんと計量器には地域設定があったのだ!
なんでも「重力の影響を受け、誤差を生じる場合がある」と。
すごいぞ「TANITA」!

そして出来上がったのがこちら!
じゃじゃーん!!!

膨らんでませんね。。。(笑)

1斤が6枚……もうええっちゅうねん!!

味わいもおんなじ。。。
あんなに丁寧にやったのに。

これは計量や手順の問題じゃないな。
MASHのやつ壊れているのよこしたんじゃないだろうな。。。
こんな疑念も沸いたころ。

ホームベーカリーでパン作りの経験のある人に
「1斤が6枚」の写真を見せると。
「イースト(酵母)入れ忘れた時みたいだね」とのこと。
いや、きっちりと計って入れてるよ・・・・?

家に帰りイーストをよく確認してみると。。。

「イースト」の文字が書かれてない!
でも良く知らないが「イースト=酵母」なんだよね?

詳しく調べてみると。
買ったのは「酵母」になる前の「種」の状態のモノ
まだ酵母として活性化されていないモノだったのでした。
トホホ、そんなの知らなかったよ。

もう、とにかく一度「パン」を作りたい!
天然素材とかは後でもいいから、
ふっくらした「あのパン」を作ってみたいのだ!!

私はその夜、
お手軽で確実そうな「イースト」を買いに走ったのでした・・・。

―三度目の正直―
もう心配で心配で出来上がるまでに、
何度もホームベーカリーの「のぞき窓」から覗いたよ(笑)
それから「酵母になる前の酵母」を使ったの時ほどの
「芳ばしいパンの香り」がしない・・・
ことには気づいたのだが、今回はとりあえずGo!

そして出来上がったのがこちら!
じゃじゃーん!!!

膨らんでますね!!!(笑)

ほぼ1斤ほどの厚さに膨らんだんじゃないでしょうか。
お味の方は、、、
「表面はパリッと中はふっくら」
これぞイメージの「あのパン」だよ(笑)
美味しいじゃないの!
なにもつけないでそのままでイケる!!
いやあ、うれしいもんですな。

MASHさん!
イイものを送ってくださって、ありがとうございます。

まとめると
ホームベーカリーでのパン作りのポイントは、

1.計量は正確に
これはきっちりやれば味も食感も間違いなくうまくいく!


2・説明書きはしっかり読もう
機器にしても材料にしても、それぞれにポイントがあるのです。
適切に利用するにはちゃんと見ておくのがいいよ!
3.まずはセオリー通りに
自分好みにアレンジしたいところだけど、まずは基本どおりに!
基本が普通にできてから、それからのほうが違いがよくわかります。

そして最近のホームベーカリーは優秀だってこと!
上記のポイントさえ守れば「普通に美味しいパン」が
何の失敗もなく出来ます!
こんなフクシマンにもね(笑)

「イイトコ探訪 福島県!」を読んでくれてありがとうございます。

ということで「三度目の正直」は本当でした。
さあて、材料とか変えてアレンジしてみますかね!
どう変わるのか楽しみだね!!

《 「フクシマン土屋」 筆 》


特別寄稿!《エディ・ヴァン・ヘイレンへの追悼文》 Text By ハウリンメガネ

2020-10-16 10:40:38 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

まさかの訃報であった。

確かに「舌癌を患っている」ということは
以前からニュースになっていたが、
最近では息子のウルフギャング氏が表に出て、
ヴァン・ヘイレンの活動について
コメントしていたこともあり、そろそろ動くのかな?
と思っていた矢先の訃報であった。

エドワード・ヴァン・ヘイレン。
ロックギタリストがその名前を出すとき、
何故か誰もが口に笑みを浮かばせてしまうギタリスト。

筆者も熱心なファンとは言えないが
ハードロック好きとしてやはり一通りアルバムは聴いているし、
楽器屋で誰かが試奏する「パナマ」が聴こえてきたら
ニヤリとなってしまうくらいには好きだ。

そもそも筆者と同世代(1984!年生まれ)の方なら
ヴァン・ヘイレン的な音に親しみがないわけない。
90年代J-POPシーンで使われていたハードロック的な
ギターサウンドの基準になったのは
エディのブラウンサウンドに他ならないからだ。

エディが1stアルバムですでに完成させていた
あのコード感と太さとキレを併せ持ったアレに、
当時のヒットメーカーはみんなヤラれたのである
(特にビーイングはハードロック好きのコンポーザーが多かったせいかモロ)。

一般的にはどうしても
テクニック先行で話されがちなエディだが、
ファンならご承知の通り、彼の場合
キャッチーなメロディが満載のロックが好きなだけで、
速弾き競争やテクニック勝負なんかどうでもよかったのだ
(じゃなきゃ「ジャンプ」なんて書くか?)。

速弾きやタッピングはあくまでいち要素でしかなく、
あの手のプレイは
「みんな盛り上がるしちょっと一発、派手なプレイでも入れとくか!」
とでも思って演っていたに違いないのだ。

この人の上手さが出るのはソロやリード以上に、
歌のバッキングと要所要所にキメてくるオブリガート!
(「パナマ」のサビ前とか聴けば分かるでしょ?)
リズムプレイの多彩さでは右に出るものはいないし、
リズムのフックの効かせ方なんか抜群に上手い.

