「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,33 (2024年8月20日発行) コレが『大人の夏休み』

2024-08-20 09:55:07 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

 

夏休み!盆休み!……終了!

はい、リフレッシュしたアタマで昨日から真面目に勤労に勤しんでいる私でございます。

 

今夏は帰省を直前に取りやめてしまったのですぽーんと予定の空いてしまった私。

先週書いた通り防災用品の見直しに取り組んでみたり、いつも通りライブに出たりしていたものの、久々の長い休みを目の前にどうしたものか、と少々悩んだのも事実。

ギターを弾くやら盤を回すやらはもはや日常のルーチンであり、「長い休みに敢えてやること」の選択が悩ましい。

思う存分寝るもよし、徹夜でビデオを見てもよし。

普段手をかけられていないジャンルの音作りに徹底的に取り組んでみてもよいし、丸一日図書館に籠もってみるのも悪くない……

が、今回の休みは敢えて「日常のルーチン」を守ってみたのである。

普段の起床時間に起き、普段家を出る時間に散歩に出かけ、いつもの飯時に食事を取り、これらの合間合間にギター、リスニング、読書、ちょっと外出、という生活……

これが実は一番諸々が捗るのです。

人間の集中力というのは大して続くものではなく、どれだけ集中していたとしてもダレるタイミングは必ずある(人によるだろうけれど、少なくとも私は1時間も何かをやっていると煮詰まってきて気分転換したくなるタチ)。

それを避けるには休みだから一気に何かを……というやり方よりも、ちょっとやっては他のことをして、気分を切り替えてからまたもとの作業に戻る、という日常通りの繰り返しの方が不思議とアタマもよく回るのである(ちなみに私としては散歩に出るのが一番気分が切り替わる)

おかげで色々とギタープレイの改善も捗ったし……良い夏休みでございました。

まあ、この辺りの成果は今週の土曜コラムで書くとして、今週のライブインフォ!

 

【日時】

2024年8月24日(土)

OPEN12:00/START13:00

【会場】

京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)

https://maps.app.goo.gl/VReMVJt7kq9AwdK26

【チャージ】

¥2,000(1ドリンク込み)

【出演(※出演順とは異なります)】

月ノ佳/明日香/たいさ/おっとどっこい/kyoto feat. ササひろ/ハウリンメガネ

んじゃまた土曜!

 


毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,32 (2024年8月13日発行) 『災害対策』は『非難持ち出し袋』の見直しから!

2024-08-13 09:39:12 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

うーん……

いやはや、冒頭から唸ってしまい大変申し訳無い。

今回の大地震注意報をいい機会だと思い、改めて己の備えを見直してみたのだけれど、地震のように「避難が必要になる可能性が高い状況」に対する備えと、台風のように「自宅で待機すべき状況」をごっちゃにしていたことに気づき、色々見直し中なのであります。

後者はわりと意識できていた(断水やら停電やらに対する備蓄とかね)けれど、前者についてはだいぶ問題あり。

まず持ち出し袋が重い

水を5L入れていたのだけど、単純にこれだけで5kg

そこにその他の諸々を入れたら6〜7kg

普段ライブでアンプとギターで8kg程度の荷物を持ち歩いているとはいえ、本当の非常時、寝起きなんかで頭の動いていない状態で、普段と異なる道をこの重量を担いでまともに持ち歩けるか?と考えたときに初めて、自宅に備えておくべきものと引っ掴んで逃げ出すためのものに分けるべきである、ということに気づいたわけです(調べたら水の持ち出しについては一人アタマ3L程度が重量的に無難なようですな)

そんなこんなで袋の中身を見直して、今度は近辺の避難所と移動ルートを確認してみると、電柱や街灯のように倒壊しえるもの、倒壊したら障害物になり得るものを、普段全く意識していないことに気づき、びっくり(この辺り、ブライアン・イーノのインスタレーションで感じた、「人間はどれだけ意識したとしても全てのものを認識することはできない」ということに通じるように思うなぁ。人間ってのは日常の中では結構無意識で生活しているものなのだ)

こんなふうに改めて再点検してみると全然用意できていないことに気づき、深く反省している次第。

とはいえ、こうして見直しができたのは怪我の功名。皆様方も是非一度、持ち出し袋ともしもの時の避難ルートの見直しを(勿論備蓄品もね!)

さ、備えはすべきだが、地震大国日本に生きる以上、必要以上に怖がってもしかたない。

日常生活もあればライブもあるのだ!というわけで今週のライブインフォ!

【日時】

2024年8月17日(土)

OPEN12:00/START13:00

【会場】

深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)

https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6

【チャージ】

¥2,000(1ドリンク込み)

【出演(※出演順とは異なります)】

OA.マスター/むっちぃ♪/えっちゃん/KABA/坂本寛康 /ポジメ。/なわミン/Yamada Kouichi/ハウリンメガネ

じゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第33回) このお盆『南海トラフ』にご用心!

2024-08-10 09:58:28 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

読者諸賢ご機嫌よう……ハウリンメガネである。

まーた、なんでこう連休に限ってトラブルがぶつかって来るかね。

まあ、地震というやつはいつ来るか簡単に読めるものではないので今回の南海トラフ地震注意報もあくまで「発生率が高まった可能性がある」だけで、実際は一週間経ったところで当たるも八卦当たらぬも八卦、と言ってしまえばそれまでなのだけど、正月に起きた能登半島地震や先日の宮崎地震のことを考えると、「一週間以内に来るにせよ来ないにせよ、注意はしておくべきであろう」という自己判断に至り……今夏の帰省は中止!

