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2016年、特に後半の国際的なニュースで話題になったのは、アメリカの大統領選でした。
2017年1月20日に、ドナルド・トランプ氏が新しく大統領に就任しますが、世界中がその動向に注目しています。
今回は、トランプ新政権誕生後に本格化する「トランプ革命」を、もっとも警戒している中国にとって2017年はどのような年になるか、二回に分けて見ていきます。
◎中国から40兆円(日本の医療費一年分)が吹き飛ぶ!?
まず、内憂外患(ないゆうがいかん)の「外患」から。
トランプ氏は大統領選の選挙期間中から、中国政府が輸出入で儲けるために為替をコントロールして人民元を安くしていると批判。「中国を為替操作国に認定する」「中国製品に45%の関税をかける」と宣言しています。
あるシンクタンクは、中国が45%の関税をかけられれば、アメリカへの輸出額の87%にあたる4200億ドル(約43兆円)を失うと予想しています。これは、中国の国内総生産(GDP)が、年率2.6%減ることを意味します。2〜3年で考えると、GDPの損失が4.8%に達する可能性があるといいます。
日本の国民が医療機関で治療を受ける際にかかる医療費は41.5兆円なので、一年間で、それだけのお金を失えば、中国経済は大きなダメージを受けます。
◎台湾が「国」として認められる!?
また、トランプ氏は12月上旬、台湾総統の蔡英文氏と電話会談を行いました。米台首脳の会談は、アメリカが中国と国交を結び、台湾と断交した1979年以来初めての大きな出来事です。
会談でトランプ氏は、蔡氏のことを「プレジデント」と呼び、「一国の指導者」という扱いをしました。中国はすぐにトランプ氏に抗議。「台湾は中国の一部」と主張する中国にとって、この会談は極めて許しがたいことでした。
でもトランプ氏は、中国の抗議を気にしません。米メディアの取材に、「私が台湾総統からの電話に出るか、出ないかを決めるのは、中国政府ではない」と強気です。
1970年代に、当時のニクソン米大統領が、対立していた中国を訪問して世界を驚かせました。約40年の時を超えて、もしトランプ氏がその逆の「台湾電撃訪問」を行ったら、再び世界は驚くでしょう。なんだか、期待してしまいます。
台湾問題は、中国にとって"内憂"かもしれませんが、これも外患の一つです。(山下格史)
(後編に続く)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『繁栄への決断 〜「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著
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