中国の洪水神話もよく知られているが、昔話の十人兄弟も興味深い。人民を万里の長城建設で酷使し苦しめた秦の時代。始皇帝によって、刑として六男が海に放り込まれる。大男の九男が兄を救い、30キロほどもある大魚もとらえる。そして九男はひとりで大魚を食べてしまう。空腹だった末弟は食べられず悔し泣きをする。すると涙が大雨、そして大水になり、あっという間に万里の長城を押し流してしまった。始皇帝も大水のために海まで流され、スッポンの餌食になってしまった。そういう愉快な古い昔話が残っている。霊魚を食したばかりに大水害が起こる。
四千年以上も昔、中国はじめての王朝の始祖は㝢(う)とされる。古い書や金文では、㝢は洪水を治め、黄河流域に夏王朝をはじめたと記されている。白川静は「画文として多くみえる人魚のモチーフは、洪水神禹の最初の姿であろうと思われる。禹はもと魚形の神であった」。『山海経』に、禹は「その人たるや、人面にして魚身、足なし」とある。
中国でも長江(揚子江)寄り、漢水流域や南方一帯などには「伏羲と女媧」(ふっき・じょか)の洪水神話がある。洪水神は竜形の神とされ、両神は人頭蛇体、蛇の絡み合った「交竜」図として有名だ。また伏羲は「葫芦」(ころ)、すなわち「ひさご」ヒョウタンでもあり、大洪水を逃れた女媧はこのヒョウタンの中で生き延びた。「伏羲の原型はこの<ひさご>であり、それは箱舟型の洪水神話であったとみられる」と白川静は『中国の神話』に記している。
<2014年12月27日 南浦邦仁>
ただ、この世界は初対面の人に、のっけから契約書云々と言いだせない雰囲気があります。特に共著などの場合、自分は何年も前に入稿しているのに、「誰某の原稿が遅れているので、まだ出版できない・・」とズルズルと引き延ばされます。
既刊の拙書の中にも「品切れ」が目立つようになってきました。電子化した本は生き残っているようですが、紙の本は本当に売れていないようです。キンドルやアマゾンで事足りるなら、書店はいりません。
大型書店の最上階から順に、1階フロアまで目的もなく「書物探検」をするのが趣味でしたが、最近はこれもご無沙汰ですw
本年は何かとありがとうございました。いいお年を !
以前、芥川賞作家の柳美里さんが、「創」という雑誌で長年原稿料が不払いだったことを、ブログで明らかにしましたが、似たようなことは私にもあります。
痺れを切らして催促すると、半年遅れの講演料が振り込まれたり、何回か分のエッセイの稿料が飛んでいたこともあります。
とくに編集プロダクションが一枚噛んでいると、何かとややこしいことが多いw 編プロは自転車操業でドンブリ勘定のところもあり、最初からわかっていればいいのですが、まずはそこそこ名の知れた雑誌の名前で話を切り出す。
こうなると素人にはわからない。名刺にも件の「雑誌」の名前が書いてある。発行元に掛け合っても「その件はX社に一任してますので・・」と逃げる。ラチがあかない。
この世界のプロとして、何かいい方策がありませんか?