「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,29 (2024年7月23日発行) 『国産ギター』ってどうなの?

2024-07-23 10:51:22 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

先週土曜のフェルナンデス倒産についてのコラムが多くの人に読まれたようでありがとうございまする。

ただなぁ……ああいうバッドニュースでたくさんの人に読まれるっちゅうのも少々複雑な気分。できれば明るい話題で多くの人の目に触れたいものでありますな。

まあ、それはさておき、フェルのことを書いていたら私もなんだかんだ国内メーカーのギターを色々持っていたことを思い出した(買っちゃ売り買っちゃ売りを繰り返してきたのでもう手元には残っていないが)

最初に弾いたエレキは父が持っていたヤマハのレスポールコピーだったし、友人のご尊父からグレコのレスポールカスタムタイプ(今思えば珍しいジョン・サイクス仕様だった)を譲ってもらったり、リッチー・ブラックモアに憧れて同じルックスのフェンジャパのストラトを買ったり(これは後々ジェフ・ベックのシェクターアッセンブリを載せたストラトに憧れて自分でピックガードを黒に交換した記憶がある。秋葉原はパーツがたくさん売っていて面白かったなぁ。今は関西人なのでパーツ類は日本橋の千石電商さんを覗きに行くことが多いけど)

アイバニーズのRGも持ってたなぁ(あれは亀井野にあった頃のジェリーズで買ったはずだ)

大変弾きやすく、「なるほど!テクニカルなプレイヤーがアイバニーズを手に取るのはそういうことか!」と深く納得し、レコーディングのオーバーダブで重宝した覚えがある(カネに困って売ってしまったが)

フェンジャパのカート・コバーン風モデファイジャガーは高校生の頃のメインギターだったし(確かイ○ベの正月セールで買ったのだ)……こうして振り返ってみるとやっぱり日本製のギターもかなり手元を通っていったのだなぁ。

今でこそモノホンのギブソンだフェンダーだ、ニューヨークエピフォンナショナルの鉄板だと曰うてる私もやっぱり日本製ギターには大変お世話になってきたのだ(改造に失敗して潰しちゃったりもしたしなぁ……ギターに申し訳ないことをしたという思いはあるがあれも間違いなく勉強の一つだったので一概に否定もできんのよねぇ……)

できればあの頃の私の如く、若者たちが日本製ギターで幾多の学びを得てくれることを願いつつ今週のライブインフォ!

【日時】

2024年7月27日(土)

OPEN12:00/START13:00

【会場】

京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)

https://maps.app.goo.gl/VReMVJt7kq9AwdK26

【チャージ】

¥2,000(1ドリンク込み)

【出演(※出演順とは異なります)】

きっちー/奥田検太郎/37'S/矢野美貴/シーゲル/指名手配/Pinky fly/MRT/茶戌/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第32回) 『フェルナンデスの倒産』は衝撃なのか?

2024-07-20 10:20:00 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ご機嫌よう読者諸賢。ハウリンメガネである。

先日のトランプ前大統領銃撃事件はとんでもないインパクトのニュースだったが、それと時を同じくして、ギター業界でもかなりのインパクトのニュースが全国を駆け巡った。

ご存知であろう。フェルナンデスの倒産である。

私が中学生だった90年代末。

街の楽器店に用もなく立ち寄っては、店内の一番目立つ位置に飾られたギブソンフェンダーUSAを憧れ100%の目で眺め、それらの近くに漂う舶来ギター独特の匂いに「これがアメリカの匂いかぁ」と意味もなく鼻を膨らませていた私だったが、当然それだけでは飽き足らず、店内のギター、ベース、エフェクター、果てはドラムコーナーまで全て舐め回すように見ていた。

そんなあの頃、楽器店に行けば必ず並んでいたのがフェルナンデスの日本人アーティストモデルであった。

時代はビジュアル系全盛期

当時はフェルナンデスESPがビジュアル系アーティストモデルメーカーの二大巨頭として君臨しており、この2メーカーのアーティストモデルだけで楽器店の1コーナーが埋められていたほどであり(正確にはESPは下位ブランドのエドワーズとグラスルーツが多かったが)、その片翼を担う勢いを誇っていたのがフェルナンデスというブランドであった。

元々はフェンダーやギブソンのコピーメーカーとしてグレコやトーカイと並び名を馳せていたフェルナンデスだが、90年代初頭からアーティストモデルのリリースに力を入れ始め、同年代末にはアーティストモデルメーカーとしての立ち位置を確立。象形フォルムのお手軽エレキとして人気を博したZO-3の知名度も相まって、日本でも屈指の人気ギターブランドとしてその地位は揺るぎないものと思われたが……近年の売上不振には勝てなかったようだ。

今回のフェルナンデス倒産にはハウリンメガネもさぞかし驚いたであろう、と思った方もおられるだろう。

確かに驚きはしたが、このニュースを知ったときの私の率直な感想は「とうとう来たか」であった。

楽器業界の内部事情に疎い私だが、そんな私の目から見てもフェルナンデスの凋落は明らかだった。

なにしろ新品のフェルナンデスのギターが楽器屋で売っていないのである。

中古でこそある程度見かけるのだが、新品コーナーを見廻すとヤマハやアイバニーズはあるのに、フェルナンデスのギターもベースも見かけない

音楽雑誌やWebの新製品ニュースを見てもフェルナンデスの名前を見かけなくなって久しい……と思っていたところに届いたのが今回のニュースだったのである。

残念ながらフェルナンデスの倒産は驚くことではない

なぜなら倒産直前のフェルナンデスの製品ラインナップを見ると「これいいな」というギターがないのである。

思うにフェルナンデス最大の問題はアーティストモデルZO-3以外の魅力的な製品をリリースできなかったことにある。

アーティストモデルというのはある意味でファンアイテムに等しく、よほど楽器としての普遍性を担保していない限り、ファン以外のプレイヤーが手に取ることは無きに等しい(ユーザーの多いクラプトンストラトはアーティストモデルという以前にストラトという普遍的なギターだし、エドワード・ヴァン・ヘイレンモデルとして売り出されたミュージックマンのアクシス[及び後継機であるピーヴィーのヴォルフガング]はその使い勝手の良さからハードロックギタリストのニュースタンダードとして今でも販売されているが、こういった例は稀有なケースである。そう考えるとレスポールはレス・ポール氏のシグネチャーとして作られたのに完全なスタンダードとなっているのだからすごい話だなぁ)。

手に取るプレイヤーが少ないということは販売本数が少ないということ。つまり、楽器メーカーが商売を継続するには普遍的な製品が必要なのである(その意味でZO-3は大変普遍的な製品だと思うが、やはりお手軽ギターというのがネックであったのか……)

ヤマハやアイバニーズは楽器メーカーとして常に新製品をリリースし続けているし、その中から新たな売れ線モデルも生まれているが、残念ながらフェルナンデスはそれを成せない状態が継続。ついに倒産に至った、というのが今回の話であろう。

 ……モノ自体はね、悪くないんだ。本当に。

だって私も一本手放さずに持っている(笑)!

