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今年は、日本とロシアが国交を正常化した1956年の日ソ共同宣言から60周年の節目にあたる。
ロシアのプーチン大統領は12月半ば、安倍晋三首相の地元、山口県を訪れ、安倍首相と16回目の首脳会談を行った。安倍首相はこれまでプーチン氏と会談を重ね、北方領土の返還を模索してきたが、領土問題や平和条約の締結について、ロシア側から良い回答を引き出すことはできなかった。
◎「日露にとって最も重要な問題は、極東近隣国の軍事拡大」
日露関係に注目が集まる中、宗教法人・幸福の科学の武川一広・国際広報局長と幸福実現党の副党首(兼)広報本部長の神武桜子氏は22日、ロシアのモスクワ国際関係大学で開催された「日露国交回復60周年フォーラム」でスピーチを行った。
武川氏はまず、数日前にロシアの駐トルコ大使が射殺された事件について、哀悼の意を表した。そして、日本が欧米と同調してロシアに対して経済制裁を行っていることについて、これを解除し、日露の信頼関係を築くべきだと述べた。また、プーチン大統領のリーダーシップとロシア正教会の活躍によって、ロシアを「宗教国家」と認識していると話した。
続いて神武氏は、幸福実現党の紹介をした上で、「立党した2009年からずっと、『日露関係を大切にすべきだ』と主張してきた」と述べた。
実際に同党は2014年、ロシアによるクリミア併合で、ロシアと欧米が反目しあった時、「日本は欧米の対露制裁に同調すべきではない」と訴えていた。神武氏はまた、2016年5月に伊勢志摩サミットが日本で開かれた時も、幸福実現党は「ロシアに声をかけるべきだ」「G8への復帰のきっかけとすべきだ」と主張していたことを話した。
神武氏は、「日本とロシアにとって最も重要な問題は、極東近隣国の軍事拡大です」「幸福実現党は、日本とロシアが早く平和条約を結ぶべきだと考えています」と述べ、対露制裁を中止し、安全保障・経済両面での関係強化と平和条約締結を実現することで、日露の新しい未来を切り拓く必要があるという考えを示した。
◎会場にいたロシア人からは喜びの声
さらに神武氏は、「幸福実現党はシベリア鉄道を日本の北海道にまで伸ばし、物流革命を起こすことで、日露を豊かな経済圏にしたいと考えています」と、今後の日露経済協力の具体的なプランを述べた。最後に、「幸福実現党は若い政党ですが、日本で今のロシアに最も理解がある政党だと自負しています。それは、日露関係の重要性が高まっているこの時期にモスクワに訪問できたことにも表れています」と締めくくった。
現地の武川氏によると、神武氏のスピーチを受けて、会場にいたロシア人からは喜びの声が寄せられたという。また、スピーチ後にはモスクワ大学で日露の歴史を教えているある教授が「あなたの政党の考え方を、もっと本を読んで研究したい」と神武氏に声をかけたという。
◎世界の平和と繁栄を守る哲学のある外交を
日本は、軍事拡張する中国の進出を前に、ロシアとの協力関係を築く必要がある。日本が欧米陣営によるロシアへの制裁に加わり続けていれば、ロシアとの平和条約締結は遠のいてしまう。日本の外交には、世界の平和と繁栄を守るための哲学が必要だ。
【関連書籍】
幸福の科学出版 『繁栄への決断 「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785
幸福の科学出版 『プーチン 日本の政治を叱る』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1678
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