(あとこの人はフェイザーとフランジャーの使い方がとにかく上手い。
モジュレーションをかけることでバッキングのリズムを強化しているのだ。
この辺り、レゲエの人に通じるものを感じるのだけど、
多分この人は天然でやってそうだなぁ)

もう一つ、
ギタリストとして忘れちゃいけない彼の功績は
「ギター」への探究心だ。

既製品では自分のしたいプレイができないと判断するやいなや
自分でギターをノミで削り、ハムバッキングピックアップを
ストラトボディに組み込む。

ライブでストラップが抜けやすいと思えば
丸カンネジとロックフックを組み合わせる。

若き日のフロイドローズ氏が持ってきた
プロトタイプのロック式ブリッジをいち早く試す。

ステージで目立つ派手な見た目が欲しいから
ギターを自分でペイントする……

結果、彼の手から生まれたフランケンストラトが
ギター業界の新たなスタンダードを生み出したのは間違いない。
その意味では彼はレス・ポール氏の後継者でもあったわけだ。

エディは自分の手による改造に飽き足らず、
メーカーとの共同開発にも熱心で、
ミュージックマンと開発したシグネチャーモデルは
現在もAXISとして販売され、
ピーヴィーと開発した5150アンプは
その後のアメリカンハイゲインアンプの王道となった。

(そんなエディの「マーシャルを昇圧して使った」という
彼の発言が世界中のマーシャルをぶっ壊す原因となったのは
さすがに弁護できないが、みんなあの音に
憧れたからやっちゃったわけだ)

近年ではMXR(ダンロップ)とのコラボエフェクター
(あのストライプ柄!)やフェンダー配下に立ち上げた
自身のEVHブランドでのギターやアンプの販売に力を入れており、
賛否両論はあったが筆者は肯定派である。

だってあのレッドストライプが嫌いなロックファンっているか?
クラプトンのヘッドのタバコ焦げや
マイケル・シェンカーの白黒Vのように
ギタリストだったら一回は真似してみたくなる
あのレッドストライプ。
あれをステージで笑顔で振り回すエディは
まさに新時代のギターヒーローだったのだ。

またそんな彼のプレイをブーストしたのが
兄貴のアレックス(dr)

マイケル・アンソニー(b, cho)
の強力なリズム隊
(マイケルのコーラスが彼らのキャッチーさに
強く作用しているのも特筆すべきところだろう)

エディがリズムとリードを縦横無尽に駆け巡っているのに
一切音の薄くなる瞬間がないのは
彼らのコンビネーションが常にエディと一心同体
であろうとしたからだ。
そしてやはり、ダイアモンド・デイヴ(vo)!

いや、サミー・ヘイガー(vo, g)期もいいのだけど、
筆者はやはりデイヴがいるヴァン・ヘイレンが好きだ。
あの4人の立ち姿が好きだ。
あのメンバーの中で笑顔でプレイしているエディが好きだ。
だからやっぱり今聴きたくなるのは
オリジナルメンバーのアルバムだ。

1stは当然いい。
当時の彼らの若々しさが詰め込まれているし、
この時点で既にエディのプレイはキレにキレている。
ある意味キンクスの原曲より有名になってしまった
「ユー・リアリー・ガット・ミー」は
やっぱり今でも必聴に値するだろう
(この人達、他にも「プリティ・ウーマン」やら
「アイスクリームマン」とか結構カバー曲が多い。
この辺、彼らがちゃんとアメリカンポップスの系譜
に連なってるなぁと思えて筆者は嬉しい)。

「1984」もやはり必聴と言っていいだろう。
なにせ「ジャンプ」も「パナマ」もこのアルバムだ。
エディが弾くシンセの音は確かに時代を感じさせるところもあるが、
今でもこのシンセの音って結構使われてる。
結局シンセポップという意味でも
ヴァン・ヘイレンが残した足跡は大きいわけだ。

でもなぜか今聴いてるのは
「戒厳令(Fair Warning、1981年作)」だ。
一曲目の「ミーン・ストリート」のイントロから
「シンセ?」と思わせるエディのタップ&スラップが炸裂。
一番好きなのはやはり「アンチェインド」。
サビのフランジャーの使い方も、
デイヴのワイルドな歌とコーラスのアメリカっぷりも
全く色褪せない名曲。

