ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

読書ノート 近藤誠 著作集

2013年12月12日 | 書評
 医療ムラの利益か患者の生活の質QOL重視か 第30回
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5) 近藤誠著「医者に殺されない47の心得」 医療と薬を遠ざけて、元気に長生きする方法(アスコム 2012年12月)(9)
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心得26 「よくある医療被害 ケーススタディ」
①胆管とすい臓の検査(ERCP)を受けて急性膵炎になった、
②乳がんだといわれて乳房全摘手術を受けた。術後再検査でクラス2、繊維腫といわれ裁判になっている。乳房を返せ! 
③急性喉頭炎で鎮静剤坐薬を挿入されて、意識を失い植物状態に、裁判となっている。 
④手術後MRSAに感染し、関節リュウマチが悪化下半身不随になった。

心得27 「体重、コレステロールを減らさない健康法」
食事療法に熱中するがん患者がいますが、これには全く根拠がないばかりか、体力が落ちて死期を早めます。激ヤセするとコレステロールが減り、脳出血、感染症、鬱症の原因となります。脂質であるコレステロールが減ると、正常細胞膜がもろくなり、がん細胞の増殖を招くことにもなります。2012年米国のNIAは23年間の研究からダイエットしてもしなくとも寿命には関係しないという結論を出しました。菜食主義ではなく、肉・魚でも何でも食べて小太りのほうが長生きするようです。

心得28 「100歳への体力つくりは毎日卵と牛乳から」
この心得28から33までは栄養学・食品学なので近藤医師の言っていることは果たして正しいのかどうか自信はない。そこで簡単に通り過ぎよう。サプリで栄養補給するより食品から栄養を取るちうのは常識です。卵と牛乳は栄養価が高いことは疑いがありませんが、それだけでいいかどうかは分かりません。名古屋のきんさん・ぎんさんのお子様方が90歳以上でもお肉が大好きというのは有名です。70歳過ぎて脂っこいものを食べると、コレステロールが増え元気になり寿命が延びるという仮説は近藤医師の自説です。

心得29 「ビールは一日1リッターなら百薬の長」
タバコは確かに止めた方がいいが、お酒は量がほどほどなら百薬の長だという。米国癌学会が「虚血性心疾患の危険度は、酒を飲まない人より酒を飲む人のほうが低い」と発表しています。お酒はストレスを散じ、血行を良くします。ほどほどが一番です。

(つづく)