今まで保ってきたものが失われるとき
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オーストリア皇后エリザベートの、
1878年、40歳の一年に焦点を当てて描く物語です。
ヨーロッパ宮廷一の美貌と称されたエリザベートですが、
40歳ともなればさすがに衰えを隠せません。
けれど彼女は世間のイメージを維持するために奮闘。
コルセットでウエストを締め上げ、
オレンジスライスのみの食事でダイエットをし、
腰までの長い髪を誇ります。
しかし、そのような努力にも次第にむなしさを覚え始める・・・。
皇帝である夫の関心も薄れ(というより、彼は妻の存在の圧力にめげているようでもある)、
政治に口を出せば咎められ、
男性と気軽に口を聞くだけでも後ろ指を指される。
そして特にするべきこともない・・・。
これまでは若さや美しさのみの基準で存在価値を計られていた・・・。
それが失われつつある今、自分はどう在るべきなのか。
いろいろと考えてしまう40歳なのですね・・・。
実在のエリザベートは身長172㎝、ウエスト51㎝、体重は平均して43~47キロだったとか。
モデル並みの体型、Wikipediaでみたら確かに美人!
そうしてもてはやされ続けたが故の、40歳の悩みなのだろうなあ・・・。
私のような凡人であれば、少なくともそちら方面の悩みはなくて済んだ・・・。
スタイルが良くて美人、何もしなくていいリッチな生活、名誉。
誰もが憧れ、うらやむような人にでも、悩みのタネは尽きない。
そういうものなんだなあ・・・。
<Amazon prime videoにて>
「エリザベート1878」
2022年/オーストリア・ルクセンブルグ・ドイツ・フランス/114分
監督・脚本:マリー・クロイツァー
出演:ビッキー・クリープス、フロリアン・タイヒト・マイスター、カタリーナ・ローレンツ、
ジャンヌ・ウェルナー、フィネガン・オールドフィード
歴史発掘度★★★☆☆
女の幸福度★★★☆☆
満足度★★★☆☆