長い沈黙を破り、急遽発表します!
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。
-------------------------------------------------
久しぶりの記事だ。
90年代
「ボブ狂気の名演」と言えば、
95-96年ツアー!
ココが「お宝ザクザク時期」
と思うのですが、
「非常に評判が悪い」のに
「実は違う意味で凄い」と断言できる
「91年新春・初夏ヨーロッパ・ツアー」も
忘れられません。
といっても
「91年ヨーロッパツアー」
は勿論、私行ってません。
前連載で書いたように
94年2月にファンになった私。
春の終わりまでにオフィシャル盤を聞き倒し、
同年初夏~からは
「初めての海賊盤」
に手を染める流れ…となるんです。
店頭には時期的に93年くらい迄のライブが
実に多く棚に並んでいたとは思うのですが、
考えても中身は判るわけも無く…
考えに考え抜いた上で偶々選んだのが
「91年初夏のデンマーク公演」でした。
大体「91年新春・初夏ヨーロッパツアー」
の悪口を言うのは、行った人です(妬)。
90年のヨーロッパは良かったらしく
翌年も期待してたのに、ガッカリ…
まあ、気持ちはわからなくもないですが。
その中で、
どこで読んだのかは
失念致しましたが、
突っ込まずにいられない書き込み
のことが忘れられません。
(以下大意)
91年6月、まだ学生だった時、近くの町に来た(ドイツのどこか)ボブ・ディランをワクワクしながら観に行った。ステージにボブ・ディランらしき人がいないので不審に思っていたが、「もしかして、このモゴモゴ唸ってるおっさんがボブ・ディラン?」と途中で気づき、しょーもなさすぎて驚愕はしたが、内容は死ぬほど退屈なコンサートだった。もう一生ボブ・ディランを聞く事はない!と心に決めて会場を後にした。しかし、その数ヶ月後、なんとなく「血の轍」を買っちゃって結構はまっちゃった。その後色々聴いて、惹かれていき結局コンサートも何回も行って今でもファン。(※詳細記憶違い可能性あり)
ここでは、主に「2つのこと」を
述べさせて頂きたい。
1つ目は、
もしここに、もしくは知ってる方で、
「日本公演でボブ・ディランを見たんだけれど、大した事なかった」
とがっかりして、
「ま、でもレジェンドだし、一回観といて良かった」と納得してる方がいたら、言いたい!
のんのんのんのんの~~~ん!!!
ノーノーノーノーノーノーノー!!!
ネーネーネーネーネーネーネー!!!
次回来日時にもう一度観て下さい。
で、同じ感想だったら?
次々回来日時にもう一度、
いや最低3公演は観て下さい!
2つ目は、
書き込みされた方へ思うことです。
また1つ目を力説した理由でもあります。
「甘いです。」
「ボブの恐ろしさ」
に気づいていただきたいです。
(ココでMashがタマラズ応援加筆)
「その通り!ボブの魅力は一般の方なら
1、2度のライブじゃあダメ!
ポール師匠が「表の伝統芸能」ならば
ボブ師匠は「裏の伝統芸能」!
しかも、その日陰っぷりが美しく咲くのよ!」
(失礼!本文に戻ります…)
その前に「1991年」とは
「一体どんな年」であったのか?
について、さらりと復習したいと思います。
1月終わりから2月に掛けて
「新春ヨーロッパツアー」があって、
そのままアメリカとメキシコでちょっとプレイ。
1ヵ月半くらい開いて
4月後半から5月の最初まで
「西海岸スタート南部回り北上ツアー」
その後6月一杯が
「ヨーロッパ初夏ツアー」になります。
その後7月一杯
「アメリカ北部中心ツアー」。
8月半ばには
「2週間の南米ツアー」
10月後半から感謝祭直前まで
「中部~東海岸ツアー」
記録では合計101回!
