http://the-liberty.com/article.php?item_id=12536 幸福の科学出版
《本記事のポイント》
・トランプ大統領とマスメディアとの戦いは「全面戦争」へ
・"ツイッター大統領"の誕生で、地に落ちる既存メディアの優位性
・日本の政治家とマスコミとの関係も見直されるべき
ドナルド・トランプ米大統領と、米メディアの対立が「全面戦争」の様相を呈しています。
戦いの発端は、昨年の大統領選です。
従来の大統領選挙では、候補者が莫大な選挙資金を惜しみなくメディアにつぎ込み、自らの宣伝をするのが一般的でした。しかし今回は、主要メディアがトランプ氏を叩けば叩くほど、逆にトランプ氏の支持率が高まることになり、まさに「メディアの敗北」を世界に示す結果となりました。
◎「不正直なメディア」が口癖のトランプ
トランプ氏は、大統領選挙後もメディアへの攻撃を続けます。
トランプ氏は29日にツイッターで、アメリカでも左派的だと言われるニューヨーク・タイムズ紙について、「偽ニュースで経営不振」と表現し、「誰か適性と確信を持つ人が買収し、正しく経営するか、尊厳をもってたたませる(廃刊させる)べきだ」と発信しました(30日付朝日新聞)。
当選後に初めて開いた11日の記者会見でも、CNNなどを名指しして「フェイクニュース(偽記事)だ」とつるし上げています。
また、20日の就任式から一夜明けた21日(日本時間22日)、首都ワシントン近郊で演説した際にも、米メディアについて「地球上で最も不正直な輩(やから)」と激しく非難。約15分間の演説の3分の1をメディア批判に費やしたことからも、メディアに対する敵意が伝わります。
◎落ちつつある既存メディアの優位性
さらにトランプ氏は意図的に報道陣と接点を持たないため、アメリカの主要メディアは、ホワイトハウスの動向についてトランプ氏のツイッターの発言を引用する形で報じることしかできなくなっています。
トランプ氏は21日放送のFOXニュースのインタビューで、ツイッターについて、「本当は好きではないが、ウソばかり報道するメディアへの唯一の対抗手段だ」と語り、今後もツイッターでの個人的な発信を続ける意向を示しています。
情報を受け取る側の大衆としては、偏向していることが明らかなメディアを見るより、トランプ氏のツイッターをフォローした方が、リアルタイムで生の情報が得られる時代になりました。
このように、大統領選の結果、トランプ氏の批判、ツイッターによる情報発信により、新聞やテレビなどの「オールド・メディアが正しい」という幻想が、アメリカ国内で崩れ去っていきます。
◎「口」という新時代の武器
大川隆法・幸福の科学総裁は著書『トランプ新大統領で世界はこう動く』において、トランプ氏の勝因についてこう語っています。
「彼自身は新時代の新しい武器を持っています。すなわち、『口』という武器であり、過激かつ創造性を持った言葉です。極端に聞こえたり、セクハラや人種的嫌がらせなどを言う癖があると言われたりすることもありますが、実は紳士的な人だと思います」
自身が"ツイッター大統領"というニューメディアであり、既存メディアの表も裏も知り尽くしているトランプ氏が、どのようにマスコミ改革をしていくのか、注目です。
◎日本の政治家とマスコミとの関係も見直されるべき
トランプ氏登場により、日本のマスコミの権威も下がっていかざるを得ないでしょう。
特にアメリカの情報に関して言えば、日本の新聞やテレビは、基本的に米メディアであるCNNなどから情報を得ています。その情報源であるメディアの信用が、トランプ氏の攻撃により崩れていくなら、日本メディアの国外ニュースも同時に信用を失っていくことになるでしょう。
また、メディアのご機嫌取りは絶対にしないトランプ氏の姿を見ている日本人の中から、マスコミの顔色をうかがってばかりいる日本の政治家に対しても、疑問の声が出てくるでしょう。
例えば2016年の参院選前、安倍晋三首相はマスコミ関係者と頻繁に会食を重ねました。第2次安倍政権が発足した2012年12月から数えると、その会食回数は少なくとも84回。民主党政権の3年3カ月で、首相3人の会食数が合計11件だったことを考えると、その数は突出しています。これでは、安倍首相がマスコミから批判されないよう、懐柔しようとしていると捉えられてもおかしくはありません。
日本は、良くも悪くも、アメリカの政治から影響を受けやすい国といえます。トランプ氏がマスコミの批判を跳ね返して当選し、就任後も「不正直なマスコミ」と戦い続けている姿を見ると、日本の政治とマスコミのあり方も見直されるべき時が来ているのかもしれません。(小林真由美)
【関連記事】
2017年1月12日付本欄トランプが当選後初会見「最大の雇用創出者となる」 政策を貫くのは「愛国心」
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12450
2016年10月21日付本欄 アメリカの言論の自由が危ない? トランプが米主流メディアの偏向報道を批判する理由
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12077
2016年8月号 安倍内閣はマスコミとの「お友達内閣」 - 〈特別版〉参院選のミカタ 2
http://the-liberty.com/article.php?item_id=11532