いよいよ大晦日だ。
当店主催のテニス大会「JTPツアー2017」
再開した当ブログ
97年が20年も前だなんて…
こーいうのこそ、興ざめ…だぜ!
クリスマスも終わり、
「高橋まつりさん」が自殺し、早2年が経つそうだ。
いくつものクリスマスを過ごして来た。
大きな大会なのに俺はバカらしい
《MASH》
あっという間に年末…
今日は何の日?
読者諸賢、ハウリン・メガネである。
昨日に引き続きウィルベリーズの話である。
今回は
トラベリング・ウィルベリ「Vol.3」
(90年 EUオリジナル 西ドイツプレス盤)
私は前回書いた「Volume One」を聴き終え、
「にんまり」しながら盤を置き換えた。
1stがあれだけ「レイドバック感」
を匂わせていた以上、
同系の深化をしていると予想していたのだ。
僕はどうしてもボブの
「しゃがれたグルーヴ」
(分かるかなこの表現。
僕にとってボブのグルーヴは
"うねる"でも"巻き込む"でもく
"しゃがれている"のだ)
が好きで、「Volume One」収録曲「Congratulations」のような方向を期待していた。
そして針を落とした。
針を落としてA-1が鳴った瞬間に
僕は慌ててステレオのボリュームを落とした。
音がデカい!
ステレオの前でうろたえつつ、
そのまま続くA-2でうーむ、と唸りつつ確信した。
これ、盤自体のカッティングレベルが高いのだ。
マトリクス単位でのカッティングレベル差
というのもあるだろうし、ユーロ盤という特性もあるだろう。
ただ、これはおそらく違う。
ウィルベリーズ自体が
「高い音圧」を望んでいたのだ。
サウンドプロダクトの印象で僕はますます確信を深めた。
この盤、リンの印象が少ない。
さらに言えばこれはトムの音だ!
リンとトム
この2人のバランスの変化は2人がからんだ次作
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの名盤
「Into The Great Wide Open」(91年)
で見せる
リンの控えめなプロデュースっぷりへとつながっていく。
前作の発表後、
レフティことロイ・オービソンの急逝に見舞われたウィルベリーズは
今作をロイ抜きの4人で製作している。
実際の力関係は不明だが、
前作は元々ジョージの大ヒット・アルバム
「Cloud Nine」からの発展であり、
あれはリンがプロデューサーだった。
おそらく今作で初めて最初から4人で作る、
となった際に、一番若いトムに最も馬力があったのだと思う
(そして皆がトムの力量を信頼して任せたのだろう)。
サウンドのバランスが前作よりロック寄りになっており、
それに引っ張られるように全員、
ボーカルのテンションが高い。
もっと言えばサウンド全体のテンションが高い。
明らかに"ロック"に寄せている。
そう、ロックバンドとしてのウィルベリーズは
この「Vol.3」で完成されたのである。
前作以上に全曲で満点を差し上げたい大名盤なのだが、
ここはあえて、A-2「Inside Out」
と
B-3「New Blue Moon」を押しておこう。
前者はレイドバックしつつもタイトなボーカル・コーラスワークが楽しめる名曲。
後者はオリエンタルなムードを漂わせるコーラスワークに
全員が各々のカラーを出したボーカルを乗せている名曲である。
※前回からの繰言になるが、「Vol.3」も当然ヴァイナルじゃなきゃ駄目だ。
※「Vol,3」は「Volume One」よりもCDでの「ノッペリ感」が酷く、
ここまで私が書いてきた内容が
まったく意味をなさなくなってしまう。
※大事なことなのでもう一度言う。
ヴァイナルで聴け!
さて、ウィルベリーズのオリジナルアルバムはこの「Vol.3」と
前作の「Volume One」の2枚だけ。
先日トムも亡くなり、
残されたのはボブとリンだけとなってしまった。
本当に残念でならない…
もはや復活することは出来ないが、
この2枚の名盤を残したウィルベリーズは
本当に素晴らしい「バンド」だった!
という事実。
この事実に裏付けられた音こそ、色褪せずに
僕らの音楽ライフに一生残り続けるのである。
そしてこの盤何度も言うが、
やっぱりヴァイナルで聴かなきゃならぬ!
ヴァイナルなら、きっと伝わる!
きっと泣ける!
きっとハウル!
ハウリンメガネでした。
Mash氏のブログ読者諸賢初めまして。ハウリン・メガネである。
現在明石在住の私がここでヴァイナルレビューをすることになった経緯はおいておく。
ただ、一言だけ。
どんな音源もCDでは無くヴァイナル!
そう、レコード(アナログ)盤で聴け!