90年代以降のフリップ先生がフェルナンデス製のレスポールタイプ(サスティナー付きの先生用ワンオフモデル。ちなみにサスティナーもフェルナンデスがリリースした製品)をメインに使っていたのを知ってから「サスティナー付きのレスポールタイプでいい感じのやつがあったら欲しいなぁ」と思い続けてウン年。

ある日デ○マートをぽけっと眺めていたところで目に入ったのが冒頭写真のバーニーフェルナンデスがギブソン系のモデルを作る際の別ブランド)製レスポールタイプ、RLC-105X

X JapanのPata氏モデルらしいのだが、私としてみれば「サスティナー付きの上に初期フリップ先生のレスポールカスタム的ルックス(先生ご自身のフェルナンデスはゴールドトップ)!これは……素敵!」と、近畿圏内の楽器店の商品だったこともあり、えっちらおっちら電車を乗り継ぎわざわざ試奏しに行ったのである。

で、弾いてみたところびっくりするほど素直なサウンド。

ピックアップの出力が高すぎるということもないし、サスティナードライバー兼用のせいで音が悪いと言われがちなフロントも、いやいや、言うほど悪いか?というレベルで十分使える(確かにレスポールのフロントらしい太い音ではないけれど)

そしてなによりサスティナーが面白い。電力による磁力駆動で実際に弦が振動して延々と音が伸びる様はフィードバックで音を伸ばす感覚に近く、これがクリーントーンで小音量でもできるというのはかなりの新感覚(なにせクリーントーンでサスティンを伸ばしたままボリューム奏法ができてしまうのだ)

ギターとしても作りが丁寧で弾きやすいし、ゴトー製のペグはいい具合のトルクで正確に回るし、と、「おお、90年代の日本製ギターもやるやつはやるもんだねぇ」と即決で購入(そのせいでしばらくもやしが主食になったが……)

サスティナー回路がアウトプットを通るため、サスティナーを使わなくても電池がヘタると音がヘタれるのが難点だが、それを補って中々捨てがたいマイギアなのです(こういういい具合のギターを粛々とリリースしていれば倒産せずに済んだのかしら)

しかしこれ、サスティナーが壊れたらどうすりゃいいんだろうか

フェルナンデスが製造販売している部品なのだから、それが倒産したということは供給もできなくなるわけで……困ったなぁ。どこかライセンス買い取って生産してくれんかしら(メーカーが倒産するというのはこういう事態につながってしまうのである)

色々と思うところはあるが、今回のフェルナンデスの倒産は決して特異な事ではない。

ただでさえ格差が拡がり、民間の可処分所得が減り続けている(=楽器を買う人口も減少する)上に海外からのコストプッシュインフレによって必要経費が暴騰している今の日本で楽器メーカー、楽器店という事業を維持するのは決して楽なことではないはずなのだ (この辺りは「編集長」に書いて頂きたいものだが・・・)

せめて自分のできる範囲で好きなメーカーや楽器店を買い支えようと努力はしているが……厳しいなぁ!

今の日本は需要過多によるインフレではなく、外貨の高騰によるコストプッシュインフレ(正確にはスタグフレーションか)なのだから、政府が緊縮財政を継続している限り、民間の事業は厳しくなるばかりだろう(楽器業界に限った話ではなく)

楽器業界を潰さない為にも今こそ政府は積極財政に舵を切るべきである、と断言したところで今回はここまで!

また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,28 (2024年7月16日発行) 色々な『嫌なニュース』を克服する方法!

2024-07-16 10:15:05 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

なんだかなぁ。
分かっちゃいたがキナ臭いニュースが多すぎる。
某国は銃撃事件でえらい騒ぎになっているし、某国からは不動産バブル崩壊の噂が流れてくるし、己が在所の兵庫県は知事にまつわるトラブルが連日報道に上っている。
せめて音楽ぐらいは平和にいさせちゃくれねぇか、と思っていたところに流れてきたのはフェルナンデス倒産のニュース……(この件については今週掲載予定の土曜コラムで述べようと思うのでそちらでよろしくお頼み申す)

世情にはそれなりに興味を持っている私だが、こうもあれこれ嫌なニュースが耳に入ると「嫌んなったぁ〜、もうダメさぁ〜」と思わず憂歌団の歌が口から零れてしまう。

こういう時はニュースの類を全てシャットアウトして、自分の好きなことに集中するに限る
いつも通りギターを弾くし、盤も回す。飯も作るし(雑な男飯だけど)、ふらふらと散歩にも行く。可愛い子ちゃんの動画を見もするし、本も読む。

いつもやっている事だけど、世間の噪音を全て打っちゃって好きなことだけやっているうちに「暗い世の中?知るかボケぇ!こちとらどうにか生きてくだけじゃあ!」という気分に立ち戻ってくる。

確かに憂歌団は「嫌んなったぁ〜」と歌っているけれど、でもあの歌はこう続く。
「だけど腐んのはぁ止めとこぅお〜、日の目を見るかもこのオレぇだぁってぇ〜」と。

暗いニュースに打ち倒されても、ブルースを口ずさんだらまた起き上がって生きていくのだ。

ってなところで今週のライブインフォを。

【日時】
2024年7月20日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)
https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
OA.マスター/じょ〜じ/H toY/春之介/ヤスモトテルオ/たっくん/Nobu-hey!/たけちゃん/ほろ酔い Tassie/MICHIKO☆Y/ポジメ。/Pinky fly/

んじゃまた来週!
あれ?土曜のコラムがあるからまた今週?
どっちゃにせよまた!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,27 (2024年7月9日発行) ギターの不調は自分で直す(Part 2)!

2024-07-09 08:47:21 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』

今週はライブなし故、『私の一口コラム』だけお届け!

先週書いたとおり、マイ・テレキャスターの整備に勤しんでおりました私ことハウリンメガネ。

弦高を上げてバズが解消出来たのは良いものの、やはり実際にライブでデカい音で鳴らしてみると「5、6弦は調整が足らんな……」とか、「3弦の12フレットのところだけ変なサスティンが残るな……」とかね、いろいろ気になる訳です(デカい音で鳴らさないと気づけないポイントってのがあるんですな)

で、なんやかんやと毎日ちょっと弄っては寝かせ、ちょっと弄っては寝かせを繰り返しておったのです。

で、ようやくしっくり来るところまで来たのだけど……やはり前よりも、よく鳴る!

弦高を上げたお陰で金属的な響きが影を潜め、アコースティックな鳴りが強くなっている(弦高が低いとフレットに当たり易くなるので金属的なジャキッとした響きになるんですな。逆に弦高を上げてやればまろやかなトーンに近づくのです。まあこの辺は好き好きだけど)

アンプを通してフロントで甘く弾いてやればヘンな箱ものよりジャジーな音が出るし、グイッと弾いてやればブルージーなリードもグイグイ弾ける。

センターでブリッジミュートしながらR&Bの単音リフを弾いても気持ち良いし、リアでトゥワンギーなカントリーフレーズを弾いてもこれまた楽し。

……でもリアはもうちょっとトゥワンギーにしたいなぁ……はい、こうやってまた調整に時間を費やす日々が続くのであります。

思うにエレキギターって楽器はこうやって自分の手で調整することで好みの音に近づけられる、というのが大きな醍醐味(これがアコギやフルアコだと神経も使うが、フェンダー系のエレキはネジさえ回せば大体なんとかなる)

見て楽し、弾いて楽し、弄って楽し、と三拍子揃った楽しい楽器なのでございます(そりゃ幾つになっても止められるわけないわな)

ってなところで今回はこのあたりで。また来週!

さあ、調整せねば……チキンピッキングのカントリーフレーヴァーが俺を呼んでいるぜぇ……

 

<ハウリンメガネ筆>

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【特別企画】『ダリル・ホール & ジョン・オーツ』解散への寄稿 (第3回) ハウリンメガネ編 Part2

2024-07-06 10:08:03 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ご機嫌よう読者諸賢、ハウリンメガネである。

挨拶も早々に前回に引き続き、ホール&オーツのお話を。

そもそも私がホール&オーツというデュオを知ったのは、中学生ぐらいの頃、深夜の通販番組でよくあった「80年代USAベストヒットコレクション」のようなCDセットのCMで、ワム!「ウェイク・ミー・アップ〜」辺りと一緒に必ず流れる「プライベート・アイズ」を聴いて、「あ、この曲かっこいい!」と思ったのがきっかけだった。

当時(90年代末)、既にブルー・アイド・ソウルという言葉も、アダルト・オリエンテッド・ロックという言葉も死語となっている状況であり、日本のヒットチャートはビーイングや小室サウンドが席巻中。
その裏ではグランジ、オルタナティブロックに影響を受けた日本のインディーギターロックシーンが静かに盛り上がりを見せており、筆者もまたその轟音に身と心を焼き焦がれていたのだけれど、それと並行して何故か心惹かれたのが、ホール&オーツに代表されるブルー・アイド・ソウル。

当時のヒットチャートにも和製R&Bと呼ばれて流行っていたものはあったし、それはそれで嫌いではなかったけれど、今ひとつぐっと来るポイントが足りない。そんな私の心に見事にぶっ刺さったのがホール&オーツだったのである。

ぐっと来るポイント?