でも実はその後の
「プッシュ・カムズ・トゥ・シャヴ」がとても好きだ。
R&B的な曲でエディのカッティングも
鍵盤的なギタープレイもヴァイオリントーンでのソロも
すべてパーフェクト。

こういうプレイを聴くと彼の友人である
ルカサー的なギタリストになる道もあったように思うが、
そこでセッションマンにならず、バンドにこだわったのが
やっぱりエディらしいところなんだろうし、
そんなエディとバンドが噛み合った、
ヴァン・ヘイレンらしいアルバムが、この
「戒厳令」なんじゃないかと今聴きながら思っている。

確かに今、
エディのプレイを熱心に練習するかと訊かれれば
「いや、まぁ」とはいうさ。
でも未だに酔ってアンプを歪ませてると
「パナマ」ってどんなだっけ?
とか「ユー・リアリー・ガット・ミー」を
ちょっと弾いてしまうわけだ。

永遠のギターヒーロー、エドワード・ヴァン・ヘイレン
今夜は久々にタッピングのひとつやふたつ練習してみようか……

グッド・ナイト、エディ。
あんたのこと、好きだったよ。
どうか安らかに。

《ハウリンメガネ筆》


長いお別れ・・・・「竹内結子」氏の「自殺」から見る「我々の人生と今後」について書く!

2020-10-11 11:06:01 | 編集長「MASH」の新コラム「Mashからの遺言」

最近は色々と書いているけれど
決して「筆者の得意ではない分野」へも
ドンドンと「思うところ」を書いているワケで
まあ、ノッケカラこの様な弱気なスタート
というコトは、今回の記事って「芸能話」
に他ならないからなのね。(笑)

しかも重いテーマである
「自殺について」書いてみたいんだ。
私の家にはテレビが無いから
最近の芸能人は全く知らない。
だから、「女子プロレスラー」や
「男性俳優」の自殺についても
新聞記事として知る事になる・・・。

そして最近亡くなった
「竹内結子」氏の存在さえも
実は私は全くと言っていいほど知らない。
「よくそんな状態で生きていけるねぇ?」
と思われる読者も居るだろうが
十分に生きていけるんですよ。

逆に亡くなったばかりの
「エディ・ヴァンヘイレン」氏を知らなくても
「問題なく生きていける」でしょ?
それと同じですね。

知らない方の「自死」を語る・・・
そんな大それたお話ではない。
ただ、書籍整理の中で昔の雑誌に
彼女が出ていた「社会派映画の記事」
を発見したからなんだ。

両写真は2019年5月号「Wedge(ウエッジ)」より

このような記事を書く場合、読者様は
「当然この映画『長いお別れ』を見て
書かなければならない!」
と思うかもしれませんが
この映画での「彼女の演技」を
語るつもりもないから
この点は不要というコトで話を進める。

本誌の記事を読む限り「この映画」では

『認知症が進む父を中心に展開する
妻、娘2人を取り巻く家族のドラマ』

を描いた様だ。
この2人娘の長女役を
「竹内」氏が演じている模様だ。

私が気になったことは
このような「重いテーマ」を取り上げた作品にて
娘役をこなし、少なからず成長したであろう
そんな「竹内」氏が「自殺」を選ぶんだなぁ?
と、ふと思ったのである。

人はそれぞれ様々な経験をする
「サラリーマン」だろうが
「八百屋」だろうが
「ミュージシャン」だろうが
それこそ「役者」であろうが・・・・

少なくとも仕事を通じて
何か多くを学んで
「生きる活力」としている!
のではないだろうか?

私は下積みミュージシャン時代
「黒くネエよ!」と
ビール瓶を投げ付けられたけれど(笑)
やっぱりソコから学んだんだよ。
で、もちろんソレで成長もしたし、
タフにもなれたんだよね。

「人生ってタフじゃぁ無いと生きていけない!」
それはもう誰でも同じだから。
「タフにガンガン前を向いていくしかない!」
んだよね。
「でも、落ち込んじゃって・・・・」
って云う人も居るだろう。
彼女もそうだったかもしれない。

ここで書きたいことは
「自殺を減らしたい」ってこと。
じゃあ、どうすればいいか?
「心よりも、頭で生きる」コト
なんです!

「心のままに・・・・」
とか言うと美しく聞こえるけれどね。
でも、筆者は
「心よりも頭で理解する」コト
にしているから、絶対に落ち込まない。

「イヤだなぁ」と思う前に
そもそも「何のためにヤルか分かっている」から
「ただヤルだけ!」(笑)
こうやって、シンプルに考えて生きている!
バリバリ動くから「トイレ掃除」も楽しいぞ!

