古着屋店長「
アル君」との対談も
いよいよ3回目
今回はアメリカンロックの大御所
ジョン・メレンキャンプの登場です
メレンキャンプはイイ
たしか
メレンキャンプのことは
中学生の頃にMASHさんに教わったんですよね。
うむ。覚えてないが、そうなのか
はい・・・そうなんです
で、最初に購入したのが「
スケアクロウ」でした。
おっ
モノクロ・ジャケ三部作の最初だね
はい。
Gジャンにボロータイで寂しげに農場に佇むジャケット
写真の格好良さに惹かれまして・・・
おっ
で、どうだったの
それが、実際聴いてみたら、いまいちピンと来なかったんです。
代表曲の「
R.O.C.K In the USA」が収録されてたり、
年代も同じぐらいなので、
ブルース・スプリングスティーン的なサウンドを期待していたんです
うっ
でも
メレンキャンプって当時インタビューで
「
80年代ってブルース(スプリングスティーン)しか思い出せない時代になると思う
メレンキャンプおおいたいた
でも、奴はイイ作品ばかりだよなってなればいいと思うんだ」
と語っていたのを見て、おおっ
こいつは骨太だ
と思ったよ
ううっ、カッコイイ
でも、実際はボス(スプリングスティーン)と比べて暗いし地味だし、
「良くないな~」と思って
その後しばらくメレンキャンプの事はすっかり忘れてしまったんです。
何だって
そりゃ、ダメだぜ
アメリカの良心だぜ
ジョンメレは
今は分かるんですが・・・
で、高校生の時に、アメリカで9.11が起こり
ミュージシャンが立ち上がったじゃぁないですか
おおっ
ニューヨークでやったライブね
はい
マディソンスクエアガーデンで行われた
追悼コンサートです
その映像を見たんですよ。
ポール・マッカートニーやザ・フー、デビッド・ボウイ、
そして、ストーンズからはミック&キースなど、
とにかく凄い連中がたくさん出ていたなぁ
そうなんです
豪華なライブだったのですが、
途中で出てきた紺色のツナギを着たクシャクシャのヘアスタイルの、
いかにも「アメリカン・オヤジ」
バンドは白人も黒人混在、
バイオリンもバックコーラスもパーカションもいる
すごい大所帯で、その中で楽しそうに歌ってるんですよ。
メレンキャンプが
確かに
ありゃ、良いライブだったね
横の黒人のシンガーと楽しそうにラップしたりして、
「
人種も性別も関係ないぜ」って感じで。
「うわあ誰だ
格好良いおっさんは
」
と思って調べてみると、
それが
ジョン・クーガー・メレンキャンプでした
で、その「うわあ
」と思った勢いで購入したのが、
この「
ビッグ・ダディ」なんです。
俺は前作「
ロンサム・ジュビリー」で
「
ムムッこいつ変わったな」
って思ったね
で、「
ビッグ・ダディ」は最後のモノクロジャケによる
素晴らしいルーツ・アメリカン・ロックだったんだ
この2枚が「
ジョンメレ・サウンド」の基盤だよ
はい。
今考えたら、この人の中には常に
ブルースやカントリーなんかの
ルーツミュージックがあって、
本当はそういう音楽をやりたかったんだと思うんですよね。
でもレコード会社の売り方や時代の流れで、
中々好きなこともできず、「スケアクロウ」が大ヒットしてから、
少しずつ自分のやりたい音楽をできるようになったんじゃないかと・・・
うん
そうだね
俺が好きなアーティストは
問題意識が外にも自分にも高い人なんだよ
ジョンメレもそうだろ
このアルバムは歌詞が抜群にイイ
日本人でこんな曲は書けんよ
はい。
この「
ビッグ・ダディ」は、基本アコースティックですし、
ボトルネックや黒人コーラスも入ってたり、
かなり
ルーツ寄りで渋い。
そこに歌詞ですもん
「POP SINGER」や「VOID IN MY HEART」
ああ
ロックの本質に迫っているよね
俺はこういう男が好きなんだ
「
自分の筋を曲げてまで売れ続けることへの疑問」を歌った曲。
「
何百万人もの前で歌い、記事にもなるようになったけど、心にはポッカリ穴が空いている」
(「VOID IN MY HEART」より)
という歌詞は衝撃的でした。
「
やりたい事をやる。歌いたいことを歌う」
って
コレは大いに俺の人生に影響を与えたんだ
「
芯の強い男」「
ぶれない男」「
正義を貫く男」
どれも
メレンキャンプが大切にしてきたことだよ
だから自分が言っていたように
ボスみたいになアメリカン・ヒーローにはならなかったけれど
そのお陰で「
アメリカの本質や苦悩」
を体現して、作品化し続けられるんだ
彼の場合、「
スケアクロウ」以降から今日まで、
20年以上もそのスタンスで活動しているんですよね
「
誰にも左右されない芯の強さを持つこと」
の大切さを教わりました。
音楽を通じて、常に
人種問題や政治的な問題を定義
しているところも素晴らしいと思います
まさにそういうことだ
ロックンロールのパワーってのはさ
高校生の頃
「
もっと政治や世界の出来事に関心を持たなきゃ」
と思ったきっかけになりました
ロックの役割は人生を前へ進めること
ひとりひとりの人生に大きく関わってくるんだ
だから、俺はロックの世界に戻る気になったんだ
ブルースばかりで年を取るなんて・・・・
枯れるのはまだ早いだろ・・・
そんなのは嫌だからね
日本ではすっかり忘れ去られた感がありますが、
Mashさんや
ジョン・ボン・ジョビのように
彼の生き方やメッセージにグッと来る方も多いはず
この機会にぜひ皆さんに聴いてほしいです
ああ
間違い無いね
当店にて中古CD
¥1,000にて発売中