公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

グランドチャンピオン決定戦回顧

2006-06-26 10:20:29 | 大レース回顧集

第16回グランドチャンピオン決定戦は25日、浜名湖競艇場で優勝戦を迎えた。

5・烏野賢太が動きをかけてきたが4コースまで。

進入は人気を背負った1・坪井康晴、2・辻栄蔵、3・森竜也、烏野がスローで、4・山崎智也、6・向所浩二がアウトの4対2。

スリットはほぼ横一線の状態に見えたがわずかに坪井が先に出ていた。1マークで、絞りに入っていた山崎が捲り差しに出るもターンで無念の失速。これで坪井がそのまま押し切り、焦点は2着争い。

一時は完全にコースを失った辻、遅れ差しを試みた向所、外から艇を伸ばしてきた森の3者の争いかに思われたが、1周2マークで山崎がインを差してこれに加わり、2周1マークで山崎が先マイして決着をつけた。

坪井はそのまま押し切ってSG初優出初優勝を果たす。2着山崎、3着辻だった。

丁度3年前の津の周年。私も優勝戦を観戦したが、当時まだ漸く記念戦線へと歩みだそうかという頃だった坪井が快進撃を見せ、優勝戦でも1号艇。俄然優勝のチャンスがめぐってきた。

しかしこのレースでは坪井は1コースどころか結局は5コースに回らされるという「失態」とも思えるような進入。一瞬場内もどよめきがあったが、レースのほうは1コースを奪いきった松井繁にこそ敗れたが、道中うまい捌きを見せて2着をキープ。このレースぶりを見て、坪井の将来性を高く感じた。

03年に最多勝利選手、昨年は津の東海地区選手権でG1初優勝を果たし、G1のメンバーと遜色がなかったびわこのG2・秩父宮妃記念杯も優勝。順調に力をつけている印象を受けた。

今回は3日目に予選トップを奪い、最終的に予選第一位で通過。地元勢が準優勝戦までで敗れ去る中、準優勝戦でも1コースからイン逃げで押し切り、 優勝戦も同じくイン逃げで制覇した。

一方で2年前の全日本選手権では、イン逃げを試みる烏野の進路を1マーク前に遮って烏野の艇をターンマークに当てさせてしまったり、今回の優勝戦においても、ともすればターン時に辻が行き場を失ってレースにならなかったような側面も伺えるなど、荒っぽいレース運びがあるのが気がかりだ。

こうしたことさえなくせば、静岡82期三羽烏の一角として今後もSG戦線で活躍が望めるところ。今後にも大いに期待したい。

山崎は絞って出て捲り差しに構えた際はSG連覇も十分ありえたような走りであったが、坪井が辻の艇に接触して外に流れたことが災い。波を被る形となってターン時に失速した。

それでもそのあとの巻き返しは見事。レース振りは悪くないし、この調子でいけばSGをもう一本取れる勢いにある。

辻も1マークでは全くレースにならないような形だったが、2着争いに一時加わり、3着争いにおいても向所を競り落とした。格上の捌きをみせつけたといえよう。


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宝塚記念回顧

2006-06-26 08:05:00 | 大レース回顧集

阪神競馬場の馬場拡張工事のため、今年は11年ぶりに京都競馬場で行われることになった宝塚記念

8・ディープインパクトの単勝オッズは1.1倍。2番人気の1・リンカーンのオッズが12.9倍であるから、絶対に負けられない一戦となった。

ディープインパクトはすんなりゲートを出た。

外から思い切って出た13・バランスオブゲームが逃げ、10・シルクフェイマスが続き、4・ダイワメジャーも続いていく。

リンカーンは内々を通って5・ハットトリック、6・コスモバルクとほぼ並んでの4番手争い。

7・ナリタセンチュリーがほぼ中団。9・カンパニーがそれに続き、ディープインパクトは後方から2頭目。

2角でコスモバルクが掛かり気味となるがほとんど馬順は変わらず。ディープは掛かる気配もなく、じっくりと乗られている感じ。そして。

坂の下りにかかろうとしたときにゴーサインが出て一気にスパート。その前では、ナリタセンチュリーが追い出しにかかり、逆にリンカーン、コスモバルクは3~4角でほとんど手一杯の状態。ディープはコスモバルクを4角手前で交わして逃げるバランスを追う。

直線に入り、バランスが引き離しにかかるも、やっぱりディープの性能は桁違い。直線半ばで先頭に立つとあとは引き離す一方。2着に4馬身の差をつけて五冠馬に。2着にはナリタセンチュリーがG前、バランスを交わして入った。コスモバルクは8着、リンカーンは9着と敗退。

スタートの出も良かったし、道中全く掛かるところもなかった。仕掛けどころも完璧で、「五冠」の勝利の中ではもっとも内容も良かったディープインパクト。雨が降りしきり、馬場も柔化している状態で「飛ばれてしまう」と、他馬は到底勝負さえさせてもらえない

調教過程からすっかり気性面における成長が伺えたディープインパクトだが、レース面においても、3歳時のような気難しさは完全に消えうせていた。

この馬は4歳ではあるが、実際の気性面を考えると、他の4歳馬よりも1年ばかり遅れている様相が見受けられ、これまではほとんど性能だけで勝っている面が強かった。

しかし、この宝塚記念ではもっとも馬が充実している様相が伺えた。つまり、性能だけではなく、馬体も充実させ、心技体が整ってきたということ。

この3つが揃うとなると、そう簡単にこの馬を倒せる馬などいまい。そもそも、性能が桁外れに他とは違うわけだから、馬の成長が見られるとなると、この先、どこまでも強くなる。