これに伴い、編集長&スターマン★アルチと予定していた編集部会談も……中止!(二人ともスケジュールしてくれていたのに申し訳ない)

しかしこうなったらこうなったで盆休みのスケジュールがぽっかり空いてしまうのである。

まず防災対策の見直しはやるとして、一応日頃から備えはしているので別段防災グッズや食料品の買い出しに行かねばということもない(そういえば早くも買い占めに近いことが起きているというニュースがあったが、編集長も書いている通り、普段からローリングストックを心がけておくとこういう時に慌てる必要がないのでよい。まあ独り者なので大した量を貯めずに済んでいるだけだが)

気をつけなさい、と言われているのにふらふら遊び歩くのも本末転倒だし、念の為に大酒喰らうわけにもいかぬ(元々大して呑まないけど)

となると……

ギターを弾き!(いつも通り)

盤を回し!(いつも通り)

映像を観る!(いつも通り)

しかないのである!

……いや!確かにいつも通りのことではあるけれど、集中してやれるのは連休中ぐらいのもの!

ということで、修行モードに突入するので、今回はここまで!皆々災害にはくれぐれもご注意の程を!

とか書いてたら地元の神奈川が結構揺れてんじゃねぇか……皆様、真面目に気を抜かずにお過ごし下さい。

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,31 (2024年8月6日発行) 猛暑の『夏』こそ『ハードロック』を弾く!

2024-08-06 10:50:37 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週はライブなし!よって『私の一口コラム』だけお届け!

これを書いているのは8/5だが、なにやら世間がえらい騒ぎになっている模様。

私自身は株やら外貨やらの類いは何もやっていないので直接の損害はないけれど、この手の相場の大荒れは暫くしてから実体経済に影響してくるから恐ろしい……あ〜いやだいやだ(既に今時点でこれまでのコストプッシュインフレの影響でエラいことになってるしなぁ。株価ってのは上がる分には実体経済に大して反映されないくせに、下がったときはやれ収益性改善だのコストのスリム化だのという理由で庶民にダメージが来るからタチが悪い)

まあ、この手のニュースは頭の片隅にはきちんと入れておくべきだろうが、それはそれ、これはこれ。好きな事を考えた方が人生は楽しい

今、私の頭の中はひとりハードロック祭り開催中で忙しいのである。

夏の暑さがそうさせるのか、ギターを手に取るとハードロックばかり弾いてしまっており、「あーっ、このリフこう弾けばいいのか!」だの、「このソロどうやったらあんな厚みになるんだ?」だのと毎夜ひとりでやっとるのです。

普段クリーン〜クランチトーンのアンプ直でライブをやっている反動なのか、マーシャル系のプリアンプに繋いではブースターでゲインを上げてヴァン・ヘイレンやらイングヴェイやらを練習してみたり(弾けてないけど)、それに飽きれば今度はゲインを下げてZEPレインボーを弾いてみたりと……ただでさえ暑い部屋なのになおさら暑苦しい!汗が!止まらん!

夏の暑苦しさに敢えて暑苦しいハードロックをぶつける大変むさくるしい暑気払い、如何でしょうか?

楽しいぞ!暑いけど!

じゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,30 (2024年7月30日発行) 猛暑の『夏』!ギターにとっては命取り!

2024-07-30 08:49:02 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

毎日毎日……暑っっっちい〜のぉ!

ちょうどこれを書いている7/29には全国のあっちゃこっちゃで最高気温を更新したというニュースが流れてきたし、私自身帰宅したら即、水を引っ被って暑気払いに勤しむ日々(夏恒例の丸坊主にすると水を浴びてもすぐ乾くから楽でよろしいですな)

こう暑い中で機材を運ぶと、ギターケースの温度もかなり上がってくるので、毎週わりと心配しながら運んでいるのだけど、ギターケースってやつはどうしてこうが多いのか。

直射日光を浴びながら歩いていくと店につく頃にはが熱を吸収して結構な温度になっておりびっくりする(まあ、最近のちゃんとしたケースなら断熱材が仕込まれているものが多いから中身は大丈夫なのだけど)

フェンダー系のエレキなら夏でも昼にケースで持ち運ぶ程度ではさすがに問題ないが、アコギの人、特に車移動の人は本当に注意した方がいい。以前知人が昼間に少しトランクに入れていただけでブリッジが剥がれるという憂き目に合っていたし、ただでさえ急激な温度変化はギターに負担がかかるのに、今の季節、真っ昼間に車の中に置いて置いておくのは自ら故障を招くに等しい。

真夏日が続く今日この頃。体調管理も大事だけれど、機材の調子にもお気をつけ遊ばせ!

ってなところで今週のライブインフォ!

【日時】

2024年8月3日(土)

OPEN12:00/START13:00

【会場】

八尾X1(大阪府八尾市西山本町6-6-15喜多ビル2F 近鉄大阪線河内山本駅より徒歩8分)

https://maps.app.goo.gl/iq4wjJm4BBjp7gZK8

【チャージ】

¥2,000(1ドリンク込み)

【出演(※出演順とは異なります)】

OAさとみん/岡根正純/河合篤/美和/ まっちゃん/こんちゃん/kami/ハウリンメガネ

じゃまた来週!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,29 (2024年7月23日発行) 『国産ギター』ってどうなの?