ギ タ ー で す よ !

そう、90年代末の和製R&Bはヒップホップ以降のR&B、エリカ・バドゥや、ローリン・ヒル的なものであり、主役はあくまでボーカルであり、リズム。

今になればこそ,あれはあれで良いものだ、と言い切れるけれど、ニルヴァーナやミッシェル・ガン・エレファントのようにこれでもかとギターが鳴り響くロックにヤラれ、ギターが聴こえない音楽は音楽じゃないと思っていた小僧には「ギターが入ってない!」というだけでリスニング対象外(我ながら馬鹿だなぁ)

私が求めていたのはギターがちゃんと表でカッコよくロックしていて、なおかつブラックミュージックの洒落た雰囲気のある音楽……見事にどんぴしゃりでホール&オーツじゃないのさ!

実は今聴き直してみても、ホール&オーツほど見事にギターの音がロックで気持ちいいR&Bって中々ないのである。

R&Bマナーからいえば、ギターは目立つべきではない。クリーントーンで歌の後ろをきっちり支えて、気持ち良いオブリを挟んだり、小気味よくカッティングやミュートリフをキメるのがR&Bにおけるギターの定番の役割である。

が、ジョン・オーツのギターはそれらに反し、ディストーションの効いた音でリードやメロディーを弾いているのにR&B的フレーヴァーを壊さない。

何故か。
オーツのギターはちゃんとツボを押さえているのである。

まず、弾きすぎることがない
ロックギタリストだとついついねちっこくベンドやヴィブラートを効かせてしまいそうなところもサラッと弾くから鬱陶しさがなく、クールで洒落た音に聴こえる。
そして更にいえば、ギターのフレーズが常に歌に添っているのである。
彼自身がボーカリストだからなのだろうけど、歌の邪魔になるようなプレイをしない。歌に対するコール&レスポンスを意識したフレーズを選んで弾き、ギターの要らない場面では弾かないという判断を的確にしているのである。

このオーツの抑制の効いたロックギターサウンドとダリルのコンビネーションによってホール&オーツはロッキンR&B、ブルー・アイド・ソウル・デュオとして名盤をきちんと残したのである。

シティポップの再評価が行われている今こそ聴き直されるべきデュオだと断言いたしますが、如何か。

ってなところで今回はこんなところで。
じゃまた!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,26 (2024年7月2日発行) ギターの不調は自分で直す!

2024-07-02 10:37:14 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

イヤだねぇ、梅雨ですよ、梅雨
カラリと晴れた暑さならまだ耐えられるが、ジトジト雨の湿気と蒸すような暑さには辟易するばかり。
なんでも明日(これを書いているのは7/1だからつまりこのコラムが載っている今日、7/2ですな)はまた全国的に大雨との予報で……勘弁してくれぃ!

そしてこんな気候だとギターの調子も悪い!
ここ2年ばかりステージで愛用中のテレキャスターの2弦、3弦がバズっている!

ただでさえ高温多湿の日本の気候は楽器には厳しいのに、ここ最近の天候不順のせいか、はたまた私がライブで酷使しているせいか、以前から「ちょっと音が詰まる時があるなぁ、まあ弾き方で対処できる程度だけど……」と思っていた不調が顕在化してきたのであります(あと私、このテレだと結構ネックベンドをやるのでそれもあるか……酷使しとるなぁ)

とはいえ、「こりゃどうにもならん!リペアに出さにゃ!」というレベルの不調には非ず。
もともとこのテレ、買った時点で割と低めの弦高に調整されており、(ああ、このぐらいの弦高も悪くないねぇ)と微調整だけしてそのまま使っていたのですな。

当たり前の話だが、弦高は低ければ低いほどバズりやすくなる(フレットとブリッジが平行に近づくので少しネックが動くとフレットに当たりやすくなってしまう)
以前から弦高を上げたほうがいいかもなぁ、と思いつつ、生来の不精者なものでついつい後回しにしていたのだが、不調が顕在化したせいで流石の私も重い腰を上げざるを得なくなったわけです……

な〜んていってはいるが、エレキの弦高調整なんぞ至極簡単。ブリッジのイモネジを六角レンチでぐりぐり回せばそれで済むのである。
が、面倒なのはそこから。
弦高の上げ下げこそ簡単だが、自分の好みのバランスに調整して、音づまりがないか確認し、詰まっているところがあればまた調整、という作業を繰り返し、それが終われば今度は弦高を変えたことで変化したピックアップと弦の距離をこれまた自分好みの状態まで持っていく……面倒くさい!すごく面倒くさい!

でも、この調整が大事なんですな。

先述の通り、ギターという楽器は気候や環境の変化で簡単に調子が狂ってしまう。
勿論可能な限り安定した環境、湿度や温度を管理した部屋に保管しておけばある程度は大丈夫だろうが、自分の好きなギター、ライブで使いたいでしょ?
ライブで使えば汗にも晒されるし、ライブで使うために外に持ち出せば激しい温度変化にも晒される。
そうなりゃ当然調子は狂う。
じゃあどうする?

自分で調整すりゃいいんです。

確かに先述の通り、メンテは面倒くさい。
が、ちゃんと楽器の構造を理解した上で時間さえかければ自分でできるのがメンテ。
勿論、自分の手に負えないレベルの不調はちゃんと『ジェリーズギター』の様な専門店にリペアに出すべきなのだが、多少のビビりやバズりは自分で調整してやるべきです。
自分で調整すれば「ああ、俺はこのぐらいの弦高が好きなんだな」とか、「おっ、ここのネジを締めてやったらバズが消えた。やっぱりパーツの共振ってあるんだなぁ」とか、気づくことがたくさんあるんですな。

天候不順に文句を言いつつ、皆様も愛機のメンテをどうぞお忘れなく……てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年7月6日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)
https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
OA. マスター/じょ〜じ/こんちゃん/むっちぃ&マスター/大塚真一/チカピー/hisui/MORIMORI/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,25 (2024年6月24日発行) エイドリアン・ブリューお好き?