と言うこと。
重要なのは盤である。
さあ、盤の話をしよう!
さて、今回ご紹介する盤はトラベリング・ウィルベリーズの1st、「Traveling Wilburys Volume One」
(EUオリジナル盤 西ドイツプレス)
ご存知
ネルソン
オーティス
ラッキー
レフレィ
という
「ウィルベリー兄弟」
に
チャーリー・T・ジュニア
を加えたファミリーバンド...
って、んな訳あるか!
もう皆さんご存知でしょう。
このウィルベリーズは覆面バンドなのだ。
そのメンバーはこちら!
・ジョージ・ハリスン(ネルソン役)
・ボブ・ディラン(ラッキー役)
・ジェフ・リン(オーティス役)
・ロイ・オービソン(レフティ役)
・トム・ペティ(チャーリー役)
見よ、この泣く子も黙らず笑ってしまう面子。
そう、このウィルベリーズ、とんだ覆面バンドなのである。
そもそもの始まりはジョージの名作「Cloud Nine」からの
EPカット時にB面曲を作る為
ジェフとロイに声をかけたのがきっかけだ。
「B面だけでいいや」と声をかけたはずが、
びっくりするほどいい曲が出来てしまい、
アルバム単位の作品に発展したらしい。
(可笑しいのはディランのスタジオを借りたついでにディランを誘い、トムに貸していたギターを返してもらう時にトムも誘ったというエピソード。フレンドリーなジョージらしい話)
肝心の内容だが、
上記のエピソードのとおり、
アルバムまで発展したのが納得の出来なのね。
で、ここからはあくまで
「レコードで聴いたレビュー」である。
※CDだと声と演奏の生々しさが消え てしまい、
端的に言って、ダラダラしたプレイに聴こえてしまう。
※レコードからは
「バンドの」ウィルベリーズが聴こえてくるが、
CDだと悪い意味で
「スーパーグループ」的な音になってしまっている。
※(最悪なのはこのバンドの良さである
コーラスやハーモニーが「のっぺり」と聴こえてしまい、
せっかく集まった5人の声の良さを殺していることだ。
※私やMash氏が
「ヴァイナルだ!ヴァイナルしかねえんだ!」
と言っている理由はこういう改悪というべき事がCDだと多すぎるからだ)
それでは、曲を追って行こう!
A-1の「Handle With Care」
からジョージ、ロイ、ボブ&トムが代わる代わる歌い、
カラフル&ビートリーな印象で始まる。
(というか、この曲だけでジョージのスライドやボブのハープがきっちりキメられており、
この曲だけでも「おなか一杯」である。
ちなみにこれが当初B面に入るはずだった曲。)
そこからボブがメインボーカルを張るA-2や
リンが気持ちよく声をドライヴさせるA-3へなだれ込む。
ちょっと「Ob-La-Di, Ob-La-Da」っぽくもあるA-4は
メインボーカルのトムにロイが柔らかく絡み、
A面最後を飾るA-5「Not Alone Any More」は
これぞELO!と言うリン感の強いバックに
哀愁の男ロイが歌い上げるこれまた良曲。
続いてB面。
B-1の「Congratulations」は
近年のボブのアルバムに入っていてもおかしくない、
レイドバック感たっぷりの歌い上げロック。
ボブのしゃがれた声に寄り添う全員のコーラスが美しい。
ELOをバックにボブが歌う趣きのB-3では
ジョージのスライドがクールにキまっている。
続くB-4はこれまたボブが往年の吐き捨てるような歌い方で
バキバキにキメている
(ちょっとHurricaneぽい)
最後のB-5はジョージをメインに
全員がヴァースを回していく、
このバンド
(これはプロジェクトではなくバンドだ)
らしいエンディング。
以上、あっという間の30分強である。
総括すると、
ジョージの「Cloud Nine」から発展しただけあり、
全面的にジェフ・リンのサウンドプロダクションが目立つ。
目立つのだが、
そこにそれぞれ十分すぎるキャリアを積んだベテランたちが絡んでいる為、
各自の色がハッキリと出ており、
リンの色が抑えられて聴こえる。
(個人的にリンのサウンドプロダクトって
一発で「リンだ!」と分かりすぎるのでちょっと過剰に思うのだが、
この盤ではいいバランスで整っており、前述の「Cloud Nine」辺りと聴き比べても面白い。)
...とまあ、間違いなく、名盤である。
名盤であるのだが、その評価は続くウィルベリーズの2ndで覆されることになる。
...長くなるので、また次回!
「Traveling Wilburys Vol.3」
へ続く。
次回も存分にハウル!
ハウリンメガネでした!。
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