2024-07-23 10:51:22 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

先週土曜のフェルナンデス倒産についてのコラムが多くの人に読まれたようでありがとうございまする。

ただなぁ……ああいうバッドニュースでたくさんの人に読まれるっちゅうのも少々複雑な気分。できれば明るい話題で多くの人の目に触れたいものでありますな。

まあ、それはさておき、フェルのことを書いていたら私もなんだかんだ国内メーカーのギターを色々持っていたことを思い出した(買っちゃ売り買っちゃ売りを繰り返してきたのでもう手元には残っていないが)

最初に弾いたエレキは父が持っていたヤマハのレスポールコピーだったし、友人のご尊父からグレコのレスポールカスタムタイプ(今思えば珍しいジョン・サイクス仕様だった)を譲ってもらったり、リッチー・ブラックモアに憧れて同じルックスのフェンジャパのストラトを買ったり(これは後々ジェフ・ベックのシェクターアッセンブリを載せたストラトに憧れて自分でピックガードを黒に交換した記憶がある。秋葉原はパーツがたくさん売っていて面白かったなぁ。今は関西人なのでパーツ類は日本橋の千石電商さんを覗きに行くことが多いけど)

アイバニーズのRGも持ってたなぁ(あれは亀井野にあった頃のジェリーズで買ったはずだ)

大変弾きやすく、「なるほど!テクニカルなプレイヤーがアイバニーズを手に取るのはそういうことか!」と深く納得し、レコーディングのオーバーダブで重宝した覚えがある(カネに困って売ってしまったが)

フェンジャパのカート・コバーン風モデファイジャガーは高校生の頃のメインギターだったし(確かイ○ベの正月セールで買ったのだ)……こうして振り返ってみるとやっぱり日本製のギターもかなり手元を通っていったのだなぁ。

今でこそモノホンのギブソンだフェンダーだ、ニューヨークエピフォンナショナルの鉄板だと曰うてる私もやっぱり日本製ギターには大変お世話になってきたのだ(改造に失敗して潰しちゃったりもしたしなぁ……ギターに申し訳ないことをしたという思いはあるがあれも間違いなく勉強の一つだったので一概に否定もできんのよねぇ……)

できればあの頃の私の如く、若者たちが日本製ギターで幾多の学びを得てくれることを願いつつ今週のライブインフォ!

【日時】

2024年7月27日(土)

OPEN12:00/START13:00

【会場】

京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)

https://maps.app.goo.gl/VReMVJt7kq9AwdK26

【チャージ】

¥2,000(1ドリンク込み)

【出演(※出演順とは異なります)】

きっちー/奥田検太郎/37'S/矢野美貴/シーゲル/指名手配/Pinky fly/MRT/茶戌/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第32回) 『フェルナンデスの倒産』は衝撃なのか?

2024-07-20 10:20:00 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ご機嫌よう読者諸賢。ハウリンメガネである。

先日のトランプ前大統領銃撃事件はとんでもないインパクトのニュースだったが、それと時を同じくして、ギター業界でもかなりのインパクトのニュースが全国を駆け巡った。

ご存知であろう。フェルナンデスの倒産である。

私が中学生だった90年代末。

街の楽器店に用もなく立ち寄っては、店内の一番目立つ位置に飾られたギブソンフェンダーUSAを憧れ100%の目で眺め、それらの近くに漂う舶来ギター独特の匂いに「これがアメリカの匂いかぁ」と意味もなく鼻を膨らませていた私だったが、当然それだけでは飽き足らず、店内のギター、ベース、エフェクター、果てはドラムコーナーまで全て舐め回すように見ていた。

そんなあの頃、楽器店に行けば必ず並んでいたのがフェルナンデスの日本人アーティストモデルであった。

時代はビジュアル系全盛期

当時はフェルナンデスESPがビジュアル系アーティストモデルメーカーの二大巨頭として君臨しており、この2メーカーのアーティストモデルだけで楽器店の1コーナーが埋められていたほどであり(正確にはESPは下位ブランドのエドワーズとグラスルーツが多かったが)、その片翼を担う勢いを誇っていたのがフェルナンデスというブランドであった。

元々はフェンダーやギブソンのコピーメーカーとしてグレコやトーカイと並び名を馳せていたフェルナンデスだが、90年代初頭からアーティストモデルのリリースに力を入れ始め、同年代末にはアーティストモデルメーカーとしての立ち位置を確立。象形フォルムのお手軽エレキとして人気を博したZO-3の知名度も相まって、日本でも屈指の人気ギターブランドとしてその地位は揺るぎないものと思われたが……近年の売上不振には勝てなかったようだ。

今回のフェルナンデス倒産にはハウリンメガネもさぞかし驚いたであろう、と思った方もおられるだろう。

確かに驚きはしたが、このニュースを知ったときの私の率直な感想は「とうとう来たか」であった。

楽器業界の内部事情に疎い私だが、そんな私の目から見てもフェルナンデスの凋落は明らかだった。

なにしろ新品のフェルナンデスのギターが楽器屋で売っていないのである。

中古でこそある程度見かけるのだが、新品コーナーを見廻すとヤマハやアイバニーズはあるのに、フェルナンデスのギターもベースも見かけない

音楽雑誌やWebの新製品ニュースを見てもフェルナンデスの名前を見かけなくなって久しい……と思っていたところに届いたのが今回のニュースだったのである。

残念ながらフェルナンデスの倒産は驚くことではない

なぜなら倒産直前のフェルナンデスの製品ラインナップを見ると「これいいな」というギターがないのである。

思うにフェルナンデス最大の問題はアーティストモデルZO-3以外の魅力的な製品をリリースできなかったことにある。

アーティストモデルというのはある意味でファンアイテムに等しく、よほど楽器としての普遍性を担保していない限り、ファン以外のプレイヤーが手に取ることは無きに等しい(ユーザーの多いクラプトンストラトはアーティストモデルという以前にストラトという普遍的なギターだし、エドワード・ヴァン・ヘイレンモデルとして売り出されたミュージックマンのアクシス[及び後継機であるピーヴィーのヴォルフガング]はその使い勝手の良さからハードロックギタリストのニュースタンダードとして今でも販売されているが、こういった例は稀有なケースである。そう考えるとレスポールはレス・ポール氏のシグネチャーとして作られたのに完全なスタンダードとなっているのだからすごい話だなぁ)。