2024-06-25 21:34:47 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

ここ何回かファズの話を続けていたこともあり、エフェクターの接続による音の変化に血道を上げておりました私ことハウリンメガネ。
あれやこれやと接続順を試しては入れ替え試しては入れ替えを繰り返し、やれフランジャーはどうだ、それワウはどうだと繰り返しているうちに、ふとクリムゾンの『エレファント・トーク』のような音が出て思い出したのがエイドリアン・ブリューのこと。

なんでもブリューのおっちゃん、フリップ先生公認でトニー・レヴィンと「ビート」なるディシプリンクリムゾンをレパートリーにしたバンドを組んでアメリカを周るらしいのだけど、なんとギターがザッパ門下同窓生のスティーヴ・ヴァイ(ちなみにドラムはこれまたフリップ先生と交流のあるトゥールのダニー・ケアリー)

ブリューとトニーが居るとはいえ、ヴァイとダニーが入るとなるとクリムゾンとはだいぶ異なる音になりそうで私としてはかなり興味深いのだけど、今のところ日本に来るというアナウンスはなし(来て欲しいけどねぇ)

普段フリップ先生の方にフォーカスしがちな私だけど、ブリューのギターも好きなんですよ?
ファズの歪みとフィードバックによるロングトーンをコーラスエフェクトとトレモロアームで震わせたり(トーキングヘッズの『ボーン・アンダー・パンチズ』)、フリップ先生と拮抗するシーケンシャルなアルペジオを歌いながら弾きこなしたり(クリムゾンの『フレーム・バイ・フレーム』)、勿論十八番のギターによる象の鳴き声、カモメの鳴き声の再現も忘れちゃいけない(前者はクリムゾンの『エレファント・トーク』、後者は『マッテクダサイ』。ちなみに後者はボトルネックで弾いてるぞ!)
でも私がこの人のプレイで一番好きなのは『セラ・ハン・ジンジート』のカッティング
JC-120と思わしきパキッとした硬い音で奏でられるアフリカンビート的なリズムとインドネシアのケチャを思わせる不思議なコードリフの組み合わせは今聴いても唯一無二。

……ビートで来日しねえかなぁ!ブリューはまだ生で観てないんだよなぁ!
というクリムゾン馬鹿の独り言でございました。

てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年6月29日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
守口Ks 本店
守口市八雲中町1-2-13
大阪メトロ谷町線 守口市駅より徒歩5分
https://maps.app.goo.gl/bwnWByAVJMMmvZgu6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
みどりん/中納大輔/yosshy! /なわミンズ/hisui/あっじー/シーゲル/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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【特別企画】『ダリル・ホール & ジョン・オーツ』解散への寄稿 (第2回)ハウリンメガネ編

2024-06-22 08:42:03 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

やあやあやあ、読者諸賢、ご機嫌いかが?ハウリンメガネである。

先週の土曜は『スターマン★アルチ』が書いたジョン・オーツのライブレポートに注力したホール&オーツの総括が、かなり濃口の書き味で「おお、さすがスターマン。ロックマニアなだけあるわい。後輩ながらあっぱれ」と無駄に先輩風を吹かせてみたりした私。(まだ読んでいない方は以下のリンクでそちらも読んでくれたまえ!)

https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/19d8a2e57d5f0cc22e7d7c648a9b8e1d

で、せっかくなので今週は私もそれに便乗してホール&オーツについてポロポロと書いてみましょうというお話(というか正確にはスターマンと同じタイミングで編集長から「ホール&オーツ解散しちゃったみたいだからこのタイミングで彼らの音楽をちゃんと紹介しとこうよ」とのオーダーがあったのだけど、「え〜、なんか解散にかこつけて書くみたいで嫌なんですけど」と渋っていたら後日「来週スターマンがホール&オーツのライブレポート中心に書くから!じゃ、よろしく!」という(分かってんだろうな?)という圧をかけられて筆を執っている次第。う〜ん、体育会系の厳しさよ)

さて、ホール&オーツ
そもそも今、この人たちをちゃんと聴く人っているのだろうか。
残念ながらそんなに多くはないはずだ。どうしたって一般層の認識は「80年代洋楽ヒットチャートを賑わせたグループ」だろうし、ちょっと詳しい人でも「ブルー・アイド・ソウルの人たちでしょ?」という感想がいいところだろう。
確かに80年代にヒットを飛ばしたのはその通り。ブルー・アイド・ソウルの先駆け的存在というのも正しい。
が、本当にそれだけか。

本 当 に そ れ だ け な の か ?

思い出して頂きたい。

ダリル・ホールってフリップ先生の関係者なんだよ!

何を隠そう、ホールは先生のソロアルバム(エクスポージャー)にボーカルとして参加しているし、ホールの1stソロアルバム(セイクリッド・ソングス)のプロデューサー兼ゲストギタリストはフリップ先生。
つまり、クリムゾンファミリーの一員なのである(実際ディシプリンクリムゾンの構想段階ではエイドリアン・ブリューではなくダリル・ホールをボーカルに迎える案もあったそうな)

その視点でホール&オーツを聴いてみるとどうだ?
エイジアに通じるプログレッシブ・ポップ・ロックに聴こえてこないか?

そう、ブルー・アイド・ソウルと呼ばれがちなホール&オーツだが、そのサウンドはポスト・プログレッシブ・ロック(ニューウェイヴィーと言い換えてもいい)と言うべきアプローチが端々に聴こえるのである!

曲がポップなので一聴しただけだと流されがちなのだが、ちゃんとアルバム通して(できればアナログでな!)聴くと驚くほど「あれっ?こんな凝った音の使い方してんの?」という音がどのアルバムからも聴こえるはずなのである(この視点で聴いてみるとジョン・オーツのギターもディシプリンクリムゾン的な音に聴こえてくるから面白い)

エイジアやトーキング・ヘッズ、ディシプリンクリムゾンに通じるサウンドアプローチと、二人の書く曲とボーカルコンビネーションの良さ。
その相乗効果によって生まれたのが「ブルー・アイド・ソウル」という呼び名、そしてホール&オーツなのである(オーツが蔑ろにされがちだけど、オーツなくしてホールなし。チャゲ&飛鳥だってチャゲがいないとチャゲ&飛鳥じゃないでしょ?)

大真面目な話、エイジアが好きな人は絶対気に入るサウンドプロダクトだし、さらに言えば、プログレファンでホール&オーツを聴いてポストプログレの気配を感じない人がいたらそれはあんたプログレが足りてないよ!といいたいほどにプログレの香りがあるのである(曲によってはマグマっぽさもあったりするしなぁ。それをちゃんと黒さの強いポップスに仕上げてるから凄いのだけど)

残念ながら今になって著作権の売却の絡みで仲違いしてしまっているようだけど、まあそれは人間だから仕方ない(というかホールはフリップ先生と友達になれる人なんだから著作権にはそりゃ煩かろうよ。先生は一時期レコード会社との裁判に集中する為に引退してたぐらいなんだから)
けれど、そんなトラブルとは関係なく、彼らの音楽は今聴いても多くの面白味に満ち満ちている。
ロックファン、プログレファンこそ是非一聴、再聴をお勧めしたいですなぁ。

というわけで今回はここまで!
もしかするともうちょっとホール&オーツ話が続くやも?

じゃまた!お楽しみに!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,24 (2024年6月18日発行) 雨の日にゃぁ、こんな曲もどう?

2024-06-18 11:00:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週はライブなし!のため『私の一口コラム』だけお届け!

今、この原稿を書いているのは6/17(つまりこれがアップされる前日)なのだけど、どうやら九州や四国では警報級の大雨予報となっている模様。
私の住む関西も朝から電車が止まる可能性ありとのニュースが流れており、通り雨程度の土砂降りなら呑気に「天気が悪いねぇ、♪ア・ハード・レイ〜ン・ア・ゴナフォ〜、ってか?」なんぞと歌っていられるが、まだ梅雨入り前なのにこんな大雨警報が出ると流石に多少不安にもなる(先日、奈良のオーシャンブールバード(ライブハウス)に出た際も、駅に着いてちょっと一服つけていたらいきなりバケツの底が抜けたようなスコールに降られ、店につく頃には歩くたびにぐしょっ……ぐしょっ……と音が鳴る、妖怪ずぶ濡れ男と化していたのであります)

まあ、皆様警報には真面目に気をつけて頂きたいが、それはそれとして、雨が降るとなんやかんやと雨にまつわる曲を思い出してしまうのだからミュージシャンというのも業が深いというかなんというか。
先述の『激しい雨が降る』(ボブ・ディラン)もそうだし、『傘がない』(井上陽水)なんかも頭に浮かぶ。
が、土砂降りの雨を目の前にすると何故か私の頭に流れてくるのは『雨に泣いてる……』(柳ジョージ)なんですな。
「そぼ降る雨の〜」と歌われているのだから、激しい雨に合う歌詞ではないはずなのだけれど、あの激しい曲調と柳ジョージ氏の咽び泣く歌声とギターの音がどうにもこうにも激しく降る雨とマッチして私の心を濡らすのであります。

激しい雨に降られてお天道様に恨み言をいいたくなる気分はよく分かるけれど、そんな雨を背景に自分の好きな雨の歌を脳裏に過ぎらせるのも中々乙なものですぞ。

ってなところで雨音が聴こえてきた中、今回はこんなところでお開き。
Weeping in the rain、Hoo……ってね!