結局は
「ドンドン、バリバリ動くと楽しい」
んだよ!
「中途半端が悩みを生む」
と私は思うね。
だって、「悩む時間」があるんだもん。

「彼女の死」から
生き残っている我々は
「何かを学ぶしかない」
と思う。それこそ
「彼女が残した最後のメッセージ」
だろう。

ただひとつ
「絶対に自殺したらダメだ!」
と言わせて頂く。
こんなのを美談にしたらイケナイのだ!

《編集長「Mash」筆》

 


「エディ・ヴァン・ヘイレン」の死去に寄せるフレ-ズ・・・。彼にブルースは似合わない。

2020-10-09 10:28:05 | 編集長「MASH」の新コラム「Mashからの遺言」

適切な文章かどうか・・・?
それに関しては分からないけれど
「エディ・ヴァン・ヘイレン」という
異端児とさえ呼べるギター弾きについて書く。

そもそも私自身
彼に大きく影響を受けたワケではないが、
彼の登場がロックという音楽に与えた影響
(特にギターサウンドの改革)
を見逃すわけには行かないのは確かだ。

レッド・ツェッペリン

ディープ・パープル
というウルサイ系ギター二台巨頭の世界に
全く新しい「早弾き曲芸ギター」
取り入れたエディ。

その結果ヴァン・ヘイレンは
「爽やかなポップRock」

「ハードギター」
の融合に成功した
「新しいタイプのバンド」であった。

まあその後、世界的に起こる
「80年代ハードロック・ヘヴィメタル・シーン」
の先駆けは間違いなく彼らなんだね。

私は幼少期に彼らを当然聴いた。
と言うか、普通に聴こえて来た。
大ヒット曲「ジャンプ」
ラジオやMTVでガンガンとオンエアーされていたし
人気バンドとしてヴァン・ヘイレンは
子供たちにも認知されていたと思うね。

特にエディの影響を受けて
ギターを購入するKidsも多かったんじゃないかな。
私はそんな周りとは違っていたから
あまり思い入れは無いんだけれど
それでもデビューから「5150」まではLPを買ったし
デイヴやサミーのソロも持っていたよ。
オマケにあのブラアン・メイとエディが作った
「戦隊アルバム」まで持っていたぜ(笑)。

昔は特に好きじゃなくても
色々勉強の為にレコードを買っていてね。
今思うと我ながら「偉いなぁ」って
心底感心するんだけれど、
まあそんな子供だったんだね。

思い出すのは
1枚だけ彼らのシングルを買ったこと!
「Love walks in」
というサミー時代の曲で
シンプルなメロディが美しいバラード。
コレは繰り返し、よく聴いたね。
「バンドでの音構成」の勉強にもなったんだ。

当時、Kidsだから
バンドで奏でる「音構成」が分からない中
この曲で何度も音を分散させて聴いたんだ。
ベースは?
ドラムは?
キーボードは?
そしてギターは?
ってね。
物スゴク勉強になった盤なんだよ!

弾き過ぎる印象がある彼が
この曲でバランス良くプレイしているコト
私は驚き、見直し、ある意味で尊敬もしたんだ。
そして
「嗚呼、この人も結局ビートルズ聴いてるんだなぁ・・・」
ってさ。
サミー・ヘイがーの歌も純粋にイイしね。

ちなみにヘイガーも凄腕のギター弾きで
ライブではエディがキーボードをプレイし
サミーがギターでエディばりのソロも
ガツ~ンとブチかましていたよね!

話を「音構成」に戻そう。
当時から私が大好きだったビートルズ
当たり前の様に簡単に
「素晴らしいコンビネーション・サウンド」
を奏で、名曲を連発しているけれど
ヴァン・ヘイレンの様な
「ストレートなRockアレンジ」がメインのバンドが
この曲の様に「音を細かく作る」コトには
本当に勇気を貰ったし、参考にもしたんだ。

ギターって楽器はバンド内でガンガン弾く方が
断然簡単だから、ソコを知るまでには
本当に随分と苦労したように思うな。
俗に言う「弾かないギター」アレンジ!