また、この年2月、
グラミーで「Lifetime Achievement賞」
を受賞しているようです。
ジャック・ニコルソンが司会をしていて、
いまいちアレンジ(ごめん)による
「戦争の親玉」を披露。
その後左右に揺れながら、お父さんの事を
「シンプルマ~ン」
とか言う受賞スピーチのやつ。。。
ボブの「挙動不震度」としては
「レベル3程度」だけど、
演奏は、、、確かに91年は微妙な要素
も含んでいる年かもしれません。
しかし、それでもなお、
「ボブのこの深さよ」
とシミジミと感じます。
演出なのか?
酔っ払って授賞式にやってきたのか?
91年前半の何が好きかというと、
「リアルアル中」
「リアルルーザー感」
満載ぶり!の美しさです。
「リアルアル中」については、、、
この時期色々辛いことあったのかもしれません。
(この時期だけじゃなく、ベロベロとしか思えないショー色々あったような気がするけど。)
「リアルルーザー感」は
実際には明らかにセレブなので
語弊がありまくるのですが、説明すると…
マイクに被さるように、
「猫背でややだらしない姿勢」
「切ない鼻抜け声(当時多用)を歪ませ」て、
「たまに切迫感ある感じで、たまにだるそう」
に歌う。
しかも、ステージでは
「ちょっとオーバーサイズ気味のジャケット」
を多用。
何もかも素晴らしいです!
「ボブの美意識」なのかと思います。
悲しみの深い奥に
ぞっとするような美しさ
と安らぎがあるでしょう?
前述のレビューの方のように、
「表層意識」では気がつかなくとも、
確実に中心部を落とされてるのです。
意識では
「絶対もう聴かない!」
と思っていても数ヶ月後、
「表層意識の抵抗力」が弱った時に、
ふと手に取ってしまうボブ・ディラン。
「油断した」?
「偶然」?
「たまたま」?
「なんとなく」?
いやいやいやいや、
「表層意識の奥底」で
もっと「知恵のある部分」が
確実に「ボブ・ディランの価値」
を感じ取っていたのですよ。
確実に!
学生時代と言えば、
前を向いて生きてるのが仕様の時期、
少なくとも「そうあろう」と、
全然そうはいかなくても
「そうでなくてはいけないのに・・・」
みたいなノリとなることは
想像に難くないです。
そんな訳で、
意識では数ヶ月は否定できても、
内側では完璧にやられている!
じわりじわりと、浮上してくる、
もっともっと次のボブを求める、
非常にやばく切なく素晴らしくもある
かもしれない(ないかもしれない)
「切望感が孵化していく」のに
それほど時間が掛からなかった
ということでしょうね。
91年「リアルアル中ボブ」に
現地で射抜かれ組、真剣羨ましいです。
もちろん、
前述レビューの方は、ネタかもしれません。
読んだ感じ、ネタっぽくは感じなかったけど、
言語の壁によりもうひとつネタなのか本気なのか判明できないんですよ。
「91年ヨーロッパ最悪説」を唱える
幾ばくかの人達、
実は「91年ヨーロッパツアーの”あの”感じ」Loverの人々で、暗に「91年ヨーロッパツアーの”あの”感じ」を広めるための啓蒙活動をされてるのかも、、、
と思うのは、
「絶対に深読みしすぎ」だと思いますけれども、「最悪」と言われると、
「そんなことないはず!」
とムキになって、
「良いとこ」を探そう!
と熱心に聴きこんだりするのがファン心理。
「しかし○○年って最低」と言われても、
あっさり頷いて話題を変える年もあることにはあるので、ファン心理だけではなく、
やはり「91年ヨーロッパツアー」は
特別な魅力に溢れるツアーだと言えるでしょう。
全般雑然としすぎて少し判り難いところが、
また味わい深い。
ちなみにフル音源はもちろんのこと、
素晴らしいビデオも複数存在するので、
どんどんエンジョイしましょう。
勿論、前述の
「グラミー賞授賞式ビデオ」
は年に一度は必見です。
心の中の「ボブ ブラヴォー!!!」
な声が止まらない…
そんな「91年ヨーロッパ」を絶賛してみました。