じゃ!また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,23 (2024年6月11日発行) ファズる心 Part2

2024-06-11 09:54:05 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

なぁんだ、みんなファズ好きなんじゃないの!(先週土曜の掲載コラム『メガネの遠吠え』の話であります)
つい筆が走って長々書いてしまったので推敲しながら(書きすぎたか?)とも思ったが、どうやら多くの皆様に読んで頂けたようで良うございました。

ファズってペダルはどれもこれも個性が異なるうえに、前後に繫ぐペダルやアンプとの相性で音が激変するため、好みの音を出すには色々と知識を応用してやらねばならぬ。
私もずーっと「なんでビッグマフは音量が下がって聴こえるんだ?」「ヴードゥーチャイルド(スライト・リターン)の歪みは絶対ファズフェイスだと思うんだけど、ワウを踏むとあんな音にならないのは何故?」「フリップ先生はあの甘いロングトーンとガリガリのヘヴィな音をどうやって瞬時に使い分けてるんだ?」「マッドハニーみたいな音が出るファズってビッグマフじゃないのか?……えっ、『スーパーファズ』ってビッグマフのことじゃなくてそういうファズがあるの!?」
なんてことをギター片手にアンプとペダルと格闘しながらコツコツと理解していったのです。

勿論今はネットに参考音源は山ほどあるし、情報を共有してくれる優しい人達も多い(私もお世話になっております)が、ファズ(まあ、楽器はおしなべて全てそうだけど)ってやつは実際に自分の環境で試さないと全く違う音になることも多く、こればかりはトライアンドエラーを繰り返して己で理解するしかないのです。
雑誌やネットに載っている情報を鵜呑みにせず、身銭を切って実機で試して初めてわかること、出る音ってのがあるんですな(だから機材が溜まっていく……)

なんてことをビッグマフを繋ぎながらクリムゾンを耳コピしながら思った今日でありました。

てなところで今週のライブインフォ!

【日時】
2024年6月15日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
京都四条大宮Ks(京都市下京区四条大宮町27-4 KODOビル2F。阪急京都線・大宮駅、京福嵐山線・四条大宮駅より徒歩1分)
https://maps.app.goo.gl/VReMVJt7kq9AwdK26
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
きっちー/Lazuli/ぎんちゃんず/ムーヤン/たくみ&すどやん/吟天上/ハウリンメガネ

んじゃまた来週!

<ハウリンメガネ筆>

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第31回) 明日は『ロックの日』その前夜祭に『ファズの名器』を徹底解説!

2024-06-08 11:09:00 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

ご機嫌よう読者諸賢。ハウリンメガネである。

今回は火曜の予告通り、ファズの話をしよう。
私もファズは好きなので長い話になるが最後まで何卒お付き合い願いたい。

そもそもファズとはなんぞや。

今でこそ歪み系エフェクター1ジャンルという扱いになっているが、ファズというエフェクターが内包するその要素は多岐に渡る。
オーバードライブ的なもの、ディストーション的なもの、はたまた無理やり波形を弄り、シンセ的な音が出るものまで様々である。
唯一共通しているのは『歪ませる為のアタッチメント』という点のみ。

だが、それも当然のこと。
ファズが誕生した当時はオーバードライブという名のペダルも、ディストーションという名のペダルもまだ生まれていなかった。

つまり、ペダル単体で歪みを生み出すエフェクターはこれ全てファズだったのである。

故にファズと呼ばれる幾多のペダルはどこか荒々しさのある歪みという点こそ共通しているが、各々の音の違いはファズという一つの名称で括るのは困難を極める。

ディストーションライクなのか、オーバードライブライクなのか。
トレブリーなのかブーミーなのか。
ゲート感が強くブチブチとサスティンが途切れ途切れになるものなのか、スムーズにサスティンが伸びるものなのか。
ノイジーでドンシャリのジャージャーした歪みなのか、ローやミドルの強いファットな歪みなのか。

上記全ての要素を"ファズ"の一言で括れるか。否である(まあ、そんなことをいうとオーバードライブならTS系とかCentaur系があり、ディストーションならRAT系やガヴァナー系というようにそれぞれ違いがあるのだからオーバードライブやらディストーションやらの一言で括ってくれるな、という話になるのだけどファズの振れ幅と比べればまだましなのではなかろうか)。

さらに恐ろしいことにビンテージになると同じメーカー、同じ名前、同じ見た目のペダルなのに回路のバージョン違いで音が違うし、その逆に違うメーカー、違う名前、違う見た目なのに実際は他社OEMによる同一回路のペダルだったりと、まさに沼としか言いようのない深淵が広がっているのである。

ここにパーツによる個体差まで絡むのだから、そこまでくるとファズマニアの人々のいう、

Q.なんで同じエフェクターを何台も持ってるの?
A.だって全部音が違うんだもん!

という結論に落ち着くのだろうが、これでは「オーバードライブやディストーションは持ってるから次はファズが欲しいなぁ」というファズ初心者の方にはちと、とっつきづらかろう。

というわけで前置きが長くなったが今回は私の手持ちのファズを例に、世の中にどのようなファズがあるのかをざっくりと説明してみよう(今回の説明に出てこないファズも世の中には山ほどあるのでその辺りはご寛恕の程よろしくお願い申し上げる)。

私も多くのギタリストのご多分に漏れず、歪み系ペダルは昔からオーバードライブやディストーションも含めて買っちゃ売りを繰り返してきているが、そんな繰り返しの中でいま手元にキープしているのがこの4台。

左から右へ向かって
①Wren&Cuff Garbage Face
②Maxon Fuzz Elements Air
③MXR Super Baddas Variac Fuzz
④Dunlop FFM3 Fuzz Face Mini Hendrix
である。

順番は前後するが、まずは④Dunlop FFM3 Fuzz Face Mini Hendrixからいこう。

これはいわゆるファズフェイスというファズ(ジミヘンが使っていたことで有名)
よく「ファズは手元のボリュームで激歪からクリーンまで変えられる」という話が出るが、そういうことがしたいなら使うべきは間違いなくこの手のファズフェイス系のペダルだ。
ファズフェイス自体のコントロールはファズ(ゲイン)もボリュームもほぼマックスにしておいて、手元をフルにすればローの強いムワッとした暑苦しいファズトーン。そこから手元を1目盛りほど絞るとファットなドライヴトーン、そこからさらにもう1目盛り絞るといなたいクランチ、さらに絞れば枯れたクリーンへ、グラデーションのように歪みが変化してくれる。

もちろんアンプの歪みでも同じことはできるのだが、ファズフェイスを挟むとアンプのクリーン〜歪みの範囲が拡張されるというか、歪みはより激しい領域まで、クリーンはより枯れた領域まで使えるようになる、というのが私の印象。

