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永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(寝殿造・妻戸)

2009年02月06日 | Weblog
 寝殿造・妻 戸(つまど)と遣 戸(やりど)

 妻戸(つまど)は両開きの板扉であり、遣戸(やりど)は敷居(しきい)と鴨居(かもい)の溝にはめられた引戸、という構造上の違いがある。

 寝殿(しんでん)では、固定して設置された建具といえば、 塗籠(ぬりごめ)のように密閉された部屋は別として、母屋(もや)と北廂などを仕切る襖(ふすま) 、廂(ひさし)と簀子(すのこ)の間にあって室内と室外を仕切る格子(こうし)ということになるが、 室内の出入りのために東西両側妻の南北には両開きの扉が設けられた。

 これが妻戸で、もともとは妻側に設置されたことによる名称であるが、後にはほかの場所にも設けられた。
  対屋(たいのや)から 渡殿(わたどの)や透渡殿(すきわたどの)を通って寝殿(しんでん)(正殿)に行く場合、 ちょうど正面に当たり、寝殿への便利のために この位置に設けられたのである。

 この「野分」では、 源氏の長男の夕霧が、渡殿を通って紫の上のいる春の御殿(おとど)の寝殿に行く際、折からの野分(のわき)(台風)の風で開いた妻戸の隙間から、彼女の美しい姿を垣間見(かいまみる)、という情景が描かれている。

 いっぽう、遣戸(やりど)はこの時代にはまだあまり使用されず、平安後期になって用いられた。細い 横桟を密に取り付けた舞良戸(まいらど)が一般的で、内側には障壁画を貼り付けたりした。

◆写真と参考:妻戸   風俗博物館

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