映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

CLOSE クロース

2024年02月14日 | 映画(か行)

心とは裏腹な態度で

* * * * * * * * * * * *

BLもの・・・?と思ってみていくと、
思いのほか切なく悲しい、涙・涙の物語・・・。

13歳のレオとレミは幼馴染みで、学校でも放課後も一緒に時間を過ごす大親友。
ある時、2人の親密すぎる間柄をクラスメイトにからかわれてしまいます。
そのことが非常に気になってしまい、
レオはレミに素っ気ない態度を取るようになります。
そして急にアイスホッケーのチームに入ったり、
別の友人たちと過ごすことも増えてきます。
急におきざりにされたような気になってしまうレミ。

気まずい雰囲気の中、2人は些細なことで大げんかとなってしまい・・・。

幼い頃から昼も夜も共に過ごす、レオとレミはほとんど一心同体なんですね。
ところがクラスメイトに2人は付き合っているの?と聞かれたことで、
レオは激しく動揺してしまうのです。
その場では強く否定。
でも実は自分の本当の気持ちを言い当てられたような気がしたのかも知れません。
けれどもそんな気持ちを、周囲の人々はもちろんですが、レミにも知られたくはない。
だからとにかくレミから遠ざかって、
そんな気持ちをなかったことにしてしまいたかったのでしょう。

でも、彼の過ちは肝心のレミの気持ちを考えていなかったこと。
レミは音楽を愛する繊細な子で、
レオといつも共にいたいという気持ちを別に悪いことだとも思っていなかった。

それだから、急に何も言わずに自分から遠ざかっていくレオのことがわからない。
ただ嫌われた、放り出された、と感じてしまっているのです。

だから、悲劇は起きます。

なんて悲しい気持ちの行き違い。
自分のねじれた態度が原因で起こった悲劇のことを、
レオは誰にも打ち明けられずにいて、
1人心の底で思い悩み続けるのです・・・。

レオの家は、花き農家で、広く美しい花畑の中を駆け回る2人や、
農作業を手伝うレオの姿も映し出されます。

その美しさと対比するように、暗く沈んでいくレオの心・・・。

 

美しく悲しい物語でした。

 

<Amazon prime videoにて>

「CLOSE/クロース」

2022年/ベルギー・フランス・オランダ/104分

監督:ルーカス・ドン

出演:エデン・ダンブリン、グスタフ・ドゥ・ワエル、エミリー・ドゥケンヌ、レア・ドリュッケール

 

少年の孤独度★★★★★

美景度★★★★☆

満足度★★★★☆



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