ただ問題がいくつかあり、ファズフェイス系のペダルは前段にワウを置くとワウの効きが悪くなる(というかほぼ効かなくなるうえにピーピー発振までする)。

これを解消するにはワウとファズフェイスの間にバッファ(ないしオンでインピーダンスが下がるペダル、オーバードライブとか)を挟んでやればいいのだが、ファズフェイスは前段にバッファが入ると(つまりファズフェイスに入る信号がローインピーダンスになると)全体のゲインが上がり、ローが出すぎたり、手元のボリュームを4〜3辺りまで下げてもゲインが落ちきらず、直で差したときのようなクリーンは出なくなってしまう(これはこの手のボリュームによく反応するファズ全般にいえる)。
もちろん前段にワウがあっても問題なく使えるファズフェイスもあるのだが、これは個体差もあるので、私はこれについてはワウをファズフェイスの後ろに持ってくることで対応している(なのでファズの後ろに持ってきてもピーキーにならないワウが必要になり、その為にアイバニーズのWH10v3を買った訳です。ファズとの相性を考えると他のペダルまで変える必要に迫られるからファズは業が深い……)。
とまあ、多少の問題はあるが、ブルースロックやジミヘンごっこがしたいなら間違いなく選択肢に入れるべきファズがファズフェイスである。

次。
①Wren&Cuff Garbage Face

これはダイナソーjr.のJ・マスシスが所有するビッグマフ(ラムズヘッド期)のクローンペダル私、J・マスシスのファンなんです……)。

私は昔からビッグマフが好きで、初めて買ったエフェクターはビッグマフのロシアン(黒)だったほどなのだが、ビッグマフもまたバージョンが大変多い。
ざっくり分けると
・トライアングル(1stバージョン)
・ラムズヘッド(2ndバージョン)
・3rdバージョン
・ロシアン(アーミーグリーン)
・ロシアン(黒)
と、色々あるのだが、全体的に言えるのはディストーション寄りのファズ、ということ。
先程のファズフェイスのようにボリュームを絞ったらクリーンが〜というような応答性はほぼなく、手元を下げていようが、ソフトにピッキングしようがこいつをオンすれば「私がファズディストーションでございますがなにか?」と言わんばかりの歪みが溢れてくる。
ゲート感のない伸びやかなサスティンもビッグマフの魅力の一つで(ゲインノブの名前がサスティンとなっているだけある)デヴィッド・ボウイのヒーローズフリップ先生が披露している超ロングサスティンのディストーションギターもトライアングルビッグマフ(正確にはエレハモがギルドにOEMで卸していたフォクシーレディ)を使って、フィードバックさせながら弾いたものだそう。

私の使っているこのペダルはどこかブラウンサウンドにも似たサウンドで、フルゲインでコードを弾いてもコード感が崩れず、m7や9thを弾いてもコードとして聴き取れるのが大変良い(ただし、これはラムズヘッド期の特徴なので、3rdやロシアンだとコード感はあまり出ないので注意されたし)。

そしてビッグマフの問題は音量
まず、アンプ自体が歪んでいるとファズの歪みとアンプの歪みでアンプが飽和するため音量が頭打ちしてしまい、オンした瞬間に音量が下がったように聴こえてしまう。
が、これは極力クリーンなアンプを使えばOK。
で、問題はそのあと。
こいつをオンした状態でリードが弾きたい、と思って後段にブースターを置いても何故か音量が上がらない
これも先述の歪みによる飽和とそれに伴う音量の頭打ちが原因。
これを回避するにはマフの後段にボリュームペダルなどを置いて、バッキングとリードで音量を調整する(これはフリップ先生方式)か、もしくはマフの前段にオーバードライブなどのボリューム調整ができるペダルを置いて、バッキングの時はそちらをオンし、音量を下げる(これはJ・マスシス方式)、というのが有効。

グランジ・オルタナティブロックで聴けるディストーションサウンドが欲しい人なら間違いなくビッグマフは気に入るだろうし、フリップ先生のディストーションサウンドが好きな人にもマッチするのは間違いない。
(なお余談になるが、実はこのペダル、レンジマスター(トレブルブースター)クローンとビッグマフの2in1ペダルで、このレンジマスター部がとても良い。レンジマスターはある意味ファズの親戚といえるところがあるので気になる人は調べてみてほしい)

さあ次は②Maxon Fuzz Elements Air

これはユニヴァイブでおなじみ、shin-ei(もしくはそのOEM先であるunivox)のsuperfuzzのクローンペダル(公式にはアナウンスされていないが、音とコントローラの名前からいくとsuperfuzz以外ないはず。MaxonのFuzz Elementsシリーズは過去のFuzzの名器の再発がテーマらしく、良さげなペダルがラインナップされている。店頭で全く見ないのがネックだけど)

superfuzzといえばピート・タウンゼントも使っていた名器(ただ彼は歪みというよりフィードバックさせる為だけに使っていた模様)だが、意外なことに日本製ファズなのである。

日本製ファズというと他にはローランドのBeebaaや、ELKのビッグマフサスティナーなどが有名だが、面白いことにどれも鬼のようにドジャー!と歪むペダルで、当時のエンジニアの方々がどういう感性でこれらを開発していたのか……永遠の謎である。

それはさておき、このsuperfuzz、実はオクターブファズである。
オクターブファズといえばジミヘンが使っていたオクタヴィアが有名どころだが、このsuperfuzzもかなり面白い。
オクターブファズというのは電子回路で無理やり実音に対するオクターブ下、もしくは上の周波数を作り出すのだが、その回路構成上、コードを弾くと音がグシャグシャになり、カオティックな音になる。
メジャートライアドやマイナートライアド程度ならなんとか聴き取れるが、7thコードやテンションコードを弾こうものならルート音すら分からなくなるカオス。
だが、その破壊力は抜群で、こいつを踏んでリフやパワーコードを弾けば、全てが吹っ飛ぶようなロックサウンドを展開できる(実を言えば『太陽と戦慄part.1』で聴ける破壊的なディストーションサウンドが欲しくて、ファズを探し回っている時に見つけたのがこれだったのだ)
上下のオクターブの混じったドジャー!とバケツを引っくり返したような雨にも似たディストーショナルな歪みの洪水はこれにしか出せない魅力に満ち溢れている。
欠点はこれまた歪み過ぎによる音抜けの悪さなのだが、こいつについては「音量を上げて使え!以上!」と言い切りたい。そんなディストーショナルなファズである(意外なことにボリュームへの反応はすこぶる良く、手元の操作でクリーンまで下げられる。ただし、手元を下げてもオクターブが混ざるためコードの分離はよろしくない)

さあ、これで最後。③MXR Super Baddas Variac Fuzz!

これが手持ちのファズでは一番の新参者。
買った理由は……ジョン・フルシアンテが導入しているからである!
もともとジェフ・ベックのペダルボードにこいつが入っていたのを見ていた私は、レッチリ復帰後の彼のペダルボードにこれが乗っているのを見つけ、(うーん、ジェフもジョンも使ってるならいいファズっぽいなぁ、試してみたいなぁ)と急ぎ楽器屋を歩き回ったのだが、そこはジョン効果、私と同じような人が沢山いたのであろう。それまで楽器屋で何度か見たことがあったはずなのにどこに行っても在庫がない!(私も人のことはいえないが、人気のあるギタリストが使ってるエフェクターの記事が出ると市場から在庫が消える現象、どうにかならんかね)

そんなこんなで暫く入手を諦めていたのだが、ある日ふらふら楽器屋を廻っていた際に、現品特価で売られていたのを見つけ、無事入手したのであります。

試した第一印象は「便利なファズ」の一言。
ファズとしてはオーソドックスな歪み方だし、手元のボリュームを下げればそれなりにクリーンまで持っていける(ただファズフェイスのようないなたさはない)
ゲインをゼロにすればファジーなブースターとしても使えるし、電圧可変ノブがついているので、そこでファズらしさを強調することもできる。
手前にワウを持ってきてもちゃんと掛かるし、手元を下げた時のクリーンに色気がないことを除けばかなりバーサタイルなファズ、という印象であった。