とは言え
私が「彼のような派手なプレイ」に
憧れなかったのも事実なんだけれど(笑)。
でも、多分それってビートルズにヤラレながら
プレイではクラプトンを追いかけていたワケで
エディの入る余地が無かったんだと思うんだよね。

「ブルースを弾く方が断然カッコイイ!」
って単純に思っていてね。
今でもそれを引きずっているワケなんだけれど(笑)。
コレばっかりはねぇ・・・。

今「エディの死」というニュースに接し
色々と子供時代を思い出すけれど、
思い出す度に他のバンドも思い出しちゃう(笑)
モトリーの「Home sweet home」という曲の歌詞に
「ロング&ワインディングロード」って出て来て
一人で「大ハシャギ」したりした・・・
なんてコトを、ネ(笑)。

65歳という「若い死」だったけれど
彼は幸せだったのだろうか?
そうなら良いんだけれど・・・。

ご冥福をお祈りしたい。


【PS】
写真は2004年のピーヴィー雑誌広告より。
エディについては今後
ハウリンメガネ氏の記事も掲載予定。
そちらでも追悼を致します。

《 編集長「Mash」筆 》

 


明石のブルースマン「ハウリンメガネ」が贈る・・・「どこまでもヴァイナル中毒!」(第32回)《読書とミュージック編》

2020-10-08 12:53:00 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

さ、寒い!
読者諸賢、調子はいかが?
夜がいきなり涼しくなり、
吃驚しているハウリンメガネである。
コロナやインフルの前に日々の体調にはご注意あれ。

さて、涼しくなってきたということは
これ即ち、秋の到来である。
スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋と
まあ秋というのは何をするにしても気分のいいもので、
筆者も仕事帰りの道すがらあれやこれやと
何をしようかと考えながら帰る日が増えてきた。
やはり基本路線は音楽……
と言いたいところだが、
実は秋めきだしたここ最近、
音楽を聴く時間が減っている。

そう、読書の秋の到来である。

皆さんの中で
音楽を聴きながら読書できる方はおられるだろうか?
実は筆者にはこれがまるっきりできない!
本を読みながら音楽を聴くと音楽に意識がいく、
音楽を聴きながら本を読んでいると本に意識がいく……
一方にしか集中できないのだね。

女の人はわりと並行処理できる人が多いようで、
そんなことを言うと「そぉ?」なんて
軽く返されてしまうことも多いのだが、
私はダメだ。そういうわけで私の場合、
本を読む時間が増えると、
これに比例してリスニング時間が減るのである……
ぬぅ、もどかしい……

そんな私だが、本を読んでいるときに
頭の中で音楽が鳴ることは多い。
文章から受けたイメージから記憶の中の音楽が
無意識に結びつき、脳が勝手にBGMをつけてくれる訳だ。
ここが面白いところで、脳内再生の場合、
音楽は邪魔にならず、文章とびしっとマッチする音楽が
頭で鳴り出すと一種のトランス状態に入るのか
文章はスルスルと読めるわ、
脳内BGMは高らかに鳴りやまないわ
という陶酔の一時へ突入していくのである……
(ヘンなクスリはやってないのでご心配なく。)

ということで今回は少し趣向を変え、
秋にオススメの一冊の小説と
それに私の頭がリンクさせた音楽の話をしよう。

メンフィスでエルビスが死に、
イギリスでパンクが勃興し、
ベルリンでボウイがイーノやフリップ先生と
アルバムを作っていた1977年、ある小説が上梓された。
40年の時を経て今なおハードSFの金字塔として名高き
J・P・ホーガン作『星を継ぐもの』である。

『月面で発見された真紅の宇宙服をまとった死体。だが綿密な調査の結果、 驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもなければ、ましてやこの世界の住人でもなかった。彼は五万年前に死亡していたのだ! 一方、木星の衛星ガニメデで、地球の物ではない宇宙船の残骸が発見される。関連は?J・P・ホーガンがこの一作をもって現代ハードSFの巨星となった傑作長編!』
(創元SF社文庫のあらすじより)

この小説にはスペースオペラのヒーローも
主人公を殺そうとするエイリアンも
アンドロイドも出てこない。
出てくるのは5万年前の死体と
ウィットにとんだ物理学者と
偏屈な生物学者。

やり手の宇宙軍本部長に
そのチャーミングな秘書と
そんな彼らをとりまく個性的な科学者、技術者達。

月に残された5万年前の死体に端を発し、
次々と過去の宇宙に起きた出来事が発見され、
決定的と思われる説が打ち出されては新たな発見により
再考察を迫られ、スクラップ&ビルドが繰り返されていき、
対立軸にあった研究者たちは
5万年前の真実を知るために交流を深めていく……
静かで少し肌寒くなってきた月のよく見える秋の夜長に
この小説は大変合うのであります。

ホーガンの筆による説得力のある力強いロジックと
魅力的なダイアログの積み重ねによって
静謐に盛り上がっていくこのSF小説は一種のミステリでもあり、
最後には驚愕のエンディングへと辿り着くのだが、
まあ、そこは是非ご自身で読んで頂きたい。

そしてそんな名作に私の頭が鳴らした一曲、それが
『Scarcity of Miracles / A King Crimson ProjeKct』
であった。

名前で「またフリップ先生か!」と思ったあなた。
正解!この曲は2011年に発売された
アルバム『A Scarcity of Miracles』
(写真の筆者所有盤は当時発売された日本プレス限定盤)
のタイトルトラック。