手に取るプレイヤーが少ないということは販売本数が少ないということ。つまり、楽器メーカーが商売を継続するには普遍的な製品が必要なのである(その意味でZO-3は大変普遍的な製品だと思うが、やはりお手軽ギターというのがネックであったのか……)

ヤマハやアイバニーズは楽器メーカーとして常に新製品をリリースし続けているし、その中から新たな売れ線モデルも生まれているが、残念ながらフェルナンデスはそれを成せない状態が継続。ついに倒産に至った、というのが今回の話であろう。

 ……モノ自体はね、悪くないんだ。本当に。

だって私も一本手放さずに持っている(笑)!

90年代以降のフリップ先生がフェルナンデス製のレスポールタイプ(サスティナー付きの先生用ワンオフモデル。ちなみにサスティナーもフェルナンデスがリリースした製品)をメインに使っていたのを知ってから「サスティナー付きのレスポールタイプでいい感じのやつがあったら欲しいなぁ」と思い続けてウン年。

ある日デ○マートをぽけっと眺めていたところで目に入ったのが冒頭写真のバーニーフェルナンデスがギブソン系のモデルを作る際の別ブランド)製レスポールタイプ、RLC-105X

X JapanのPata氏モデルらしいのだが、私としてみれば「サスティナー付きの上に初期フリップ先生のレスポールカスタム的ルックス(先生ご自身のフェルナンデスはゴールドトップ)!これは……素敵!」と、近畿圏内の楽器店の商品だったこともあり、えっちらおっちら電車を乗り継ぎわざわざ試奏しに行ったのである。

で、弾いてみたところびっくりするほど素直なサウンド。

ピックアップの出力が高すぎるということもないし、サスティナードライバー兼用のせいで音が悪いと言われがちなフロントも、いやいや、言うほど悪いか?というレベルで十分使える(確かにレスポールのフロントらしい太い音ではないけれど)

そしてなによりサスティナーが面白い。電力による磁力駆動で実際に弦が振動して延々と音が伸びる様はフィードバックで音を伸ばす感覚に近く、これがクリーントーンで小音量でもできるというのはかなりの新感覚(なにせクリーントーンでサスティンを伸ばしたままボリューム奏法ができてしまうのだ)

ギターとしても作りが丁寧で弾きやすいし、ゴトー製のペグはいい具合のトルクで正確に回るし、と、「おお、90年代の日本製ギターもやるやつはやるもんだねぇ」と即決で購入(そのせいでしばらくもやしが主食になったが……)

サスティナー回路がアウトプットを通るため、サスティナーを使わなくても電池がヘタると音がヘタれるのが難点だが、それを補って中々捨てがたいマイギアなのです(こういういい具合のギターを粛々とリリースしていれば倒産せずに済んだのかしら)

しかしこれ、サスティナーが壊れたらどうすりゃいいんだろうか

フェルナンデスが製造販売している部品なのだから、それが倒産したということは供給もできなくなるわけで……困ったなぁ。どこかライセンス買い取って生産してくれんかしら(メーカーが倒産するというのはこういう事態につながってしまうのである)

色々と思うところはあるが、今回のフェルナンデスの倒産は決して特異な事ではない。

ただでさえ格差が拡がり、民間の可処分所得が減り続けている(=楽器を買う人口も減少する)上に海外からのコストプッシュインフレによって必要経費が暴騰している今の日本で楽器メーカー、楽器店という事業を維持するのは決して楽なことではないはずなのだ (この辺りは「編集長」に書いて頂きたいものだが・・・)

せめて自分のできる範囲で好きなメーカーや楽器店を買い支えようと努力はしているが……厳しいなぁ!

今の日本は需要過多によるインフレではなく、外貨の高騰によるコストプッシュインフレ(正確にはスタグフレーションか)なのだから、政府が緊縮財政を継続している限り、民間の事業は厳しくなるばかりだろう(楽器業界に限った話ではなく)

楽器業界を潰さない為にも今こそ政府は積極財政に舵を切るべきである、と断言したところで今回はここまで!

また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,28 (2024年7月16日発行) 色々な『嫌なニュース』を克服する方法!

2024-07-16 10:15:05 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

なんだかなぁ。
分かっちゃいたがキナ臭いニュースが多すぎる。
某国は銃撃事件でえらい騒ぎになっているし、某国からは不動産バブル崩壊の噂が流れてくるし、己が在所の兵庫県は知事にまつわるトラブルが連日報道に上っている。
せめて音楽ぐらいは平和にいさせちゃくれねぇか、と思っていたところに流れてきたのはフェルナンデス倒産のニュース……(この件については今週掲載予定の土曜コラムで述べようと思うのでそちらでよろしくお頼み申す)

世情にはそれなりに興味を持っている私だが、こうもあれこれ嫌なニュースが耳に入ると「嫌んなったぁ〜、もうダメさぁ〜」と思わず憂歌団の歌が口から零れてしまう。

こういう時はニュースの類を全てシャットアウトして、自分の好きなことに集中するに限る
いつも通りギターを弾くし、盤も回す。飯も作るし(雑な男飯だけど)、ふらふらと散歩にも行く。可愛い子ちゃんの動画を見もするし、本も読む。