というわけでこの宝塚記念のあとはいよいよ「凱旋門賞」ということになるが、今回のような抑えていける競馬に加え、柔化した馬場状態においても完璧なレース運びができるようだと恐らく欧州の競馬関係者もディープインパクトを最脅威と考えるはず。

そして今後のローテーションであるが、凱旋門賞直行なのか、はたまたその前に一回使うのかはまだこれからの話となるが、できればぶっつけよりも、一回凱旋門賞の前に叩いておいたほうがいいかもしれない。というのは、この馬は今、レースをすればするほど競馬を覚えていっているから。

いきなり凱旋門賞を使うとなると、競馬を完全に覚えきる前にレースを迎えることとなり、思わぬ事柄に遭遇しかねない。過去の日本調教馬はこうしたことで失敗するケースが目立った。

シンザンは大レース直前に平場のオープンを必ず走った。これには本番で思わぬ失敗をしないよう、悪いところは平場のオープンで出し尽くすという故・武田文吾調教師の思惑があったからだ。

丁度凱旋門賞前には、ロンシャンでフォア賞というG2のレースがある。G2とはいっても有力どころは愛チャンピオンステークスやニエユ賞に出走する面々もおり、メンバーがグッと落ちるというのが例年のこのレースの傾向。

慎重にレース選びを行うディープインパクト陣営だから、エルコンドルパサーも勝ったことがあるフォア賞を経て凱旋門賞へ進むという青写真も描いているはず。このローテーションならば、凱旋門賞には最高潮でレースに挑めるのではないか。

ナリタセンチュリーは一昨年の京都大賞典、昨年の京都記念を制覇したときは将来のG1制覇も十分可能と目された馬。今回はリンカーンやコスモバルクが一杯になった3~4角で逆に気合をつけて競馬を進められたことを考えると、この馬が持っている潜在能力を十分発揮できたものと思われる。また、馬場が悪くなったこともこの馬には幸いしたか。

バランスオブゲームはG2は滅法強いのに、G1はからっきしダメという馬であったが、今回のように自らのペースで駆けられると最後まで粘りきる力がある。すっかり古豪の印象が強いが、衰えを感じさせないレース振りだった。

リンカーンは馬場に問題があったのか、全く見せ場なし。コスモバルクはいい意味での気合の入りがなく、疲れがあったのではないかと思われる。

コメント (4)
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ディープは圧勝、ハリケーンはまさかの敗北

2006-06-26 01:43:53 | 競馬

宝塚記念の回顧はのちほど行うとして、昨日、雨が降りしきる京都競馬場へと行ってきたのだが、他の有力どころが水を含む馬場に脚をとられている様相が伺えたにもかかわらず、ディープインパクトには全く問題なし。

3角でコスモバルクを交わすと、あとは直線半ばで一気につき抜け、菊花賞や天皇賞以上の強い競馬を見せ付けた。

軟らかい馬場はディープにとって一抹の不安もあると一部では囁かれていたが、そんな馬場状態でも、「飛んでいた」ことを考えると、ロンシャンのタフな馬場も十分こなせるのではないか、というような気もする。

一方、昨年の凱旋門賞馬・ハリケーンランは、キングジョージへの前哨戦ともいうべきサンクルー大賞に出走。

このレースに登録をしていた、コロネーションカップを制したシロッコとの「頂上対決」が期待されるも、シロッコが回避。そして、他の相手を考えると負けようがないと思われ、単勝オッズはなんと2対9という、ブックメーカー「お手上げ」の倍率しかつけようがなかったが、まさかの敗北。プライドにゴール前交わされ、2着に敗れた。

プライドに乗っていたクリストフ・ルメールであるが、サンクルー大賞では、必ずハリケーンランを倒せると考え、ハリケーンを徹底してマークして最後差しきった。ただルメールはキングジョージではハーツクライに騎乗するはずだが。

そのハーツクライだが、一気に株を上げてきそう。ただ「本番」はまだ、ハリケーンラン優勢に変わりはないようだ。

ハリケーンランに騎乗していたファロンによると、前走のタタソールズゴールドカップのときの動きとは全く違う、別の馬のようだったと後述。

http://www.sportinglife.com/racing/news/story_get.cgi?STORY_NAME=racing/06/06/25/manual_153719.html

当然、ディープとは秋にならないと対戦しないが、ハリケーン絶対優勢とは一概に言えなくなってきたかも。

もっとも、凱旋門賞ともなれば、3歳馬の動向が気になるところ。

英ダービー馬のサーパーシーは秋に備えるということで、2日行われるアイリッシュダービーには出走しない意向。

その他の登録馬は近日中に発表されるが、ま、3歳馬の本当の勝負は凱旋門賞一本ということになるんだろう。

ま、欧州でもディープインパクトやハーツクライの評価はソコソコ高いようで、とりわけハーツクライはキングジョージではハリケーン、シロッコに続く評価が与えられているようだ。

サッカーの日本代表は不本意な結果に終わってしまったが、競馬はそうはさせない?本場、欧州勢の息の根を止める体勢は整っているようだ?


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