参加メンバーはフリップ先生(g, soundscapes)
トニー・レヴィン(b)
ギャビン・ハリソン(dr)
メル・コリンズ(a.sax)
ジャッコ・ジャクジス(vo, g)
と、まさに現在進行中の第6期クリムゾンメンバーを全員含み、
現在のクリムゾンの礎となった重要作なのである。

そんなメンバーが鳴らすこの曲は神秘的でスペーシー。
メルのメロウなサックスに先生のサウンドスケープ、
そしてジャッコが爪弾くアコギと歌が
もの寂しくも美しいメロディを奏で、
トニーとギャビンのリズム隊が
どっしりとした重厚な音で空間そのものを支えることで
フロント3人のメロディアスなプレイをしっかりとフォロー。

先生のサウンドスケープが真っ暗な宇宙の寂しさを、
ジャッコの歌とギターが星々の神秘性を、
そしてその宇宙の中で未知なるものへの探究心を胸に
前へ進む人間たちの情熱を現すような
叙情的なメロディをメルのサックスが力強く奏でる。
これが宇宙の神秘を主題にした
ハードSFに合わずしてなにが合うというのか!

是非みなさんも当作を聴いた上で
『星を継ぐもの』を読んで頂きたい。

(なお、この『星を継ぐもの』この一冊だけでも話はまとまっているのだが、実は全3部作。正確には3部までの好評を受け、後年さらに続篇も出ている為、全5部となるのだが残念ながら最後の5部が未だ未訳。実を言えば筆者が一番好きなのは第2部の『ガニメデの優しい巨人』。おおゾラック!)

珍しく本がメインの話となったが、
音楽と文学は切っても切れないものであります。
秋の夜長に、たまには古典SFでもいかが?

以上、グレッグ・イーガンは
一冊で挫折したハウリンメガネでした。
お粗末!

《ハウリンメガネ筆》


《 マシュメガネ対談 》 今こそ「イーノ(ENO)」から見る「Rockの歴史」を語る!(Part 2)