で、このペダル、製品紹介にシリコンファズをベースに電圧可変回路を追加と紹介されているのでファズフェイス系かと思っていたのだけど、先日の「ファズで歪ませた〜い!」気分の際に取っ替え引っ替えファズを繋ぎ替えていた時のこと。
ファズフェイスの後ろにこいつを繋ぎ、両者をオンしたところ、Variac Fuzz単独では聴いたことのない音が出てきたのである。

ジャミジャミとでも表現したらいいだろうか、いつもより明らかに上の帯域の倍音が聴こえるのである。
(なにかで聴いたことがある音なんだが……)
とそのまま弾き続けていたのだが、ふと気付いた。
「これジミヘンのオクタヴィアっぽくねぇか?」

そう、調べてわかったのだが、このファズ、オクタヴィアからオクターブ回路を抜いてトーンと電圧可変回路を足したものらしいのである。

単独だと気づかなかったが、前段にファズフェイスを挿して使うと確かにオクターブ抜きのオクタヴィア、といった風情の音なのである(オクターブ抜きのオクタヴィアってなんだ、って話だが、まあ蕎麦でいう天抜き、うどんでいう肉吸いみたいなもんだと思えばまあまあ……納得できるか!)

先述のファズフェイスのインプットインピーダンスもそうだが、ペダルにせよアンプにせよ、美味しいところが出やすいインプットレベル(インピーダンス含む)、というのはあるようで、このVariac Fuzzはインプットレベルを結構突っ込んでやるとオクタヴィア的な上の倍音がとても気持ちよく、今まで「便利なファズだなぁ」としか思っていなかった己を束の間恥じつつ、ひたすらジミ的フレーズを弾き倒した私であった。

斯様にファズというのは幅広く、他との組み合わせでその音色が変化するものなのである。

何故我々はファズに心惹かれるのか。
ファズというペダル自体の面白さもある。
だがそれ以上にロックの創成期、ギタリストの傍らには常にファズがあったという浪漫が我々を惹きつけて離さない。
ジミヘンのファズフェイスとオクタヴィア。
ジミー・ペイジやジェフ・ベック、ミック・ロンソンのトーンベンダー。
フリップ先生のバズアラウンド、トライアングルビッグマフ。
デヴィッド・ギルモアが使っていたファズフェイスとビッグマフ……等々、ファズの歴史はロックギターの歴史とイコールなのである。

さあ、ここまで読み進めてくれたギタリスト諸君、浪漫に触れたくなったんじゃないかね?
ファズを踏もう!そして浪漫に触れてみようではないか!

……ついでに大勢がファズの沼に足を突っ込んでくれることを願いつつ……ハウリンメガネでした!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,22 (2024年6月4日発行) ファズる心

2024-06-04 10:09:48 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』!

今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け……しません!

 

今週はライブなし。

先週が土日ともライブだったので今週はスケジュールを空けたのであります。

 

が、こうしょっちゅうあっちこっちで演奏していると体が週1でライブをやるペースに慣れてきているのか、「あ〜別に今週も1本入れといてもよかったかもなぁ」と思ったりもするのだから人間というのは不思議なものです。

 

とはいえライブがないからといってやることが大して変わるわけでもなし。

相変わらず鍵盤との格闘は続いているし、鍵盤のおかげか、ギターの指板上の音が以前より視えてきたこともあり、あ、あのフレーズはこの音階で弾きゃいいのかと、ついギターにも手を伸ばし、鍵盤と竿を行ったり来たりの平常運転でございます。

 

ここ数日もまた性懲りもなく「ギターを歪ませた〜い!歪ませた音で『21世紀の精神異常者』が弾きた〜い!」という欲求に駆られ、手持ちのファズを取っ替え引っ替え、配列を入れ替えては、あ〜でもないこ〜でもないと一人唸り、セッティングを変えているうちに、あれっ、こんな音も出るファズだったのかっ!?ややっ、こっちのファズとあっちのファズをこう組み合わせると……おお、こんな使い方が!と頭を抱えておったのです。

 

というわけで、是非ファズの話を書こうと思ったのだけど、今週は土曜コラム、『メガネの遠吠え』も掲載予定ゆえ、今回はこの辺りで筆を置き、ファズの話は土曜版でさせて頂く。乞うご期待!

 

じゃ、また土曜!さあ、あっちのファズとこっちのファズをまた入れ替えてみねば……

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,21 (2024年5月28日発行)コレが本当の『大人のおもちゃ』

2024-05-28 11:06:25 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』!
今週も『私の一口コラム』『その週のライブインフォ』をお届け!

どうやら土曜コラムで書いた鍵盤ド素人によるキーボード入門がご好評頂けたようでなにより。
私自身ここまでハマってしまうとは思わなんだ。なにせポロポロ適当に白鍵をコードを弾いているだけで、「ややっ、これはニール・ヤングの『ライク・ア・ハリケーン』ではないか!」やら、「むむっ!単純な横移動だけでボブ(・ディラン)の『見張り塔からずっと』が弾けるぞ!」やらと気づけてしまうのだから楽しくて仕方ない(世の中の名曲がいかにダイアトニックコードで作られているかよく分かりますな)

これだけ面白いのだから是非読者諸賢も始めてみては如何か、ということで今回は私が買ったキーボードのご紹介(メーカーの回し者じゃないよ!)

こちら、YAMAHAの「PSS-A50」という37鍵盤のミニキーボード(鍵盤もミニサイズ)
サイズ的にはCASIOなどが出している子ども向けの教育用キーボードを一回り大きくしたぐらいのもので、片手でもひょいと持てるお気軽キーボードである。

通常この手のサイズの初心者向けキーボードは初心者向けに「デモソングと一緒に学ぼう!光る!ナビゲーション機能!」やら「音感を鍛えよう!音当てクイズ機能!」やらついているものが多いのだが、これはその手の機能は一切載っていない
その代わりにリアルタイムでプレイを録音し、ループ再生できるループレコーディング機能や、シンセ弾きにはお馴染み、アルペジエイター(鍵盤を押さえるだけで押さえた音階に沿ったフレーズを自動で鳴らす機能。ドラムの音色を選べばドラムのビートも鳴らせる)が載っており、価格こそ初心者向け(1万2〜3千円ぐらい)だが、機能は中々玄人好みなのである。

鍵盤もミニサイズながらYAMAHAが出しているrefaceシリーズ(エレピやらFMシンセやらに特化したミニキーボード)に搭載していた機構を流用しているらしく、弾き心地も良い(初心者が何をぬかすかと思われるだろうが、そう感じたのだからしょうがない)し、本体にモノラルスピーカーが載っているからこれ単体で気軽に音も出せる(ヘッドフォンアウトからスピーカーに繋げば中々に音もよい。私はこいつをオルガンの音色にした上でギターのエフェクターをつないで「おお!俺は今ジョン・ロードだ!」などと一人悦に入ったりしとります)

キーボード始めてみたいなぁという人は勿論、私のように音楽はやっているが鍵盤初心者、という人間や、鍵盤は持っているけど、軽くて気軽に弾けるキーボードが欲しい、という人にもジャストフィットないいキーボードであります。

そのうちギターとこいつを持ち出してフリップ先生の如くギターと鍵盤の二刀流ライブ……なんて夢想もしてみるが、まぁた荷物が増えるかと思うと……腰が重いですなぁ。

というわけで今週のライブインフォ!今週は土日ともライブ!

土曜日は大阪の八尾!

【日時】
2024年6月1日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
八尾X1(大阪府八尾市西山本町6-6-15喜多ビル2F 近鉄大阪線河内山本駅より徒歩8分)
https://maps.app.goo.gl/iq4wjJm4BBjp7gZK8
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
さとみん/すーきゃん/南澤達也/ポジメ/師匠/ハウリンメガネ

日曜日は奈良!