いつもやっている事だけど、世間の噪音を全て打っちゃって好きなことだけやっているうちに「暗い世の中?知るかボケぇ!こちとらどうにか生きてくだけじゃあ!」という気分に立ち戻ってくる。

確かに憂歌団は「嫌んなったぁ〜」と歌っているけれど、でもあの歌はこう続く。
「だけど腐んのはぁ止めとこぅお〜、日の目を見るかもこのオレぇだぁってぇ〜」と。

暗いニュースに打ち倒されても、ブルースを口ずさんだらまた起き上がって生きていくのだ。

ってなところで今週のライブインフォを。

【日時】
2024年7月20日(土)
OPEN12:00/START13:00
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OA.マスター/じょ〜じ/H toY/春之介/ヤスモトテルオ/たっくん/Nobu-hey!/たけちゃん/ほろ酔い Tassie/MICHIKO☆Y/ポジメ。/Pinky fly/

んじゃまた来週!
あれ?土曜のコラムがあるからまた今週?
どっちゃにせよまた!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,27 (2024年7月9日発行) ギターの不調は自分で直す(Part 2)!

2024-07-09 08:47:21 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週はライブなし故、『私の一口コラム』だけお届け!

先週書いたとおり、マイ・テレキャスターの整備に勤しんでおりました私ことハウリンメガネ。

弦高を上げてバズが解消出来たのは良いものの、やはり実際にライブでデカい音で鳴らしてみると「5、6弦は調整が足らんな……」とか、「3弦の12フレットのところだけ変なサスティンが残るな……」とかね、いろいろ気になる訳です(デカい音で鳴らさないと気づけないポイントってのがあるんですな)

で、なんやかんやと毎日ちょっと弄っては寝かせ、ちょっと弄っては寝かせを繰り返しておったのです。

で、ようやくしっくり来るところまで来たのだけど……やはり前よりも、よく鳴る!

弦高を上げたお陰で金属的な響きが影を潜め、アコースティックな鳴りが強くなっている(弦高が低いとフレットに当たり易くなるので金属的なジャキッとした響きになるんですな。逆に弦高を上げてやればまろやかなトーンに近づくのです。まあこの辺は好き好きだけど)

アンプを通してフロントで甘く弾いてやればヘンな箱ものよりジャジーな音が出るし、グイッと弾いてやればブルージーなリードもグイグイ弾ける。

センターでブリッジミュートしながらR&Bの単音リフを弾いても気持ち良いし、リアでトゥワンギーなカントリーフレーズを弾いてもこれまた楽し。

……でもリアはもうちょっとトゥワンギーにしたいなぁ……はい、こうやってまた調整に時間を費やす日々が続くのであります。

思うにエレキギターって楽器はこうやって自分の手で調整することで好みの音に近づけられる、というのが大きな醍醐味(これがアコギやフルアコだと神経も使うが、フェンダー系のエレキはネジさえ回せば大体なんとかなる)

見て楽し、弾いて楽し、弄って楽し、と三拍子揃った楽しい楽器なのでございます(そりゃ幾つになっても止められるわけないわな)

ってなところで今回はこのあたりで。また来週!

さあ、調整せねば……チキンピッキングのカントリーフレーヴァーが俺を呼んでいるぜぇ……

 

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【特別企画】『ダリル・ホール & ジョン・オーツ』解散への寄稿 (第3回) ハウリンメガネ編 Part2

2024-07-06 10:08:03 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ご機嫌よう読者諸賢、ハウリンメガネである。

挨拶も早々に前回に引き続き、ホール&オーツのお話を。

そもそも私がホール&オーツというデュオを知ったのは、中学生ぐらいの頃、深夜の通販番組でよくあった「80年代USAベストヒットコレクション」のようなCDセットのCMで、ワム!「ウェイク・ミー・アップ〜」辺りと一緒に必ず流れる「プライベート・アイズ」を聴いて、「あ、この曲かっこいい!」と思ったのがきっかけだった。

当時(90年代末)、既にブルー・アイド・ソウルという言葉も、アダルト・オリエンテッド・ロックという言葉も死語となっている状況であり、日本のヒットチャートはビーイングや小室サウンドが席巻中。
その裏ではグランジ、オルタナティブロックに影響を受けた日本のインディーギターロックシーンが静かに盛り上がりを見せており、筆者もまたその轟音に身と心を焼き焦がれていたのだけれど、それと並行して何故か心惹かれたのが、ホール&オーツに代表されるブルー・アイド・ソウル。

当時のヒットチャートにも和製R&Bと呼ばれて流行っていたものはあったし、それはそれで嫌いではなかったけれど、今ひとつぐっと来るポイントが足りない。そんな私の心に見事にぶっ刺さったのがホール&オーツだったのである。

ぐっと来るポイント?

ギ タ ー で す よ !

そう、90年代末の和製R&Bはヒップホップ以降のR&B、エリカ・バドゥや、ローリン・ヒル的なものであり、主役はあくまでボーカルであり、リズム。

今になればこそ,あれはあれで良いものだ、と言い切れるけれど、ニルヴァーナやミッシェル・ガン・エレファントのようにこれでもかとギターが鳴り響くロックにヤラれ、ギターが聴こえない音楽は音楽じゃないと思っていた小僧には「ギターが入ってない!」というだけでリスニング対象外(我ながら馬鹿だなぁ)

私が求めていたのはギターがちゃんと表でカッコよくロックしていて、なおかつブラックミュージックの洒落た雰囲気のある音楽……見事にどんぴしゃりでホール&オーツじゃないのさ!