2020-10-01 11:24:36 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

《ハウリンメガネ》
おはようございます、編集長。
{ 編集長「Mash」}
♪Good morning! Little schol girl!
《メガネ》
オールドロックンロールで朝からゴキゲンですね!
{ 編集長 }
久しぶりに「Five Live Yardbirds」を聴いたんだよ!
アレはいつ聴いてもギター弾きには勉強になるな。
《メガネ》
挨拶もそこそこに恐縮ですが前回の流れで
今回から「イーノで紐解くロックの歴史」ということで。
まあ、さっそくヤードバーズが出ましたが・・・。
どこからやりましょうかね?
まあ、ホントはファブから始めるべき……
{編集長割ってファブを語りだす}
そもそもクラプトンも含め、ヤードバーズだって
ビートルズの人気にアヤカロウとしてさあ!
《メガネ》
……なんでしょうが、それをやると
あなたがこの様に止まらないのが目に見えて……
{すでに止まらない編集長}
で、ストーンズも悔しいんだよ!
ビートルズがモテ過ぎだからクソーってさ!
《メガネ》
……ですので、やはり前回からの流れで
ベルベット・アンダーグラウンドから……
{まだ止まらない編集長}
キンクスやアニマルズも全部ビートルズの影響下!
だから結局ビートルズしか残らない!
初期60年代ブリテッシュグループだと他にも・・・
《メガネ》
編集長!ベルベッツです!
ベルベッツの話からにしましょう!
{ようやく止まる編集長}
なんだよ。調子出て来たところなのに・・・
《メガネ》
はい……(笑)。
というわけでベルベッツからやりましょう。
ファブの話だけで紙面が尽きるから(笑)。
{ 編集長 }
急に現実に戻されたけれど、
実は奴らもビートルズの影響下で生まれたんだよね。
ニューヨーク・ガレージ・サイケとも云えるが、
ガレージって結局ブリティッシュ・バンドブームが
アメリカに飛び火して、彼らが自宅のガレージで練習した
その結果でシーンに飛び出して来たバンドが多かったんだ。
《メガネ》
さて、前回
「どう考えてもイーノの初期の影響源はベルベッツだろ!」
とツッコまれたわけですが、そこで改めて
「イーノに与えた影響」って観点で聴き直してみたんです。
{ 編集長 }
ホホウ。良い心掛けだ。
《メガネ》
改めてルー・リードの作るメロディのリリカルさは
実にいいなぁって思った(笑)。
この辺のメロディの良さってのは、
確かにイーノのメロディに通じると思う。
この人も頻繁にコードチェンジをしない人ですよね。
わりと少ないコードの中で
美しいメロディをたくさん紡ぐタイプという。
{ 編集長 }
良い音楽ってコードチェンジ少ないのよね。
ブルースなんて3つでしょ?
コードの数を気にして曲を作る人もいるけれど
あまり必要ないと思うね。
《メガネ》
強面とパブリックイメージのせいか
ロックンローラー的な取り上げられ方が多いけど、
この人は基本的にメロディも綺麗だし、
声も優しいですよね。
まあ、歌ってる内容はえげつないけど(笑)。
{ 編集長 }
大切なのはメロディですよ!
ルー・リードのピークってこのVUの1stと
もう一枚挙げるとしたら
ソロの「マジック&ロス」だと思うね。
《メガネ》
いろいろ作風も書ける人だけど、
カントリー的なメロディが多くないですか?
ジョン・デンバーとかに通じるものがある・・・
と思ったんだけど。
{ 編集長 }
うーん。
俺は結局「初期ビートルズとボブ・ディラン」
の影響が濃いと思うね。
詩への傾倒はこの後も進むけれど
曲は停滞していく気がしている。
彼の盤ではDボウイがプロデュースした
「トランスフォーマー」が名盤とされ
ルーのイメージが決定付けられたけれど、
ベルベッツ(以下VU)の1stには到底かなわんね。
《メガネ》
ふんふん。で、そういうメロディを書くルーがいる一方で、
もう一人、ベルベッツサウンドの要である男
ジョン・ケイルがいた、と。
{ 編集長 }
ケイルがグループに居たのは大きいよ。
楽器も色々達者だし
「VUで唯一の音楽家!」的存在だったよね!
《メガネ》
もう頭にケイル=ジョン・ケージ、
ラ・モンテ・ヤングの弟子、っていう情報が
入っちゃってるから、この頃の前衛的なアレンジは
やっぱりケイルのアイデアが大半なのかな?
って思うんだけど、ホントのところはどうだったんだろう?
ルーも前衛的……
というかサイケ的なアプローチ好きじゃないですか。
{ 編集長 }
この頃は誰もが実験的だと思うよ。トリップ時代だから。
《メガネ》
まあ、後に「メタル・マシーン・ミュージック」
を出した男だもんねぇ(笑)。
{ 編集長 }
同じ時代にシスコにはデッドが居たでしょ?
あそこにもフィル・レッシュというベーシストが居るんだが
彼が実験的なアイデアを結構持っていたんだよ。
彼はクラシック音楽を勉強していたからね。
VUのケイルはよく似た位置だと思うし、
彼の存在こそ「1st」を名盤にした要因だと思うね!
《メガネ》
ケイルが抜けた「3rd」以降は明らかに
「1st」「2nd」より
ずっとポップな方に向かってるから
やっぱり前衛的なアレンジについては
ケイルが主導してたんですね。
{ 編集長 }
間違いなく彼だね!
《メガネ》
で、そのアレンジの話ですわ。
確かにイーノの影響源として聴いたら
「ヘロイン」のテンポの加減速とか、
「オール・トゥモローズ・パーティー」
のドローンサウンドとかモロなんですよね。
特に前者は後のイーノのテープループの
回転数変化アプローチに凄く近い。
もともとはドラッグのアップダウンを
サウンド表現してるんだろうけど、
