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トランプ氏は13日、国務長官に石油大手エクソンモービルのレックス・ティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)を指名すると正式に発表した。
ティラーソン氏は、エクソンにエンジニアとして入社し、約40年間同社に勤め、生え抜きでCEOまで上りつめた実力者。トランプ氏は同氏について、「アメリカンドリームの体現者。
懸命な努力と献身、賢明な取引でエクソンのCEOに上りつめた」と称賛。また、「彼の不屈の精神、地政学への幅広い経験と深い理解は国務長官にふさわしい。地域の安定を促進し米国の核となる安全保障面での国益追求に取り組むだろう」と評価している。
ティラーソン氏はトランプ氏と同様に、公職経験はないが、外国企業との取引を長年行い、豊富な外交経験を持つ。特にロシアのプーチン大統領との親交は20年近くに及び、2013年にはロシア政府から「友好勲章」を授与されている。
過去にロシアへの経済制裁に反対する立場を取ったこともあり、同氏の登用に否定的な議員も多いが、米露関係を重視するトランプ氏の意向に沿う人選だといえる。
◎国防は「狂犬」の異名を持つ軍人を指名
とはいえ、外交の公職経験がない人物が国務長官に起用されるのは異例のことだ。
さらにトランプ氏は、安全保障面での最重要課題に挙げる「テロとの戦い」を、次期国防長官に指名したジェームズ・マティス氏に主導させる見込みだ。
マティス氏は、軍歴44年の元海兵隊大将で、筋金入りの軍人だ。国防長官に職業軍人の経験者が選ばれたのは1950年にジョージ・マーシャル元陸軍元帥が任命されて以来65年ぶりのことだ。
トランプ氏は、マティス氏の指名を発表した今月6日、「マティス氏のリーダーシップの下で米軍や同盟を立て直し、テロリストを粉砕する」と宣言した。
マティス氏は、アフガニスタン、イラク両戦争で、現地での戦闘指揮経験が豊富で、イラクの激戦地ファルージャでも指揮を執ったことなどから、「狂犬」の異名を持つ。独身を貫き、子供もいないことから「戦う修道士」とも呼ばれている。
戦争史や軍隊に関する蔵書は7000冊以上と、知的な戦略家の顔を併せ持つ。特に、中東での戦闘に米国が「介入」する上で、イスラム文化やアラブの風習を学ぶ必要があると決意して猛勉強したという。
これまでの経歴からして「中東通」であることは分かるが、南シナ海での中国の海洋進出や、北朝鮮の核・ミサイル開発への対応、日本との同盟強化を含めた外交、安全保障を巡る手腕は未知数だ。
ただ、昨年の講演で、中国について「われわれの同盟国である日本と韓国の摩擦点をうまく見つけ、それらを誇張する」と警戒感をあらわにした一面もある。アメリカの正義と反する行動をとる国には毅然と対処することが期待できる。
◎実力者たちによる政権運営に期待
トランプ氏は、政権の要となる国務長官と国防長官の選定の際、ビジネス経営と同じように、自分で面会し、人物を見抜いて、最後は自分で結論を出した。
「プロ政治家」が重宝される日本では、成功した経営者が政治家として活躍するイメージは薄い。しかしトランプ政権は、安全保障分野では「元軍人」、経済閣僚では「CEO」などの企業経営者が目立つ布陣となっており、より実力主義であることが分かる。
過激派組織「イスラム国(IS)」や北朝鮮の問題で現状打破を狙うトランプ政権。来年以降、これら大物閣僚たちをどのように活用していくのか、目が離せない。(小林真由美)
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幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著
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