実は今聴き直してみても、ホール&オーツほど見事にギターの音がロックで気持ちいいR&Bって中々ないのである。

R&Bマナーからいえば、ギターは目立つべきではない。クリーントーンで歌の後ろをきっちり支えて、気持ち良いオブリを挟んだり、小気味よくカッティングやミュートリフをキメるのがR&Bにおけるギターの定番の役割である。

が、ジョン・オーツのギターはそれらに反し、ディストーションの効いた音でリードやメロディーを弾いているのにR&B的フレーヴァーを壊さない。

何故か。
オーツのギターはちゃんとツボを押さえているのである。

まず、弾きすぎることがない
ロックギタリストだとついついねちっこくベンドやヴィブラートを効かせてしまいそうなところもサラッと弾くから鬱陶しさがなく、クールで洒落た音に聴こえる。
そして更にいえば、ギターのフレーズが常に歌に添っているのである。
彼自身がボーカリストだからなのだろうけど、歌の邪魔になるようなプレイをしない。歌に対するコール&レスポンスを意識したフレーズを選んで弾き、ギターの要らない場面では弾かないという判断を的確にしているのである。

このオーツの抑制の効いたロックギターサウンドとダリルのコンビネーションによってホール&オーツはロッキンR&B、ブルー・アイド・ソウル・デュオとして名盤をきちんと残したのである。

シティポップの再評価が行われている今こそ聴き直されるべきデュオだと断言いたしますが、如何か。

ってなところで今回はこんなところで。
じゃまた!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,26 (2024年7月2日発行) ギターの不調は自分で直す!

2024-07-02 10:37:14 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

イヤだねぇ、梅雨ですよ、梅雨
カラリと晴れた暑さならまだ耐えられるが、ジトジト雨の湿気と蒸すような暑さには辟易するばかり。
なんでも明日(これを書いているのは7/1だからつまりこのコラムが載っている今日、7/2ですな)はまた全国的に大雨との予報で……勘弁してくれぃ!

そしてこんな気候だとギターの調子も悪い!
ここ2年ばかりステージで愛用中のテレキャスターの2弦、3弦がバズっている!

ただでさえ高温多湿の日本の気候は楽器には厳しいのに、ここ最近の天候不順のせいか、はたまた私がライブで酷使しているせいか、以前から「ちょっと音が詰まる時があるなぁ、まあ弾き方で対処できる程度だけど……」と思っていた不調が顕在化してきたのであります(あと私、このテレだと結構ネックベンドをやるのでそれもあるか……酷使しとるなぁ)

とはいえ、「こりゃどうにもならん!リペアに出さにゃ!」というレベルの不調には非ず。
もともとこのテレ、買った時点で割と低めの弦高に調整されており、(ああ、このぐらいの弦高も悪くないねぇ)と微調整だけしてそのまま使っていたのですな。

当たり前の話だが、弦高は低ければ低いほどバズりやすくなる(フレットとブリッジが平行に近づくので少しネックが動くとフレットに当たりやすくなってしまう)
以前から弦高を上げたほうがいいかもなぁ、と思いつつ、生来の不精者なものでついつい後回しにしていたのだが、不調が顕在化したせいで流石の私も重い腰を上げざるを得なくなったわけです……

な〜んていってはいるが、エレキの弦高調整なんぞ至極簡単。ブリッジのイモネジを六角レンチでぐりぐり回せばそれで済むのである。
が、面倒なのはそこから。
弦高の上げ下げこそ簡単だが、自分の好みのバランスに調整して、音づまりがないか確認し、詰まっているところがあればまた調整、という作業を繰り返し、それが終われば今度は弦高を変えたことで変化したピックアップと弦の距離をこれまた自分好みの状態まで持っていく……面倒くさい!すごく面倒くさい!

でも、この調整が大事なんですな。

先述の通り、ギターという楽器は気候や環境の変化で簡単に調子が狂ってしまう。
勿論可能な限り安定した環境、湿度や温度を管理した部屋に保管しておけばある程度は大丈夫だろうが、自分の好きなギター、ライブで使いたいでしょ?
ライブで使えば汗にも晒されるし、ライブで使うために外に持ち出せば激しい温度変化にも晒される。
そうなりゃ当然調子は狂う。
じゃあどうする?

自分で調整すりゃいいんです。

確かに先述の通り、メンテは面倒くさい。
が、ちゃんと楽器の構造を理解した上で時間さえかければ自分でできるのがメンテ。
勿論、自分の手に負えないレベルの不調はちゃんと『ジェリーズギター』の様な専門店にリペアに出すべきなのだが、多少のビビりやバズりは自分で調整してやるべきです。
自分で調整すれば「ああ、俺はこのぐらいの弦高が好きなんだな」とか、「おっ、ここのネジを締めてやったらバズが消えた。やっぱりパーツの共振ってあるんだなぁ」とか、気づくことがたくさんあるんですな。

天候不順に文句を言いつつ、皆様も愛機のメンテをどうぞお忘れなく……てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年7月6日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)
https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
OA. マスター/じょ〜じ/こんちゃん/むっちぃ&マスター/大塚真一/チカピー/hisui/MORIMORI/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,25 (2024年6月24日発行) エイドリアン・ブリューお好き?