【日時】
2024年6月2日(日)
OPEN16:30/START17:00
【会場】
Ocean Boulvard オーシャンブールバード
奈良市大宮町7丁目2-23 三和佐保川ビル1F104(近鉄新大宮駅より徒歩5分)
https://maps.app.goo.gl/6yanCAbetW4U64CA8
【チャージ】
¥1,500(要別途1ドリンク)
【出演(※出演順とは異なります)】
とみぃ/わっは/SNAPY/チープス/ハウリンメガネ
※ハウリンメガネは18時半頃出演予定

ご来場お待ちしております!じゃまた来週!

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第30回) メガネの「鍵盤(ピアノ)初歩の初歩講座」

2024-05-25 10:55:01 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

御機嫌よう読者諸賢、ハウリンメガネである。

火曜コラム『今週のハウリンメガネ』で書いた通り、キーボードにお熱真っ只中の私。

今回は実際に触ることで気付いた鍵盤の利便性についてツラツラと書かせていただく(以下、キーボードのことをピアノと記す。ピアニストの方には怒られそうだが……)

まずピアノの白鍵はCメジャーダイアトニックスケール及びその平行調のAナチュラルマイナーダイアトニックスケール)に特化された並びとなっている。

こう書くとややこしそうに見えるが、要は白鍵だけ弾けばドレミファソラシドが鳴るように並んでいるということ。
これ「何を今さら、当たり前じゃないか」と思わないで頂きたい。
この配列こそがピアノをシステマチックな楽器として成り立たせているのである。

C(ド)を基準とすると、白鍵の並びは左から右に
C(ド)、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、G(ソ)、A(ラ)、B(シ)
となる。

Cメジャーダイアトニックコードはこの7音だけで構成されている。

3和音でいうと、
C△(メジャー)ならC(ド)、E(ミ)、G(ソ)。
DmならD(レ)、F(ファ)、A(ラ)。
EmならE(ミ)、G(ソ)、B(シ)。
以下同様に、F△、G△、Am、Bdim、と続く。

そしてこの積み重ね方を白鍵上に並べると、綺麗に一つ飛ばしで並んでいることが分かる。

つまりピアノという楽器は白鍵だけを同じ指の形(同じ間隔)で押さえればC△、Dm、Em、F△、G△、Am、Bdimの7つのコードが弾けるように出来ているのである(なお、4和音のコードも同様の法則なので、CM7ならC、E、G、B。Dm7であればD、F、A、Cと同じように一つ飛ばしで積み重ねればよい)

この7つのコードと並びはキーこそ違えど大変多くの曲で使われているので、この7つが鳴らせれば曲が弾けるのである(例えばみんな大好き「Let it be」もこのCメジャーダイアトニックで構成されているし、CメジャーキーでブルースをやるならC△、F△、G△が弾ければバッキングはできるのである)

更に便利なことにこの基本形、C△でいうとC、E、Gの並びだが、これ、指をひとつふたつずらすだけで別のコードにできるのである。
Gだけ右に一つずらすとC、E、Aとなるが、これをAから並べるとA、C、Eとなり、これはAmコードである。
EとGを右に一つずらすとC、F、Aとなるが、これをFから並べるとF、A、Cとなり、これはF△コードである。
Cだけ左に一つずらすとB、E、Gとなり、これはEから並べるとE、G、BでEm。CとEを左に一つずらすとB、D、GでG△
これ、要するにギターでもお馴染みのオンコード(A/CやF△/C)、転回形コードなのだが、ピアノだとこの転回形を積極的に使うことで手のポジション移動を少なく、かつ、音のつながりをスムーズにコードチェンジができるのである(以前編集長と鍵盤の話になった際に「鍵盤弾きの書く曲ってコードチェンジが多いんだよなぁ」という話題になったが、この指一つでコードチェンジできるという利便性の為ではないかと弾いていて気付いた)

というように触れば触るほど鍵盤ならではの利点は多いことに気付かされたが、鍵盤で理解したことをギターに持ち込めば、さらに理解が深まるであろう予感をひしひしと感じている今日この頃なのであります。

というわけでまだしばらく鍵盤と格闘する日々は続く!

じゃまた次回!

<ハウリンメガネ筆>

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毎週火曜日は『今週のハウリンメガネ』Vol,20 (2024年5月21日発行)私が今ハマッテイル楽器とは?

2024-05-21 10:55:02 | 「ハウリンメガネ」の「ヴァイナル中毒」&more

毎週火曜日にご機嫌よう!『今週のハウリンメガネ』
今週も『私の一口コラム』と『その週のライブインフォ』をお届け!

スターマン★アルチ「ギターを弾け!」という情熱的名曲を取り上げたところに誠に申し訳ないのだが、私、ここ2週間ほどギターにまともに触れていない。

こう書くと、「怪我でもしたのか」「ついに情熱を喪ったか」「レッチリが観られないから不貞腐れているのか」等々の憶測を招きそうだがそういうことではない。

実はこのところ、奴の十八番でもあるキーボードばかり弾いているのである。

ゴールデンウィークの後半。
「時間もあることだしここは一つ腰を据えて音楽理論の勉強でもするべえか」と思いたち、片手にギター、片手にペンという出で立ちで「ここが短3度だからもう短3度重ねたらディミニッシュ……」なんぞとやっていたのだが、しばらくやっているうちにどこが何度だか分からなくなり(ギターってのはなんでこう度数が分かりにくいんだ。もっと簡単に分かりやすい楽器があっても良かろうが)とブツブツ独りごちる私に天啓が降った。

(メガネよ……ハウリンメガネよ……世間にはピアノというものがあることをお忘れですか……)

oh!そうだ!古今東西、音楽教育の定番楽器といえばピアノ!
思えば子供の頃からあの白黒鍵盤配列の意味が分からず、ピアノは疎か鍵盤ハーモニカもまともに弾けなかった私。
だが今なら!音と度数というものを理解した今ならあの白黒鍵盤を通じて音楽を学べるのではないのか!

そんな天啓に導かれ、ゴールデンウィークに神戸は三宮の某楽器店で買ったのがこのヤマハのミニキーボード!

最初は「ここがCだからCメジャーはこことここと……」と覚束ない手元でふにゃふにゃと鍵盤を触っていたのだが、2時間もすると「あ、ここが7度だからこう押さえれば……あ、そうするとここが転回形になって……なるほど!もの凄くなるほど!」と、ものは試しと買ってみたキーボードのおかげで猛スピードでお勉強が捗ってしまっているのである。

ギターだと物理的に押さえるのが難しいコードもキーボードなら簡単に押さえられる上に、この白黒鍵盤のおかげでそのコードがどんな度数で構成されているのか、他のどのコードと近似なのかが視覚的に分かりやすいという便利さで、思わずギターも弾かず「こうか!?こういうことか!?」とついつい鍵盤と向き合っていた、というここ2週間の私だったのである。

色々と理解したことについては長くなるので別途今週土曜のコラム「メガネの遠吠え」で述べさせて頂きたいと思うので今回のコラムはここまで!
そして今週のライブインフォ!

【日時】
2024年5月25日(土)
OPEN12:00/START13:00
【会場】
深江橋Ks(大阪府大阪市東成区神路1-5-12 GALAXYビル7F、大阪メトロ中央線深江橋駅より徒歩3分)
https://maps.app.goo.gl/Dt5Yaf8Nr1muKzYU6
【チャージ】
¥2,000(1ドリンク込み)
【出演(※出演順とは異なります)】
O.A.マスター/岡根正純/seiji/じょ〜じ/組橋泉/Nobu-hey!/ハウリンメガネ

じゃ!また土曜!

<ハウリンメガネ筆>

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