そういう「ドラッグ感覚の音楽的再現」
ってのを発展させていくと「音楽で空間を作る」
っていうアンビエントの思想に通じるのかな?
{ 編集長 }
ドラッグ・サウンドってデッドて言う
「アシッド・テスト」だよね。
これもビートルズからスタートした
「LSDサウンド」が広まった結果だと思うね。
「LSDを用いたら何が起こるか?」
っていう実験でさぁ。
このサイケデリックと呼ばれる数年間は
生活にドラッグが不可欠な時代だったからこそ、
その中から生まれたサウンドやファッション
当然グループも多いのが確かさ!
この時代のサウンドは掘り下げれば堀り下げるほど
多様で面白いんだよ!
《メガネ》
確かに!ただ、それ以上に「あっ」と思ったのはリズム。
VU、ひいてはルーのソロにもいえるけど、この人たち、
リズムのとり方が土着的なんですよね。
4ビートとか8ビートとかバックビートの刻み
の上でプレイするんじゃなくて、
ワンビートで刻んでる上でどこに自分の符割りを乗せるか
っていう、すごくプリミティヴな、
ブラックミュージックに通じる……
で、これってイーノが70~80年代のプロデュースで
やりまくったニューウェーブのリズムなんだよね。
{ 編集長 }
この話は少し時代を戻らなきゃならんよ。
土着と言うけれど、彼ら60年代にこれらのリズムって
ボ・ディドリーの「ジャングルビート」を
ストーンズがカバーした恩恵なんだよ。
それをスローにしたり早くしたりって具合でさ。
皆が試していたし、簡単だから取り入れたんだよ。
《メガネ》
「1st」でもそのリズム感はもう出てるんだけど、
それがもっと全面に出るのが「2nd」ですよね。
後にジーザス・アンド・メリーチェーンが踏襲すること
になったあのとんでもなくささくれだった
ノイジーなサウンドに焦点が当たりがちなんだけど
「2nd」の面白さはあのリズムだと思うな……
私、実を言えば「1st」より「2nd」の方が
好きなんですよね(笑)。
アーシーさでいえば「2nd」でしょう(笑)。
{ 編集長 }
「2nd」は「1st」の残りカスに俺は感じるね。
《メガネ》
そうかなぁ……
曲の良さとか、カラフルさでいえば……
やっぱり「1st」に軍配が上がるかな……
やっぱり大名盤なんですよね、あれ。
{ 編集長 }
10代の頃、俺は「日曜日の朝」に
必ずアレを聴いていたよ。空気感が素晴らしいね!
この「1st」にはロックの新しい交差点が見える。
ビートルズの「ラバーソウル」「リヴォルバー」
を聴いてから出されているワケでしょ!
で、この「VU 1st」の約3ヶ月後に
ビートルズは「Sgt」を出す。
ホントあの66~67年ってたった1年で
「凄い急カーブをロックは描いた」
わけじゃない?
そんな時代を幼少期に体験してご覧よ。
「リヴォルバー」を聴いたルーやケイルが
この「1st」に注いだ気持ちが
痛いほど分かるぜ!
《メガネ》
イーノをして
「ベルベッツの1stは3万枚しか売れなかったが、
その3万枚を買った人間は全員バンドを始めた」
と言わせしめた盤ですからね。
{ 編集長 }
まあその後、ルーやケイルの活躍で
累計では凄い数が世界中で売れたけれどね!
《メガネ》
あのバナナジャケのインパクトってのは凄い。
見ただけで「ただのロックバンドじゃないぞ」って
プンプン匂ってくる(笑)。
あと名前がいいよね(笑)。
「ベルベット・アンダーグラウンド」より、
最後に「アンド・ニコ」って入るだけで
すごくポップに感じません?
{ 編集長 }
ニコの役割がこの盤を傑作にしているんだよ!
誰も言わんがネ(笑)。
あのツタナイ歌声にこそ、時代が映るよな!
《メガネ》
そのへんはさすがポップアートの巨匠
Aウォーホルのプロデュースだなぁ・・・
って感じですよね。
前回、あなた「ビートルズは別の扉を開く」
って話をしてたけど、それって、裏を返すと
「ビートルズと違う土俵で勝負するしかなくなった」
ってことでもあるわけですよね?
{ 編集長 }
ビートルズって今も昔も凄い影響力なんだよ!
で、特にあの時代は「追い付け、追い越せ」でさ。
《メガネ》
ビートルズって「扉」から入って、
ビートルズと違う土俵で勝負しようとしたバンド、
ミュージシャンがまた「別の扉」を開く……
その中の特大級のバンドがベルベッツであり、
そのベルベッツが開けた「扉」から
さらに「別の扉」を開けようとした中の一人がイーノであり、
その「次の扉」をまた別のバンドが開け……と、
確かにこりゃあ「ロックの歴史」を辿らざるを得ませんな。
{ 編集長 }
最初の話に戻るが、
ビートルズが世に出て来なきゃ誰も存在せんのよ!
この「VU 1st」をビートルズの誰かは
もしかしたら、聴いたかもしれない。
ただ、この路線はビートルズに何の影響も与えていないでしょ?
独自に「Sgt」を出し、そのトータルアルバムの作風を
逆に他が追従する・・・ストーンズやフーが有名だゼ!
《メガネ》
結局この人と「ロックの歴史」をやりだすと
ビートルズに話が戻っていくんだよなぁ……
{ 編集長 }
あのなぁ、ビートルズが出て来なきゃ
アメリカからバーズも出て来ないワケよ。
それじゃ、ボブはずっとフォークのままじゃない?
ロックの「数多ある名盤」は全く生まれなかった
そーいうコトになるだろ?
「Highway 61」も「CSN」や「デジャブ」も!
それから「ベガーズ」や「トミー」
はたまた「レイラ」だって、それと・・・
《メガネ》
あ、こりゃしばらく終わらんわ。
読者の皆様、次回もお楽しみに!
{ 編集長 }
他にもたくさんあるぞ!
U2「ユシャトゥリー」は勿論
ニルヴァーナーやベックだって・・・
《メガネ》
あなたはテレビ討論会のトランプ大統領ですか?
トランプ同様、もう結構です(苦笑)

<つづく>