2024-06-25 21:34:47 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

ここ何回かファズの話を続けていたこともあり、エフェクターの接続による音の変化に血道を上げておりました私ことハウリンメガネ。
あれやこれやと接続順を試しては入れ替え試しては入れ替えを繰り返し、やれフランジャーはどうだ、それワウはどうだと繰り返しているうちに、ふとクリムゾンの『エレファント・トーク』のような音が出て思い出したのがエイドリアン・ブリューのこと。

なんでもブリューのおっちゃん、フリップ先生公認でトニー・レヴィンと「ビート」なるディシプリンクリムゾンをレパートリーにしたバンドを組んでアメリカを周るらしいのだけど、なんとギターがザッパ門下同窓生のスティーヴ・ヴァイ(ちなみにドラムはこれまたフリップ先生と交流のあるトゥールのダニー・ケアリー)

ブリューとトニーが居るとはいえ、ヴァイとダニーが入るとなるとクリムゾンとはだいぶ異なる音になりそうで私としてはかなり興味深いのだけど、今のところ日本に来るというアナウンスはなし(来て欲しいけどねぇ)

普段フリップ先生の方にフォーカスしがちな私だけど、ブリューのギターも好きなんですよ?
ファズの歪みとフィードバックによるロングトーンをコーラスエフェクトとトレモロアームで震わせたり(トーキングヘッズの『ボーン・アンダー・パンチズ』)、フリップ先生と拮抗するシーケンシャルなアルペジオを歌いながら弾きこなしたり(クリムゾンの『フレーム・バイ・フレーム』)、勿論十八番のギターによる象の鳴き声、カモメの鳴き声の再現も忘れちゃいけない(前者はクリムゾンの『エレファント・トーク』、後者は『マッテクダサイ』。ちなみに後者はボトルネックで弾いてるぞ!)
でも私がこの人のプレイで一番好きなのは『セラ・ハン・ジンジート』のカッティング
JC-120と思わしきパキッとした硬い音で奏でられるアフリカンビート的なリズムとインドネシアのケチャを思わせる不思議なコードリフの組み合わせは今聴いても唯一無二。

……ビートで来日しねえかなぁ!ブリューはまだ生で観てないんだよなぁ!
というクリムゾン馬鹿の独り言でございました。

てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年6月29日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
守口Ks 本店
守口市八雲中町1-2-13
大阪メトロ谷町線 守口市駅より徒歩5分
https://maps.app.goo.gl/bwnWByAVJMMmvZgu6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
みどりん/中納大輔/yosshy! /なわミンズ/hisui/あっじー/シーゲル/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

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【特別企画】『ダリル・ホール & ジョン・オーツ』解散への寄稿 (第2回)ハウリンメガネ編

2024-06-22 08:42:03 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

やあやあやあ、読者諸賢、ご機嫌いかが?ハウリンメガネである。

先週の土曜は『スターマン★アルチ』が書いたジョン・オーツのライブレポートに注力したホール&オーツの総括が、かなり濃口の書き味で「おお、さすがスターマン。ロックマニアなだけあるわい。後輩ながらあっぱれ」と無駄に先輩風を吹かせてみたりした私。(まだ読んでいない方は以下のリンクでそちらも読んでくれたまえ!)

https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/19d8a2e57d5f0cc22e7d7c648a9b8e1d

で、せっかくなので今週は私もそれに便乗してホール&オーツについてポロポロと書いてみましょうというお話(というか正確にはスターマンと同じタイミングで編集長から「ホール&オーツ解散しちゃったみたいだからこのタイミングで彼らの音楽をちゃんと紹介しとこうよ」とのオーダーがあったのだけど、「え〜、なんか解散にかこつけて書くみたいで嫌なんですけど」と渋っていたら後日「来週スターマンがホール&オーツのライブレポート中心に書くから!じゃ、よろしく!」という(分かってんだろうな?)という圧をかけられて筆を執っている次第。う〜ん、体育会系の厳しさよ)

さて、ホール&オーツ
そもそも今、この人たちをちゃんと聴く人っているのだろうか。
残念ながらそんなに多くはないはずだ。どうしたって一般層の認識は「80年代洋楽ヒットチャートを賑わせたグループ」だろうし、ちょっと詳しい人でも「ブルー・アイド・ソウルの人たちでしょ?」という感想がいいところだろう。
確かに80年代にヒットを飛ばしたのはその通り。ブルー・アイド・ソウルの先駆け的存在というのも正しい。
が、本当にそれだけか。

本 当 に そ れ だ け な の か ?

思い出して頂きたい。

ダリル・ホールってフリップ先生の関係者なんだよ!

何を隠そう、ホールは先生のソロアルバム(エクスポージャー)にボーカルとして参加しているし、ホールの1stソロアルバム(セイクリッド・ソングス)のプロデューサー兼ゲストギタリストはフリップ先生。
つまり、クリムゾンファミリーの一員なのである(実際ディシプリンクリムゾンの構想段階ではエイドリアン・ブリューではなくダリル・ホールをボーカルに迎える案もあったそうな)

その視点でホール&オーツを聴いてみるとどうだ?
エイジアに通じるプログレッシブ・ポップ・ロックに聴こえてこないか?

そう、ブルー・アイド・ソウルと呼ばれがちなホール&オーツだが、そのサウンドはポスト・プログレッシブ・ロック(ニューウェイヴィーと言い換えてもいい)と言うべきアプローチが端々に聴こえるのである!

曲がポップなので一聴しただけだと流されがちなのだが、ちゃんとアルバム通して(できればアナログでな!)聴くと驚くほど「あれっ?こんな凝った音の使い方してんの?」という音がどのアルバムからも聴こえるはずなのである(この視点で聴いてみるとジョン・オーツのギターもディシプリンクリムゾン的な音に聴こえてくるから面白い)

エイジアやトーキング・ヘッズ、ディシプリンクリムゾンに通じるサウンドアプローチと、二人の書く曲とボーカルコンビネーションの良さ。
その相乗効果によって生まれたのが「ブルー・アイド・ソウル」という呼び名、そしてホール&オーツなのである(オーツが蔑ろにされがちだけど、オーツなくしてホールなし。チャゲ&飛鳥だってチャゲがいないとチャゲ&飛鳥じゃないでしょ?)

大真面目な話、エイジアが好きな人は絶対気に入るサウンドプロダクトだし、さらに言えば、プログレファンでホール&オーツを聴いてポストプログレの気配を感じない人がいたらそれはあんたプログレが足りてないよ!といいたいほどにプログレの香りがあるのである(曲によってはマグマっぽさもあったりするしなぁ。それをちゃんと黒さの強いポップスに仕上げてるから凄いのだけど)

残念ながら今になって著作権の売却の絡みで仲違いしてしまっているようだけど、まあそれは人間だから仕方ない(というかホールはフリップ先生と友達になれる人なんだから著作権にはそりゃ煩かろうよ。先生は一時期レコード会社との裁判に集中する為に引退してたぐらいなんだから)
けれど、そんなトラブルとは関係なく、彼らの音楽は今聴いても多くの面白味に満ち満ちている。
ロックファン、プログレファンこそ是非一聴、再聴をお勧めしたいですなぁ。

というわけで今回はここまで!
もしかするともうちょっとホール&オーツ話が続くやも?

じゃまた!お楽しみに!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,24 (2024年6月18日発行) 雨の日にゃぁ、こんな曲もどう?

2024-06-18 11:00:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週はライブなし!のため『私の一口コラム』だけお届け!

今、この原稿を書いているのは6/17(つまりこれがアップされる前日)なのだけど、どうやら九州や四国では警報級の大雨予報となっている模様。
私の住む関西も朝から電車が止まる可能性ありとのニュースが流れており、通り雨程度の土砂降りなら呑気に「天気が悪いねぇ、♪ア・ハード・レイ〜ン・ア・ゴナフォ〜、ってか?」なんぞと歌っていられるが、まだ梅雨入り前なのにこんな大雨警報が出ると流石に多少不安にもなる(先日、奈良のオーシャンブールバード(ライブハウス)に出た際も、駅に着いてちょっと一服つけていたらいきなりバケツの底が抜けたようなスコールに降られ、店につく頃には歩くたびにぐしょっ……ぐしょっ……と音が鳴る、妖怪ずぶ濡れ男と化していたのであります)

まあ、皆様警報には真面目に気をつけて頂きたいが、それはそれとして、雨が降るとなんやかんやと雨にまつわる曲を思い出してしまうのだからミュージシャンというのも業が深いというかなんというか。
先述の『激しい雨が降る』(ボブ・ディラン)もそうだし、『傘がない』(井上陽水)なんかも頭に浮かぶ。
が、土砂降りの雨を目の前にすると何故か私の頭に流れてくるのは『雨に泣いてる……』(柳ジョージ)なんですな。
「そぼ降る雨の〜」と歌われているのだから、激しい雨に合う歌詞ではないはずなのだけれど、あの激しい曲調と柳ジョージ氏の咽び泣く歌声とギターの音がどうにもこうにも激しく降る雨とマッチして私の心を濡らすのであります。

激しい雨に降られてお天道様に恨み言をいいたくなる気分はよく分かるけれど、そんな雨を背景に自分の好きな雨の歌を脳裏に過ぎらせるのも中々乙なものですぞ。

ってなところで雨音が聴こえてきた中、今回はこんなところでお開き。
Weeping in the rain、Hoo……ってね!

じゃ!また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,23 (2024年6月11日発行) ファズる心 Part2

2024-06-11 09:54:05 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

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なぁんだ、みんなファズ好きなんじゃないの!(先週土曜の掲載コラム『メガネの遠吠え』の話であります)
つい筆が走って長々書いてしまったので推敲しながら(書きすぎたか?)とも思ったが、どうやら多くの皆様に読んで頂けたようで良うございました。

ファズってペダルはどれもこれも個性が異なるうえに、前後に繫ぐペダルやアンプとの相性で音が激変するため、好みの音を出すには色々と知識を応用してやらねばならぬ。
私もずーっと「なんでビッグマフは音量が下がって聴こえるんだ?」「ヴードゥーチャイルド(スライト・リターン)の歪みは絶対ファズフェイスだと思うんだけど、ワウを踏むとあんな音にならないのは何故?」「フリップ先生はあの甘いロングトーンとガリガリのヘヴィな音をどうやって瞬時に使い分けてるんだ?」「マッドハニーみたいな音が出るファズってビッグマフじゃないのか?……えっ、『スーパーファズ』ってビッグマフのことじゃなくてそういうファズがあるの!?」
なんてことをギター片手にアンプとペダルと格闘しながらコツコツと理解していったのです。

勿論今はネットに参考音源は山ほどあるし、情報を共有してくれる優しい人達も多い(私もお世話になっております)が、ファズ(まあ、楽器はおしなべて全てそうだけど)ってやつは実際に自分の環境で試さないと全く違う音になることも多く、こればかりはトライアンドエラーを繰り返して己で理解するしかないのです。
雑誌やネットに載っている情報を鵜呑みにせず、身銭を切って実機で試して初めてわかること、出る音ってのがあるんですな(だから機材が溜まっていく……)

なんてことをビッグマフを繋ぎながらクリムゾンを耳コピしながら思った今日でありました。

てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年6月15日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)
https://maps.app.goo.gl/VReMVJt7kq9AwdK26
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
きっちー/Lazuli/ぎんちゃんず/ムーヤン/たくみ&すどやん/吟天上/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

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